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一般社団法人日本船主協会
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MESSAGE
日本の海運が挑戦する
「2050年GHGネットゼロ」
INTRODUCTION
海運とGHG排出の現状
CHAPTER 1
国際海運におけるGHG削減対策の枠組み
CHAPTER 2
ゼロエミ燃料への転換と船舶の普及
CHAPTER 3
燃料の生産・供給体制の確保に向けて
CHAPTER 4
内航海運におけるGHG削減対策の枠組み
EPILOGUE
SDGs達成に貢献
LIBRARY
ライブラリー
MORE INFO
関連リンク
海運における
地球温暖化対策
ー GHGネットゼロへの挑戦 ー
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NEWS
お知らせ
2023年7月11日
IMOのGHG削減戦略の見直しを受け、本ページの内容と資料を一部更新しました。
2022年10月24日
本Webページをリニューアルしました。
2021年10月27日
当協会の意見発信として、「EU域内排出量取引制度(EU-ETS)パブコメ募集に対する当協会コメント」(PDF/英・日)をアップしました。
2021年10月26日
当協会の意見発信として、「2050年GHG ネットゼロへの挑戦」を表明〜会長記者会見コメント概要〜」(PDF/日・英)をアップしました。
下記は目次です。ボタンをタップしていただくと、各チャプターの内容をご覧いただけます。
MESSAGE
日本の海運が挑戦する
「2050年GHGネットゼロ」
世界貿易の輸送手段の9割を
「海運」が占めていることをご存知でしょうか。
世界の物流を支え、人々の暮らしをも支える海運の需要は、
世界経済の成長を背景に高まり続けています。
他の輸送手段と比べるとエコな輸送手段で
ありながら、輸送量が膨大であるため、
国際海運全体でのCO2排出量は
ドイツ一国の排出量に匹敵します。
世界のサプライチェーン全体でのGHG削減には、
海上輸送におけるGHG削減が不可欠であり、
課せられた命題です。
このため海運は、「パリ協定」採択以前より、
国際海事機関(IMO)による
国際的なルール作りと連携の枠組みのもと
GHG削減に取り組み、
一定の成果を上げてきました。
しかし、国際的な海上輸送における
GHGネットゼロに挑戦するには、
海運独自の努力だけでは限界があります。
従来の舶用燃料である重油を全く新しい燃料に
変えていくなど、業界や立場を越えて連携した、
抜本的な取り組みや体制作りが
不可欠かつ最大の鍵を握るのです。
世界有数の海運国家である日本の海運業界は、
IMOの活動をリードする存在として
自ら努力するとともに、社会全体での
カーボンニュートラル実現を目指し、
社会の多様なステークホルダーの皆さまと連携し、
「2050年GHGネットゼロ」に挑戦します。
(注記)GHG:Greenhouse Gas(温室効果ガス)の略称。海運分野においては、その大部分がCO2とCH4だといわれる。
INTRODUCTION
海運とGHG排出の現状
ドイツ一国分のCO2を排出しているって本当?
船による大量輸送を行う海運は、トラックや貨物飛行機などと比べ、輸送効率にとても優れています。世界経済の発展に伴い海上荷動き量が増え続けていますが、船会社の輸送効率向上の努力により、1隻あたりのCO2排出量は大きく減少しています。
一方で、大量輸送を担う国際海運からのCO2排出量は約7億トン(全世界の約2%)と大きく、ドイツ一国とほぼ同じ量であり、排出削減への取り組みは不可欠です。
*用語紹介:TEU載貨重量トン(D/W)
(注記)1:15t超 (注記)2:日本発着の国際貨物輸送(2019年)
出典: IMO 「Fourth IMO Greenhouse Gas Study 2020」、IEA「Energy Technology Perspectives (ETP) 2020)」、国土交通省「航空輸送統計年報(2019)」からの計算を基に、当協会が作成
出典: IMO 「Fourth IMO Greenhouse Gas Study 2020」
INTRODUCTION
資料で詳しく見る(PDF)
CHAPTER 1
国際海運における
GHG削減対策の枠組み
パリ協定の枠組みと異なるのはなぜ?
