▲さんかく木と梁と和紙の照明。 高い、燃える、丈夫じゃないといった、木の悪い神話にごまかされている方がいます。 木は、私たちが思っているよりずっと丈夫です。そして人とともに時を刻みます。それは、 生きているから。だから、長い目で見るととても維持がしやすいものです。しかし、これが中々分かってもらえないのが現状です。常にぴかぴかな新品の状態を求め、古くなる とくたびれたと思う人がほとんどです。
ただN様は違いました。古くなったものを味が出てきたと思う方でした。「早くあめ色 にやけて欲しい」とおっしゃっる方でした。「見た目のいいものではなく、本物が生きてい るものが欲しい」という奥様のリクエストに応えて、見た目はちょっと悪いかもしれませ んが合材をほとんど使っていません。客呂づくりというのですが、大きな梁や柱が剥き出 しになっています。「昔のおばあちゃんの家のような感じで磨きこんでいく。」とおっしゃっる奥様。現代的な暮らしを取り入れつつも、昔の良さを再現した家の中で、きっと小さ なキズの一つ一つにも、思い出が刻まれる家になっていくのでしょう。