"魚の中の血液が多い"ということは、食べる側からみますと"鮮度が落ちやすく、くせが強く、身が柔らかい"ということになりますので、料理の特性をしっかりと知りましょう。海から釣り上げた直後は身がかたく、刺身として一番おいしいのは4〜5時間たった熟成した頃です。ただし、近頃は鮮度保持の技術が良くなったので、もう少し長く持ちます。鮮度が落ちやすいので、昔から熟成を待たずに焼いて(=土佐づくり)熟成を早め、
刺身で食べました。昔は、江戸の日本橋の河岸につく頃がちょうど熟成した頃なので、皮をはいで刺身にしたり、焼いて氷水にとり刺身にしたようです。土佐づくりもそのまま刺身で食べたり、
たたきにして薬味をたっぷりのせて食べたり、たれを西洋風、中華風、アジア風などの変化をつけて好みの味でいただきます。また「
カツオめし」と呼ばれるませごはん、「
てこねずし」で知られるまぜずし、茶漬けもおいしいですよ。刺身にした時は、両端の部分などの落し肉や刺身で食べきれなかった分を使ってたたき肉にし、
すりながし汁、
つみれ汁、
フィッシュハンバーグなどの料理も作れます。
カツオは刺身やたたきで食べることが多いと思いますが、他にも焼いたり、蒸したりする調理方法もたくさんあるんですよ。生のカツオを刺身ではなく、節の形で買った時は、大きめの切り身にして
野菜炒め、
マヨネーズ焼き、
チーズ焼き、
オイル蒸し、カレー煮はいかがですか?ごはんに良く合うおかずになりますよ。また、蒸すのは「生節(なまり)」という方法があります。生節は、酢の物にしたり、
オーロラソースと呼ばれるマヨネースソースで食べる他、
炊き合わせや
有馬煮などができます。一尾おろすなど、アラが手に入った時は、
あら炊きを作ってみてください。血合いの部分は鉄分たっぷりで、身もあぶらがのってとってもおいしいですよ!
「
がわ」「
かち」「
わかし」。なんのことだかご存知ですか?カツオを使った郷土料理の名前です。昔から伝わるおいしさもぜひ試してみてください。
初物を食べて、新世紀も縁起がよくなりますように!