2013年7月27日土曜日
2013年現代社会問題研究会夏季研究集会案内
恒例の現代社会問題研究会夏季研究集会が、今年も下記のように開催されます。
開催日時 2013年8月31日(土)午後2時~5時
開催場所 全水道会館5階中会議室 *JR水道橋駅北口より徒歩2分
講 演 「自民党政治に対抗する民主リベラル勢力の結集」
佐高 信 氏(経済評論家)
参加費 1000円
*終了後懇親会(4000円程度)も予定しています。ご参加を。
主 催 現代社会問題研究会
佐賀大学経済学部 平地一郎研究室
0952-28-8459 E-mail: hirachi●cc.saga-u.ac.jp
*●を@に換えてください
詳細は、現代社会問題研究会HPをみてください。
http://www.geocities.jp/gensya2004/index.html
開催日時 2013年8月31日(土)午後2時~5時
開催場所 全水道会館5階中会議室 *JR水道橋駅北口より徒歩2分
講 演 「自民党政治に対抗する民主リベラル勢力の結集」
佐高 信 氏(経済評論家)
参加費 1000円
*終了後懇親会(4000円程度)も予定しています。ご参加を。
主 催 現代社会問題研究会
佐賀大学経済学部 平地一郎研究室
0952-28-8459 E-mail: hirachi●cc.saga-u.ac.jp
*●を@に換えてください
詳細は、現代社会問題研究会HPをみてください。
http://www.geocities.jp/gensya2004/index.html
2013年7月20日土曜日
労農派の歴史研究会第151回例会報告
連合春闘が始まった90年代というのは、ソ連が崩壊して、資本主義内部の競争が残った時代であった。当時はそういうことはあまり意識しては考えなかったが、資本主義内の競争ということは、コスト削減をめぐる競争が厳しくなるということであった。したがって、賃金闘、争は非常に取り組みにくくなるということであった。
連合、各産別、というよりその実権を握る個別大企業の労資は、賃金闘争をやりたくないのは当然である一一企業としては、他の企業の労働者が賃上げをして、製品を買ってくれるのは歓迎だが、自分のところはその分だけコスト削減をしたいのがホンネだー-だから春闘を継続しようとする人たちは、様々に工夫しながら、単産、単組に働きかけていたようだ。ところが、この章に、ていねいに書かれているように、そうやって苦労しても、獲得できた賃上げは、その前の時代に比べると、額も率も小さい。だから実際に現場で苦労していない人は、「だから連合はだめだ!」と批判したがっていた。
私(山峙)も、最近になってとくに強く感じるようになったのだが、60年代、70年代のように、企業も高度成長するが労働者も大幅賃上げが当たり前というのは、資本主義のなかでも条件の整ったところでだけ実現するのだ、ということである。そのなかで誰が偉いとか、立派だということではなく、そういう特殊な条件にある資本主義で起こる現象なのである。現在、「成長政策」というようなことを言っている人たちは、みんな「うまくやれば60年代、70年代と同じような高度成長をできる」と、本人が思うか、そう思っている人たちに圧力をかけられて、四苦八苦しているのである。
そういう条件を再現できれば良いが、そうならないときは、毎年わずかづつでも賃上げが出来るのなら、それを長期間継続することを考えた方が良いのである。90年代、2000年代と、労組幹部が賃上げに努力して、ささやかな要求でも値切られてしまうようだが、それを継続して、少しでも正当な賃金獲得に近づいてほしい、と考える他ない。
連合、各産別、というよりその実権を握る個別大企業の労資は、賃金闘争をやりたくないのは当然である一一企業としては、他の企業の労働者が賃上げをして、製品を買ってくれるのは歓迎だが、自分のところはその分だけコスト削減をしたいのがホンネだー-だから春闘を継続しようとする人たちは、様々に工夫しながら、単産、単組に働きかけていたようだ。ところが、この章に、ていねいに書かれているように、そうやって苦労しても、獲得できた賃上げは、その前の時代に比べると、額も率も小さい。だから実際に現場で苦労していない人は、「だから連合はだめだ!」と批判したがっていた。
私(山峙)も、最近になってとくに強く感じるようになったのだが、60年代、70年代のように、企業も高度成長するが労働者も大幅賃上げが当たり前というのは、資本主義のなかでも条件の整ったところでだけ実現するのだ、ということである。そのなかで誰が偉いとか、立派だということではなく、そういう特殊な条件にある資本主義で起こる現象なのである。現在、「成長政策」というようなことを言っている人たちは、みんな「うまくやれば60年代、70年代と同じような高度成長をできる」と、本人が思うか、そう思っている人たちに圧力をかけられて、四苦八苦しているのである。
