米CNNが先頃発表した「世界のパンベスト50」に、中国の「焼餅(シャオビン)」が今年も選出された。日本のカレーパンや韓国のケランパン、ドイツのプンパーニッケル、フランスのバゲットなども選出されている。
CNNは、中国のシャオビンについて、「悠久の歴史を誇り、現在まで継承されてきた。小麦粉や水、塩などを主材料とし、伝統的な技術でこねあげて発酵させ、焼き上げるといったステップを経て、丁寧に作り上げられる。ゴマがまぶされた表面はサクサクで、2つに割ると小麦の風味たっぷりのやわらかい層になっている。中国の人々の生活に溶け込んでいる代表的な食べ物」と紹介している。
シャオビンは1千年以上の歴史を誇る。最も古い「胡餅」から、その後登場した「蒸餅」や「炊餅」に至るまで、平凡にも思えるこれらの食べ物は、とても素朴な生活感を漂わせ、中国人の思いや記憶が込められている。北京では、シャオビンに醤肉(醤油ベースのたれで味付けした肉料理)を挟み、緑豆の発酵飲料である「豆汁児」を飲みながら食べるというのが定番。数世代の人々の味の思い出がそこに詰まっている。黄山のカニの形に似ている「蟹壳黄焼餅」はかつて、現在の安徽省を拠点とした商人集団「徽商」が遠くへ出かけた際、それを食べて、故郷を思い出していたという。このようにシャオビンは単なる食べ物ではなく、中国の人々の様々な思いがそこに詰まっており、文化の1つとなっている。世界の人々がシャオビンを食べれば、生活に密着した、活力に満ちた中国の「味」が口に広がることだろう。
シャオビンは、2024年2月に発表された「世界のパンベスト50」にも選出されており、中国伝統のパンには永続する魅力があり、世界でも高く評価されていることを示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年10月27日