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鹿場 浩介
Sikaba Kousuke改編部門第一変換系開発課歴史を繋ぐ、その役目がある。
変換礼装の開発。
私は時空間の破れを最適化する為の事象変換系の整合性維持についてを担当しています。因果調整課や観測部門などと協力しながら破綻現象の修復を主導していくのが改編部門なのですが、その中でも事象変換は改編業務の要となります。その改編において長期間の時空間の破綻現象を修復できる事象変換に必要な礼装となると、その開発の難易度は非常に高くなります。更に、変換する必要のある時空間の規模が大きい場合、それと比例して必要な礼装の製造難易度も高くなります。そんな難易度の高い、しかしだからこそやりがいのある仕事に私は挑戦しています。
私は主に年単位の破綻現象の修復を目的とする礼装を開発しています。特定の出来事のみをピンポイントで修復する秒単位や分単位の変換礼装とは違い、長時間の事象を修復する年単位の変換礼装は主に複雑に絡み合った破綻現象を修復する為に利用されます。分や秒単位の主に1つの出来事そのものを大きく変える短期間の変換礼装とは違い、長期間の変換礼装は異常が長期化、常態化してしまった破綻現象を修復する為に利用されます。その為、必要な対応事象の種類も多いですが、JSCAではそんな高難易度の変換礼装についてのノウハウも豊富で、周りと協力しながらさらに良い変換礼装を開発する事が出来ます。JSCAの技術力は、世界でもトップクラスだと自負しています。
矛盾を目指す為に。改編業務では当たり前のように矛盾した目標が出てきます。例えば「アメリカ合衆国に皇帝を実在させる」などです。当たり前ですが、矛盾した目標は達成できません。真っ当な手段では、共和制のアメリカに皇帝を出現させる事など不可能です。ですが正しい歴史としてアメリカに皇帝は存在する。となった場合には、私達はそれを目標に歴史を修正しなければいけません。でなければアメリカに皇帝がいる事が正しい歴史であるはずなのが、アメリカに皇帝がいない破綻した時空が存在してしまいます。
それを解決する為には常識を全て捨てないといけません。学んできた知識すら邪魔になる時すらあります。破綻の修正はそれらを乗り越えて行く必要があります。だからこそ、破綻現象を修復出来た時の喜びはとても大きいですね。自分の過去から破綻が消えた日をめざし、進み続けて行きたいですね。
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