入札契約適正化の徹底のための当面の方策について(平成15年度)

[画像:国土交通省]
入札契約適正化の徹底のための当面の方策について
(平成15年度)
ラインBack to Home

平成15年4月15日
<問い合わせ先>
大臣官房地方課公共工事契約指導室
(内線21951、21952)
技術調査課
(内線22303、22334)
総合政策局建設業課入札制度企画指導室
(内線24781、24723)
TEL 03-5253-8111(代表)

1 趣旨


公共工事の入札契約の適正化の徹底を図り、不正行為の防止を進めるとともに、公共工事の適正な品質を確保することにより発注者としての責任を果たすため、 昨年3月にとりまとめた「入札契約適正化徹底方策検討委員会報告」の実施状況を検証しつつ、平成15年度において、当面次の方策を講ずるものとする。

2 具体的措置

  1. 地方公共団体等における入札契約適正化の促進
    総務省との連携を図りつつ、立ち後れている市町村等の地方公共団体の入札契約適正化法に基づく入札契約の適正化に向けた取り組みを促進する。

    1 情報公表の促進のためのマニュアルの策定等

    • 市町村等における入札契約に係る情報公表の徹底を図るため、特に取り組みの遅れている「指名理由」や「契約変更理由」等の公表について「実施マニュアル」を策定し、その活用を図る。
    • 人口規模の大きい市を中心に対応の強化を図る。

    2 公共工事の品質確保のための施工体制の確保等

    • 地方公共団体等に対し、義務付け事項である受注者による施工体制台帳の提出の促進を求めるとともに、施工体制台帳を活用した施工体制のチェックを実効あるものとするため、 地方公共団体向けに「活用マニュアル」を策定する。
    • 監督・検査や技術力評価等を行う体制が十分でない地方公共団体について外部機関への委託等による補完を図るため、監督・検査や外部委託の実態について調査するとともに、 外部委託の活用の推進に向けた今後の環境整備方策等を検討する。

    3 重点項目に係る指導の強化

    • 適正化指針に定められた努力義務事項のうち、「入札監視委員会等の第三者機関の活用」、「入札参加者による工事費内訳書の提出」を「重点項目」として、 当面、特に都道府県・政令指定市を対象に、その具体化を促進することとし、「ブロック会議」の開催等を通じて改善の徹底を図る。
    • 地方公共団体における第三者機関等の実態を把握するとともに、運営に係る基本指針を策定して地方公共団体に示す。
    • 「重点項目」の実施の見込みが立たない都道府県・政令指定都市については、法に義務付けられた事項を実施しないものと併せて、個別の団体名を公表する。

  2. 国土交通省直轄工事等における入札契約の改善

    (1) 入札契約の競争性・透明性の向上等

    1 予定価格の事前公表

    • 入札契約に係る透明性の向上を図るため、所管特殊法人で実施している予定価格の事前公表について、メリット・デメリットの検証を行うため引き続き試行を行う。 試行は全体発注件数の2割を目途とする(平成14年度:1割)。
      併せて、競争性の確保、入札参加者の見積り努力の促進等の観点から、原則として総合評価方式の併用、入札参加者による工事費内訳書の提出の義務付け等の措置を講ずることを検討する。
    • 現在予定価格の事前公表を実施又は試行中の都道府県・政令指定都市の状況調査を行う。
    • 引き続き指名競争入札において入札辞退の自由の周知徹底を図る。

    2 指名業者名の事後公表

    • 事後公表の試行を継続することとし、詳細条件審査型一般競争入札の全てを事後公表の対象とする。

    3 詳細条件審査型一般競争入札

    • 競争性の向上を図るため、公募型指名競争入札(2億円以上)を対象に、入札参加者を一定の数に限定しない「詳細条件審査型一般競争入札」の試行を継続する。 試行は発注件数の3割を目途とする(平成14年度:1割)。

    4 混合入札の促進

    • 原則として特定建設工事共同企業体による競争を行っている技術的難易度の高い大規模工事等について「単体発注の原則」を踏まえ、全ての工事における有資格業者の単体参加の実現に向けて、 単体参加のできる対象工事の範囲の拡大を進める。

    5 電子入札の導入促進

    • 全ての直轄工事において電子入札システムを本格導入する。
    • 講習会の実施などを通じ、地方公共団体、国土交通省所管の特殊法人等に対して電子入札の普及を推進するとともに、地方公共団体等における電子入札の導入を支援するため、 システムの共同利用や所管事業の補助金の活用、平成15年より導入されたIT投資促進税制の活用等を図る。

