核情報

2022. 11. 8

使用済み燃料プール火災の恐怖──空冷式乾式貯蔵の迅速導入を

2011年3月11日の東日本大震災と津波で起きた事故のため、福島第一原発4号機のプールは、もう少しのところでプール火災が起きて、風向きによっては、約3000万人の避難が必要な事態に至るところでした。ここに掲載するパワポ資料は、次のような事実を改めて想起するためのものです。

  • ★4号機のプールには、炉心での工事のために地震の直前に炉心から取り出したばかりの熱い燃料が保管されていた
  • ★プール火災を免れたのは、原子炉の上に位置する原子炉ウェルの水がプールに流れ込んだためだった
  • ★ウェルは、本来なら原子炉内の工事のために空になっているはずだった
  • ★たまたま、工事の遅れのためにウエルが水で満たされていたという幸運に恵まれたため、プール火災・大量の放射性物質の拡散が避けられたのだった。

そして、大規模なプール火災を防止するために、プールで5年以上保管した使用済み燃料を、自然対流利用の空冷式乾式貯蔵に移すことを提唱しています。

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この資料は、2022年10月26日開催の「原発・核燃サイクルの中止を求めて 省庁・全国市民・議員の院内集会」(主催 脱原発政策実現全国ネットワーク)での発表で使ったものを若干修正し、補足スライドを追加したものです。

  • 追記:当日の講演録画はこちら↓
    20221026 UPLAN 田窪雅文「使用済み核燃料プール火災の恐怖〜教訓 5年以上プール冷却の使用済み燃料は自然対流空気冷却の乾式貯蔵へ」
  • [ [プルトニウムー原子力の夢の燃料が悪夢に』(フランク・フォンヒッペル 田窪雅文 カン・ジョンミン)の第5章と6章で検討している問題を要約しながら、関連情報の説明を加えたものとなっています。本書とともにご活用いただければ幸いです。

    参考

    核情報から

    週刊東洋経済


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