そういう条件を再現できれば良いが、そうならないときは、毎年わずかづつでも賃上げが出来るのなら、それを長期間継続することを考えた方が良いのである。90年代、2000年代と、労組幹部が賃上げに努力して、ささやかな要求でも値切られてしまうようだが、それを継続して、少しでも正当な賃金獲得に近づいてほしい、と考える他ない。
ラベル:
労農派の歴史研究会
2013年7月1日月曜日
『社会主義』2013年7月号目次
ご注文は社会主義協会へ。一冊600円。
特集 世界と日本の経済・政治・労働
北村厳■回復力弱くリスク抱える世界経済
山崎耕一郎■体制間対立終焉後の政治の低迷
松谷信■緊縮と闘い続ける欧州労働運動
芳賀和弥■米国労働運動を取り巻く現状
伊藤修■日本とアジアの経済の現況および焦点
資料■社会民主党2013参議院選挙公約(素案)
酒居利彦■漂流する橋下・日本維新の会
武藤聡■連合の2013春闘中間まとめを読んで
小池泰博■東北の私鉄13春闘をふり返って
高橋俊夫■地方連合会春闘の取り組みと課題
櫛部浩二■地方公務員給与削減攻撃に抗して
高橋道明■「職場の声」に依拠し大衆闘争で闘う
中村ひろ子■批評 ジェンダーの視点で安倍政権を見れば
ラベル:
『社会主義』目次
2013年6月21日金曜日
労農派の歴史研究会第150回例会報告
労働法制についての対応、国の基本政策、政治方針などが前回のテーマでした。この前にも言ったように、総評が無くなり、90年代には社会党も分解してしまうという状況で、労働運動にはたいへん暗い情勢でした。反動化を危惧する発言が、度々出されました。
しかし私としては、連合の議論は、予想していたよりも堅実で、傘下の産業別組織、あるいは単位組合などから出された意見は、それなりに反映されていたと思います。労働運動全体が停滞して弱くなっていたので、反戦・平和の闘いも、労働法制に中いての闘いも強力でなかったのは事実です。しかし、強引な運営で反対意見を抑え込むというようなことは、あまりなかったと思います。
憲法9条や自衛隊・自衛権などについても、きちんと意見集約がされていたようです。UIゼンセン同盟のように、改憲論の労組があるところでの意見集約でしたから、左派の人々が満足するような内容ではなかったのですが、それは労組の現状ですから、我慢しなければなりません。我慢しながら、正しい意見でまとめられるように、影響力を拡大しなければならないのは当然です。
最近の労働組合の話を聞きますと、われわれの仲間たちも含めて、役員の後継者を確保するのに四苦八苦しているそうです。ということは、逆に言えば、後継者をたくさんつくって労組役員に送り込めば、方針、見解についても足りないところを補える、ということです。もちろん、現在はこの点が一番難しくて、どこの団体も四苦八苦しているところです。今は労組の機関で「主導権争い」をするよりも、どの党派、政治潮流も、「後釜不足」が深刻だそうです。
「後釜」を育てるためにも、労組の政策、政治的立場について、若い人々に理解してもらうことが大切です。長期の不況で、労組の奮起を期待する声が大きくなっているこの頃ですから、ぜひこの点での成果を上げましょう。
しかし私としては、連合の議論は、予想していたよりも堅実で、傘下の産業別組織、あるいは単位組合などから出された意見は、それなりに反映されていたと思います。労働運動全体が停滞して弱くなっていたので、反戦・平和の闘いも、労働法制に中いての闘いも強力でなかったのは事実です。しかし、強引な運営で反対意見を抑え込むというようなことは、あまりなかったと思います。
憲法9条や自衛隊・自衛権などについても、きちんと意見集約がされていたようです。UIゼンセン同盟のように、改憲論の労組があるところでの意見集約でしたから、左派の人々が満足するような内容ではなかったのですが、それは労組の現状ですから、我慢しなければなりません。我慢しながら、正しい意見でまとめられるように、影響力を拡大しなければならないのは当然です。
最近の労働組合の話を聞きますと、われわれの仲間たちも含めて、役員の後継者を確保するのに四苦八苦しているそうです。ということは、逆に言えば、後継者をたくさんつくって労組役員に送り込めば、方針、見解についても足りないところを補える、ということです。もちろん、現在はこの点が一番難しくて、どこの団体も四苦八苦しているところです。今は労組の機関で「主導権争い」をするよりも、どの党派、政治潮流も、「後釜不足」が深刻だそうです。
「後釜」を育てるためにも、労組の政策、政治的立場について、若い人々に理解してもらうことが大切です。長期の不況で、労組の奮起を期待する声が大きくなっているこの頃ですから、ぜひこの点での成果を上げましょう。