    6 工事費内訳書の提出

    • 入札参加者の適正な見積もりを促すとともに、談合等の不正行為の排除にも資するよう、入札時の工事費内訳書提出の全面的な導入に向けて、公募型指名競争入札においては全ての工事において提出を求めるとともに、 工事希望型指名競争入札、通常指名競争入札においても試行を拡大するものとする(工事希望型:5割、通常指名:2割)
    • 併せて、指名競争入札において入札辞退の自由の周知徹底を図る。

    (2) 技術力による競争等の推進

    1 技術力による競争入札の拡充

    1) 総合評価方式等の推進

    • 民間の技術力を活用する入札方式を積極的に拡大することとし、総合評価方式、入札時VE方式、設計施工一括発注方式等の試行を進める。
      特に、総合評価方式については、全発注金額の2割以上を目途に試行の拡大を図るとともに、従来より小規模な工事で試行する。また、地方公共団体への普及を念頭に事例集の作成を行う。

    2) 工事成績を重視した競争入札等の導入

    • 公共工事の品質の確保、不良不適格業者の排除を図る観点から、工事成績の活用により、技術力に優れた企業による競争を推進する。
      このため、「詳細条件審査型一般競争入札」の一部において、過去に施工した工事成績評価状況を入札参加に反映させる入札を試行する(新たに拡大される2割相当部分を目途)。
    • 一般競争入札等の入札参加資格要件等において工事成績の悪かった工事については実績として認めない等の措置を導入するとともに、指名競争の技術審査基準における工事成績の評価ウエイトの引き上げを実施する。

    ) 技術提案を重視した入札の導入等

    • 民間の技術力の一層の吸収を図るため、VE提案を求める工事等を対象に、提案内容に関してヒアリング等による技術審査で入札参加者を選定する入札方式を試行する。
      また、特殊法人において、公共工事の品質の確保とコスト縮減を図るため、民間工事の発注で行われている入札後交渉方式を活用した契約手法の採用について、契約に係る手続きの公正性・透明性の確保のための方策も含めて検討する。

    2 入札参加者の技術力審査等の強化、徹底

    1) 工事成績データベースの整備、活用 等

    • 全国の直轄工事成績に関するデータベースを充実するとともに、今後の共通利用に向け、都道府県等との工事成績データの交換に着手する。
      併せて、地方公共団体の企業選定を支援するため、工事成績評定の普及を促進するとともに、要請に応じて工事成績データの提供を行う。
    • 工事実績の確認に関して、普及が遅れている市町村の利用促進を図るため、工事実績情報サービス(CORINS)の利用料金の大幅な引き下げを行う。

    2) 配置予定技術者の審査の強化

    • 一般競争入札において技術的難易度の高い工事については、資格審査段階で配置予定技術者から同種工事の経験に関してヒアリングを実施する。
      併せて、通常指名競争入札の一部工事において、指名後、入札前の段階における配置予定技術者の資格審査を試行する。

    3 技術者データベースの整備

    • 入札参加者の選定に当たって技術者個人の評価を勘案できるようにするため、技術者データを充実するとともに、既存のデータベースとのリンク等により検索システムを改良する。

    4 施工監督の強化

    • 低価格で入札された工事のうち、特に工事中の安全確保の面で懸念される工事について、労働基準監督署等と協議の上、合同安全パトロールを実施する。
    • 競争性の向上とともに公共工事の品質を確保する観点から、低入札価格調査の調査基準価格を10%程度上回る低価格な工事についても、低入札価格調査対象工事の重点監督に準じた監督の強化を行う。

    (3) 不正行為等の防止

    1 不正行為に対するペナルティの強化

    • 総合規制改革会議の答申等も踏まえ、不正行為の態様に応じた指名停止措置の一層の厳正化のため、指名停止基準の改正等を行う。
    • 経営事項審査の虚偽申請を行った建設業者について、特に悪質性が高いと認められた場合は、競争参加資格を取り消す等の措置を徹底する。
    • 法令違反実績等の不良不適格業者に係る関係省庁・地方公共団体間の情報交換システムを稼働させる。

    2 違約金特約条項の創設

    • 不正行為に対し請負代金の一定割合を違約金(損害賠償額の予定)として支払わせる制度(違約金特約条項)をできるだけ早期に創設することとし、関係省庁との調整を行う。


All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /