ご挨拶
私たちは、
未来の精神医学を
創造する人材を
求めています。
当教室は、日本の精神医学・精神医療における、未来のリーダーとなる人材を育成することをミッションとした、高い公共性を持つ精神医学教室です。そのため、臨床、教育、研究のいずれにおいても先駆的な取り組みを行ってきました。
臨床においては、保護室を含む閉鎖病棟・開放病棟合わせて40床の病棟を擁し、平均在院日数30日前後と、国立大学病院精神科ではトップクラスの入院診療体制をとっています。当科では、特にAYA (Adolescent and Young Adult) 世代と呼ばれる10代から30代前半の若者世代のメンタルヘルスに特に力を入れています。また、専属のスタッフで構成された精神科リエゾンチームが活動しており、身体科や救急部との緊密な連携を図りながら、年間1000件近くの新規ケースを受け入れています。多職種協働では、心理士やソーシャルワーカーなどの医療職だけでなく、精神疾患の当事者としての経験を持つピアサポートワーカーと共に働くことで、精神科医療の構造改革に取り組んでいます。こころの発達診療部と日頃から共に働いており、児童精神医学の専門家を目指すことも可能です。精神科リハビリテーションを担うプログラムは、デイホスピタル、リカバリーセンター、作業療法室の3つが存在しており、多様な患者さんを受け入れています。
教育においては、上記の多様な臨床環境において、臨床研修、専門研修を受けることができます。屋根瓦式のチーム制を採用しており、指導医と同じケースを診ながら、毎日行われるチームカンファで、臨床推論のプロセスに参画することで、精神科診療を理論的に学ぶことができます。これに加え、MHRC (Mental Health Research Course) では、精神医学に関心を持った医学生や研修医が定期的に集まり、最先端の研究者の講演を聞いたり、テーマごとに小グループに分かれ、ゼミナール形式で研究発表を行ったりします。また、東京大学の履修プログラムとしても認定されているTICPOC (Trauma-Informed, Co-Production, Organizational Change) では、病院-地域・学校・行政・産業の橋渡しができるコーディネーター、医療領域に熟知した臨床心理人材、本人の主体的意思決定をサポートできるピア(精神疾患の当事者)を育成するために、外部の方に門戸を開き、通年での教育プログラムを運営しています。
研 究 に お い て は 、東 大 病 院 精 神 神 経 科 は 、思 春 期・青 年 期 か ら 若 年 成 人 を 含 め たAYA(Adolescent and Young Adult) 世代のこころの成長と不調からの回復のメカニズムの解明を中心に進めています。2012年より、発達疫学の視点から、世田谷区・三鷹市・調布市の3自治体の協力による、思春期の一般人口を対象とした東京ティーンコホート研究を実施しています。また、マルチモダリティ縦断脳画像研究として、精神病をはじめとした精神疾患発症早期の多様なリスク因子とその予後検討のための、疾患横断的画像計測・心理社会的介入の統合研究(CAYAC研究:Comprehensive research for AYA for better mental health Care project)を行っています。日本を含めたアジア諸国の研究施設が参画するAsian Consortium on MRI studies in Psychosis (ACMP) コンソーシアムを構築し、国際共同研究も開始しています。また、患者―ヒト―非ヒト霊長類―マウスにおける双方向性のトランスレーショナルアプローチの一環として、ヒトを対象としたMRI、脳波、皮質脳波、眼球運動、分子解析、および、疾患モデルマウスの遺伝子解析、脳波解析などを行っています。22q11.2欠失症候群を有する方に関する心理社会的研究、および、連動する生物学的研究も実施しており、当事者・家族へのアンケートによる潜在的なニーズ調査や当事者家族との共同での会議開催等を通して、研究を共同創造していくことを重視しています。
このような多様性のある充実した環境で、共に臨床と研究に取り組んでいきたい方の応募をお待ちしております。
当教室は、日本の精神医学・精神医療における、未来のリーダーとなる人材を育成することをミッションとした、高い公共性を持つ精神医学教室です。そのため、臨床、教育、研究のいずれにおいても先駆的な取り組みを行ってきました。
臨床においては、保護室を含む閉鎖病棟・開放病棟合わせて40床の病棟を擁し、平均在院日数30日前後と、国立大学病院精神科ではトップクラスの入院診療体制をとっています。当科では、特にAYA (Adolescent and Young Adult) 世代と呼ばれる10代から30代前半の若者世代のメンタルヘルスに特に力を入れています。また、専属のスタッフで構成された精神科リエゾンチームが活動しており、身体科や救急部との緊密な連携を図りながら、年間1000件近くの新規ケースを受け入れています。多職種協働では、心理士やソーシャルワーカーなどの医療職だけでなく、精神疾患の当事者としての経験を持つピアサポートワーカーと共に働くことで、精神科医療の構造改革に取り組んでいます。こころの発達診療部と日頃から共に働いており、児童精神医学の専門家を目指すことも可能です。精神科リハビリテーションを担うプログラムは、デイホスピタル、リカバリーセンター、作業療法室の3つが存在しており、多様な患者さんを受け入れています。