ラベル:
労農派の歴史研究会
2013年6月1日土曜日
『社会主義』2013年6月号目次
特集 春闘総括と今後の課題
五十嵐光彦 地方交付税・賃金削減阻止の取り組み,
根岸均 焦点となる賃金を巡る攻防(郵政)
佐藤正幸 新人事・賃金制度について(JR東日本)
石井敏郎 13春季生活闘争・連合北海道の取り組み
足田芳憲 中小企業労働組合における2013春闘
藤田研一 採用から65歳までの雇用制度(NTT)
高田順次 職場実態にもとづく要求・運動づくりを(国有林野職場)
三木秀樹 丸亀市におけるトリプル選挙三連勝
社民党 自民党「日本国憲法改正草案」全文批判(抄)
菅原修一 「2013年版中小企業白書」を読む
山崎耕一郎 批評 ボストン・マラソンでの爆弾テロが語る悩める“人種のるつぼ”
浦口俊郎 闘い続けた織田寿美子さんの生涯
大槻重信 古典を読む⑲クラウゼヴィッツ「戦争論」と「孫子」
ラベル:
『社会主義』目次
2013年5月22日水曜日
中国社会科学院マルクス主義研究院訪日団来日
2013年5月10日より21日まで、中国社会科学院マルクス主義研究院訪日団金民卿団長ほか一行計五名が、社会主義協会の招待で訪日し、東京、名古屋、関西を訪問、現代中国研究者と交流したほか、各地を視察しました。これは、社会主義協会が2001年より続けているマルクス主義研究院との交流(前身のマルクス・レーニン主義毛沢東思想研究所時代を含む)の一環です。一部の訪日団メンバーは、17日、18日三重・ヤマギシ会本部を訪問しました。
このうち、5月12日(日)には、東京・水道橋グランドホテルで社会主義協会との理論交流がおこなわれ、午前10時から午後5時半まで、事前に双方から出された質問事項に基づき、熱心な討論が行われました。
双方の質問事項は、次の通りです。
●社会主義協会からマルクス主義研究院への質問事項
1.中国共産党18回大会および第12期全人代、政治協商会議の基本特徴
今後も高経済成長を追求するのか
指導部人事について、「改革」「保守」の路線対立を反映していると日本のマスコミは報道しているが、それをどうみるか
2.中国社会の格差拡大の現状とそれに対する中国共産党・政府の対策
環境問題、労働者の賃金、労働条件、権利問題、都市と農村(戸籍問題を含め)、教育問題、医療、高齢化社会等具体的問題の現状と対策
3.国有企業改革の現状と今後
4.中国社会主義民主の現状
全人代の機能、広東省烏坎村・上浦村など
5.中国官僚層の腐敗発生の原因と対策
薄煕来事件など
6.中国の当面の外交政策
北朝鮮(特に核実験への見解)、ASEAN諸国、ロシア、アフリカ諸国、TPP、日本
●中国側質問事項
1.日本の学者の中国特色社会主義に対する認識
2.日本はどのようにして農民に社会サービスを提供しているか
3.日本の両極分化状況はどうか。日本のギニ係数はいくらか。
4.日本都市化の経験と教訓
5.日本の学者の毛沢東研究の最新状況
6.新自由主義の日本の学界での影響
7.日本の反腐敗機構、対策
交流は、善明建一社会主義協会事務局長との司会で行われました。中国側、日本側とも、一質問事項に一名が20分(通訳を含むので実質10分)で回答し、10分間討論するという形式です。双方とも率直に自己の見解を述べ、熱心な討論が行われました。『社会主義』8月号に理論交流の報告が載る予定ですので、ここでは詳細は省略しますが、たいへん有意義であったと思います。ただ、質問事項はかなり絞ったのですが、通訳を介しての交流ではやはり時間が足らず、一部の質問事項は時間切れになりました。次回はもう少し質問を絞る(日中とも各5問、計10問)必要があると思いました。
中国側も今回の訪日に満足していたようです。訪日団は21日に関西国際空港から無事に帰国しました。
*マルクス主義研究院との交流報告は、諸般の事情で『社会主義』2013年9月号になりました。
このうち、5月12日(日)には、東京・水道橋グランドホテルで社会主義協会との理論交流がおこなわれ、午前10時から午後5時半まで、事前に双方から出された質問事項に基づき、熱心な討論が行われました。
双方の質問事項は、次の通りです。
●社会主義協会からマルクス主義研究院への質問事項
1.中国共産党18回大会および第12期全人代、政治協商会議の基本特徴
今後も高経済成長を追求するのか
指導部人事について、「改革」「保守」の路線対立を反映していると日本のマスコミは報道しているが、それをどうみるか
2.中国社会の格差拡大の現状とそれに対する中国共産党・政府の対策
環境問題、労働者の賃金、労働条件、権利問題、都市と農村(戸籍問題を含め)、教育問題、医療、高齢化社会等具体的問題の現状と対策
