2025年10月08日
福田淳さんのすばらしいエンタメのビジネス論理
福田淳さんのすばらしいエンタメのビジネス論理
昨日、STARTOの社長をされていた福田淳さんとお話した。以前からのんさんを応援されている福田さんをリスペクトしていた。
福田さんの、ビジネスとしてのエンタメを分析し、展開するロジックにしびれた。マーケットを冷静に分析し、方向を考え、アーティストを支える。さすがである。
ぼく自身は、どうしても、アートの質、もっと良いものがあるんじゃないか、最高のものがあるんじゃないかとそれを求める。一方、ビジネスとしては、それを求める人がいれば、それで良いことになる。逆に、例えばモーツァルトのAve Verum Corpusのようにアートの質としては至高だが、そんなにマーケットがないものもある。
以前、ドンファンとカサノヴァの違いを言っている人がいた。ドンファンは女性ならば誰でも平等に愛するのだという。一方、カサノヴァはいつも最高の女性を求めるのだという。
エンタメにおいては、福田淳さんはカサノヴァではなくドン・ファンだ。そして、それはビジネスパーソンとしてきわめて正しい判断だと思う。アートにおけるカサノヴァはスケール的にはカルトになってしまう。
(クオリア日記)
10月 8, 2025 at 08:10 午前 | Permalink
2025年06月08日
私のIKIGAIの本はいくつの言語、何カ国で出版されているのか?
私のIKIGAIの本は、もともとは英語で書いてLondonのQuercusから2017年に出版されている。昨年は、ありがたいことにドイツでノンフィクション部門の年間1位となった。
今、何カ国、何言語で出版されているんだろうと、ときどきは聞いているんだけど、自分でもよくわからなくなる。
それで、今回、版元のQuercusにきちんとメールで問い合わせたところ、あーそうか、というような「意外な」ことがわかったと同時に、現状が把握できた。
版元によると、翻訳出版のライセンスは、国ごとではなく、言語ごとに行われていて、そして、その言語での販売自体は、worldwide (世界中)で可能なのだそうだ。
だから、確実なのは言語によるカウンティングで、それは、現在、英語以外に「33契約」行われているとのこと。
ただし、このうち、ウクライナ語の契約はさまざまな事情(早く平和が訪れますように!)で2つの出版社に別々に行われており、また、ポルトガル語はポルトガル向けとブラジル向けに分けてライセンスされているとのこと。
また、英語の場合、北米市場(アメリカ、カナダ)とそれ以外が別で、北米はExperiment、北米以外(イギリス、ニュージーランド、オーストラリア)はQuercusが扱っているとのこと。
スペイン語のライセンスは、スペイン本国と、スペイン語を話すラテンアメリカ(20カ国)をカバーしているとのこと。
というわけで、英語以外は、33契約だが、このうち、ウクライナ語2つ、ポルトガル語2つ(ポルトガルとブラジル)の重複を考えると31言語。結論として、言語は、英語を入れて、計32言語ということになる。
次に出版国数だが、スペイン語、ポルトガル語、英語を別に議論しなくてはいけなくて、それを除く29言語は各一国(実際には、アラビア語のように、もっと多いかもしれない)とする。これに、スペイン語(スペイン及びラテンアメリカ20カ国の計21カ国)、及びポルトガル語(ポルトガル及びブラジル)及び英語(アメリカ、カナダ、イギリス、ニュージーランド、オーストラリア)の5カ国を加えて、出版国数は、
29(スペイン語、ポルトガル語、英語以外)+21(スペイン語)+2(ポルトガル語)+5(英語)=57カ国
という計算になる。
したがって、私のIKIGAI の本は、「32の言語、57の国」で出版されているということになる。もっとも、今は流通もアマゾンなどいろいろあるので、実際にはこれとは異なる可能性はある。少なくとも、ライセンスで補足した32言語は確実である。
結論:
茂木健一郎(Ken Mogi)のIKIGAI(生きがい)の本は、32の言語、57の国で出版されています。
6月 8, 2025 at 12:00 午後 | Permalink
2025年05月13日
カタルーニャの人たちの未来が明るいものでありますように!
バルセロナは、午前11時に市内に着いて、翌日の朝8時30分にはホテルを出る短い滞在だったけれども、一日目に合計20キロの旅ラン、二日目に近くの公園を旅ランした。ガウディのサグラダ・ファミリアはもちろんだけど、歩行者の道が広く、信号がわたりやすく、至るところに現代的なデザインの緑地があるのが印象的だった。建物の設計もとても良く、国立劇場とそのとなりのマーケットには感動した。
空港まで行く車は、サルヴァドールさんが運転してくださった。
バルセロナオリンピックの時は最初の子どもが生まれて忙しかったんだそうだ。その子どもはしばらく香港で働いていたけど、今年帰ってきてアパートを買ったとうれしそうに話していた。
緑が多いですね、と聞いたら、ヨーロッパで2番めに木が多い都市だという。1番めはどこですか? と尋ねたら、パリだというから、バルセロナの方が多くないですか、と聞いたら、そうだねえ、単位面積あたりはバルセロナの方が多いかも、と答えが返ってきた。
国立劇場の設計が良かった、と言ったら、バルセロナの有名な建築家だという。これから行く空港の第一ターミナルもそうなんだという。
前の晩、タパスを食べに行って、ぼんやりと街を行く人たちを見ていた。看板とか、耳に入ってくる言葉とか、スペイン語と違う。ホテルに帰って、ドイツ公共放送のカタルーニャについてのドキュメンタリーを見ながら、ビールを飲んで寝た。
サルバトールに、カタルーニャの独立についてどう思うか、と聞いたら、そうなったらうれしいけど、無理じゃないかなという。
カタルーニャはスペインにとって経済的にも重要だから、手放さないだろうと。
そもそも、結びつきも強く、バルセロナとマドリッドは高速鉄道で2時間30分で、ビジネスをやる人はしょっちゅう行き来している。
サルバドールの家庭でも、お父さんはカタルーニャ語、お母さんはスペイン語だったという。なぜお母さんはスペイン語だったのかと聞くと、わからない。お母さんの父方は、ベルギー出身だったけど、そういうことがいろいろ関係しているのかなとサルバトールは答えた。
カタルーニャの子どもたちは、スペイン語とカタルーニャ語の両方を話せるように育つのだそうだ。
「街でも、この人にはスペイン語で話したらいいのか、それともカタルーニャ語で話したらいいのか、わからないことが多いんだよね」と言って、サルバトールは笑った。
車は空港についた。ターミナル1は、バルセロナ中心地にある国立劇場のように、外光が降り注ぐ、明るい開放的な空間だった。
サルバトールと握手して別れた。
カタルーニャの人たちの未来が明るいものでありますように!
(クオリア日記)
5月 13, 2025 at 05:52 午後 | Permalink
2025年03月30日
鳩山由紀夫、鳩山幸ご夫妻の結婚50周年の会
鳩山由紀夫、鳩山幸ご夫妻の結婚50周年の会があって、音羽の鳩山会館にうかがった。
鳩山一郎さんが総理をされていた頃、鳩山由紀夫さんが実際に住まわれていた家である。
ご夫妻にご挨拶して、記念の写真に収まった。スナップもとった。
鳩山由紀夫さんのお姉様、井上和子さんに、鳩山会館で過ごされた幼少期のことをうかがったのは、忘れがたかった。
戦後、シベリアから帰ってこられた方々が、鳩山一郎さんとともにまずは鳩山会館にいらして、その感激の声が庭から聞こえてきたことが、子どもだった井上和子さんの脳裏に刻み込まれているという。
鳩山由紀夫さま、鳩山幸さま、これからも末永くご健康で、そしてお幸せに。
(クオリア日記)
3月 30, 2025 at 08:32 午前 | Permalink
ソーシャルメディアに対してあまり遠慮するのやめよう
昨日、ぼんやりしている時に、そうだ、ユーチューブの編成を少し変えようと思った。
このところ、「クオリアエッセイ」では人生の一人称のあれこれを、「なごみの道」では社会的なものを含めたより広い世界を話してきたけど、「クオリアエッセイ」を、意識の科学や人工知能を含めたハードな議論(とは言っても3分から5分なのでさわり)をする番組にして、「なごみの道」の方で人生哲学を話そうと思った。
どうしてそう思ったかというと、おそらく、ソーシャルメディアに対してあまり遠慮するのやめようという気分からかもしれない。
もともと英語のYouTubeチャンネルのQualiaRoomの方ではハードな内容をしゃべっている。
日本語でもそれやったらいいと桜満開の東京で思った。
(クオリア日記)
3月 30, 2025 at 07:31 午前 | Permalink
2025年03月29日
花見をすると、ああ生きているなあ、という感じがする。
今日から冬の寒さに戻って、雨も降るという予報だったので、花見をするならば昨日しかないと思った。
長年花見をやっているけれども、桜を見ているのはちらちらだけで、あとは空気があたたかいということが気分を盛り上げるには重要なのである。
『東京藝大物語』にも出てくる、伝統の上野公園、東京都美術館前あたり。
有志で集まった。
池上高志とまじめな話やふまじめな話をした。桜も咲いたけれど、話の花も咲いた。
花見をすると、ああ生きているなあ、という感じがする。
今年も春も私は生きていた。
(クオリア日記)
3月 29, 2025 at 10:27 午前 | Permalink
2025年03月27日
いつか、100万再生とか、1000万再生の名曲誕生しないかな
しばらく前に、voicyで毎朝でたらめの歌を即興でうたっていたのだけれども、200回くらいか? やったところで自然消滅した。
一つには、ディフォルトのBGM設定(morning coffeeだっけ?)をオフで聞いてください、と毎回言うのが面倒だったということもある。
10日くらい前、突然、「そうだ、TikTokでやればいいじゃん!」と思って、今日現在、毎朝でたらめ即興ソングをリリースしている(笑)
クオリアソング on TIkTok
no.1
桜が咲いたら会いに行くよ。
no.3 意識の謎は解けない。
no.4 てんとう虫がポンポンポン。
no.5地球の上に僕らはいるよ。
no.6 桜が散った後で
no.7 決めつけるんじゃねえ
no.8 今日さくらが咲くよ
no.9 寒い日が続いていた都会の片隅に、そこだけ明るく
no.10 ゲームやろうぜ
no.11 キラキラしちゃおう。
ごめん、このリスト、完全ではありません。
最初、TikTokよくわかっていなくて、1分だったらきっちりそれでやめなくてはいけないかと思っていのただけれども、10分だったらそれ以下だったら任意の長さでやめていいとわかって、そうしている。
TikTokにあげて、動画ダウンロードすると、最後にTikTokのジングルがついたりするので、なんだか逆にプロっぽくて気に入っている(笑)。
Xでもその動画をポストしています。
ハッシュタグは #クオリアソング
ぼくの夢として、いつか、たとえば『なごり雪』とか『卒業写真』、あるいは『心もよう』のような名曲を爆誕させたいということがある。
毎日即興で歌っていると、いつか名曲が生まれるのではないかというはかない夢がある。
脳科学的には、即興で最初から完全なのがまるっとできることがあるのだ。
Yesterdayとか、『あの素晴らしい愛をもう一度』とか、「タイガー&ドラゴン」とか。
歌い始めるときはほんとうに何も考えていなくて、口から出たやつを自分で聞きながら、あとは今の人工知能のフォーマットであるNext Token Predictionを人間が実践するかたちで適当につないでいく。
まさに「ファーストテイク」だ(爆)。
時々、さすがに、次のメロディや歌詞があやしくなることもあって、適当に誤魔化している。
修行だとおもって、当分続けます。
それはそうと、TikTokはフォロワーとかあまり関係なくて、アルゴリズムが大事。
ずっと再生数が100とか200とかだったのだけれども、2日前から突然10万を超えるようになって(笑)、今朝もあげてまだそんなに経っていないのに、1万に迫っている。
アルゴリズムくん、ありがとう!
