パート2. rioraさん
──それでは自己紹介をしていただいてもよろしいでしょうか。
そうですね、知らない人も多そうですしね(笑)名前がriora riora と申します。サイト外での活動が主で、ニコニコ動画の方でSCPを紹介するって旨の動画をずっと投稿しているって感じですね。
──ではまず、rioraさんがSCPを知ってから動画投稿に至るまでのことについてお聞きしたいなと思います。アンケートにはお友達から教えてもらったとありますが。
元々怖い話や都市伝説が好きだってのを周りの友人たちに公言してて、その時に友人の一人から「じゃあこういうの好きなんじゃない」って教えてもらったのが一番最初ですね。
──そのご友人はどこからSCPを知ったんですかね。当時ってなるとSCPの情報もどこまで出回ってるんだろうとも思いますし。
あれはどこからなんだろうなあ。アングラ系というとアレですけど、海外の不思議なコンテンツとかが好きな人なので、そこから知ったのかなって感じですね。
──当時ですと翻訳サイトとかはあったんですか。
翻訳サイトは一応ありました。ただ今の公式のwikidotのではなく、今はもう無いんですけど非公式wikiってのがあったじゃないですか。あっちの方が主流で、それを見ていました。
──確かにありましたね。では基本的にrioraさんはそっちを読んでいたと。
そうですね、その時はまだJPのサイトをあまり知らなくて、どっちかって言うとずっと本家の方を見ていました。その時はもう最初にSCPってのを知ってすぐに世界観にハマってしまって、当時は無理が利いたってのもあってだいぶ徹夜して読みました。
──ハマりたてあるあるって感じですね。
結構二晩くらいぶっ続けで見てたような気がします。
──ドはまりですね。基本的には13,14年くらいはSCPのメインコンテンツというと、翻訳されたものを読む以外だとどういうものだったんですか。
やはりメインは本家サイトのと、私はあまり見れてませんでしたがJPサイトとそれぐらいで、海外の他の支部はほとんど知られてなくて。
SCPってのを知った後に面白いから動画無いかなって探すじゃないですか。ただ、無いんですよ。本当にその当時。
──当時というとContainment Breachの動画が主だったものですかね。
Containment Breachがちょうど流行りだしたぐらいで、有名な実況者さんがちょこちょこやりはしてたんですけど、あくまでゲームがメインなんで、SCPそのものの解説ってほとんど無かったんですよ。
私の見てる範囲では一応ひとつだけ解説動画の覚えがあるんですけど、それはSCPの解説というかSCPの世界観の解説で、しかも単発だったのでそれで終わっちゃって。例えばゲームだったり、ちょろっとあったのがTRPGだったかな確か。SCPのTRPGを自作してる方もいたんですけど、やっぱりSCPの解説をしてるっていうのがほとんど無くて。
──当時でTRPGってのもだいぶ先進的な気がしますね。
なんかあったのを記憶しています。
──すごいなあ。それで全然紹介しているものが無いなってことで、じゃあ一念発起して自分で作ってみようと。
そうですね、もちろんゲーム実況されてる方でも簡単な紹介はしてたんですよ。性質知ってないとゲームも面白くないから。ただどうしてもゲームがあくまでメインで、SCPそのものはメインではないので、大体こういうものだよってぐらいしか無いんですよ。それがすごいもったいないなあと思ったんですよ。もっとこのSCPは本当はこういう話なんだよ、こんな面白い話あるんだよ、怖い話だけじゃないんだよってのがいっぱいあったので。
でもそれを解説しているのはほとんど無いし、じゃあサイト勧めればみんな見るかって言うとやっぱりちょっとハードルが高いじゃないですか、どうしても。
──それはもう、全著者が同じこと悩んでいると思います。
どうしてもああいう文章がちょっと苦手だなって方はいっぱいいるので、じゃあもう私がやればいいんじゃない?って思って、一週間くらいで出来たのがパート1です。
──一週間で作ったんですか?!突貫工事のようですがフォーマットも解説もしっかりしてますよ。
元々解説動画というものが好きで、農業とか怖い話とかの解説動画を見てたんで、ある程度フォーマットが自分の中にあったんですよ。左右にキャラがいて真ん中に解説のボードがあるみたいなのが大体頭の中にあって、それをそのまま当てはめて作りました。
──なるほど、いやぁ本当は動画の情報とか確認したり、今見ながらお話したりとかしたかったんですが……生憎ニコニコ動画が……
そうですね(笑)ちょうど落ちてて。
──一ヶ月ぐらい復帰しそうにないという。詳細な情報はインタビューが公開される前までに、ニコニコ動画が復帰したら追記したいと思います(笑)
復帰してくれるといいですね。
──切に願っております。それでは話を戻しまして、解説するオブジェクトはどういう風に選びましたか?
