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令和3年度調査・研究助成、令和3年度普及事業助成の決定について

3月から5月にかけて公募した標記の助成事業について、数多くの申請をお寄せいただきありがとうございました。このたび、下記の通り助成対象を決定しましたので、お知らせいたします。

目次

審査経過

助成対象の選考に当たっては、審査委員会を設けて慎重に審査を行い、その審査結果を踏まえて助成対象を決定したものです。

建築技術教育普及調査事業等審査委員会(敬称略 五十音順)

委員長 南 一誠 (芝浦工業大学)
委 員 大橋 好光 (東京都市大学)
委 員 高橋 徹 (千葉大学大学院)
委 員 水流 潤太郎 (長岡造形大学)
委 員 萩原 一郎 (東京理科大学)
委 員 林田 康孝 (建築技術教育普及センター)
委 員 松田 雄二 (東京大学大学院)
委 員 若山 尚之 (千葉工業大学)

講評

建築技術教育普及調査事業等審査委員会
(公財)建築技術教育普及センター

本助成制度は、建築技術の教育普及が一層促進されることを目的として、平成22年度に実質的に開始されたもので、今年度で12年目を迎えます。今年度も、幅広い事業内容に関して多くの意欲的な応募をいただきました。本制度の活用により、建築技術の教育普及が一層促進されることが期待されます。
審査に当たっては、以下に記載する観点から各審査委員間で議論を進め、評価を実施いたしました。なお、本審査は、本助成制度の趣旨に基づき、予算の範囲内で助成効果が効果的に得られるか否かの評価を実施したものであることを申し添えます。

1 調査・研究助成

(1)本助成制度の対象として優位に評価できるか否かについて、下記の評価基準の観点等を中心に審議し、事業の順位付けを行いました。

  • 調査・研究が目指そうとしている成果により、建築技術者の啓発や資質の向上が図られること、国民の建築技術者への理解や信頼を深めることが期待できること、または、建築実務、教育制度のあり方等を提案しようとするものであること。
  • 調査・研究の実施方法や体制・行程が明確で実行可能なものであり、掲げた調査・研究の目標を達成しうると判断できること。
  • 調査・研究の目的や内容に新規性、独自性が高く、今後の展開の可能性があると判断できること。

審査委員会による選考を踏まえて、4件を調査・研究助成の対象として決定しました。
(2)調査・研究助成の対象として決定された案件は「構法史的検証および工学的実験検証による木造建築における「土台」の総合的評価」、「児童養護施設の小規模グループホームの設計・工事監理における設計プロセス」、「法隆寺大工最後の遺構「安田家住宅」の調査・研究」、「Object VRによる模型を通したコミュニケーションが建築教育に与える影響および学習支援への活用に関する研究」の4件です。
なお、継続的な応募案件については、これまでの成果や採択継続の必要性について議論を行ったうえで、評価基準(募集案内に掲載)に照らして必要性が高いものについて、選考・決定しました。

助成対象として決定された案件ごとの選評は、下記の一覧表に掲載しているとおりです。

2 普及事業助成

(1)本助成制度の対象として優位に評価できるか否かについて、下記の評価基準の観点等を中心に審議し、事業の順位付けを行いました。

  • 普及活動を通じて広めようとする内容が、建築技術者が体得すべき建築実務面で有用な知見である、若しくは、国民の建築技術者への理解や信頼を深めるものであると判断できること。
  • 講演会などを企画・実施する方法や体制・行程が明確で、実行可能なものであり、期待する効果が発揮できると判断できること。
  • これまで毎年問題なく実施している等、申請者の本来事業として行うべき事業と考えられるものではないこと。

審査委員会による選考を踏まえて、4件を普及事業助成の対象として決定しました。
(2)普及事業助成の対象として決定された案件は「地域包括ケアシステムを担う「住み続けられる快適な住まいづくり」に必要な知識とノウハウを、専門家向け、一般向けに発信するオンライン講習会及びコンテンツWEBサイトの構築」、「Good Over 50’s 暮らしのインタビュー(高齢期の住まいのロールモデル集)」、「JIA文化財修復塾 座学講座ビデオとテキスト作成公開事業」、「医療従事者と考える「既存住宅状況調査技術者(福祉版)」報告書のマニュアル作成および講習会」の4件です。
なお、継続的な応募案件については、これまでの成果や採択継続の必要性について議論を行ったうえで、評価基準(募集案内に掲載)に照らして必要性が高いものについて、選考・決定しました。

助成対象として決定された案件ごとの選評については、下記の一覧表に掲載しているとおりです。

助成対象案件

調査・研究(令和3年度分)4件 〔受付順〕

名 称 実施者 選 評
構法史的検証および工学的実験検証による木造建築における「土台」の総合的評価

石山 央樹
(大阪市立大学・准教授)

