見えない が欲しくて【処女作につき容赦ない批評を!】

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クレジット

タイトル: SCP-XXX-JP - 見えないジユウが欲しくて
著者: [[*IEKOs]]
作成年: 2025

評価: 0

こちらの草稿は、投稿できれば処女作となるものです。
以下に現実の銃火器をモチーフにしたアイテムが登場しますが、当方、銃に関する知識に乏しく本稿も多少詳しい程度の友人一人からの助言にもたれて書いている部分があります。(事前知識は必要ありません!)
体裁等お見苦しいかと思います。適宜加筆修正を重ねますが、内容に関しては概ね完成しています。
画像データについてはAIで出力したものを使う予定です。
AI生成による画像利用について、スタッフの方から、現在は暫定的に使用を禁止しているとの旨をお知らせいただきました。サイトルールの把握に漏れがあったことをお詫び申し上げます。画像に関しては出典が明確なものを使用して追加いたします。

[画像省略]

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在、サイト-14の地下倉庫の棚番██―███―██に据え付けられた一般的な二段式耐火金庫(×ばつ高さ237)の下部に収容されています。上部には現金200万円が保管された状態を維持してください。当該の金庫を財団の了承無しに別の場所に移す事は許されません。また、SCP-XXX-JPが許可なく外部に持ち出されるリスクを低減する為に、施錠を禁止します。担当職員は毎日金庫の内部を確認し、現金が無くなっていた場合は直ちに報告して下さい。金庫そのものの紛失、或いは所定の位置から極端に動かされた形跡が確認された場合、又はその他の理由からSCP-XXX-JPの紛失及び消失が疑われる際には、後述する人物(以下A)に確認を依頼して下さい。

説明:以下に挙げる情報は、Aの証言や財団職員が記録した映像から概算されたものであり、実物との間に誤差がある可能性が指摘されていることに留意して下さい。
SCP-XXX-JPは.45口径、銃身長150cm、全長300cm、重量2000g、装弾数8発、有効射程100m以上で、ライフリングを持たないシングルアクション式の金属製大型回転式拳銃のような形状、及び性能を持つと推定されています。

SCP-XXX-JPは何人にも視認出来ず、これはAも例外ではありません。また、Aを含む特定の人物を除いてSCP-XXX-JPには接触出来ず、SCP-XXX-JP由来の音を聴く、或いは匂いを嗅ぐ、味わうなどの五感を用いた、若しくはその他特殊な感覚によってSCP-XXX-JPの知覚を試みることは全て失敗に終わっています。このことから、SCP-XXX-JPはAのみが有体性を持つ構造物として知覚可能な(用語)であると思われます。
加えて、SCP-XXX-JPの有体性或いは実在性は非常に不安定であり、一時的にAの接触も受け付けなくなったり、Aや財団職員の一部がその存在を曖昧に感じるようになる現象も確認されました。事実3日前の時点で、Aの掌は一本の見えない薬莢に触れるのみの状態にあり、これが現時点でのSCP-XXX-JPに関する最終的な記録になっています。SCP-XXX-JPの大部分が消失してしまった可能性も考えられますが、AでさえSCP-XXX-JPの実在や非実在を他者に向けて明確に明かすことはできず、また、SCP-XXX-JPの消失を仮定した場合においても、それが永続的な現象である保証はなく、再度同じ場所にSCP-XXX-JPが発生する可能性も否定できていません。これらSCP-XXX-JPの性質を考慮したうえで財団は少なくとも現時点においてはSCP-XXX-JPが収容状態にあるものとして扱っています。
SCP-XXX-JPに関するAの報告が妄言でないことは以下の実験で実証済みです。

実験記録XXXX-日付YYYY/MM/DD

対象:SCP-XXX-JP及びA
実施方法:AがSCP-XXX-JPを踏んだ状態で片方の足を浮かせる。Dクラス職員がAに手を重ねてSCP-XXX-JPを握り込む。
結果:Aが宙に浮いているように視認できたことにより、観測者及びDクラス職員は間接的にSCP-XXX-JPの実在を把握した。
分析:SCP-XXX-JPの実在と50kgの耐荷重性が確認された。