実は初期の頃から最近のもので選定の仕方が変わってて、初期は動画制作者としても初心者だったんで、まず尺は15分から20分くらいかなと考えて、そこから大体四分割ぐらいして、その中で解説が出来そうなSCPを見繕ってそこから考えるって感じでしたね。
ただ最近はあんまり動画の時間を気にしなくなってきて、自分が紹介したいものを紹介してしまえばそれで勝ちだ!って思うようになりましたね。
──では後期の方がより自分の好みを反映したものになっていると。
そうですね、それこそ後期の動画だと最後の3つ目のSCPの紹介がゆうに動画時間の半分を超えていたり、これに尺取っちゃえってって感じで。
──ニコニコ動画の方も動画時間の制限が撤廃されたってのも、あれされてましたっけ。ごめんなさいここらへん曖昧で。
多分されてたと、最初の方は何かあった気はしますよ。確か動画時間があまりにも長いと、画質がめちゃくちゃ悪くなったんですよね。
──30分ぐらいで納めないとみたいな感じでしたっけ。
そうそうそう、そんな制約があったはずなんですけど、一回それが変わって動画時間長くても大丈夫だよってなったのはあったはずなんですよ。
──ではそういう制限が撤廃されたからこそ、より自分の好きなものでもなんでも紹介しちゃえーっていうのができやすくなったという感じですかね。
そうですね、タガが外れたのはそのあたりのイメージです。
──これはものすごい私的なことで申し訳ないんですけど、僕は常々JPで自動車天国が結構有名なのは、rioraさんが紹介したからって勝手に言っているんですけど、あそこらへんもrioraさんが好きだからってことですかね。
自動車天国を紹介したのは結構初期の方だったと思うんですけれど、あの時はまだ尺のことはちょっと考えてましたけど、でもやっぱ自分の好みが反映されてましたね。
──好きなものでないと紹介しづらいですものね。
例えば自動車天国なんてインパクト大じゃないですか、車飛んでくるんですけど。ああいうインパクトあるような記事が結構好きなので。
──醍醐味ですよね、画像でインパクトってのは。
──それでは解説動画をし始めてから、視聴者やSCPコミュニティの反応はどういったものがありましたか?今までに無いものをやったわけですから。
最初にパート1を投稿して、まあ再生数とかコメントとか気になるじゃないですか。ちょこちょこ確認してたんですよ、携帯ちらちら見て、投稿した一週間くらいは。なんか、えらい伸びが早いなというのがまず気になって。コメントの中身は見なかったんですよ、最初怖くて。
──あーなんか分かります。
どんな反応されてるんだろうって怖くて見てなくて、そしたらなんかやたら伸びが早いなあって、再生数あっという間に2525行ったし、コメントも100超えたなと思って。そのあたりからどんなことが書いてあるんだろうって気になって見に行ったんですよ。そしたらその当時、SCP自体はそこそこ認知されてたんですけど、ゲームがあったから。でもSCPの詳細な中身を知らない方が結構いらっしゃって、「あ、この画像のこれは知ってるけどこいつこんなエピソードあったのか」みたいな、初めて知ったってコメントが結構多かったのが印象的ですね。
──いいですね。オタクが一番大好きな、初めて触れた人の感想って感じですね。
そうそうそう、今ぶっちゃけあまり無いじゃないですか。もちろん詳細を知らないから解説動画を見てる方ってのはたくさんいらっしゃると思うんですけど、どうしてもさわりは知ってるみたいな、SCPをまったく知らない状態で動画を見るってほとんどないじゃないですか。でも当時はそれがあったんですよ。「SCPって何?」ってところから私の動画を見てくれる方がいて。
──いやあ、10年前って感じがしますね。
あと印象的だったのは、深夜におすすめ動画の生配信みたいなの無かったでしたっけ。昔あったのがニコニコ公式で今週のおすすめ動画みたいなのを、さわりだけ流してくれる生配信があって。
──ああなんかあった気がします。それでふらっと来てどさーっと流れてみたいな。