教育においては、上記の多様な臨床環境において、臨床研修、専門研修を受けることができます。屋根瓦式のチーム制を採用しており、指導医と同じケースを診ながら、毎日行われるチームカンファで、臨床推論のプロセスに参画することで、精神科診療を理論的に学ぶことができます。これに加え、MHRC (Mental Health Research Course) では、精神医学に関心を持った医学生や研修医が定期的に集まり、最先端の研究者の講演を聞いたり、テーマごとに小グループに分かれ、ゼミナール形式で研究発表を行ったりします。また、東京大学の履修プログラムとしても認定されているTICPOC (Trauma-Informed, Co-Production, Organizational Change) では、病院-地域・学校・行政・産業の橋渡しができるコーディネーター、医療領域に熟知した臨床心理人材、本人の主体的意思決定をサポートできるピア(精神疾患の当事者)を育成するために、外部の方に門戸を開き、通年での教育プログラムを運営しています。
研 究 に お い て は 、東 大 病 院 精 神 神 経 科 は 、思 春 期・青 年 期 か ら 若 年 成 人 を 含 め たAYA(Adolescent and Young Adult) 世代のこころの成長と不調からの回復のメカニズムの解明を中心に進めています。2012年より、発達疫学の視点から、世田谷区・三鷹市・調布市の3自治体の協力による、思春期の一般人口を対象とした東京ティーンコホート研究を実施しています。また、マルチモダリティ縦断脳画像研究として、精神病をはじめとした精神疾患発症早期の多様なリスク因子とその予後検討のための、疾患横断的画像計測・心理社会的介入の統合研究(CAYAC研究:Comprehensive research for AYA for better mental health Care project)を行っています。日本を含めたアジア諸国の研究施設が参画するAsian Consortium on MRI studies in Psychosis (ACMP) コンソーシアムを構築し、国際共同研究も開始しています。また、患者―ヒト―非ヒト霊長類―マウスにおける双方向性のトランスレーショナルアプローチの一環として、ヒトを対象としたMRI、脳波、皮質脳波、眼球運動、分子解析、および、疾患モデルマウスの遺伝子解析、脳波解析などを行っています。22q11.2欠失症候群を有する方に関する心理社会的研究、および、連動する生物学的研究も実施しており、当事者・家族へのアンケートによる潜在的なニーズ調査や当事者家族との共同での会議開催等を通して、研究を共同創造していくことを重視しています。
このような多様性のある充実した環境で、共に臨床と研究に取り組んでいきたい方の応募をお待ちしております。
専攻医・研修情報
各職種からのメッセージ
また、精神科における標準的な薬物治療を普及する全国的なプロジェクトにも2016年から携わり、教育と研究の両面で活動しています。この実践と笠井教授をはじめとした同僚の指導のもと、2023年には学位を取得させていただくことができました。
臨床業務としては、精神科の児童外来の他にリエゾンチームに長く関わってきました。個人的に実践の軸となっているのは相互作用に着目する家族療法やブリーフセラピーで、患者さんやご家族との協働作業や多職種連携に力を入れています。
全く出自の異なる私が、10年以上の長きにわたって勤務できてきたこと自体が、多様性に寛容な東大精神科の魅力を示していると思っています。少しずつでもより良い精神科医療の実践を目指して、何かがアンテナに引っかかった方と一緒に働くことができたら嬉しいです。
私は今、神経病理学を専門にしています。精神疾患を論考する"精神"病理学ではなく、死後脳を顕微鏡で覗く"神経"病理学です。神経病理学会に所属している精神科医は非常に少ないのですが、私にとってはこれが最適解だったと確信しています。きっかけは、精神科2年目の頃に関連病院で開かれた懇親会でした。隣に座る医局の先輩にヒト脳の研究への憧れを語ったところ、あれよあれよという間に神経病理学の高名な先生に引き合わせてもらったのです。私の進路を決めたのは、他ならぬその先輩でありその夜でした。私はもしこの医局に入らなければ間違いなく今とは違う自分になっていたことでしょう。
東大医局の場合多くの人は大学で1年間研修を行うことになりますが、そこでは多くの人との出会いがあります。結局のところ我々の視野は非常に狭く、その時々に出会う人を通してしか自分の視界を開くことはできません。古きと新しきのどちらも学び、生物・社会学的な裾野も持つこの医局であれば、まだ見ぬ自分の選択肢に必ずや気付けるはずです。
当医局に興味を持った皆さんが、少しでも興味を持って入局を考えて頂けたら幸いです。皆さんにお会いできる日を心待ちにしています。
私は専攻研修医として1年間を東大病院で、2年間を栃木県立岡本台病院で過ごしました。2023年度より東大病院に戻り、副指導医として勤務したのちに、2024年度より大学院に進学しました。
もともと人々の生活や社会のあり方に興味があり、初期研修医の頃に精神科への進路を決めました。その中でも多様な指導医のもとで学びたいと考えて、当医局への入局を決意しました。