AはSCP-XXX-JPがテーブルや壁をすり抜けることは無いと報告しました。このことよりSCP-XXX-JPは質量を持つ全ての存在に対し物理的な変化を一切与えられないとの仮説が立てられ、以下の実験が行われました。

実験記録XXXX-日付YYYY/MM/DD

対象:SCP-XXX-JP
実施方法:手袋を装着したDクラス職員がAから手渡されたSCP-XXX-JPを受け取り、掌握する。
結果:Dクラス職員の手がSCP-XXX-JPの感触を認めることは無かった。Aは実験中SCP-XXX-JPの落下音を耳にしたと報告し、Dクラス職員の足元にSCP-XXX-JPが与えいる事を確認した。
分析:Aは、SCP-XXX-JPを他人に無理やり握らせたり押し当てようとしても、その表面を滑るような感触を覚えるのみでうまく力を加えることが出来ないと報告した。このことから、SCP-XXX-JPは確かに実体を有しているものの、Aの何らかの身体的特徴に反応しAとの間でのみ限定的な摩擦力を獲得する性質を持つものである可能性が指摘されている。

また、AはSCP-XXX-JPには確かな重みがあるとしており、重量に関する実験も執り行われました。

実験記録XXXX SCP-XXX-JP 日付YYYY/MM/DD

対象:SCP-XXX-JP及びA
実施方法:SCP-XXX-JPを所持したAを体重計に乗せ、その重量をAの体重と比較する。
結果:差異は見られなかった。
分析:AはSCP-XXX-JPの質感や大きさを感じているため、それに見合った重量を錯覚している可能性が高い。

また、視認出来ないものに接触した際の感触に関する調査として、Aに30パターンの錯触現象を体験させた所、No.18(両手の指先を合わせて、手のひらを近づけたり遠ざけたりすることで、柔らかいはずの指先の感覚が遠ざかり、見えないガラスに触れているように感じる錯覚)が最も近しいとの回答が得られました。

Aの証言では、SCP-XXX-JPは細かなパーツを含めて全てが同一の素材で形成されているように思えるとされています。取材によって得られた素材の特性は、強度と重量、及び光沢以外のあらゆる面において、一般構造用圧延鋼材SS400と非常に近しい特性を有していると考えられます。以下に、実験によって得られた結果をもとにSCP-XXX-JPを、主要素材にSS400を用いた大型のピストルと仮定した場合に矛盾する点、つまりSCP-XXX-JPの異常性として考えられる箇所を列挙します。
第一に硬度について、モース硬度8に匹敵すると考えられます。少なくともSS400の3.5〜4程度では、Aの証言に登場するインシデント(主には特定の条件下における発砲、及びそれを連続的又は断続的に複数回繰り返す事による衝撃の蓄積)によって、容易く破損します。しかし、SS400と比べて引っ掻きに弱い特性もあり、(SCP-XXX-JPをあくまでも物質として捉えた場合)物質的又は機械的性質の強度及び硬度についての評価が非常に困難です。第二に重量について、SS400を主要素材として用いた場合には4917gの重さになることがわかりました。実在しない、又は発見されていない何らかの鋼又は鉱物として、前述した硬度を含む様々な情報からその密度を推定し、それを利用して求めた質量と、仮定されるSCP-XXX-JPの体積から考えられる重量は少なくとも8000gを超えるにも関わらず、Aの証言をもとに推定された重量は2000gである事から、SCP-XXX-JPが物理学の影響下にある事や、Aの発言そのものに疑義を呈する職員も存在します。
第三に内部構造やエネルギーの所在について、SCP-XXX-JPの内部にばねに類する部品やその他衝撃を吸収するための特殊な機構は存在しなかったとのAの証言からSCP-XXX-JPがガス圧によって作動するものと考えた場合、その発生要因を究明する中で様々な矛盾が発生します。
備考Aが聞いたSCP-XXX-JPの発砲音はデザートイーグル Mark XIX .50AEが最も近かったと報告されています。