そうそうそう、それで確か投票で気になった人が多かったら、もうちょっとだけ続きを流してくれるんですよ。
──そういう感じだったんだ。
だからそこから知った人がいるんじゃないかなあと思って。公開されたことがあるんですよ、そこで。今もあるのかなあ。
──どうなんでしょう、本当に惜しいですよ、今が。タイミングが悪すぎて確認が出来ない。
なんとなくですけど無くなってそうな気がします。
──そんな気はしますね。これは後で別のニコ厨とかに確認したいと思います。
時報とかがあった時代ですね。
──ふはははははは、懐かしいですね。これSCPインタビューじゃないな、ニコニコ老人会だ。
──ああ、危ない。本当にニコニコの話だけになってしまうので一旦軌道修正します。そうなると解説動画の反応としては割と肯定的に受け止められたってことですかね。
そうですね、特にパート1と2ぐらいは。やっぱり他の解説動画の方もほとんどいらしゃらない状態で一人細々とやっていた感じなんで「こんなのあるんだ」「この画像見たことあるぞ」って結構新鮮な意見が多かったですね。
それこそSCPってものが認知されだして、例えば今だったら難解なSCPだったら解釈が分かれるじゃないですか。それに対するコメントの、言ってしまえば論争ってのがあるじゃないですか。
──まあよくありますね。
ああいうのが出だしたのは多分パート10ぐらいなんですよね。
──パート10は何を紹介したんですか?
8900-EXです。
──ああああああああ
あれめっちゃ解釈分かれましたね。
──SCPの論争と言えばですね。rioraさんの動画以外でも8900-EXに関してはありますね。
めちゃくちゃ論争起きてましたね。あの当時名前も確かちょくちょく変わってて。
──空色の空とか。
内容もなんか、翻訳が追加されたりしてて、すごい論争が起きてた時代にちょうど投稿したので、やっぱりそこでも解釈違いがあったりしてどういうこと?みたいなコメントがあったりして。
──動画内ではrioraさんの解釈を解説してて、それにたいして肯定意見否定意見があったと。
それこそ今の解説動画でもいっぱいあると思うんですけど、そういうのが出だしたのはパート10なんじゃないのかなあって。
──今よりもヘッドカノンっていう考えが周知されてなかったってのもあるんですかね。
そうですね、私自身ヘッドカノンという概念をあまり動画に出してなかったんですけど、あくまで私の動画はさわりであって、やっぱり本家本元はサイトじゃないですか。だから当時は特にめちゃめちゃ踏み込んだ裏側の視点まではあんまり解説しないようにしてて、それ知りたかったら本家行ってねってスタンスだったんですよ、最初は。最近はそんなことないんですけど。
──解説動画の鑑って感じしますね。
だから長い注訳とか長い捕捉とかはあえて削って、これ知りたかったら本家サイト行ってねって。
──解説動画というより紹介に近いんですかね。
重要な部分は一通り解説はしてるけど、もっと細かいのがあるからそっちはそっちで見てねって紹介含めたやつです。
──ありがとうございます。それでは続いてrioraさんが解説動画というものを出してから、徐々に他の解説動画も増えてきたわけじゃないですか。rioraさんの次ぐらいに出た解説動画はどういうものですか?
私が投稿して一週間経ったぐらいで出たのが、GANGERIOさんという方の動画で。しばらく休止されてるから知らない方も多いんじゃないかなと思うんですけど、その方もSCPの動画を作っていました。
──GANGERIOさんもrioraさんのような動画だったんですか?
そうですね、基本スタンスは同じような形での動画だったと思います。パクったとかではなく、たまたま構想が被ったみたいな。
──一週間っていうと本当に短い期間ですよね。
こんな短期間で被ることあるんだって驚きましたね。
──同時期に同じ構想の人が二人もいたってなると、歴史の転換期っぽいですね。
後は本当にもうどっと一気に来たと思うんですよ。
──他にはどんな方がいましたか?