3.国有企業改革の現状と今後
4.中国社会主義民主の現状
全人代の機能、広東省烏坎村・上浦村など
5.中国官僚層の腐敗発生の原因と対策
薄煕来事件など
6.中国の当面の外交政策
北朝鮮(特に核実験への見解)、ASEAN諸国、ロシア、アフリカ諸国、TPP、日本
●中国側質問事項
1.日本の学者の中国特色社会主義に対する認識
2.日本はどのようにして農民に社会サービスを提供しているか
3.日本の両極分化状況はどうか。日本のギニ係数はいくらか。
4.日本都市化の経験と教訓
5.日本の学者の毛沢東研究の最新状況
6.新自由主義の日本の学界での影響
7.日本の反腐敗機構、対策
交流は、善明建一社会主義協会事務局長との司会で行われました。中国側、日本側とも、一質問事項に一名が20分(通訳を含むので実質10分)で回答し、10分間討論するという形式です。双方とも率直に自己の見解を述べ、熱心な討論が行われました。『社会主義』8月号に理論交流の報告が載る予定ですので、ここでは詳細は省略しますが、たいへん有意義であったと思います。ただ、質問事項はかなり絞ったのですが、通訳を介しての交流ではやはり時間が足らず、一部の質問事項は時間切れになりました。次回はもう少し質問を絞る(日中とも各5問、計10問)必要があると思いました。
中国側も今回の訪日に満足していたようです。訪日団は21日に関西国際空港から無事に帰国しました。
*マルクス主義研究院との交流報告は、諸般の事情で『社会主義』2013年9月号になりました。
2013年5月19日日曜日
労農派の歴史研究会第149回例会報告
連合結成の後、90年代に入ると日本経済は長期の停滞期に入りました。多少は景気の波が上向いても、グローバル化で国内の生産・販売は伸びないので、労働者、とくに中小企業労働者には、厳しい状況が続きました。国内の工場、営業所の縮小、撤退が相次いだからです。そのために春闘においても、中小企業労組を多く抱える産別は、苦しい局面に立たされました。
レポートでも強調されたように、93年春闘で「中小連絡共闘会議」が発足し、94春闘では「中小運動センター」が新設され、95春闘では「中小共闘センター」になりました。
2000年代になると、パート、非正規労働者の増加が大きな問題になり、06年には「パート共闘」が設置され、07年には「連合非正規労働センター」「パート共闘」「パート共闘連絡会議」などが出来て、労働条件改善、組織化などに取り組みました。最低賃金の引き上げにもつながりました。
労働組合の力量を高めるために、未組織労働者の組織化にも、力が注がれました。それでも、組織率は上がらず、連合の組織数も徐々に落ちています。連合組織は最高時には800万人を超えたそうですが、リストラの連続で雇用者数が減ったためもあって、現在は700万人が目標です。
労働法制確立の取り組みも継続してきました。なかなか目に見える成果が上がらないのは事実ですが、取り組みの中軸になっているのは連合です。労働戦線再編成の議論が盛んであった90年代には、連合はすべて資本の言いなりになるかのような批判を受けましたが、労働者の意見がそれなりに反映されているのも事実です。問題はその「労働者の声」を、もっと強めることではないかと思われます。
レポートでも強調されたように、93年春闘で「中小連絡共闘会議」が発足し、94春闘では「中小運動センター」が新設され、95春闘では「中小共闘センター」になりました。
2000年代になると、パート、非正規労働者の増加が大きな問題になり、06年には「パート共闘」が設置され、07年には「連合非正規労働センター」「パート共闘」「パート共闘連絡会議」などが出来て、労働条件改善、組織化などに取り組みました。最低賃金の引き上げにもつながりました。
労働組合の力量を高めるために、未組織労働者の組織化にも、力が注がれました。それでも、組織率は上がらず、連合の組織数も徐々に落ちています。連合組織は最高時には800万人を超えたそうですが、リストラの連続で雇用者数が減ったためもあって、現在は700万人が目標です。
労働法制確立の取り組みも継続してきました。なかなか目に見える成果が上がらないのは事実ですが、取り組みの中軸になっているのは連合です。労働戦線再編成の議論が盛んであった90年代には、連合はすべて資本の言いなりになるかのような批判を受けましたが、労働者の意見がそれなりに反映されているのも事実です。問題はその「労働者の声」を、もっと強めることではないかと思われます。
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労農派の歴史研究会
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