オンラインユーザー - 1
オンラインユーザー - 2
インタビュー対象
インタビューワー
パート1. Ikr_4185さん
元々SCPという都市伝説系の怪奇創作サイトがある、というのはどこかで知っていたのですが、直接のきっかけになったのは当時話題になったSCP:CBの実況動画でした。それを観て「あれ? これ何かWikiかなんかじゃなかったっけ」と調べ直したところ、SCP wiki にたどり着き、へぇと読み始めたのが最初でした。そのままドハマりします。
その後、毎晩読み耽る寝不足生活が半年ほど続いたところで、当時まだ翻訳数もJPでの執筆数も少なかったこともあり、記事を全部読み尽くしてしまいました。
その頃には最早日課と化していたため、3日間ほど最新の記事のページを更新しつづけるというSCP飢餓状態に陥りました。
そんな中、ふと当時のTwitterアカウントで「本家SCPも読み終わり、日本支部記事もtale含め読み終わってしまい、読む者ないならいっそ自分でSCP記事創作してみようかと考えはじめた(※(注記)原文ママ)」とツイートしたところ、突如dr_toraya dr_toraya さんから「財団へようこそ!(※(注記)原文ママ)」とリプライが来ました。
わかりますか?? 当時の僕からしたら完全に雲の上の人である執筆者から「財団へようこそ!(※(注記)原文ママ)」と言われた時の焦りと驚き。
ということで、その日の深夜3:58にサイトへ登録しました。これが最初です。
ちなみにそのリプライの直後か前くらいに前原さんからもフォローされてクッソ焦ったのも付記しておきます。当時あった「囲む」という文化ですね。鬼か。
これは書かなくてもいいですが、SCP:CBは勿論これです。
[フレーム]「クソ焦った」と話したと思うんですが、本当にめちゃくちゃ焦りまして、「とりあえず登録したからにはなにか書こう、何を......?」と文字通り周りを見回したところ、目についたのがあのスリッパでした。履いてたんです。
それで考えて、小さい頃にナメクジを踏んでしまいしばらく椅子から降りれなかったの怖かったなぁ、と思いあたり、じゃあこれをSCPにしよう!と書いたのが129でした。つまりあれば半分実話です。
ちなみに、その後書いた141も自分の家のお風呂だったので、Twitterでクロステストしてました
基本的に怖がりなので......。
ちなみに今でもVRChatのホラーワールドとか行くとマジで絶叫します。
お風呂のオブジェクトに関しては、本当に純粋に「お風呂って怖いよね」をそのままストレートに書いたところはありますね。電気が消えてるお風呂とかトイレに行くの未だに普通に怖いです。できれば行きたくない。
深夜のゴミ捨てとかも怖いですね。書けそうな気がしてきた......。
深夜にゴミ捨てしようとすると高速で駆け寄ってくるオバちゃんのSCP。DVされる未来しか見えない。ああでも、実際に記事にできたものはフリー素材活用したものが多いですね。ネタとして撮り溜めてたものは大半がボツになってます。
渋谷歩き回って撮った写真とか、ハワイ島の黒い砂礫の大地の画像とか......撮ったけど形にならなかった......。
「ごめんなさい!サイトが荒野になっちゃいました!」
ちなみに一緒に行った当時の上司に頼んで撮ってもらってましたね。会社でSCP書いてるの公言してました。
それもTwitterで公言してたし、ネットリアルの境がマジでないタイプですね。本名は伊倉慎之介です。
逆に別に古い著者でもこんなノリのヤツ居るよ、っていう例にはなる(???)