ネオンテトラさんは同じくらいの時期かなあ。
──あの方も歴史長くて、昨日も新しいパートを投稿されてましたね。Youtubeの方に。
いやもう、あれは真似できませんね。
──パート78ですね、解説動画としてはかなり長期の方ですね。rioraさんも十二分に長いと思いますけど。
でもやっぱり私は投稿期間がだんだんズレてズレてズレてるんで。
──まあ私生活は大事ですし、同じ状況の解説動画投稿者は多いと思います。そんなどっと増えた中でrioraさんが特に見ていたシリーズはありますか?
投稿し始めてから一年ぐらいは投稿されたものは全部頑張って見てましたね。全部タグ検索して、現時点で投稿されてる方を全部メモして。
──すごいですね、アニメにハマった中学生が深夜アニメ全部見るみたいな。
ちょうどその時は暇を持て余してた時期ってのもあるんですけど追いやすかったんですよね。というのもその時ってまだニコニコ動画が主流だったじゃないですか。今ってYoutubeの方がSCP解説動画って結構あると思うんですけど、当時ってYoutubeの方にはほとんど無かったんじゃないかと思います。あるとは思うんですけど、やっぱり主流はニコニコ動画かなと思ってて、そうなるとニコニコ動画の全部はとりあえず把握しておきたいなと思って。すごい頑張って全部追ってました。
──すごいなあ、頑張りましたね。
さすがにどっかから追いきれなくなって疲れてきましたけど。
──限界はありますよ、全記事をサイトで読むとかより疲れると思いますよ。
その頃から他の解説投稿者の方とも交流が増えてきたというのもあって、交流ある方のは見ないとと思って。
──その頃はどういう方と交流がありましたか?
最初の方は直接のやり取りというのは無かったんですけど、一番最初の収デンあたりでOkaka_Onigiri Okaka_Onigiri さんとかとお会いしてから直でやり取りするようになったかなあ。
──そこから次第に他の投稿者の方との交流も増えてきたって感じですかね。
そうですね、それこそDiscordとかのグループに混ぜてもらって話してたりとか。心当たりはあると思いますが。
──本当に、その、仲良くさせてもらってます。
あとedamame zunda edamame zunda さんの生放送にちょこっと声だけ登場したりとか、ちょこちょこ自分の動画以外でもrioraとして出るってのはありました。
──そのあたりって解説投稿者のニコニコ生放送が結構目立ってた時期でもありましたよね。
ありましたねえ、結構単独でされてる方もいましたし、数人でわいわいやってるようなものも。
──やはりニコ生が投稿者や視聴者の交流に一役買っていたんですかね。
そうですね、もちろんSCP関連の生放送もそうですし、時々SCPにまったく関係ないことをやってる生放送もちょこちょこあったりしましたね。なんか一回アモアスやった記憶あります。SCP関連のことだと朗読とかもやりました。
──ありがとうございます。
──それでは最近でも解説動画が見てはいますか?