令和2年度助成対象となった釘接合部に生じた錆に対する超音波を用いた非破壊検査に関する調査・研究を発展させ、木造建築と耐久性との関係に注目して「土台」を対象とした総合的評価の研究であり、また今回は歴史的な視点も加わっている。木造建築物の構造設計等において、設計者が適正な判断を行うための基礎資料となることを期待したい。

児童養護施設の小規模グループホームの設計・工事監理における設計プロセス

伊藤 潤一
(千葉大学大学院工学研究院融合理工学府・助教)

平成30年度助成対象となったグループホームについての大規模改修による要養護児童の生活空間の質的側面向上の実態の調査及び空間の質的向上を図る効果的改修方法の提案を行うことを目的とした調査研究の継続研究である。
今回は、児童養護施設の施設職員だけでなく、子供達からも空間満足度のヒアリングやアンケートを行い、施設計画の設計デザイン、プロセスのあり方を更に深化しようとするものである。
本調査結果が単なる設計デザイン手法に留まらない実装可能な設計プロセスの確立に繋がることを期待したい。

法隆寺大工最後の遺構「安田家住宅」の調査・研究 (公社)奈良まちづくりセンター 本調査の対象となる「安田家住宅」は世界遺産である法隆寺西側に位置する法隆寺造営に関係する職人が住む集落に建つ大工職人の住宅である。歴史的建築物としてだけでなく、法隆寺周辺の街並み・環境を含めた保存・活用提案の基礎資料となるとともに、本調査・研究の成果が歴史的建築物の保存・活用のための有益な知見となることを期待したい。
Object VRによる模型を通したコミュニケーションが建築教育に与える影響および学習支援への活用に関する研究

増田 忠史
(愛知産業大学通信教育部造形学部建築学科・准教授)

建築教育における建物模型に代わるVR技術の導入についての調査研究である。建築の模型表現や模型を通したコミュニケーションの可能性が拡がり、コロナ状況下におけるオンライン授業(設計製図)で役立つ研究成果となることともに、VRで記録されたデジタルコンテンツの活用が推進され、広く建築教育に寄与することを期待したい。

普及事業(令和3年度分)4件 〔受付順〕

名 称 実施者 選 評
地域包括ケアシステムを担う「住み続けられる快適な住まいづくり」に必要な知識とノウハウを、専門家向け、一般向けに発信するオンライン講習会及びコンテンツWEBサイトの構築 NPO法人 高齢社会の住まいをつくる会 人生100年時代が叫ばれるようになったなか、住み続けられる快適な住まいに必要となる「地域包括ケアシステム」に関係するノウハウをホームページで公開し、併せて、オンライン講習会を実施するものである。公開するコンテンツ、講習会の内容が、加齢や障害などの心身の変化、災害やウイルスなどの社会環境の変化に備えるものとして普及活用されることを期待したい。
Good Over 50’s 暮らしのインタビュー(高齢期の住まいのロールモデル集) (一社)ケアリングデザイン 超高齢社会の到来のなか、どのような建替、住替え、改修を行えば、満足度が高く安全安心な暮らしが実現できるかについて、事例のヒアリング調査、紹介するものである。高齢期の住まいのロールモデルを示すことは、建築技術者だけでなく、多くの人々が自身の住宅の将来像を考える契機として普及活用されることを期待したい。
JIA文化財修復塾 座学講座ビデオとテキスト作成公開事業 (公社)日本建築家協会 JIA文化財修復塾 全国各地で地域文化の継承、観光資源の開発など建築文化遺産の保存・活用への社会の関心が増してきているなか、ビデオ講座をホームページで無料公開されることは評価される。本事業により講座内容が拡充され、教育教材として広く普及活用されることを期待したい。
医療従事者と考える「既存住宅状況調査技術者(福祉版)」報告書のマニュアル作成および講習会 (公社)愛知建築士会 令和2年度普及事業「建築士と医療専門家との連携推進事業(医療と建築の連携のガイドライン作成)」の関連事業であり、リハビリテーションを要する患者の家屋状況を調査するのに必要となる調査技術者マニュアルの作成である。現場レベルでの両者の連携の実践的活動であることは評価でき、地域の特性による影響を受けにくい分野である。マニュアルにより、医療従事者、患者の満足度が高まるとともに、質の高いリハビリテーションの実施、入院期間の短縮等、幅広い効果に繋がることを期待したい。
本文ここまで

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建築技術の調査研究又は普及活動を応援する助成の決定

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[画像:公益財団法人 建築技術教育普及センター]

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