青々とした野菜試験農場では、無人耕うん機が自律走行しながら精密に耕起を行い、無人収穫機が大根やハクサイなどの作物を効率的に収穫している。これは未来の農業を描いたSFの世界ではなく、先日筆者が中国初の生産型ハクサイ無人農場で目にした現実の光景だ。科技日報が伝えた。
この無人農場は北京市海淀区温泉鎮太舟塢村に位置し、新エネルギー農業機械による無人播種、気流式無人精密播種、大根とニンジンの二機協同によるスマート収穫機、ハクサイ無人収穫など、野菜生産における数々の画期的な技術を集約している。
耕起実演エリアでは、新エネルギー野菜無人作業プラットフォームに懸架された耕うん機が、事前に設定された経路に沿って自律走行しながら耕起と整地を一度に行い、わずか数分で1ムー(約667平方メートル)の耕作作業を完了した。
国家主要野菜産業技術体系のスマート管理専門家である呉華瑞氏は取材に、「この機器には高精度の北斗衛星測位システムが搭載されており、位置精度はセンチメートル級に達する。さらに、土壌の性質に応じて耕作パラメーターを自動調整でき、作業効率は人力の10倍以上だ」と語る。
根菜類の収穫エリア(画像提供 · 北京市農業農村宣伝センター)。
根菜類の収穫エリアはさらに活気に満ちていた。大根とニンジン専用収穫機が「大きな口」を開け、大根の葉を正確に挟み込み、土から軽々と引き抜く。その後、土ほぐし、葉の支え、収穫物の挟み取り、搬送、葉切りといった工程を一度に完了する。葉を切り取られた大根は直接搬送ロボットに送られ、収穫から搬送までの全工程が完全自動化されている。従来の手作業と比べると、1台の収穫機の作業効率は労働者50人分に相当し、人件費を大幅に削減している。
[画像:ハクサイ収穫エリア(画像提供 · 北京市農業農村宣伝センター)。]
ハクサイ収穫エリア(画像提供 · 北京市農業農村宣伝センター)。
ハクサイ収穫エリアでは、中国初の純国産ハクサイ無人収穫機が登場した。この機械は北斗衛星測位と視覚による高精度列追跡システムを採用し、ハクサイの位置を自動認識した上で、安定した状態でハクサイの整列、球の抱き上げ、切断、搬送といった収穫動作を円滑に実行し、ハクサイの精密かつ秩序ある収穫を実現している。作業プロセスは安全かつ効率的で整然としている。
北京市農林科学院副院長の楊国航氏は、「太舟塢モデルエリアでは、IoT(モノのインターネット)技術と無人農業機械、スマート管理システムを深く融合させることで、ハクサイやニンジンなどの主要露地野菜の全工程を機械化・少人数化生産を実現した。作業効率が大幅に向上するとともに、人件費も大幅に削減された。全国初の生産型ハクサイ無人農場の稼働開始は、スマート農業における『北京モデル』が全国の野菜分野で初めて実用化されたことを示しており、野菜産業の質の高い発展に新たな道筋を提供している」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年11月19日