国際海運では複数の国が輸送に関わることから、船からのGHG排出を国ごとに割り当てる、すなわち、パリ協定と同じ枠組みで考えることはできません。そのため、国際海運における排出削減に向けた対策は、パリ協定の掲げる目標を共有しつつも、国連の専門機関である国際海事機関(IMO)において業界一律で検討しています。
*用語紹介:国連気候変動枠組条約(UNFCCC)
現在の国際海運における目標は2018年に採択されたIMOの「GHG削減戦略」です。この戦略は、先進国・途上国の区別なく、特定セクターのグローバルな合意として世界で初めてGHGゼロを掲げたものでした。
IMOはその後、2023年1月から新たな短期対策を実施に移した他、2023年7月に戦略を改定し、達成目標時期を大幅に前倒しした野心的な目標を発表しました。IMOに先行して2022年10月に「2050年GHGネットゼロ」への挑戦を表明している日本の海運業界は、今後もこうした目標達成に向けた具体的な国際ルールの策定に向け、日本政府の主導的な取り組みを期待し、またバックアップしてまいります。
CHAPTER 1
資料で詳しく見る(PDF)
CHAPTER 2
ゼロエミ燃料への転換と
船舶の普及
日本の海運業界はどんな対策をしている?
国際海運のGHGネットゼロを実現するためには新しい燃料であるゼロエミッション(ゼロエミ)燃料への転換が欠かせません。また、ゼロエミ燃料を使用するための次世代船舶が必要であり、研究開発・実証実験が進められています。次世代船舶の開発に加え、広く普及させていく必要もあり、大規模な建造投資・リプレースを長期視点で行っていかなくてはなりません。
GHGネットゼロに挑戦する
ために不可欠な取り組み
*用語紹介:カーボンリサイクルメタン
*用語紹介:日本商船隊
CHAPTER 2
資料で詳しく見る(PDF)
CHAPTER 3
燃料の生産・供給体制の
確保に向けて
海運業界だけの取り組みで達成できる?
ゼロエミ燃料への転換を実現するためには、船舶向けのゼロエミ燃料が確実に生産され、世界中を航海する船舶が燃料補給できるようにグローバルな供給体制を構築する必要があります。ゼロエミ燃料の生産・供給体制の確保は、海運業界だけでは成し得ず、エネルギー業界や港湾業界との協働を図っていきます。
国際海運におけるGHGネットゼロを実現するために必要な投資は、船舶の建造のみならず、陸上における燃料生産や供給インフラ整備をはじめ多岐にわたるため、数百兆円に及ぶと試算されています。すなわち、海運業界自らの努力はもとより、関係業界との連携した取り組みが必要で、多様なステークホルダーとの協働を欠かすことはできません。
CHAPTER 3
資料で詳しく見る(PDF)
CHAPTER 4
内航海運における
GHG削減対策の枠組み
具体的な削減目標と取り組みは?
内航海運からのGHG排出は輸送が行われた国内の排出量に計上されます。そのため、国際海運とは異なり、内航海運はパリ協定における日本のGHG削減目標に沿って取り組みを進めています。内航船社は省エネ運航・技術を積極的に導入し、政府も各社の削減を後押しする支援策を実施するなど、官民それぞれが様々な取り組みを行っています。
CHAPTER 4
資料で詳しく見る(PDF)
EPILOGUE
SDGs達成に貢献
日本の海運の環境問題への取り組みは?
日本の海運は、安全で効率的な海上輸送を通じて産業活動と市民生活を支えるとともに、GHG排出を含む様々な環境負荷をできる限り小さくする対策を講じることで、SDGsの達成にも貢献していきます。
*用語紹介:SOx、NOx、PMバラスト水
EPILOGUE
資料で詳しく見る(PDF)
LIBRARY
ライブラリー
資料ダウンロード
当協会は、すべてのステークホルダーの皆さまに「海運」におけるGHG削減について理解してもらうことを目的として、2021年10月に資料「日本の海運 〜2050年GHGネットゼロへの挑戦〜」を発表しました。
GHGネットゼロに向けての海運の取り組みについて、海運の重要性や海運ならではの特殊な背景、具体的な取り組みなどを取り上げ、本Webページよりも深掘りして紹介しています。ぜひご覧ください。
資料(サマリー版)
動画
2021年10月の資料の公表に合わせ、当協会会長記者会見およびメディア向けのレクチャーを開催しました。動画ではその模様だけでなく、当協会環境広報タスクフォースの座長が、GHGネットゼロやゼロエミッション、SDGsの達成に重要な考え方である「バックキャスティング思考」の活用について話す姿をご覧いただけます。
会長記者会見
メディア向けレクチャー
ネットゼロを
達成するための思考法
MORE INFO
関連リンク
海運のGHGネットゼロへの挑戦や海運そのものについてより詳しく知りたい方は、下記リンクもご参照ください。
TEU
Twenty Foot Equivalent Unitの略で長さ20フィートのコンテナを1単位とした換算個数。コンテナ積載能力や輸送実績などを示す際に用いられる。20フォートのコンテナ1個で1TEU、40フィートのコンテナ1個は2TEUと計算。
