第一回 カール・カスパール・フォン・シーボルト

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タイトル:連載 エージェント・シーボルト 〜200年越しの真実〜
著者:** Mishary Mishary

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連載 エージェント・シーボルト 〜200年越しの真実〜
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第一回 カール・カスパール・フォン・シーボルト

公開日 2028年10月3日19:30

フランツ・フィリップ・フォン・シーボルトを語るには、まずその祖父カール・カスパール・シーボルトについて記す必要がある。

カール・カスパール・シーボルトは1736年、ユーリヒ公国のニデッゲンで外科医ヨハン・C・シーボルトの子として生まれた。ケルンで哲学の博士号を取得したのち父の下で外科手術を学び、フランスの軍事学校で従軍医となった。軍医を辞めた後ヴュルツブルクへ行き、ユリウスシュピタル病院で学び1763年医学試験に合格、パリやロンドンなど欧州各地を巡った。その後最終的にヴュルツブルクへと戻り、当時のヴュルツブルク司教領主であったアダム・フォン・ザインスハイムの侍医となったという。

近年、1768年にアダムが奇病に罹患し、カールがその処置に当たったとの記述が見つかった。この頃からカールは異常に関わるようになったと推測されている。

「七年戦争やフランス革命に始まる混乱の中で多くの異常物品が拡散していたんです」東京大学の阿野原教授(西洋超常史)は語る。「貴族・聖職者の没落とともに多くの異常物品が破壊・略奪され、正常性維持のためこれに対抗しなくてはならなかった。ひょっとすると18世紀から19世紀の西欧でベールが剥がれていたかもしれない、そういう時代でした」

「カールは1771年にドイツの科学会レオポルディーナにフロティマスIIIの名で加盟しています。この団体設立当初の目標に科学の一環として異常な事象を解明する、という事項がありました。レオポルディーナ自体はその後異常との関わりを捨てましたが、カールが参加した理由に異常が関係しているのは間違いありません」このレオポルディーナにはフランツ・シーボルトをはじめとした多くの人物も加盟しており、シーボルト家と異常の深いつながりを思わせる。

1769年カールはヴュルツブルク大学の教授となり、自ら設立に携わった附属病院やユリウスシュピタル病院で外科手術を行った。1805年には近代的な手術室の整備に成功し、近代ドイツにおいて外科手術の礎を築いた人物として知られるようになった。

昨年発見された『ジヰボルト書簡』からは、革命期の混乱の中でカールが医学的な異常対策を担っていたことがうかがえる。カールの息子4人もヴュルツブルクを中心に医師として、また王立バイエルン超常研究院などの超常機関のメンバーとして働いた。

その名誉によって1801年、ヴュルツブルクを領したバイエルン王国によって貴族に任じられた。これによりシーボルト家のメンバーはフォン・シーボルトを名乗ることとなる。

多大な功績を残し、カール・カスパール・フォン・シーボルトは1807年4月、ヴュルツブルクでその生涯を終えた。その血脈は、孫のフィリップ・フランツ・シーボルトらに受け継がれてゆく。

次回 フィリップ・フランツ・シーボルトの誕生


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