補遺: ████年█月██日(推定)██:██ ██県██市████高等学校2―3にて、Aは初めてSCP-XXX-JPに触れました。以下はSCP-XXX-JPについて理解する際に最低限必要であると思われるAのプロフィールと身辺調査の結果です。Aは当時高校2年生でした。彼は野球部に所属しエースを任されていましたが、練習中の事故を原因としたイップスの為に投球が困難となり、野球への情熱も薄れていました。SCP-XXX-JPに曝露する数日前からAは漠然と「見えない何かが欲しい」と思っていたと証言しています。

████年█月██日。授業を受けていたAは机の上に冷たい感触を発見しましたが、視線を落としてもその正体を視認することが出来ませんでした。手のひらを広げ被せるようにゆっくりとSCP-XXX-JPに触れ、その感覚を弄ることで、AはSCP-XXX-JPを見えない銃として認識し、授業終了後引き金を引いて同級生の頭部を狙い、発砲しました。彼の耳は鼓膜が破れるほどの爆音を聞き、掌には強い衝撃が走りました。動揺し、暫く動けなかった彼はやがて周囲が何事も無かったように行動している事に気づき、次いで銃撃した同級生が死亡した事を認識しました。この時の状況をAは後に「透明な殺人だった」と語っています。Aの目には、銃撃を受けたはずの同級生が談笑する姿が映り、その笑い声も聞くことが出来ましたが、それが「全く心に触れなかった」のだと云います。銃撃の後、Aは同級生との間に存在する凡ゆる思い出を単なる記録のように感じ、以後はその姿も写真のように無機質なものとして捉えるようになりました。銃撃以前、Aは同級生に対して憎しみの感情を抱いていましたが、それらが悉く喪失したのだといいます。SCP-XXX-JPで撃たれた人間は、SCP-XXX-JPを所持する者の世界でのみ透明な死を迎えるのだと想像したAは、下校後自室でSCP-XXX-JPを手探りで調べ、幾つかのパーツに解体し、残弾数が█発である事や、SCP-XXX-JPで壁を強く殴っても傷がつかないことを確認し、ソファで寝ていた母親の額に押し当てることでSCP-XXX-JPが他者の身体に物理的な影響を与えられないことを把握しました。

SCP-XXX-JPの曝露から2週間程度経過した█日の昼休み、Aは運動場でサッカーに興じる同級生らと弾丸を取り除いたSCP-XXX-JPを利用して、空砲を放つことで「予行演習」を行っていました。木陰に潜んでいたAでしたが、その現場を同級生ながら面識のなかった女生徒Bに発見されてしまいました。この時Bは、自身も"見えない銃"を所持していることを告白しています。しかし、Bが証拠として手渡した"見えない銃"にAは触れることができず、Bも同様にAのSCP-XXX-JPに接触できませんでした。しかし、両者とも"見えない銃"に触れた事のある者しか知り得ない情報を有していた為、その場で放課後に改めて情報及び悩みを共有することが約束されました。当該日の学校課程終了後、二人はファミリーレストラン████に向かい、その道中、AはBを視認した瞬間に恋慕の情を抱いたことを告白しました。Bは返答を保留し、予定通り二人はファミリーレストランでともに食事をしました。後の取材から食事中の会話内容の一部がAによって報告されていますが、特筆すべきこととしてBはカエルを銃撃し、以降カエルに対する嫌悪を感じなくなったと話したことが分かっています。
またこの時、レストランを偶々訪れていた財団職員が、Bの「ペーペーの彼氏が奢ってやるとかカッコつけないでよ!どうしても割り勘しないってんなら、この透明銃で強盗でも始める?パルプフィクションみたいに!!︎(ママ)」という発言を耳にし、この時より財団は秘密裏に当該人物2名を対象とした監視及び身辺調査を開始しました。

AとBは男女交際を開始するにあたり、SCP-XXX-JPを二度と人に向けて撃たないことを約束しました。AとBの関係は校内でも周知され始め、徐々に甲子園を控える野球部員や、監督を務める数学科の臨時的任用教員████(現在Dクラス職員)等がAに対する触法性が指摘できる手段を伴う野球部復帰の要求や、Bとの関係についての心無い言葉を繰り返すようになりました。事実、Aのイップスは寛解を迎えつつあり、野球よりもBとの関係を優先したいと感じていたことが復帰を遠ざける要因となっていたことが推察されます。
以下はAの自室に設置された監視カメラ映像の記録です。尚、映像の確認は担当の男性職員1名にのみ許可されていました。当該職員は毎日定められた時間に1日分の記録を確認し、重要性のない部分を削除する編集をした上で他の職員に映像を共有しました。また、SCP-XXX-JPとの関連性に乏しく、且つプライバシーを著しく侵害することにつながる映像を見てしまった場合、職員は自己申告によって自身の記憶処理を申請するように定められていました。