さすがに全部は追いきれませんが見ています。昔から見ている方たちとか、最近だとななしぃさんの動画は見ています。
──今もっとも勢いのある解説動画ですからね。
あの方はすごいですよ、どんな技術しているんだろうって。
──あの質と量をどうやって両立できるんだろうって思いますね。
ペース早くね?って思います。あとはYoutubeとかでもちょこちょこ解説してらっしゃる方は見ています。
──そこらへんは趣味として今も継続しているんですね。
やっぱりそれがモチベになっているのもありますし。今ちょっと休止状態ではあるんですけど、人の動画見てると動画作りたくなるんですよね。イラストレーターさんとかだったら、うまい絵を見たら自分も絵を描きたくなるみたいなのをよく聞きますけど、動画も割と一緒なんですよね。面白いものを見たら私もこなくそって。
──ちょっと反骨心混ざってますね。
ちょっと私も負けてられないなあって作りたくなるんですよ。
──創作者あるあるですね。
よく聞きますね、界隈違っても。絵だったり小説だったり動画だったり。ほかの人のを見たらやりたくなるんですよね。
──いいですね、情熱無くさず。
──それでは続いてJPサイトでの活動についてお聞きしたいのですが、rioraさんは歴の長さから考えるとサイトへの参加は2018年と、意外と経ってからだなあと思うのですが、特にサイトへの参加は考えていなかったってことですかね。
最初はまったく考えてなくて、どっかのパートで「SCPは書きません」って言ってるんですよ。でも元々私は小説も書くし絵も描くんですよ。小説は昔昔の記憶ですが。だから創作をすること自体は好きなんですけど、やっぱりSCPの動画を作るってのとSCPの記事を書くってまあ、ハードルはけた違いじゃないですか、ぶっちゃけ。
──まあ……はい。
サイトの記事を見ていると「いやこれ私には無理だろう」って感じに、めちゃくちゃいい作品ばっかりだったんで私がこれに匹敵するものを書けるとは思えないなって、ずっとサイトメンバーにはならなかったんですよ。
で、SCPは書かないって動画でも言ってたんですけど、一回だけリクエストとか質問を受け付けた時の視聴者さんからのリクエストで「ゆっくりをSCP風に紹介してみてください」って言われたんですよ。面白そうだなあと思ってそのコメント拾って、やったんですよ動画内で。いつだったかな、パート25とかそれくらいだと思うんですけど、割と好評で「本当にありそうだね」みたいなことをコメントで言われて、そしたら「これ私も書けるんじゃね」って自信がつきました。
──一個ハードルを越えた感じがしますね。
ポンと跳んでくような感じがしてそのままサイト登録して書き始めたんですよ。
──早いですね、そこからがポンポンと。
書かないと言いつつ書きたい気持ちはあったんですよ。
──それで書いたのがルーキーコン参加記事の
あ、ルーキーコンの前に1つあるんですよ。SCP-1137-JPおかえり、しおりってのが。
──あ、ああああそうだった。ごめんなさいそうでした、読んだのに!
なんなら批評もしてもらいましたよ。
──絶対しました!記憶があります!申し訳ございませんでした。
いえいえ(笑)
──ここらへんは戒めとしてインタビューには残しておきます。
ははは、でまあそれが一番最初です。
──そう考えると著者としても結構歴が長いですよね。
まあぶっちゃけ残したのは二作品だけなんですけどね。
──いやいや、最初のハードルが高いですから。残しただけで万々歳ですよ。
いやもう投稿した当初から評価の欄見てはヒヤヒヤしてますよ。まあまあ一作品目は残して、二作品目がさっき言ってたルーキーコンのやつですね。
──やはりコンテストがあるから書いてみようって感じになるんですかね。
そうですね、あれは7周年の時の企画でしたよね。
──そうですね。
ルーキーコンやりますってのがサイトのトップにあったんで「そういえば私まだルーキーだなあ参加するかあ」って。やっぱ新人コンテストなんでみんな見てくれるんですよね。
──注目度が高いコンテストですからね。ちなみに開催してるコンテストとかはチェックされたりしてますか?
してますね、やっぱり見るのは好きなので。
──では最近見てこの記事紹介したいなって思ったのはありますか?
最近だと何かなあ、最近どっと見たんですけど……あー全然新しくないし結構古い方の記事なんですけど、本家の方で最近見返して「この記事こんなに面白かったっけ!」って、面白さを再確認した記事なんですけど。3275ですね。メタタイトルはすいません、ピザ間違ってます。ってやつです。
配達員の男性に異常があって、男性の生活環境がそのままピザに反映されるってやつなんですよ。
──その説明だけでもいやだなあって感じしますね。ではこれがいずれもしかしたら紹介に。
あるかもしれないですね。やっぱりこう、インパクトの強い記事が好きなんですよ。
これなんかヤバいのが入ってた気がするんですよ。アリのたかったソーセージが入っているピザがあったんですよ。
──ありましたね。うわあ、最悪だ。
衛生環境が反映されるんですよね。
──3000番代ということもあってなんとなく懐かしさを感じる異常性の雰囲気ですね。
もちろん最近の6000番代とかの難解なやつとかも好きなんですけど、一番好きなやつ何かって聞かれると、簡潔だけどインパクトのある記事の方が好きですね。
──ちなみになんですけど、6000番代は結構最近じゃないです。
そうですよね(笑)8000までありますもんね。いやもう本家の勢いには着いていけてないです。
──SCP-10000も夢物語じゃないですからね。
1,2年したら10000行くんじゃないですかね。
──いきなりドンと下がることはないだろうですしね。それではENが3275ならJPで最近気になったものは何かありますか?
