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4. はじめに(気をつけよう)

• エクセルを使う上で理解しておくべきことや注意しておくことを簡単に説明しています。

はじめに (気をつけよう)

• エクセルはシート上の表示と実際のデータ(値)とが同じとは限りません。
  • 数値データの場合は表示桁数に丸めた値(四捨五入された値)が表示されます。
    小数値が有る場合には注意が必要です。
• エクセルは、入力された値を自動的に数値、文字列、日付などに区別します。
  そして、その区別に応じた表示形式を設定(採用)します。
  • 数字だけを入力すると【数値】、文字が含まれると【文字列】と区別します。
    通常は表示形式「標準」が設定されます。
  • 「2/10」や「2-10」のように入力すると【日付】と認識してセルには【2月10日】と表示されます。
    数式バーには「2005年2月10日」と表示されますが、実際はシリアル値という数値を日付の形式で表示しています。
  • 「2:10」と入力すると【時刻】と認識します。実際はシリアル値という小数値を時刻の形式で表示しています。
  • セルの表示と数式バーの表示が異なります。
    セルでは表示形式にて巧みなお化粧をした状態で、数式バーでの表示はスッピンの状態と見なすこともできます。
    セルの正体(数式の計算結果なのか、入力された値なのかなど)は数式バーで見る事ができます。
• エクセルで認識されたデータ種により、それぞれの表示形式が自動で適用され、使用する人が変更しないと最初に入力した値の表示形式のままで思った値が表示されないことがあります。
  (セルの表示形式=お化粧を変える必要があります)
• 便利な機能ですが、この辺の仕組みを理解しておきましょう。

表示形式 Topへ

• セルには【数式】と【値】、【書式】などが記録されます。
  シート上に現れるのはこの【値】と【書式】が組み合わさったものです。
• 計算結果など表示が期待したものでない場合は「表示形式」を正しく選択しなければなりません。
  特に【日付】や【時刻】の取り扱いには要注意です。
  表示形式は[ホーム]タブの数値グループにあるダイアログボックス起動ツールをクリックして、セルの書式設定の[表示形式]タブで設定します。
  セルの書式設定ダイアログボックスを表示するショートカットキーは[Ctrl]+[1]です。
  
• 【例1】数値の「100」を入力して、表示形式を変化させた場合。
  • 下図は全て「100」と入力したもの(数式バーには100と表示されます)ですが、「セルの表示形式(書式)」によって表示される値が異なっています。
    

日付の表示形式 Topへ

• 【例2】日付「2/10」を入力した場合
  • B2セルは、「2003年2月10日」という日付データが入力されています。
    (注:パソコンの日付と同じ年と認識されます。この文章は2003年に書いたものです)
    • 【値】は「37662」というシリアル値で管理されています。
    • 【書式】は「日付」の「3月15日」になっています。それで、シート上には【2月10日】と表示されています。
      • 【書式】を「標準」にすると【37662】とシリアル値が表示されます。
• 【例3】数式を入力した場合
  • D2とD3セルには、【数式】=B2+C2、=B3-C3 が入力されています。
    • 【書式】は「標準」となっています。
    • シートには計算結果の値が表示されています。
    • 数式は上の「数式バー」に表示されています。
• 【例2,3の説明図】
  [画像:cyuu-01]

表示形式の変更方法

• セルを選択し、[ホーム]タブの数値グループにあるコマンドを利用するか、ダイアログボックス起動ツールをクリックして、ダイアログボックスを起動して表示形式を変更します。
  ショートカットキーを使用する場合は [Ctrl]+[1] です。
  
• 【例1】で「100」と表示させるには、[表示形式]タブを選択して[標準]または[数値]に変更します。
  

数値の表示が変?計算結果が合わない? Topへ

• 小数点以下を含む数値の時、適正な桁数の値となっているか注意が必要です。
• 【例1】
  • 下図のB2:B5セルには全て「123.456」と入力してあります。
    同様に、B7:B10セルには「=SUM($B2ドル:$B5ドル)」といった合計の関数が入力されています。
  • 合計した計算結果は全て同じ値になるはずですが・・・
    B7:B10には異なった結果が表示されています。
    その理由は小数点以下の桁数表示が異なっているため、異なった結果のように見えているだけです。
  • 表示されているのは、表示桁数で四捨五入された値だからです。
    (セルの中身は全て同じ値です)
  [画像:hyouji03]