(添付写真参照)
いつか、100万再生とか、1000万再生の名曲誕生しないかな(笑)
(クオリア日記)
3月 27, 2025 at 10:40 午前 | Permalink
2025年03月23日
ゲンロン15周年、おめでとうございます!
3月 23, 2025 at 10:07 午前 | Permalink
2025年03月19日
長い間知っている人には、重層的な記憶が #クオリア日記
東京大学駒場キャンパスでランチしていたら、池上高志が来た。
ここまではよくある話だけれども、その後ろになつかしい人がいる!
あれ、Luc!
Luc Steelsがいた。テーブルをジョインして一緒に食べた。
Lucと、Language gameの話をした。
それから、昔Lucが書いたオペラの話をした。ソフトはシベリウスをつかったらしい。
Parisでフランシスコヴァレラと議論したとき、そのあたりにLucもいた気がする。
長い間知っている人には、重層的な記憶がある。
Lucと高志は、ベネツィアでなにか一緒にやるらしい。
(クオリア日記)
3月 19, 2025 at 12:32 午後 | Permalink
2025年03月17日
じゃこ天の夢の中
先日、3月14日に行われた愛媛クリエイター交流会は楽しかった。
建築家の伊東豊雄さん、森ビルの森浩生さん、元駐米大使の藤崎一郎さん、そして多くの素晴らしいクリエーターが参加された。
https://japandesignweek.jp/designweek_event/ehime-creator-meetup-2025/
伊東豊雄さんの言葉は鋭利で温かく、魂がこもっていて、それに触れただけでもみんな幸せだったのではないか。
ぼくは18時30分過ぎの電車でどうしても岡山に出なければならなかったのだけれども、会が盛り上がっていて、それで一計を案じた。
眼の前に座っていた藤崎さんに、「壇上にいらっしゃいませんか?」とお誘いして、ぼくの席に座っていただき、「ここからはMC交代です!」と宣言してリュックを持って出てしまったのだ。
もちろん、打ち合わせや事前の打診などなにもない(笑)
そのあと、どうなったかはわからないけど、キャリア外交官の藤崎さん、きっと会議をうまく踊らせてくださったのではないかと思う。
松山駅まで、中野泰誠さんが送ってくださった。
中野さんは今回の愛媛の舞台裏の仕掛け人で、かつてお世話になった弘前や嬉野もそうだったのだという。
すごいひとだ。
中野さんが、じゃこ天をくださったので、岡山に行く特急の中で日本酒でいただいた。
周囲が暗くなるころには、私はすっかりじゃこ天の夢の中にまどろんでいた。
(クオリア日記)
3月 17, 2025 at 08:11 午前 | Permalink
2025年03月16日
京都のふしぎな夜。
徒然草エッセイ大賞の表彰式のあと、京都で、懇親をした。
終わる頃、元PHP研究所で、今は祥伝社にいらっしゃる根本騎兄さんがもう一軒行く時間はありますか、という。
ライターの堀香織さんが、京都で日本酒のバー「日本酒サロン粋」をやっているというのだ。
なんと、ちょうど堀さんから、ご自身の新刊『父の恋人、母の喉仏』のご案内をいただいたタイミングだった。是枝裕和さんが帯を書かれている。
山極寿一さんと三人でふらふら出かけた。すてきなお店。着いてしばらくして、そういえば共同通信の時にお世話になって、今は京都で一乗寺ブクアパをやっている北本一郎さん近いんじゃないかと思って連絡したら、ぱっといらした。
京都のふしぎな夜。
ご縁とご縁でほっこり。
根本さんといっしょに京都駅へ、
ホテルに戻って、大谷翔平選手が巨人とのエキシビションで打った特大ホームランの映像を見た。
(クオリア日記)
3月 16, 2025 at 11:20 午前 | Permalink
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