大阪高裁が正式に和解勧告をした11月7日に、衆参両院の自民・公明・民主各党の厚生労働委員会理事が共同で、舛添厚生労働大臣に対し、薬害C型肝炎訴訟の全面解決を申し入れ、原告団との面会を要請しました。
これを受けて同日、全国原告団は、衆議院第一議員会館内において、舛添厚労大臣とはじめての面会をしました。名古屋からは、金田和子さんが参加しました。
○しろまる写真:大臣に要請書を渡す全国原告団代表の山口美智子さん
(弁・
堀)
名古屋大学法学部で薬害肝炎の講義をしてきました。
感染者リスト隠し問題がマスコミで大きく取り上げられている中での講義だったので,学生の関心も非常に高かったです。
薬害肝炎事件の概要と,各地裁での判決内容を弁護士から説明したあと,原告の金田和子さんから体験談を語っていただきました。
金田さんは,感染によって健康をむしばまれて苦しんだこと,同じ病気の人たちが辛い治療を受け,命を落とした人もいること,裁判での被告の心ない対応,支援の人たちに勇気づけられたこと,実名公表を決意した理由,解決に当たって望むことなどを語りました。
学生たちは金田さんの言葉を真剣に聞き入り,すすり泣く声も聞こえました。
(弁・竹内)
平成19年9月17日(祝)猛暑日
東京永田町の星陵会館において報告・決起集会が行われました。
薬害肝炎弁護団石井麦生弁護士からは、仙台地裁判決があろうと、先の4地裁によって国の責任は揺らぎないものとなっているとの総括がなされました。
一方、B型肝炎弁護団奥泉尚洋弁護士からは、平成18年6月の最高裁勝訴判決を経ても何も変わらない国の対応への批判がなされました。
運動の現状と課題について、鈴木利廣弁護士より、「厚労官僚のすさまじい抵抗に対するには厚労大臣の政治決断しかない。そのためには司法と国会の圧力が不可欠だ。大阪高裁は和解へ、全国におけるリーダーシップを発揮しようとしている。」との提言・報告がありました。
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原告の声は切実です。
・7年間何度も緊張する場面があった。支援がなかったらとてもむりだった(東京原告さん)。
・これまで、一つずつ壁が切り崩されて前進してきた。心を一つに思いを一つにすれば実現する(仙台原告さん)。
・3日間、土砂降りの雨のなか、座り込みをした。厚労相の人に『お願いします』といってビラを配って、受け取ってもらえたら『ありがとうございます』と言うのはとてもつらかった。被害者である私たちが加害者である人たちにどうして何度も何度もお願いしなくてはならないのか。(九州原告出田さん)。
・国は分かっていたはず、分かっていた。30年経っても何もしない。
生体肝移植を受けた友人は今も重篤で苦しんでいる。原告及び原告以外の患者が安心して治療を受けやすくなるように(名古屋原告金田さん)。
・インターフェロン治療と訴訟が重なって、家族へのストレスのことや経済的にもインターフェロン治療を断念した。結局ウイルスは2か月で再燃した。政治解決が不可欠。大阪高裁で和解が示されたとのこと、横田裁判長を信頼している(大阪原告桑田さん)。
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集会には大勢の支援者が駆けつけて応援の声を届けていました。
支援する会東京、千葉、滋賀肝臓友の会、神奈川の薬剤師さん、東洋大片平教授、名古屋からはYELLの和田さん・・。
社民党の福島党首からは、今年の臨時国会での野党共闘による法案成立をお約束いただきました。
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最後に原告団代表の山口美智子さんが、「何度も何度も山を越えてもまた山が立ちはだかってきました。和解という最後の山を迎えている。和解なき抜本的解決はない。一刻も早い全面解決を」と呼びかけ、全員で「今こそ最終解決を」「今こそ全患者の救済を」と決起しました。
薬害イレッサ訴訟被害者近澤さんの「今山の頂に登っているかもしれない。霧があって今は見えないけれども、一気に霧が晴れて頂が見えるかもしれない」との激励が心に残ります。
弁護団榊原真実