夏を間近に控えたこの時期、ホタテは産卵期を迎え、とてもおいしい時です。生でよし、煮て、焼いて、揚げて、蒸して、干してと色々な食べ方が楽しむことのできる食材のひとつですね。「帆立貝」と書くように動く時、貝を開いて水を噴射しながら移動する様子からこの名がついたのですよ。この移動する時の力が柱をより美味しくしてくれます。主に東北以北の波の静かな、砂や小石の多い海底にすんでいます。
ホタテ貝は、良質なタンパク質が豊富で、脂肪が少ない、ヘルシーな食品です。貝全体では、タウリンが豊富で、柱にはうま味を持つコハク酸が含まれております。鮮度がいいと、柱は歯ごたえと甘味に独特の味わいをもっております。それは蓋をパタパタさせるだけのエネルギーがあるからでしょうか。調理方法しだいで、小さいお子さんからお年寄りまで幅広く食べ楽しむことができるのもうれしいですね。
生のまま
丸ごと調理
貝全体が食べられますが、特に柱は高級食材として扱われています。今日は主に、貝柱を使った料理をご紹介しましょう。生食の場合は、そのまま
刺身、サラダとして料理することが多いですが、例えば、手軽に出来る
キーウイソースかけは南国風情がでて、華やかなオードブルになりますよ。貝柱を丸ごと食べる時はゆでるか、蒸してたれやソースをつけて食べたり、煮物、鍋物、焼き物などに使います。柱を丸ごと使った料理はとても多いですね!中華風に
ホタテのミルク炒め、
ホタテとチンゲン菜の炒めは、手軽に作れておいしいおかずになります。洋風では、
カレー、
ホワイトシチューなど、優しい味に仕上がり、ホタテのうま味もスープごと味わうことができます。和風だと、
炊き込みご飯、
みそ田楽、
若草焼き、
タラコのはさみ揚げなど、初夏にふさわしいメニューはどうでしょうか。
生でも調理でも丸ごと食べることの多いホタテですが、時間があるときは少し手をかけてすり身に挑戦!口当たり、見た目の美味しさが加味され、
テリーヌ、
ロールキャベツ、
かまぼこなどを作ることができます。中でもテリーヌは中身の具材の彩りもとてもきれいですので、パーティー料理にもオススメです。
干し貝柱を使ったときは、うま味とともに香りや栄養価も広がります。中華料理では薬膳料理にも使われますね。
中華風スープ、
シュウマイでジワーっと広がるうま味を満喫してください!和風では郷土料理の
のっぺい汁(能平汁)、これも汁のうま味が味の決め手の料理です。
購入した材料が残った時は生の場合は、柱だけを保存しましょう。腸ごとの時は塩ゆでにして、しっかりと包装してチルドや冷凍しましょう。ただし10日位で食べきりましょう。もちろん、加熱料理に使用できます。干し貝柱は包装をしっかりして、冷蔵庫で保存すれば長く持ちます。購入した時以上に乾燥させてしまうと戻りにくくなりますから、注意してください。ちなみに干し貝柱は叩き崩して口に含んでゆっくりと噛めば、おいしいおつまみになりますよ。
さぁ、ホタテ貝のうま味、香り、食感を口いっぱいに楽しみましょう!