アドバイス
企画書を要約すると、具体的なダイエット法を実践する前に、ダイエットが失敗する理由や上手くいくときの条件を、心理学的アプローチや栄養学、果ては性学?までも援用し、その人に最も向いたダイエット法を見つけてもらうための本である。要は、具体的なひとつのダイエット法(ex.世によくある眉唾な方法)を解説するものではない。
企画意図や目次案がしっかりしていることは勿論のこと、著者の経歴(加工食品の開発者、食糧関連の公務員)や、現在
AllAbout Japan のガイドを務めていることなど、かなりの説得力を感じた。
課題になるとすれば、ダイエット法そのものについては、大半の女性が対象読者になり得ると言ってもいいくらいなのに対し、その前段となると果たしてどれくらいの女性が読む(勉強する)気になるか? そこまで真剣になっている(ならざるを得ない)女性がどれくらいいるのか? という点だろう――男が読んでも面白そう(タメになりそう)ではあるが。
敢えて企画書のなかのマイナス点を挙げるとすれば、「ダイエットの秘密」というタイトルは、あまりにも安直である。既刊本のタイトルを応用するだけでも、「やせられる人、やせられない人」「勝ちパターンのダイエット」「ダイエット力」といったタイトルが浮かぶ。
総じて、次点とは言え、次のステップに進めてよい企画書である。【吉田 克己】