<記録映像, [(YYYY/MM/DD)]>
AとBは設置されたベッドに背中を預けて横並びで座っている。
B「アンタの透明銃今どこにあんの?」
A「左手に握ってるよ。なあ、最後に聞くけどさ、お前は本当に捨てても良いのか。ずっと肌身離さず持ってたけど、捨てたらどうなるかなんて分かんねえのに」
B「きっと大丈夫だよ。大丈夫じゃなくても、こんなもの...これのせいで、私たち...」
A「そう...だよな。最近は皆うるせえし、悪いやつらじゃないって思いたいけど...正直、何回も撃とうと思った」
B「うん。分かってる。私もおんなじだよ。でもさ、最後に一発だけでいいからさ、約束破ってくんない?」
A「██か?(現Dクラス職員)確かにあいつだけは...でもさ、B」
B「違う...私だよ。A。私の事撃ちなよ。そしたら、きっとアンタ...何の気兼ねもなく野球部に戻れるよ!私への気持ちと一緒に、友達とか先生を許せないって気持ちもきっと消える!...私のせいでそうなってるんだから。記憶だけになっちゃうけどさ、形だけでも、私が誰よりアンタのこと好きだったって、そう言ってたってことだけでも、忘れないで...私、思うんだ。アンタが持ってるその銃はさ、野球の神様が、アンタが思いっきり野球できるように、そのためにプレゼントしたんだよ」(映像及び音声の解析から当該の発言の後半部については虚偽である可能性が高いと指摘されています)
A「なにめちゃくちゃなこと言ってんだ。お前、そんな神様なんかな...」
B「わからないの!?もうこれ以上私に関わらないでよ、もう耐えられない。最近は...これで...ずっと...アンタが撃てないなら、私がアンタを撃つから」
A「おい、落ち着けよ、やめろって」
B「早く撃ってよ。脅しじゃない!撃たないと...撃つ!!」
Bは興奮状態で立ち上がり、Aに向けて両腕を伸ばす。6.3秒の沈黙の後、Aが発言する。
A「できないよ...俺には。ごめん...最低だな、俺。こうなるまで気づけなかった。辛いのは俺だけだって思ってた。撃てよ...俺への気持ちが、俺が、お前を苦しめてるなら」
B「最後までかっこつけんだ。アンタらしい。ありがとう。じゃあね、A」
A「B...!」
Bは、人差し指を折り、両腕を下す。Bの表情から、数秒前のように興奮した様子は確認できない。Bが無言で部屋を出ていく。
A「待て!B!」
Aは立ち上がり、部屋を出るBに向けてSCP-XXX-JPを構えるもやがて肩を落とし、その後直立したまま硬直、静止から34秒後に座り込み頭部を両手で抱え込んだ。

隠しカメラの映像及び本人の証言から、Aは当時自失状態にあったことがわかっています。銃撃を受けてもBを想う気持ちは維持されたことや、対してBからは自身への好意が喪失してしまったことによって生きる意味が無くなったと考えたことにより、Aは錯乱状態に陥りました。42分の沈黙の後、Aは自身の頭部にSCP-XXX-JPを突きつけて発砲を行いました。発砲後の状態についてAは「自分で自分がわからなくなった」と表現していますが、特に記憶の異常は見られなかったと言います。感情の所在が不明になったように思えたそうですが、Bを含む他者に対する気持ちに大きな変化はありませんでした。翌日もAは普段どおり登校しましたが、1日を通して呆然としており、HR終了後も席を立てずにいました。

