昨年の出演者・東尾咲さんが聞く「演じる高校生」インタビュー
昨年、「演じる高校生」に出演した東尾咲さん(大谷高校大阪OG)が、今年の演じる高校生たちを訪ねました。
2回目 大谷高等学校演劇部 編
インタビューに集まってくれた演劇部メンバー。左奥より大岩本琴美さん(1年)、高田若菜さん(1年)、都倉美貴さん(1年)、前田悠子さん(2年)
「演じる高校生」とは
毎年、11月に開催される高校演劇コンクール近畿大会の優秀高2校による春秋座招待公演です。高校生が捉える現代を、瑞々しい感性と斬新な切り口で、「演劇」という総合芸術を通じて表現していきます。
大谷高等学校(大阪)「はみーご!」作・前田悠子(生徒作品) |
×ばつ4。夏。寂れた公園。普通のようで普通でない、友達いそうでやっぱりいない、そんな彼女たちの心からの今を描く。「演じる高校生」常連校。構成・戯曲・演技、全て超高校生級! |
- 上演作品に関して、何か観てもらいたいポイントなどありますか?
- 前田
- やはり、じょうろを観ていただきたいです。
- じょうろ? 作品中に出てくる?
- 前田
- はい。じょうろが沢山、出てくるので、その辺を観てほしいですね。
- じょうろのデザインとかですか?
- 大岩本
- キーポイント的に出てくるんですね。
- 高田
- 場面を繋いでいく役割もしていて
- あぁ、じょうろが鍵になっているんですか?
- 高田
- はい。
- なるほど。観てもらいたいポイントは他にもありますか?
- 高田
- 4人がすごく個性的で色々なものを持っているんですよ。私がじょうろを、あっ! ネタバレになってしまうかもしれないのですが、
- おっ
- 高田
- 私がじょうろを持っていて、他に色々とキャラクターが個性的な何かを持っていているんです。そこも面白いので観てほしいです。
- 何を持っているかは、観てのお楽しみと。
- 高田
- はい。お楽しみです。
- じょうろを持っているだけでも大分、変わっていますけれどね(笑)。観てからのお楽しみですね。
他、作品を作る上で大変だったことはありますか?ここは苦労したから、もうちょっと観てほしいとか。
- 前田
- 私、演出なんですけれども、それぞれ役者の個性もありつつ、台本上でも個性がすごくあるので、練習している時に暴走し過ぎてしまうと歯止めが効かなくなったりするんです。逆にあまり動けない子がいて、そのバランスを取るのがすごく大変だったなと思います。
- あーなるほど、4人の個性があまりにも強すぎるということですか。
- 前田
- あまり押さえてしまうと、他の濃さにかき消されてしまうので、そうならないようにしようとすると、やっぱり暴走気味になってしまう...。
- キャストさんの中でもそれは大変だった?
- ―はい。
- 舞台装置を見るとかなり手が込んでいるように思うのですが、作る上で大変だったとか、観てほしいところとかありますか?
- 前田
- 高校生だけだと、かなり人数が足りない感じで。私達は中高一貫なので、中学生の部員も一緒に手伝ってくれて。やっぱり舞台装置の作成面で中学生にすごく助けられています。
- 装置は中学生がお手伝いしていると。
- 前田
- はい。そうですね。
- では、それぞれに聞いていきましょう。演劇を始めたきっかけは何でした?前田さんは今、何年でしたっけ?
- 前田
- 2年生です。演劇部に入ったのは、流れに流されてしまったところがあるんです。最初、機材がカッコイイなって思っていたので、「機材を触れるよ」と言われて"お手伝いさん"で来たんですけれど、気が付いたら、部長と役者をやっていたと。
- おー。スタッフで入ってきたのに。いつの間にかキャストに!
- 前田
- はい。
- 後の3人は1年生ですか?
- 都倉
- はい。私は小さい時から自己表現する力が全然なくて、どうやったら自分を変えていけるかなと思った矢先に、学校のパンフレットに演劇部と書いてあったのを見て「ここに入ったら、自分を表現する力が付くのではないかな」と思って始めました。
- 高田さんは?
