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クレジット
非異常性の柊鰯
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト8119の低危険度ロッカー内に収容されています。週に一度管理担当者が状態を確認し、問題が発生した場合はセキュリティクリアランス3以上の職員の指示に従って下さい。また、管理担当者以外はこのロッカーへの接触が禁止されています。
説明: SCP-XXXX-JPは、1999年4月5日、アメリカ合衆国カリフォルニア州・ベイエリア内の売家から「魚に襲撃されている」という通報があったことで発見されました。
SCP-XXXX-JPは、一般的に流通しているカリフォルニアマイワシ(California pilchard)とセイヨウヒイラギ(Ilex aquifolium)の頭部から構成されています。活性化条件を満たした場合、SCP-XXXX-JPは空中を泳ぐように動き始め、周囲の存在に対して体当たり等の威嚇行為を繰り返します。また、声帯は存在しませんがイエイヌ(Canis lupus familiaris)のものに類似した唸り声を頻繁に発することが確認されています。
これらの行為の威力は低く人間が負傷することはありませんが、SCP-XXXX-JPは物体を転移させて周囲の危険物を排除することが可能であり、反撃や接触の試みは成功していません。
SCP-XXXX-JP収容計画: -1999/04
日時: 1999年04月04日
備考: 通報を受け派遣されたエージェント2名が捕虫網を使用して確保を試みたものの、上述の転移能力によりあらゆる接触が回避されました。捕獲開始から8分後、エージェントの両名が売家から100m離れた公園内に転移し、目撃者の対応作業のため中断。
日時: 1999年04月07日
備考: 前回の捕獲作業後、SCP-XXXX-JPは売家内で頻繁にエントランス付近を行き来していました。通行人の目撃を防ぐため、売家内の全ての窓にカーテンを設置する提案が許可されました。
結果: 設置作業中、SCP-XXXX-JPは作業員を激しく威嚇、何度か体当たりの様な動きを見せた後、最終的に自身を庭へ転移させたため作業が中断。カーテンを取り外すとSCP-XXXX-JPは家屋内に戻りました。
以上2回の結果を鑑み、水道管の工事に偽装してSCP-XXXX-JPが存在する売家前を通行止めとすることで暫定的な収容が行われました。カリフォルニア沿岸の他の地域でSCP-XXXX-JPと類似した個体は確認されず、通常のカリフォルニアマイワシの習性とは異なり群体ではなく単体で行動すると考えられています。
以下は、未確認動物学部門が行った情報収集に対して日本国内から送信されたメッセージを翻訳したものです。
財団本部 未確認動物学部門の皆様へ
同様の提言を既に受理されていた場合はご放念ください。
先日、生物学研究員に開示された「カリフォルニアで暫定収容中の魚類実体に関する情報提供募集」に関して報告を行います。当該の魚類実体は、日本国内で2月初頭に行われる祭事で使用される柊鰯という装飾品と特徴が一致しています。これは家の玄関に設置し、魔除けとして使用されます。イヌの声を発する理由は不明ですが、その実体は「カリフォルニア湾周辺に出現した異常生物」ではなく「人間により作成された異常物品」だと推定されます。
つきましては、売家の元の所有者についての調査を推奨致します。敬具
サイト-8119 生物実体収容担当 春田
この報告を受けて行われた調査で、売家は1964年に日本から渡米した佐藤夫妻の住居だったことが判明しました。夫は1997年に老衰により死去しており、妻である佐藤██氏は1999年3月に帰国していました。また、夫妻が数年前まで愛玩犬の一種であるミニチュア・シュナウザーを飼育していた記録が付近の動物病院で確認されました。
その後、「物件売却手続きの不備」があったとして佐藤██氏を当該の家屋へ訪問させたところ、SCP-XXXX-JPは非活性状態になりました。同時に行われた、佐藤██氏の荷物にSCP-XXXX-JPを混入させ、現在の住居に移管させる試みは成功を収めました。
これに伴い、以後のSCP-XXXX-JPの管理はサイト-8119が引き継いでいます。ヘルパーを装った担当職員が定期的に訪れSCP-XXXX-JPの状態を確認していますが、SCP-XXXX-JPは佐藤██氏の元に移管されてから一度も活性化していません。
補遺1: SCP-XXXX-JP移管記録
2007年、SCP-XXXX-JPの非活性条件となっていた佐藤██氏が老衰にて死去し、同氏の相続財産管理人を引き受けていたエージェント・御黒へSCP-XXXX-JPの非活性条件が移動したことが確認されました。
SCP-XXXX-JPは現在、エージェント・御黒以外の人物が接近すると活性化し、同エージェントが再接触するまで非活性化しません。このためエージェント・御黒をサイト-8119に異動、レベル2職員としてSCP-XXXX-JPの管理担当者とし、収容手順が変更されました。
補遺2: 事案XXXX
2011年、サイト-8119で発生した収容違反時にエージェント・御黒のいる実験室がSCP-████に襲撃される事案が発生しました。この際、非活性状態で収容されていたSCP-XXXX-JPが実験室内に出現、SCP-████を収容房へ転移させたことで事態が終息されました。
エージェント・御黒が感謝の言葉を述べた後、SCP-XXXX-JPはしばらく泳ぎ回っていましたが、自発的にロッカー内に転移して収容状態に戻りました。
付与予定タグ:
元は「泳ぎ回って特定の家族を守護する柊鰯」と「収容中に接触可能条件が変わってしまい、ロッカーから取り出せなくなったアノマリー」いう別々のアイデアでした。
途中で統合されて「日本人の元飼い主にしか制御できないのに、アメリカで異常性を獲得しちゃったので本部を困らせた柊鰯」という構成になりました。
柊鰯というマニアックな日本のアイテムがアメリカで異常性を獲得する、本部職員はそもそも『柊鰯』を知らないので「異常なイワシ」だと思う...というフックをうまく活かせたらと思っています(素材がカリフォルニアマイワシで舞台がカリフォルニアなのもミスリードの導線です)。
ここで本部が無能に見えすぎないよう、日付の間隔を短くし、『提言』の後は速やかに収容につなげることを意識しています。本部と日本支部のつながりを感じられるJP記事が好きなので...