以下、教室に設置されたカメラ映像の記録です。

<記録映像, [(YYYY/MM/DD)]>
Aが一人残る教室の戸が開き、Bが入室する。BはAに接近し、Aの座る机に両手を置く。
B「ごめんね。昨日は」
Aは驚嘆した反応を見せる。
A「なんで...」
B「あれさ、ああすれば流石のアンタでも諦めつくだろうって、そう思ったんだけど...やっぱり、忘れたくなかった。忘れる勇気なんかなかった。だから、アンタのこと撃ったフリしてさ...私が嘘つけばって。そんなことしても、アンタが楽になるわけじゃないってホントは分かってたのに。自分勝手だよね...アンタの気持ち、考えもしなかった。」
A「B...俺さ...」
B「ごめんなさい!私、もう間違えないから!アンタさえよければ...」
A「もう遅いんだよ!...俺は、もう空っぽなんだ。俺はもう自分で自分の心を殺したんだ」
B「何...言ってんの?まさか」
A「俺は、この銃を...」
B「やっぱり!...馬鹿だね、アンタって!それで、ココ、撃ったってわけだ」
Bが笑い声をあげながら、Aの側頭部を人差し指で突く。
A「B!笑い事かよ!俺は感情を撃ち殺したんだぞ!!︎」
B「ねえ...私の目がおかしいの?今のアンタさ、めちゃくちゃ感情的に見えるんですけど」
A「あっ...でも、何で...」
B「アンタの心は頭蓋骨にしまってあるわけ?脳みそ撃ってもさ、人の心は殺せないんだよ」
A「なんだよそれ!俺は、現に一人殺して...」
B「私たちが何をしたって!...相手は少しも変わらない。そうでしょ?私もさ、自分の頭、撃ったんだよ。アンタの前で演技し続けられる自信なんかなくて、残りの弾は全部自殺に使おうと思った。でも無理だった、何発撃っても、なんも変わんなかった。私はまだアンタが好きだったし、それに、自分が憎かった...アンタも本当はそうでしょ?でなきゃ、居残りしてエモい顔に頬杖ついてるわけないもん。機械みたいに最短ルートで帰宅するはずでしょ?身体と、心は別だから。心はさ、体の中にあるわけじゃないんだよ」
A「俺の中にないならどこにあるんだよ?どこかにある筈だろ?俺は...確かに自分の心に苦しめられてだぞ!」
B「ムカつく奴を無理やり忘れようとして、撃ち殺してやるって暴れてた私等の心は...どんな形で、どこにあんだろうね?」
Bは微笑を湛えている。沈黙の中、Aは自分の左手を凝視している。BがAの机に右の手の平を添える。
A「今の音...お前の...」
Bは無言でAの右手を掴む。AはBに促され、Bの"見えない銃"が設置されたと思われる場所に右手を重ねる。
A「これ......銃って言うより水鉄砲だぞ。軽いし、なんかちゃっちい」
B「うるせ」
A「まずこれ、マガジンついてねえぞ。どっから弾込めてるんだお前」
B「何?マガジンって...先っちょから入れてんだけど、消しゴム詰まったシャーペンとおんなじ...アンタ違うの?」

この記録を確認した後エージェント3名が現場に急行し、当該の2名に接触しました。この時すでに彼等の所持するSCP-XXX-JPは不安定な状態を迎えつつありましたが、説得によりAからSCP-XXX-JPを徴収することに成功しました。Aからの嘆願と、SCP-XXX-JPに大きな危険性が指摘できず、対応は一つのサンプルに異常が見られてからでも問題ないと判断されたことにより、Bにはその場で財団員との接触に関わる記憶の処理が行われ、以後Bに対する取材やBが所持していたと思しきSCP-XXX-JPの類型SCPの収容は現時点まで行われていません。