JPだと……個人的に1000番代も全然最近なんですよね。
──1000-JPコンテストから8年経ってますよ。
最近じゃないんですけど、それこそルーキーコンテストの時にこれは絶対勝てないなって下書きの時点で思ってたものがあって、2050-JPです。
──強い記事ですねえ。
これが出た時にああこれは無理だって。タイトルがすべてを集約してるじゃないですか。これが順位とか関係無しにすごい好きな記事でした。これは絶対伸びるだろうと思ってたら案の定でしたね。
──でも2054-JPも評価を今確認したら111になってましたし、これは明確に人気記事と言っても過言ではないですよ。
しばらく自分の記事を見てなかったから、あれ伸びてる?って思いましたね。
──コンテスト記事はなんだかんだ後からでも注目されやすいってのはありますよ。
私としてもこれは結構好きですね。
──このアイデアは前から頭にはあったものなんですか?
これは色んなところで言ってるんですけど、地元の昔話が元ネタなんですよ。その昔話自体はこのSCPとはぶっちゃけ全然内容は違うんですけど、いなくなるってのはそれなんですよね。
──そうなんですね、悲恋というかそういう感じの。
実は悲恋でもなんでもないんですよ。
──そこも結構がっつり変わってるんですね。
逆にそこが一番変えました。元ネタは親子なんですよ。しかも待つ側も逆なんですよ。
──変えましたね、でもきゅっとまとまっていい記事だなと思います。
一番は植物の言葉遊びしたかった記事なので。
──なるほど、ありがとうございます。
──次にお聞きしたいのが、SCPにまつわる中で思い出深いことってなんですか?
そうですね、一番あるのはこれはさっきもちらっと言ったんですけど、交流がすごい増えたんですよね。今まで創作自体はやってたんですけど、他の創作をされてた方との交流がぶっちゃけ私は得意じゃなくて、一人細々とやっては公開を繰り返していたのが、SCPと関わってどっと一気に交流が増えて、それこそ収デンに参加してるとまた会いましたねって感じの人がいらっしゃったりとか。サイトのメンバーの方でも交流ある方がいますし、ばっと交流が広がったのが一番印象深いですね。
──収デンとかで一気に機会が増えたってのはそうですね。
──それではこちらアンケートに書いていただいたことなんですが、リアル友人が視聴者だったってことについて。
そうですね(笑)あれは一番衝撃的だった出来事です。
──このリアル友人はrioraさんにSCPを教えた方なんですか?
ではないんですよ。なんならそれが発覚するまでその人がSCP好きだったってこと知らなかったです。
──じゃあ本当にひそかにSCPを好きでいたらって感じなんですね。
多分活動初めて一年したぐらいかな、当時の大学の友人だったんですよ。で、なんかの話の流れでニコニコ動画の動画がどうのこうのって話になった時に、SCPってのもrioraってのも出さずに動画出してるよって言ったんですよ。そしたらその子が見るから教えてって言ったんですよ。それで言ったら「え、私その動画見てるんだけど」って。そういうような経緯で発覚しました。
──これは驚きますよね、お互いに。
びっくりしましたよ。
──特にrioraさんの動画は視聴者が多いんで、確率としては高いんだろうなってのはあるんですけど、それにしてもそんなに身近に居たなんて。
ちなみに似たようなことが二回起こってるんですよ、後で。
──あ、そうなんですか。それはどういった状況ですか。
一個目は会社の同期。
──Oh……
それもやっぱたまたま初めて同期として喋った時に、そういうのを趣味でやってるって話した時ですね。
──うおおお、会社で趣味の話をしてSCPが趣味ですってところから結構勇気いるなって感じはしますけど。
会社外ではあるんですけどね、同期同士で呑みに行くって機会があってその時ですね。
──rioraさんの当たり判定の広さゆえって感じですね。
もう一回は……これ言っていいのかな。
──ダメそうだったらハイパー編集済みにします。
義理のお兄さんなんですよ。
──はははははは、すごいですねほとんど交友関係コンプリートしてません?