当時の僕は就活をしていた時期だったんですが、ある日Twitterで普通にクソ画像を投稿しようと思い立ちまして。
就活中「よろしくお願いします」がゲシュタルト崩壊しはじめていて、それをなんとも面白いなぁと思いながら、脳死でMSペイントマウス描き5分とかで描きました。実は最初はSCP記事にする気も特になく、マジの落書きがスタートです。
Twitterに投稿したところ、周りの著者陣から「育良おまえそれ記事にしたら...?」と言われまして。なるほど? と思い、後付で記事を書きました。[リプライだったのでリンクは自粛]
実のところ、元々いろんな絵を観るのが好きで、その中にこういった不条理系のイラストもありました。そこらへんから影響は多少なり受けているような気はします。シテヤンヨとかご存じです......? ああいうの。
とはいいつつ、普通に現代アートは好きですし影響受けてないわけではないですね。詳しいわけではないですが。
ジャクソン・ポロックとか好きです。あとルーチョ・フォンタナとか。バーネット・ニューマンとかも好きです。
「その発想どこからきたん???? なにお前ら?????」ってなるのが好き「キャンバス 切り裂く」
「MOMA 作品」とかで覚えてます......。元々あんまり名前覚えられなくて大体「○しろまる○しろまるの人」で覚えてますね。
確かにシンプルさとインパクトで真似しやすいフレーズがあるから流行りやすいとかっていうのはあるとは思いますが、それにしたってなんでこんなに広まったのか謎です。いや嬉しいし光栄ですが。
本当にミームになってしまった......。
ちなみに、ねこですの作者です、と名乗った時の知らない人と知ってる人の反応の差が極端すぎて面白いです。VRChatでもものすごく極端なので、一人は大興奮で一人はその状況に引き気味とかあります。ウケます。元々2018年頃に人気に火がついたVtuberからVRに興味を持ったのですが、その最初にVtuberに興味をもったきっかけとなったのがのらきゃっとさんでした。040を配信背景に置いていたんです。その後ライセンス周りを整頓された際に居なくなりましたが......。
その話を人から聞いて、どれ観てみようと観に行ったところ、は?なん...この...かわ...?なにこれ...?となりそのままVtuberにハマりました。
色々観ているうち、SCP好きを公言するVtuberさんが結構多いことに気づきました。当時そんなに知られていると思っていなかったのでだいぶ驚きまして、じゃあサイトスタッフもしてるし、コンタクトしやすくなるように僕もVtuberやるか〜と思ったのがそっちの道に行った最初のきっかけだったりします。
今の僕のメインアバターですね。ちなみに活動名はそのまま育良啓一郎で、会社の名刺も育良啓一郎です。
あとここだから書くんですが、Vtuberとしての活動自体に裏設定がありました。
活動自体が財団のカバーストーリー「CounterMeme type VIII-120 "VEDA"」であるという設定です。今もう全然関係ないですけどね![フレーム]『確保、収容、保護』ネットで話題のSCPとは!?【ニコニコワークショップ】
http://blog.nicovideo.jp/niconews/42859.html
その辺りは当時サイトスタッフだったメンバーはよく覚えているかもですが......。
当時のSCP界隈は、まだそこまで外の界隈から認知されているとあまり皆思ってなかった時代でした。
そんな中、ある日サイトに一通のメールが来ます。
それがドワンゴさんからのメールでした。
まさか企業からメールが来ると思っていなかったスタッフ陣は大慌て。しかもその内容が「ニコニコ公式生放送へのゲスト出演」。まだボイスチャットも殆ど使われておらず、顔出し以前にサイトメンバー間で互いに声も聞いたことがないような純然たるネットコミュニティのSCP-JPはどうするかみんなで話し合った結果、実は元子役というのをバラした育良を送り込むことになりました。
そして放送は当日観覧者でプチSCPオフ会みたいな状況になったり、メールをくれた担当の方が思ってた以上に筋金入りのSCP好きマンだったことがわかったりした中、放送の打ち上げに話はうつります。
打ち上げに参加した育良の隣にその担当の方がやってきて、こう言うのです。
「育良さん、ご相談なんですが......。超会議ってご存知ですか?」
「え!? 勿論です! めっちゃ遊び行ってました」
「併催イベントがあるのはご存知ですか?」
「ああ、例大祭とかありますよね...?」
「そこで、SCPの即売会やりませんか?」
何いってんだこいつ???? と思いました。
その瞬間こそ「SCPオンリーイベントが開かれるか開かれないか」の選択が僕に集約された瞬間でした。しかも幕張メッセという晴れ舞台。そして目の前には、SCP絶対盛り上げるぞ! という強い決意を秘めた瞳をした、筋金入りのSCP好き。
その状況下で断れる人、いませんよね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ね〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!
なんだか虎屋さんから財団へようこそ!と言われた瞬間に似ていますね。鬼どもがよ。
ちなみにそのご担当者さんは、その後も収容違反インシデントをガッツリ手伝ってくださっています。なんなら今でも仲良いです。あの人はガチです。みんな気をつけろガチだぞあいつ。どうでもいいというか、これ書いて良いのかよくわからないですが、放送当日にholy_novaさんがマジで軍師っぽい格好で来たときは吹きました。
その美術館についた時だったかな、スマホを落として画面割った記憶があります。多分異常性か何かだと思います。
あと「さわやか」を食べましたね......。
なんというか、思ってたよりウッディーでプリミティブな印象を受けたのを覚えています。SCP:CBのモデル、無題004とはかなり別物だと思いました。
記事観たら、記憶が間違っていなかった事がわかりました なんで割ったんだマジで[閑話休題]
そこで主催として見守られてきた育良さんから見て、ファン層やコミュニティの変化などは感じられたりしましたか?