本稿におけるSCP-XXX-JPやその類似物は以下に透明銃と呼称します。

筆者の懸念点

文量過多で読むのに疲れる文章になっていそうで不安です!査読を受けて削れる箇所は削ろうと考えて、多めに書いたつもりです。
一応確認はしましたが、ネタが被っていそうで不安です!アイテムの特性は(漫画ジョジョの奇妙な冒険のエンペラー等他の有名作品にも散見されるため)一種のクラシックだと考えているのですが、相手を自分の意識の中でのみ消してしまうという現象や、それをメリットと捉える登場人物等でアイデアが著しく被っている場合はすぐ畳みます!(殺害等周囲に迷惑をかける手段を取ることなく、他者への憎しみを解消するというのが本作のキモになっていると考えています)
終わりがあっさりしすぎている気がします!
会話で文章を進行させることには苦手意識があり、違和感なく読めるようになっているか不安です!(パルプフィクションの件とか、何となくポップにしたくて色々やってますけど、書いてて空回りしてる感覚があります笑)
特別収容プロトコルにおいて、「(SCPを収容した金庫の)上部には現金200万円が保管された状態を維持してください。」とありますが、これは(透明銃を知らない人物及び団体による)窃盗へのリスクヘッジとして現金を囮にしているという設定からなるものです。透明銃は特定の人物以外触れることは出来ないため盗み出される危険性は低いですが、箱に収容した場合箱そのものを持ち出されるリスクは存在するはずと考えたことと、「SCP-XXX-JPが許可なく外部に持ち出されるリスクを低減する為に、施錠を禁止します。」のようなワードがフックの役割を果たすことを期待して、以上の設定を盛り込みました。しかし、読み手にとっては冗長で理解しがたい文章になっている可能性を危惧しています。
その他書き手には気づけない問題点がありそうで不安です!!

真相・裏設定等

本稿に登場するアイテムは、登場人物A及びBの心理のメタファーとして設定しました。AがBの透明銃に触れる件では、お互いの心が通じ合ったことを示唆しています。
透明銃は特定の誰かにまつわる感情を自身の外に追いやってしまいたいという心理から発生したものである為、例えば憎む相手がいても、その気持ちと向き合ったり受け入れようと考えれば透明銃の存在は希薄になり、その気持ちが翻ることで再度輪郭を取り戻します。
また、本稿では銃のようなものとしていますが、透明銃は所持者が想像し得る限りにおいて最も殺傷力が高く、残酷な物体の形状を持って現れる存在として仮に設定しています。したがって、全体が一般的な貴金属で形成されている・所持者が知り得ないが、物理的に避けられない筈の現象が発生しない・所持者がきちんと狙ったと思えば状況に関わらず命中する等、所持者の想像にその性能や形状、もたらされる結果が悉く同調します。本稿に登場する薬莢は、誰かを強く拒否した経験から生じる悔恨をイメージしています。

採用しなかったアイデア

Aが本稿にある出来事を通して財団職員となるシナリオも考えていました。でもAとBが変な世界に足を突っ込みすぎないほうが読後感が良いかもしれないと考えて採用しませんでした。
Aがイップスになった要因や、バッテリーを組んでいたキャッチャーとの関係(二人の間でピストルのハンドサインが決め球のサインだったこと等)や、Bの人柄が見える会話等、原案にあった諸々の場面や設定は書面の内容として違和感が生じると考えてカットしました。
透明銃の存在について、心を許したもの以外には伝える事もできない等、より強く他者からの接触を拒む性質にする事も考えました。透明銃を所持している職員による記述として本作を展開する事も考えましたが、財団ではなく一個人の視点をとると、SCP作品としての文の重みが無くなりそうで取りやめました。

その他批評の一助になり得るかもしれない情報

本稿は短編小説作品のプロットとして考えていた展開を、SCPを題材とした作品の形式に組み替える形で作成したものです。
×ばつTRAIN」の歌詞から発想されたものです。

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    kazu0128 kazu0128 20 Feb 2025 15:59

    ・表現について
    1プロトコル最終行「後述する人物(以下A)に確認を依頼して下さい。」について
    このニュアンスではAは普段一般社会で生活しており、収容違反?の時のみに財団とコンタクトをとるというものに聞こえる。SCPを一般社会から隠蔽しようとしている財団が何の措置もなしにAを野放しにしていると解釈したため疑問に思いました
    2説明文5行目「SCP-XXX-JPは何人にも視認出来ず」
    いかなる方法を用いても知覚できません。等が適切だと考えました
    3説明文最終行「SCP-XXX-JPがAによる妄想の産物でないことは以下の実験で確認済みです。」
    SCP-XXXX-JPが外的要因、内的要因のいずれかによってAによって無意識、意識的に生成されたものではないことは。が適切だと考えました。
    ・内容
    最近流行っている「もしも自分に特殊な力があったら」という一種の妄想?へ「特別な力を持つ私たちにはわからない葛藤や悩みがあり、絶対に幸せなるとは限らない」みたいなの警告なようなものだと感じました。また、青春期における学生の精神の不安定さがこのSCPにかかわってるのではないかという考察もできて興味深いSCPだと思います