これは結婚する前なんですけど、まず私にSCPを教えてくれた友人がイコールで今の旦那なんですよね。
──そうなんですか、なんかいい話ですね。
まあSCPだからどうって話では無いんですけど、その彼のお兄さんと話をしてた時に「あ、そういえば動画見てるよ」って言われて、なんかすごいところに視聴者いるなって。
──身近ですねえ。それは旦那さんが「うちの奥さんはrioraだ」って言ってたんですかね。
多分そうですね。
──怖いですねえ。
まあ滅多なことで漏らさないとは思うんですけどね。
──でも本当に近い方ばっかですね。
この辺は動画っていう一種の親しみやすいコンテンツってのもあるのかなと思って。例えば翻訳サイトにいる方はすごい方ばっかりなんですけど、交流するってなると若干ハードル高くなるじゃないですか。
やっぱりなかなか接する機会が無いじゃないですか、そういうのを書いてる方々とって。サイト内で完結してる方も多いので。動画作ったりとかSCPのイラスト描いてるとか、ああいう方だと創作としての幅があるので意外とそっちの方が通り道というか入門編としてそっちの方が多いのかなって。
──rioraさんが動画を作るようになったのも、サイトからだとハードルが高いかもと感じたのがきっかけということで、そのあたりは今も昔もハードルの問題はあるのかなと思います。
こんなこと言って失礼だとは思うんですが。
──どうすれば読まれるんだろうってのはサイトメンバーの悩みでもあるんで。
それの通り道というか、とりあえずここから入ってみたら?をやりやすいのはイラストだったりとか漫画だったりとか、最近だと解説本出ましたね。
──SCP大百科ですね。
そうそうそう、2も出るらしいですよね。
──夏発売の予定で、もういくつか出るものも発表されてますね。シャイガイ出ますよ。
だったりとか、私たちがやってるような動画だったりとかは、とりあえずこれ見たらSCPがどんなのかってことはなんとなく概要は分かるじゃないですか。そしてハマってくれたり興味をもってくれたら、じゃあ本家はこっちだからこっちいらっしゃいみたいな。で、そういう人が意外と身近にいるなあって。
──探せばもっといそうですね。
言ってないだけでもしかしたら会社の後輩とかにもいるかもしれないですね。
──全然いるんじゃないですかね、ニコニコで検索したら真っ先に出てくるのはrioraさんの動画群ですし。今も増え続けてますよ、rioraチルドレンが。
それは本当にありがたいことです。
──こういうのも相まってrioraさんは日本のSCPの歴史を形作ってきた方だなあってのは本気で思います。
身に余る想いです。
──誇ってください。
それこそSCPの動画を作った時は、ぶっちゃけここまでSCPが広がるとも思ってなかったんですよ。当時はContainment Breachとかが流行っててゲームをしてる人もいっぱいいましたけど、SCPのゲームって長期に渡ってというよりは一時話題になるタイプだと思うんですよ。
ゲームが悪いということではなくて、Containment Breachとか階段を降り続けるやつとか、どうしてもSCPを題材にしてるけど出てるSCPもそんなに多くなくて、それでゲームしてクリアして終わってしまうってのが多かったですね。だとするとSCPっていうコンテンツ自体がそこで終わってしまうんですよ。「SCP?そんなのあるんだ、へえ」で終わってしまうんですよ。
なので当時はそこまでSCPが長期的に広がっていくコンテンツになるのなかってのは疑問だったんですよ。知られてるSCPも少なかったし、ゲーム内の解説だとその解説で終わってしまうので、なかなかSCPのサイト自体に興味を持ってくれてるって人はコメント見ててもあまり見れてなくて、「SCPってそれなんだ〜」で終わってたので、なんかそれってもったいないなと思って解説動画を始めたので。
──潤沢な世界観とかがあるのに知られていないのはもったいないということですか。
それですそれです。まあなんていうか、そういうのでゲームも面白いしTRPGも面白いけど、これの元ネタもっと面白いよってことを伝えたかったんです。もっと知ってほしかったし、有名なSCPでも実はこんな裏設定がとかあるじゃないですか。補足taleとか。
──そうですね、特にオリジナルやクソトカゲなんかは関連taleも多いですし。
シャイガイとかアベルも、そこらへんの初期からすごい人気なSCPたちもやっぱり、もちろん色んな改定を経て付け足されたのもあるんですけど、いっぱいエピソードってあるじゃないですか。実はこんなSCPとの関連があるとか。それをもっと知ってほしくて動画を作って、その動画でちょっと興味を持ってくれたら、じゃあこっちのサイト見てね面白いよってなるみたいなことをしたかったですね、最初は。
──じゃあもうその目論見は大成功したといって差し支えないんじゃないですか。
成功……したのかな?
