オーディオの話をひとつ。
思うにオーディオは、スピーカーの占める所が大きい。アルティックA−5をいかに鳴らすかが全てである。その為のアンプであり、プレーヤーであり、カートリッジ、そして、トーン・アームなのだ。よくお客さんに話すのですが、オーディオは、楽器だと思えばよく分かる。どんなにいい楽器を手に入れたからって、それだけで、いい演奏が出来るはずがない。オーディオだって、使う人間の音楽観以上の音を出してはくれないのではないか・・と。金額にしたって、車を一台買う事を思えばけっして高いものではないし、まして、維持費だって、車みたいに車検はないし、ガソリンを喰う訳でもない、保険だってないし、ただ車だったら、家族みんなで楽しめるぐらいの違いしかない。じゃぁ、ミンガスと同じシステムを購入したって同じ音が出ない事ぐらい、わかる訳で、もちろん部屋が音を支配する割合が大きいことぐらい、みんな知っている。楽器と同じなんですよ。人と同じ音を出す事に苦心するより、自分の音楽観を磨かなくては、宝の持ち腐れにならないとも限らないです。
さて、ミンガスのラインナップ。実にシンプルで、非常に利に叶ったシステムだと自負しております。A−5を駆動する、同じALTECのパワー・アンプ1568は、アメリカの業務用をそのまま、持って来ていますから、当然、電圧も117V仕様です。ALTECをALTECで鳴らす!これは、かなり良識的な選択だと思っています。プリアンプもALTEC1567と思いましたが、どうにもSNが良くなくて、マランツ♯7に落ち着いています。
プレーヤーのトーレンス125?Uはこれは、知る人ぞ知るお買い得なプレーヤーです。ほぼ、同じ仕様のリンと比べてもかなりお買い得でした。その上、当店のように、長時間回しっぱなしの使い方をしても、素材のよさなのか、実に30年以上たった今でも、磨耗どころか、ベルトすらヘタリません。
あるお客さんが当店と同じトーレンスのプレーヤーをオークションで手に入れたのですが、調整が出来ないから、見て欲しいと言うので、訪ねてゆくと、本体を浮かせるスプリングのカーラーのネジが湿度のためにバカに成っていました。そこで、部品の在庫をトーレンスに問い合わせてみた所、なんと、対策部品があったのです。30年以上前の製品なのに!!!です。こう言う所が、国内メーカーと違って製品に対するプライドの違う所でしょう。
トーレンスばかりか、ALTEC、オルトフォン、マランツなど消耗部品に不安を持ったことがありません。
続く