    by kazu0128 kazu0128 , 20 Feb 2025 15:59
    IEKOs IEKOs 20 Feb 2025 18:37

    1にご指摘された設定はは私としても少し迷いがありました。
    財団は冷酷ではあるものの残酷ではないという設定を踏襲して、当該の設定を採用しました。
    AはDクラスに該当する人物ではなく(且つ当時未成年で)、Aの擁するSCPの性質も直ちに危険性が指摘できるものではありません。以上より、Aから著しく自由を奪うような措置を行わないことにもある程度の妥当性があると考えています。
    筆者の視点からは、Aが軟禁されたりモルモットのように扱われるのは作品の内容から温かみを奪う恐れがあると考えました。
    指摘の通り財団の対応にぬるさを感じてしまう要因になることを危惧してAを現職員として扱う設定も考えましたが、スポイラーに明記した通り、作品雰囲気のために当該の設定を採用することはありませんでした。この部分についてはご指摘の内容を受け止めて、推敲を検討します!

    23の文章はより適したものに修正します。ご指摘ありがとうございます!

    SCPの発生要因等に関してはスポイラーにも記入していますが、概ね考察して頂いた通りです。
    誰でもウザい奴を(出来れば法に触れず、自分を含め誰にも嫌な思いをさせずに)消してやりたいと思う(お言葉を拝借すれば妄想する)ことはありますが、結局のところ最善の方法は心と向き合って受け入れる他にないというメッセージを込めたつもりはあったので、末文のお言葉は本当に嬉しい限りです!!︎最高の励みになります!!︎

    by IEKOs IEKOs , 20 Feb 2025 18:37
    IEKOs IEKOs 20 Feb 2025 18:39

    別に正すほどでもないんですけど、末文の「最高」は「推敲」の誤りです!笑

    by IEKOs IEKOs , 20 Feb 2025 18:39

    以下、rev.38段階の内容をもとにしています。

    総評
    • 特に後半の補遺について、報告書にしては情緒的な文体が過ぎると思いました。これは私自身の好みも多分に含まれるため、即ち悪いとは考えなくていいですが、私には合いませんでした。
      また「SCP-XXX-JPに曝露する数日前からAは漠然と「見えない何かが欲しい」と思っていたと証言しています。」という文章のせいで、報告書の全体が答えありきの文章に思えてしまったため猶更NotForMeでした。報告書自体のトーンに対する見解は小さくない幅があるのでこれに関しては他の人の意見も聞いていただきたいのですが、個人的に財団は「未知のものを相手にしている」立場からずっと書いているものと思っているので、もっと第三者的な冷淡さが欲しいなと思いますし、「Aが『見えない何かが欲しい』と思っていたからこの透明銃ができた(かもしれない)」という要素は登場させるにしても別の方法を採るべきだと思います (記録映像中でAが音楽を聴いていて、漏れる音を聞く限りTHE BLUE HEARTSであるとか)。
    作品外の部分
    • 冒頭の「[画像省略]」は記事の表現なのか著者であるIEKOsさんのコメントなのかどちらでしょうか?記事の表現であればオブジェクトクラスより下部にしておいた方が文書の構造上よい気がしますし、著者のコメントならば「以下の文章に関して」の折り畳みの中に隠すかコメント構文 ([!-- ... --]) を使用することをお勧めします。
    • 作品番号は予約できないのでXXXにしておくのは普通のことですが、記録の日付がことごとくYYYY/MM/DDのままになっているのは報告書としておかしいので、適当な日付を埋めておくべきです。(実験記録に関しては日付を消してもいいかもしれません。日付を書かないのはリアルな実験記録だったら有りえないかもしれませんが、SCP記事ならそれっぽければ十分なので...)
    特別収容プロトコル

    棚番██―███―██

    番号の区切れ目を表すなら、ハイフン「-」で十分ではないでしょうか?

