中国地質大学(武漢)の研究チームは超薄または超脆弱な物体を把持できるヒト型指を開発したことが17日、同大学への取材で分かった。食品加工、医療介護、スマートサービスなど高感度シナリオにおける精密ロボット応用に新たな可能性を切り開いた。中国新聞社が伝えた。
関連研究成果はこのほど、学術誌「Nature Communications(ネイチャー・コミュニケーションズ)」に掲載された。
指に「力強さ」と「優しさ」を両立させることは、ロボット応用が直面する大きな課題だ。この難題を解決するため、中国地質大学(武漢)自動化学院・スマートロボットシステム実験室の頼旭芝教授が率いるチームは、人間の指が剛性と柔軟性を兼ね備えた構造に着想を得て、剛・柔・軟が一体化したヒト型指を設計した。
頼教授は、「このヒト型指は、剛性管状骨格、柔軟な関節バネ、空気圧フィルムアクチュエーター、軟体シリコン皮膚で構成されており、高い荷重能力と安定性を確保しつつ、人間の手に近い柔軟な操作力を備えている」と説明。
中国地質大学(武漢)の研究チームによって開発されたヒト型指は、超薄・超脆弱な物体の把持に適用可能であり、装着された把持装置は重量・硬度・形状・サイズの異なる物体をつかむことができる。(画像提供 · 中国地質大学の研究チーム)
実験では、約12グラムのミニトマトから約1キログラムの3Dプリンター用フィラメント、卵からキャベツ、A4用紙から風船まで、3本指による把持から2本指による把持まで......研究チームは多数の実験を通じて、このヒト型指を搭載した把持装置が、重量、硬度、サイズ、形状が異なる様々な条件下で優れた把持性能を発揮することを実証した。
そのうち、豆腐をつかむ実験では、把持装置が豆腐を台から持ち上げ、正確に戻す動作を20回連続で繰り返しても、破損や割れは一切発生しなかった。ポテトチップスの把持実験では、水平・傾斜・垂直など異なる角度からの操作でも、適応変形によりチップス表面に密着し、複数回の無損傷把持と配置を実現した。
研究チームメンバーで、中国地質大学(武漢)自動化学院の孟慶鑫教授は、「人形ロボットが生活に進出するにつれ、そのエンドエフェクタの性能こそが『人間らしい能力』を決定づける鍵となる。剛・柔・軟構造を持つヒト型指は、構造が簡素でコストが低く、いかなる人形ロボットにも搭載可能で、人形ロボットの実用化・高機能化を支える重要な基盤を提供する」と話す。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年11月18日