載貨重量トン(D/W)
Deadweight Tonnage(D/W)。満載喫水線の限度まで貨物を積載したときの全重量から船舶自体の重量を差し引いたトン数。この中には運航に必要な燃料・水・食料などの重量も含まれるが、積める貨物の量を示す目安となり、船舶の新造、売買、傭船契約などの取引の基準として使用される。重量トン数には、一般に用いられるトン(メトリック・トン=1,000kg)のほかにロングトン(約1,016kg)、ショートトン(約907kg)がある。
パリ協定
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の下、2020年以降の具体的なGHG削減を定める国際的な枠組み。世界の平均気温上昇を、産業革命前と比較して2°Cより十分低く抑え、1.5°Cに抑える努力を追求することを目的としている。後者の目標を達成するため、国際社会は今世紀後半に世界全体の温室効果ガス排出量をネットゼロにすること、すなわち「カーボンニュートラル」を目指している。
国際海事機関(IMO)
International Maritime Organization(IMO)。1958年3月に政府間海事協議機関Inter-Governmental Maritime Consultative Organization(IMCO)としてロンドンに設置された。1982年5月、IMOに名称変更。海上の安全、航行の能率および海洋汚染の防止等、海運に影響する技術的問題や法律的な問題について、政府間の協力を促進するとともに、最も有効な措置の採用や条約等の作成を行っている国連の専門機関。
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)
United Nations Framework Convention on Climate Change(UNFCCC)。GHGの削減により、気候変動がもたらす悪影響を防止するための国際的な枠組みを定める国際条約。1997年に京都議定書で、国際海運のCO2排出対策はIMOにおいて追求するよう規定した。2015年にパリ協定を採択し、国別削減目標の作成等を義務化している。なお、日本は2030年度に2013年度比で46%削減、2050年までのカーボンニュートラルを表明。
先進国・途上国の区別なく
船舶による汚染防止のための国際条約(MARPOL条約)およびその他の IMO条約では、非締約国船舶が「有利な取扱いを受けないよう(No More Favourable Treatment)」すべての船舶に条約基準を同等に適用することを原則とする。これを「No More Favourable Treatment」原則と呼んでいる。
ゼロエミッション(ゼロエミ)燃料
CO2をはじめとする温室効果ガス(GHG)の排出が実質ゼロとなる燃料の総称。製造過程におけるCO2排出の取扱いなどライフサイクルでの算定についてはIMOなどで議論中であり、ここではネットゼロとなり得るものの総称として「ゼロエミッション」という言葉を用いている。
リプレース
代替建造。新たに船舶を建造して輸送供給力を純増させるのではなく、古い船舶を処分して、その代わりとなる新しい船舶を建造すること。
カーボンリサイクルメタン
メタネーションと呼ばれる技術により、水素とCO2を反応させ合成されたメタンのこと。産業施設などから排出・分離・回収したCO2を利用することに加え、再生可能エネルギー由来の水素を利用してCO2排出を大幅に削減し、ゼロエミッション燃料になりうると確認されている。
日本商船隊
日本の船会社(川崎汽船、商船三井、日本郵船の定期コンテナ船事業統合会社(オーシャン ネットワーク エクスプレス)を含む)が運航する外航船。
内航海運
国内貨物の海上運送のこと。国内の港と港を結び、鉄鋼やセメント、石油などの産業基礎資材や食料品、日用品などの貨物を運ぶ。国内輸送の約4割を担っている。
SOx、NOx、PM
それぞれ、SOx:硫黄酸化物、NOx:窒素酸化物、PM:細かい粒子/エアロゾル。船舶の主要な動力源である大型ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる。これらの大気汚染物質は、酸性雨や光化学スモッグの原因となり、生態系や人の健康に悪影響を与える。海運における大気汚染防止の議論は、1980年代に始まり、排出規制が段階的に強化されている。2020年からは、対策が一層強化され、燃料油中の硫黄分濃度を3.5%以下から0.5%以下に大幅削減した。
バラスト水
船体の姿勢制御や復原性確保のためにバラストタンクに積載される海水。船舶の安全運航上欠くことのできないもの。バラスト水は「バラスト水の管理に関する条約」に基づいて適切に処理・管理されている。

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