    また、SCP-XXX-JPが許可なく外部に持ち出されるリスクを低減する為に、施錠を禁止します。

    何の施錠を禁止するか明記した方がいいと思います。前後の文章を読む限り金庫の施錠で合っているでしょうか?

    後述する人物(以下A)

    財団は人物だろうがなんだろうが関連するなら付番を付けるので、「SCP-XXX-JP-A」とする方がそれらしいと思います。
    説明
    • 個人的な好みとして、たとえ推測でしか記述できなくとも説明節の冒頭では「SCP-XXX-JPはしろまるしろまるです」と形態を明示してほしい願望があります。これはパラグラフライティングの考え方の延長としてそう思っています。今回の場合は、「SCP-XXX-JPは、大型回転式拳銃のような形状および機能を持つと推定される実体あるいは非実体です。」のようになるでしょうか。
    「実験記録」以降の折り畳み
    どのような内容のセクションを今読んでいるのかが分からなくなるので、折りたたみの直前に**実験記録**と見出しを付けるとか、折りたたみを開いたときの文章に「実験記録を閉じる」するとかしていただけると可読性が上がると思います。
    実験記録
    • 実験記録の列挙のようなフォーマットで書かれているので、実験の間にある時系列的な経緯説明の文章 (実際、次の実験の実験目的に深くかかわっているわけですし) も実験記録の一部として取り込んだ方がいいと思います。具体的には以下のような感じです。

    実験記録XXXX-02 YYYY/MM/DD
    実験XXXX-01において、AはSCP-XXX-JPがテーブルや壁をすり抜けることは無いと報告しました。このことよりSCP-XXX-JPは質量を持つ全ての存在に対し物理的な変化を一切与えられないとの仮説が立てられました。

    対象:SCP-XXX-JP
    実施方法:手袋を装着したDクラス職員がAから手渡されたSCP-XXX-JPを受け取り、掌握する。
    結果:Dクラス職員の手がSCP-XXX-JPの感触を認めることは無かった。Aは実験中SCP-XXX-JPの落下音を耳にしたと報告し、Dクラス職員の足元にSCP-XXX-JPが与えいる事を確認した。
    分析:Aは、SCP-XXX-JPを他人に無理やり握らせたり押し当てようとしても、その表面を滑るような感触を覚えるのみでうまく力を加えることが出来ないと報告した。このことから、SCP-XXX-JPは確かに実体を有しているものの、Aの何らかの身体的特徴に反応しAとの間でのみ限定的な摩擦力を獲得する性質を持つものである可能性が指摘されている。

    • 財団がAの錯覚ないし妄想である可能性を検証しているなら、Aが軽度の現実改変者である可能性も検証しているのでは?ということが気にかかりました。SCPの世界観には現実改変という便利存在があってしまうので、そういう話じゃないことを明示する意味でも実験記録などでフォローするといいかもしれません。
    「SCP-XXX-JPの異常性」節
    この内容を「SCP-XXX-JPの異常性」として独立させていることと、すごく具体的な記述の割に物語 (特に後半の描写) に対する寄与が多くないことが気にかかりました。前者については、不可視であったりほとんどの人間に認識不可能であることも明らかに異常な事態なので、異常性を独立した節に書くならそれらにも言及しなければ片手落ちのように思います。
    後者については、この部分で機能している内容は「素材・強度・構造についてA本人の陳述が、それが実在した場合に想定される諸特性と明確に矛盾している」というだけのことなので、なんなら説明節で想定されている銃器の形状の記述の部分に書き足せば十分のように現状思えます。
    補遺
    総評でも書きましたが文体が情緒的すぎやしないかという感想があります。ですが読む限りこの部分が一番重要で力の入った箇所だと思うので、これを全部壊して書き直すべきとは申しません。例えばSCP-3000-JPなどでは当人の手記を資料として保存しているという体裁にすることでそのような主観的な記述を堂々と書いているので、その辺りはやりよう次第です。 報告書の文体としては、例えば「掌には強い衝撃が走りました」のような叙述はことごとく無くなるのが普通ではないでしょうかという指摘にとどめておきます。
    by oplax-counterpoint oplax-counterpoint , 28 Mar 2025 12:04

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