専攻研修では多岐に渡った教育プログラムが用意されており、想定していた以上に手厚い指導体制のもとで精神科臨床の基礎を学ぶことができました。
また他都道府県での臨床経験、数多くの措置/緊急措置入院症例を入院場面から経験できたこと、そして1年間の医療観察法病棟での経験は私にとってとても大きな財産になりました。これらを通じて、法律や社会制度への関心を深め、医局内でも多くの先生方に相談に乗ってもらい、支援を受けながら、今後のテーマにしていきたいと考えるに至りました。
精神科という進路選択の先にも様々な志向があり得ると思います。当医局では自身の興味や関心が尊重され、それに応じたキャリアの相談に乗ってくれる先輩医師も多く、非常に寛容で支持的な環境だと思います。皆さんにとっても、良いと思える道に巡り会える場になればと心より願っております。
お会いできるのを楽しみにしております。
私はもともと精神科医を目指していたわけではなく、学生時代や初期研修の始めの頃はがん患者さんの治療に関わりたいと思っておりました。しかし実際に患者さんを診療するようになると、原疾患の治療は重要だけれど、患者さんの苦痛や実生活での困難が置いてきぼりになったり、増悪したりするのでは本末転倒ではないかという思いが強くなっていきました。そのような中、初期研修1年目の4月に一番最初に回った東大精神神経科での診療を思い出すようになり、2年目にもう1ヶ月選択しました。改めてローテートして、病気の治療を進めながら患者さんの生活、そして人生へ多角的に介入する精神科ならば患者さんその人の診療が可能だと考え、精神科の道に進むことを決めました。
東大精神神経科はチーム制で実臨床を通して様々な指導医から学ぶことができ、これはまだ蓄積された経験や知識の少ない私には大変貴重な体験です。さらに、当医局では様々な分野のエキスパートの先生方によるクルズスが数多く開催され、学ぶ機会には事欠きません。大学病院であり、児童から高齢者の頻度の高い疾患から珍しいものまで幅広い症例を経験できます。リエゾンでは様々な他科から毎日多くの依頼があり、主科での治療を妨げ患者さんの苦痛となっている精神症状の診療に医師・看護師・心理士、そして依頼科スタッフで連携して取り組んでいます。
多様な人や機会が揃う当医局なら、興味のある専門分野やロールモデルを見つけて進んでいくことができるのではないかと思います。皆さんと一緒に働くことができるのを楽しみにしています。
東京大学の精神科に入局した理由は、非常に教育的だと感じたからです。そう感じた理由は2つあります。1つ目は屋根瓦方式のチームでの指導体制が特に魅力的です。様々な経験豊富な指導医から学ぶことができるだけではなく、同じチーム内に自分と年次の近い副指導医の先生もいてくださるからです。初期研修での経験を通して、私は多少体力的にハードでも教育的に教えていただけるやりがいのある環境であれば、生き生きと働くことができると実感しました。特に、年次が近い後期研修医が一緒にローテートしてくださっていた場合は、大変ご丁寧に教えて頂き、忙しいながらも楽しく過ごすことができました。 後期研修では初期研修以上の責任がかかると予想し、挫けないで粘ることができるかどうかの分岐点となるのが、教育的な環境かどうかだと思いました。このような理由から、私にとって、年次が近い先生が同じチームに常に居てくださるのは非常に魅力的でした。2つ目は、各界でご活躍する先生方からのクルズスやスーパーバイズを受けられ、学ぶ機会には事欠かないからです。第一線の先生方から直接ご指導頂ける機会の豊富さは当院を置いて他にありません。
私は大学学部と初期研修先のどちらも当大学出身ではありませんでしたが、以上の理由から当院を志望いたしました。
私を含め、多様な人や機会が集結している当医局なら、興味のある専門分野やロールモデルを見つけることができるはずです。皆さんと一緒に働くことができるのを楽しみにしています。
私は専攻研修医として1年目は東大病院で、2,3年目は神奈川県の精神科単科病院で勤務する予定です。
医学生や初期研修医として学ぶ中で、病気だけでなく、患者さんの生活や人生をみて支えられるような仕事がしたい、と感じていました。その中でも一人一人の価値観と向き合い、心を扱うことの難しさ、奥深さに心を惹かれ、精神科の道を選びました。初期研修の間は精神科の診療に触れる機会が少なかったため、まずは大学病院で基礎から幅広く勉強をしたいと考え、特に思春期の診療に関心があったこともあり、当医局への入局を決めました。
大学病院での研修では病棟の入院診療に携わっており、治療方針や患者さんとの向き合い方に悩むことも多い毎日ですが、チームの上級医の先生方や多職種のスタッフの皆様に丁寧に教えていただき、日々精進しています。リエゾンチームでも大学病院ならではの様々な疾患に出会い、研鑽を積むことができました。また、定期的に専攻医向けの勉強会やカンファレンス、TPARという精神療法のスーパーバイズもあり、沢山の勉強の機会をいただいています。
とても熱心で柔らかな雰囲気の先生方が多い環境で、困ったときは同期にも相談しながら、伸び伸びと過ごすことができています。先生方の専門分野も様々であり、将来進む道にかかわらず温かく受け入れていただける環境ではないかと思います。
皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。