- 高田
- 仲の良い友達が演劇が好きで、大谷の演劇部が強いというのを知っていたんですね。それで一緒に見学に行ったら、すごく楽しくて。その時に高校一年生だった憧れの東尾さんがいらして。すごい、すごいなって思って。
- アハハハ
- 高田
- 入部させていただきました。
- 見て、もう、ここにしようと決めた感じですか?
- 高田
- はい。色々な部活で迷ったんですけれども、演劇部の稽古場に入った瞬間、「あ、なんかグッとくる」っていう感じがあって、ずっと見学していました。
- 大岩本さんは?
- 大岩本
- 元々、これをしたいっていうのがなかたったんですけれども、クラブ紹介で東尾さんと村田さんが寸劇をされていたのを見て、
- あー
- 大岩本
- すごく魅かれまして、ここへ行ってみよう!と思って見学に来たら、かなりのめり込んでしまいまして。
- アハハ 楽しそうだったと。
- 大岩本
- はい。
- 2人はそういう感じで入っちゃったんですね。
- 大岩本
- そうですね。
- 1年生の3人は演劇を始めたのは中学生から?
- ―はい。
- じゃあ4年間やっているんですね。前田さんは?
- 前田
- 私は中3の夏ですねえ。
- じゃあ3年ぐらいになるんですね。先ほど、都倉さんは自分を変えたくて演劇部に入ったって言っていましたけれど、演劇を始める前と後の自分で変わったとこってありますか?
- 都倉
- 中学1、2年の時は教室にあまり友達がいなかったんですが、中3ぐらいになってクラブの同期とか目上の方とコミュニケーションをとっていくうちに表現力が付いてきたのか、友達が増えてきました。
- おー
- 都倉
- しゃべることができたりして、はい。一番変わったところです。
- よかったですね!友達が増えた。
- 都倉
- はい!
- それは同学年から見ても変わったなと思います?
- 大岩本
- はい。かなり。中学1、2年の間は人の影に隠れていうというか、かなり流されている部分があったのですが、学年が上がるにつれて自分の意思とか意見を持つようになって、すごく嬉しいです。
- 高田さんも引っ込み思案だったと言っていましたが。
- 高田
- 結構、人見知りで小学校の時も、あまり人と話したりできなかったのですが、でも、目立ちたがりではないのですが、楽しいことが大好きで、
- あー
- 高田
- 率先して自分で楽しいことをしていきたいなという気持ちがあったのですが、なかなか自分に自信が持てなくて。それが演劇を初めてから勇気が湧いてきて。舞台に出る勇気があるんだから、思い切って言っちゃえって思えるようになったら、意外と友達ができて。
- おー友達ができた。
- 高田
- お、もっといけるんじゃないかなと思って、クラスでもがんばって発言したら、どんどん友達が増えました。
- おー!! それは、また大岩本さんから見て、よかったねぇという感じですか。
- 大岩本
- はい。
- 高田
- お母さんみたいー。
- 大谷高校演劇部の見どころとか、好きなところ、特色とかありますか?
- ―元気?
- 前田
- 女子だけでも、これだけできるっ! ていうのを見せたいですね。
- 女子だけだからこそっていうのがありますか?
- 前田
- はい。
- なるほど。あるかもしれないですよね。元気が取り得! 他には?
- 高田
- 変わったことができる。
- アハハハ。なるほど。
- 高田
- 変わったことができるって、他の部活にはないと思うんです。
- この演劇部の好きなところは?
- 大岩本
- 温かいところかな。
- 高田
- 家庭的?
- 大岩本
- あの、帰る場所みたいな感じ。やっぱりクラス代えで友達と離れてしまったり、卒業しても、大谷高校演劇部というのがあれば、戻って来れる場所が母校にあるなって。
- あー、戻ってこれる場所。私もそう思います。
- 大岩本
- いつでも戻ってきてください。
- じゃあ1年生の3人も戻ってきますか?大学へ行っても。
- ―はい!
- 満場一致ですね。演劇部好きですか?
- ―はい!