──大成功ですよ、本も出るしオンリーイベントも何回も開くし。
次もイベントありますしね。
──次の参加はどうですか?
参加したいんですけどリアルが……。
──ちょうど忙しいですもんね、これからも。
めちゃくちゃ忙しくて、それでも前回の2月にされてた収デンあったじゃないですか。面白いなあって思ったのが、イラスト募集しますってのがあったんですよ。会場とかに貼るポスターとか冊子に使うイラストを募集してますってことで、それに私も送ったんですよ。
私はその時にはもう直接参加が無理だってことが確定してたんで、ちょっとでも参加したいなと思って、それ見つけて参加させていただいたんで。そういうネットを介してでの参加ももっと出来たら楽しいよなあってのは考えてます。
──リアルイベントだと行きやすい行きづらいっていうのがありますからね。ハードルが低くなればいいですよね。
これはもう完全に私の個人的な意見ですけどね。
──でもそうなるといいですよね。僕もイベント側の立場では無いので好き勝手言ってるだけですが。
──それでは最後になりますが、rioraさんから今のSCPのファンに向けてのメッセージをいただけますか。
メッセージかあ、まあ今だったらそれこそさっきも言ったようにSCPの動画とかイラストとかゲームとか、入れるところは私が活動した頃からはぐっと増えてると思うんですけど、もちろんそれだけを楽しむのも全然OKだと思うんですけど、もしもっと知りたいなとかもっとこういうことが出来たらなとかあれば、ぜひサイトの方に行っていただいて、記事を読んでいただいて、あわよくば書いていただいて、ってまで連鎖にこぎつけられたらなってのが、動画制作者としては一番の願いです。
──ありがとうございます。嬉しいです、サイトメンバーとして。
もうそこまで言っていただけたら完璧ですよ。あわよくば著者ページまで作っていただいて。
──rioraさんは著者ページ作る予定はありますか?
あー、はっは、まあアイデア出る出ないは自由ですから。
──まあそうですよね。
でもちょっとだけやりたいことは一個あって、サイトに登録してから記事を書くまでの動画を作れたらなって思ったんですよ。もちろん動画を見るだけで楽しむ人もいっぱいいるんですけど、その中でもちょっと記事書いてみたいなって思う人もいっぱいいると思うんですよ。
ただそこから実際にサイトメンバーになるためにどうしたらいいか、もちろんサイトの方にはしっかり書いてあってそれを読み込めば難しいことは何も無いんですけど、それでもやっぱり尻込みしてしまう人のための動画があればいいなあと思って考えたことはあります。
──もっと直接的な導線となるような動画ってことですか。
そうですね、そういうサイトに登録するまでのなんとなくの流れとか、サイト登録すれば具体的にどんなことが出来るのか、記事の批評や書くことが出来るし色々やれることは増えるよみたいな、ってのを作りたいなあってのはちょっと思ってます。
動画を見るだけじゃあもったいないなってのはあるんで、ぜひサイトの方にも、サイトへ!
──動画作り始めたきっかけがそれですもんね。
どうやったって全部を紹介しきるのは無理ですから。
──記事が増えるスピードの方が速いですからね。
本家があってJPがあって他の色んな国のものがあってtaleがあって、一言だけの詩集みたいなのもあって、そこまで全部紹介するのは土台無理な話なんで、やっぱりそれを見てもらうにはサイトへGOみたいな。
──SCPを100%楽しむならって感じですね。
もちろん動画を見てくれる方はうれしいんですけどね、サイトに行ってくれたらそれもうれしいですね。
──それでは本日はインタビューに参加いただきありがとうございました。
ありがとうございました。