• 【例2】
  • 例えば、下図の例を参照してください。
    B2:B5 には「123.456」と入力してあります。
    C2:C5 も同じく「123.456」と入力し、小数点以下の桁数を「0」にして整数で表示しています。
    D2:D5 は「123」と入力しています。
  • C列の合計C7は「494」、D列の合計D7は「492」と異なっています。
    ×ばつ4=492 ですので「2」の差が出ています。
  • C列の計算内容は C2+C3+C4+C5=C7 で 123.456+123.456+123.456+123.456=493.824 となります。
    ところが、表示が整数値にまとめてあるので「494」となります。(小数第1位を四捨五入して「494」となる。)
  • 一方、D7=D2+D3+D4+D5=わ123+たす123+たす123+たす123=わ492 となっています。
  • この様に、計算に不要な小数値が含まれている場合には、思わぬ計算結果が表示されてしまいます。
    つまり、計算に必要な桁数で値をまとめる必要があります。
    • この例の場合、D2=ROUND(B2,0)のように、四捨五入して整数値にしてから計算する必要があります。
  [画像:hyouji05]

クリアと削除の違い Topへ

• クリアと削除の違いに注意しましょう
  
  • セルのデータを消すには2種類あります。
  • 【クリア】と【削除】です。この違いをよく理解しておきましょう。
• 選択したセルを「残す」のか、「取り除く」のかの違いがあります。

【クリア】 Topへ

• [ホーム]タブの編集グループにある[クリア]ボタンをクリックすると、「すべてクリア」「書式のクリア」「数値と値のクリア」「コメントのクリア」「ハイパーリンクのクリア」といった選択ができます。
  セルに含まれるいずれかのデータを『消去』するのが、【クリア】になります。
  
• (注)他のソフトでは【Delete】キーを押すと『削除』の機能になりますが、
  Excelでは【数式と値】の【クリア】(『消去』)になります。
  その他の【書式】や【コメント】はセルのデータとして残ったままとなります。

Deleteキーでのクリアが不都合な例 Topへ

• 【書式】の表示形式が消去されない
  • 日付の値をクリアしても、次に数値を入力すると、日付のシリアル値が入力されたことになってしまい、日付として処理されました。
  • シリアル値とはエクセルでは1900年1月1日を「シリアル値 1 」として扱っています。
    このため、日付の計算が容易にできるようになっています。
    • 例)「2003年2月25日」-「2003年1月2日」=「54」となります。)
• (注)【クリア】→【すべて】を選択すると、「まっさら(値と書式がクリアされます)」のセルになります。

【削除】 Topへ

• [ホーム]タブの[削除]から選択します。
  「セルの削除」は文字通り【セル】そのものを「取り除く」機能です。
  
• 【削除の例】
  • セルの削除は、セル自体を取り除くので、周りのセルをどの方向に【シフト】(移動)するかを選択する必要があります。
  • (注)【行全体】や【列全体】を選択すると、アクティブセルを含む行や列が削除されます。
  1. C4セルを選択し[削除]→「セルの削除」を選択します。
     [画像:cyuu06]
  2. 【削除】のメニューが出ます。
     【上方向にシフト】を選択しました。
     
  3. 【削除】後の状態です。
     下の「8」のセルが【上にシフト(移動)】して、元のセルは、跡形もなくなくなっています。
     [画像:cyuu06]

Excelの仕様 Topへ

• Excel2002とExcel2016の仕様に関して、気になる部分を抜粋してみました。
  
  項目 Excel2002 Excel2016
  開けるブック 使用可能メモリとシステム リソースに依存
  ワークシートのサイズ 65,536 行、256 列 1,048,576 行、16,384 列
  列の幅 255 文字
  行の高さ 409 ポイント
  改ページ 水平方向および垂直方向に 1,000 水平方向および垂直方向に 1,026
  セルの内容の長さ (文字列) 32,767 文字。セルに表示できるのは 1,024 文字まで。
  数式バーでは 32,767 文字すべての表示が可能。 32,767 文字
  ブックのシート 使用可能メモリに依存 (既定では 3) 使用可能メモリに依存 (既定では 1)
  ブックで使用する色 56 1,600 万色
  ブックに設定できるセル スタイル 4,000 64,000
  ブックで名前が定義されているビュー 使用可能メモリに依存
  ユーザー定義の表示形式 使用可能メモリに依存
  ブック内の名前 使用可能メモリに依存
  ブックのウィンドウ 使用可能メモリに依存
  1 つのウィンドウで開くことのできるウィンドウ枠 4
  リンクを設定したシート 使用可能メモリに依存
  シナリオ 使用可能メモリに依存。要約レポートには先頭から 251 個までのシナリオのみを表示。
  シナリオで変化させるセル 32
  ソルバーで変化させるセル 200
  ユーザー設定の関数 使用可能メモリに依存
  拡大と縮小率の範囲 10 〜 400%
  レポート 使用可能メモリに依存
  並べ替えに使用するキー 1 回の並べ替えでは 3、連続して並べ替えるときは無制限 1 回の並べ替えでは 64、連続して並べ替えるときは無制限
  元に戻すことのできる回数 16 100
  データ フォームに設定できるフィールド 32

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(追記) (追記ここまで)

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