新日鉄住金エンジニアリング株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:高橋誠、以下 NSENGI)と鹿島建設株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:中村満義、以下 鹿島)は、このほど洋上風力発電施設の共同施工体制の検討を開始しました。両社がそれぞれの優位性を生かし、風況調査にもとづく適地検討から設計・施工までトータルなソリューションサービス提供を目指して参ります。
また、風車の大型化に対応して建設工事に必要な大型建設用作業船(SEP:Self-Elevating Platform)の共同保有についても2社を中心に検討を進めていきます。
近年、地球温暖化問題に加え、東日本大震災を受けてエネルギーを取り巻く環境が変化してきています。こうした中、風力発電は発電コストが比較的安価で有望なエネルギー源として注目が集まっています。これまで陸上風力発電が積極的に進められてきましたが、平均風速が高く安定した発電量が得られ、風車の大型化やウインドファームの大規模化を図れることなどから、世界的にも洋上風力に視線が向けられてきています。
加えて、本年7月からは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT: Feed-in Tariff)が開始され、発電事業者や自治体等による数多くの洋上風力発電事業計画が検討されております。
こうした中、NSENGIと鹿島は洋上風力の建設事業について、これまでに技術課題の抽出、市場動向分析、協業によるメリット等の意見・情報交換を行って参りました。
両社の強みとして、NSENGIが海洋構造物の設計・施工に豊富な実績があり、今後の洋上風力発電で有力となる鋼構造式基礎の設計・施工分野においてそのノウハウが卓越する一方、鹿島は各種の大型海上工事の経験に加え、風況調査から風車支持物の大臣認定取得まで、風力発電に関するエンジニアリング業務と風力発電所の設計・施工について多くの実績があります。
こうした両社それぞれの優位性を生かし、急速に活発化する洋上風力発電市場に対し、立地検討から設計・施工までの事業者ニーズに合わせたサービスを確実に提供すべく、共同で建設工事の実施を目指す共同施工体制の検討を開始しました。
また、風車の大型化にも対応するため、洋上での建設工事に必須となる大型建設用作業船(SEP)を共同保有することについて2社を中心に検討を進めていきます。
今後、両社で100MW/年クラスの洋上風力発電所を施工し、5年間で合計500MWの建設工事を目指します。初期段階から協力して事業者に最適な工法などの技術提案を行うなど、積極的に再生可能エネルギー普及に寄与し、低炭素化社会の実現に貢献していきます。
新日鉄住金エンジニアリング株式会社(NSENGI)
NSENGIは、「国内唯一のオフショアコントラクター」として約40年以上にわたり国内及び東南アジアを中心に石油・天然ガス分野における海洋構造物(数百基のジャケット)の設計、製作/据付を行ってきました。こうした海洋構造物の製作ノウハウを用いて、平成11年度より風車タワー加工事業を開始し(約100本)、平成14年度から北九州/響灘地区において「?潟Gヌエスウインドパワーひびき」を設立し、自ら建設すると共に発電事業を実施しています。さらに平成21年から海洋分野における新たなる事業創出の一つとして、洋上風力発電の基礎構造設計・施工の事業化を検討してきており、平成23年11月に「洋上風力事業推進室」を設置しております。また、NEDO((独)新エネルギー・産業技術総合開発機構)洋上風力発電システム実証研究では、北九州沖のハイブリッド重力式基礎における鋼管トラス部分の設計、製作を担当し、大臣認定を取得いたしました。
鹿島建設株式会社
鹿島は、平成4年の青森の竜飛ウインドパークの建設以来、20年以上にわたり、国内で20ヵ所以上の陸上風力発電所の建設に携わって参りました。風況調査による適地選定から、風車の最適配置設計、風車の輸送・据付、試運転・調整までを行うなど、風力発電所建設では国内トップレベルの実績を誇ります。平成19年の建築基準法改正に伴う風車支持物の構造性能評価や大臣認定取得においても多くの実績を積んできました。
洋上風力では、平成20年度のNEDO洋上風力発電実証研究にF/S調査から携わり、将来有望な洋上風力分野における設計・施工技術の研究、ノウハウ蓄積につとめ、このほど、波浪条件の厳しい銚子沖における実証研究の洋上風況観測タワー及び日本最大級の着床式洋上風車の設置を完了させています。
洋上風力発電施設の建設イメージ
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