▮明言されていない設定
・渡米した日本人夫妻がアメリカにあった材料で作った柊鰯に、夫妻の飼い犬の精神がのっかったアノマリー。アメリカにおいていかれてしまったので異常性を獲得、不動産鑑定士が接近したことで起動。
玄関前にいた番犬と、玄関に飾ってあった柊鰯のフュージョンです。メタタイトルからある程度汲み取れるかと思うので、経緯については明言しませんでした。
・エージェント御黒...オグロイワシ。アノマリーが老婦人の死後誰かの手に渡らないように、フロント企業に派遣され遺産管理を命じられていました。これもわざわざ書くほどのことでもないかと詳細はカットしていますが、登場が唐突に思えるようであればもう少し詳しくします。
◼️没案
佐藤妻さん→エージェント→エージェント死亡→その上司へ非活性条件が移る、という補遺が存在しました。
犬は社会的地位を読み取ることができるという点から派生したアイデアで、これに従っていけばそのうち日本支部理事会がこれの管理を担当しないといけなくなる......というオチでした。
しかし、「番犬」と「柊鰯」というモチーフなのにすぐに飼い主(概念)が死ぬのは軸がぶれているように感じたので没としました。
◼️批評ポイント
レイアウトが適切か。
「イヌの鳴き声」のくだりで、犬の学名については文脈上重要ではなく後半に具体的な犬種名を記載していることもあり省略していますが、問題ないか。 変更済
uvとdvの選択、及び「変わった生き物」というだけのSCP記事になっていないか(構成がちゃんとオリジナリティの演出のために機能しているか)。
構成上敢えて活性化/非活性化条件を後半までぼかしていますが、これは読み手のストレスになっていないか。
クラス分類はEuclidが適切か。
その他、改善案等ありましたら参考にさせていただきたいです。
ファイルページ: 柊鰯
ファイル名: 2025年10月13日 015010.png
タイトル: 柊鰯
著作権者: sinornis
ソース: http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:9878139-2-n4tz
ライセンス: CC BY-SA 3.0
補足:
sinornisが撮影した柊鰯の写真です。
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Bookmarker Bookmarker 13 Oct 2025 14:03拝読しました。
エージェントが所有するSCP-XXXX-JPのレプリカ
実物の写真を載せない理由もなく、レプリカを作成する理由もないので本物でいいと思います。カリフォルニアマイワシで作成した柊鰯の写真がないという理由であればキャプションは『非異常性の柊鰯』でいいと思いますが、頭部だけでは国内のマイワシと大きな違いはないので気にしすぎかと。
同様の報告を既に受理されていた場合はご放念ください。
この欄における「報告」は報告を求められている側からのものではないので、「提言する」の方がいいかと思われます(が、ここは個人の感覚かもしれないです)
売家は1964年に渡米した日本人夫妻の住居だったことが判明しました。
メタタイトルが「佐藤さん」なのにここでは姓が明かされていないので、開示してもいいかなと感じました。
夫妻が数年前までミニチュア・シュナウザー(Miniature Schnauzer)を飼育していた
ミニチュア・シュナウザーはイエイヌ(Canis lupus familiaris)の品種なので、犬種と学名を併記するなら『ミニチュア・シュナウザー(Canis lupus familiaris)』のようにした方が正確かと思われます。スポイラーでの言及の通り、説明欄の「イヌの唸り声」を『イエイヌ(Canis lupus familiaris)に類似した鳴き声』などに置き換えてもいいかもしれません。
執筆頑張ってください。by Bookmarker Bookmarker , 13 Oct 2025 14:03批評のご協力ありがとうございます。励みになります!
→佐藤夫妻の姓を開示
開示前の下書きの一部が残っていました。開示予定だったので、ご指摘の通り編集いたしました。→種名記載について
どうすればいいか迷っていたので大変参考になります。シュナウザーの方は消去し、説明上部にてイエイヌの学名を併記しました。→写真
「非異常性の~」に訂正いたしました。→提言/報告
こちらも「提言」と迷っていた部分なので適宜調整しました。提言の方がメールの内容の趣旨には合致していますね。最後の編集 13 Oct 2025 14:57 by sinornis
- portal:9878139 (06 Oct 2025 01:51)