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ドキ★ワク先端科学

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〜読売新聞寄稿連載「ドキ★ワク先端科学」から〜

第3回:情報科学研究科 松本裕冶教授 [2014年5月9日]

「話の分かるコンピューター」

[画像:松本裕冶教授]
  • 夏目漱石の「こころ」の文章の係り受けをコンピューターが自動解析したもの。矢印が係っていることを表している

私たちは、言葉を使って考えを伝え合ったり、知識を学んだりします。同じようにコンピューターが人間の言葉を理解するようになれば、会話で操作可能なコンピューターがつくれます。それだけでなく、コンピューター自身が本やニュースを読んで知識を蓄え、私たちの質問に答えてくれる。まさに、SFのような世界が実現できるかもしれません。

実は、それに近い能力がすでに達成されています。米国では、IBMの研究所が開発した「ワトソン」というコンピュータープログラムが2011年にクイズ番組の歴代チャンピオン2人に勝利しました。このプログラムは、百科事典やニュースなどの2億ページ分の文章から知識を抽出していて、「合衆国が国交を持たない国のうち最も北にあるのは?」といったクイズで9割以上の正答率を上げました。

文は、主語や目的語が動詞につながり、「誰がいつどこで何をしたか」という構造が基本です。さらに、主語や目的語に修飾語がついたり、文と文が様々な意味関係でつながったりと、複雑な構造になっています。コンピューターに文章を理解させるには、単語の意味とともに、こうした文の構造をわからせる必要があります。

私たちの研究室では、単語の意味や文の構造を正しく解析し、意味を明らかにする方法を研究しています。国語の時間に勉強する、文節同士が互いに係ったり受けたりしている「文節係り受け」を、文庫本なら5秒ほどで解析してしまうコンピュータープログラムを開発しました。新聞記事や小説などの文なら、9割以上の正しさで解析できます。

長い文章や、主語などが省略されることが多い会話文を解析する場合の精度をどう上げるかなど、難しい問題はまだまだありますが、コンピューターが言語を理解し、自ら学習するようになることを究極の目標として、研究を進めています。


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