SCPコミュニティ自体はネットを主体としており、即売会は逆にリアルに根ざした文化圏の傾向が強めに思います。そこでネットからリアルに飛び出していったらどうなるのか、実のところ僕も例の担当者さんもわからないでいました。
結果として、例えば他のSCP関連イベントが開かれたり、オフ会的な交流が当時より盛んになったり、何より一番大きいのは「SCPが世間に思ったより知られてたこと」が可視化されたのも大きい変化だったのかなと思います。
収デンでは、共同主催のモリリンさん含め、他有名即売会のベテランスタッフさんたちがガッツリ支えてくださっているのですが、そのベテランスタッフさんたちも、事前のTwitterの反応から予想される数を遥かに上回る当日の人だかりを目にして「こんなにどこに居たの!?」と驚かれていました。
恐らく、例えば学校の教室のような場所での文字通りの口コミ、それからLINEグループなど表からは見えづらいコミュニティ、そして何より紹介動画の存在は大きいのではないかと思います。今考えると、このあたりは執筆を活動の中心としていると意外と気づきにくい部分だったなと思います。
そこから、SCPのイベントが成立することや、直接会っても割りと違和感なくいける事などが少し浸透していって、当時のネットを介した活字主体のコミュニティから少し幅が広がったのかな、と思います。
一方、ファン層自体はあまり変わってないようには思います。当時から潜在的にものすごくたくさん居たのが可視化されていったというだけで、元々執筆活動以外にもいろんな方が居たということに、むしろ僕らが気付かされたという変化だったのかなと。
なので、逆に当時から居た身からすれば、今のTwitterSpaceが盛んに行われたり、イベントで集まったり、ボイスチャットで記事の相談が行われたりするようになった、コミュニケーションのあり方の変化のほうが大きいのかなと思いますね。
ファン層に関しては、元々めちゃくちゃ年齢も文化背景もバラバラな老若男女が集う界隈だったと思うので、そこはあんまり変わってないように感じますw
ちなみに、VRChat上にも当時からの知り合い含め、SCP界隈周りの人達がそれなりに居ます。
1回だけ、あるワールドに元執筆者とかが偶々集まり、「え、○しろまる○しろまるさんってもしかして○しろまる○しろまるさん...?」「まてじゃあこっちは...○しろまる○しろまるさんかよマジか」と、SCP界隈同窓会が突発的に発生したこともありましたね......。当時の僕らが聞いたら「ホゲーッ!!!」と叫んでショック死しそう。
いや物によっては今でもスタッフ各位が死にそうになってるのはなんとなく見てますが......。Twitterででてくるワードが何のことだろうと思ってたらサーバ名だったとか結構あります。
思い出した、IRC 懐かしい......。
それこそ、最初に書かれたイラストレーターさんのデザインが界隈内での共通認識になって、そのまま定着したりとかも起きてたり。
なんで突然イラストの話をしたかというと、僕が擬人化普通に好きで、今「6こも居るならイラストが滾るな......」と思ってしまったからです。すみません。やりたすぎる。これだからSCP界隈は永遠に愛せる
最高です BIG LOVE
そういう意味で言えば、紹介動画とかでもねこのレストランさんとか本当に好きですね。動画も好きですし、デザインも好き。っていうかデザインが良すぎる。
[フレーム]
うん、やっぱ好き(直球)。
Vtuberの推しが「のらきゃっと」「薬袋カルテ」の時点でその 趣味がね バレますわね ホホホ。[フレーム]
実際「そろそろやる? どうする?」みたいな話を共同主催のモリリンさんとはずっとしていたのですが、新型コロナの状況や、そもそも自分の仕事の忙しさなども相まって、なかなか開けずにいました。諸々準備が整い、満を持しての開催発表となりました。待ってくださったみなさん、本当にお待たせしました。そして声をかけ続けてくれたモリリンさんマジでありがとう。
SCPオンリーイベントとして、この4年間で更に広がったSCPの世界、成長したコミュニティ、そういった物を参加者のみなさんで思う存分味わい尽くす事ができたらと思っています。
そして、今回はさいたま市は大宮での開催ということで、実はめっちゃ地元です。大宮にはなんと「ジャンクガレッジ」という僕が著者ページにソウルフードと書き残すほど愛しているまぜそばのお店があります。胃にある程度自身があるみなさんは、是非ジャンクガレッジのまぜそばも味わい尽くしてください。
ほんとうにありがとうございました!