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スマート複合ポールが照らす広州デジタル経済の中心地

人民網日本語版 2025年10月10日13:52

第15回全国運動会の準備作業が着実に進むなか、主要開催地としての広東省広州市は、新たなインフラ整備を通じて大会運営と都市サービスの高度化を進めている。中国新聞網が伝えた。

[画像:琶洲美居北街には、スマート複合ポールが整然と立ち並んでいる。(撮影・陳楚紅)]

琶洲美居北街には、スマート複合ポールが整然と立ち並んでいる。(撮影・陳楚紅)

「街灯のスクリーンでは行政情報やリアルタイムの交通状況が確認でき、激しい雨や渋滞の際にはスピーカーが自動で注意を促す。スマートフォンの充電や電気自動車の応急充電も可能で、緊急時にはボタンひとつで通報もできる」──。今や、広州デジタル経済の中心地・琶洲西区を歩く多くの市民が、道路両側に立つこのスマート複合ポールに魅了されている。見た目は普通の街灯ポールのようだが、実際には複数の機能を備えた「都市のスマートノード」であり、新型インフラを基盤にスマートシティ建設を推進し、市民がデジタルの恩恵を共有する広州の生きた縮図となっている。

琶洲美居北街では36本のスマート複合ポールが整然と設置され、市民生活を支え、都市管理を助ける「万能選手」として活躍している。近づいてよく見ると、ポールに取り付けられた各装置にはそれぞれ役割がある。高精度カメラと多次元センサーが車の流れ、大気質、騒音レベルをリアルタイムで検知し、渋滞や環境異常を検知すると即座にデータを送信。さらに、ポールに組み込まれた5G小型基地局が歩行者のスマートフォンや周辺商業施設のスマート機器、将来の自動運転車に安定した通信を提供する。加えて、ポールにはスマホ充電ポートや新エネルギー自動車の応急充電機能、ワンタッチ通報できるボタンも予備として用意されており、市民が外出時に直面する「困りごと」を即時に解決できる仕組みが整っている。

[画像:スマート複合ポールはPM2.5の数値に応じて自動でミスト噴射を行い、除塵・冷却を実施することもできる。(撮影・陳楚紅)]

スマート複合ポールはPM2.5の数値に応じて自動でミスト噴射を行い、除塵・冷却を実施することもできる。(撮影・陳楚紅)

広州スマート電力利用・城市照明技術有限公司のプロジェクト責任者・頼銘中氏は、「これらのスマート複合ポールは、もはや『照明だけの街灯』ではなく、市民のニーズに応える 『多機能スマート端末』 となっている。各ポールには5G基地局、防犯カメラ、環境センサー、情報表示スクリーンなど10種類以上のモジュールを統合でき、都市の動きをリアルタイムで検知し、重要なデータを迅速に伝送することもできる。その中心的目標は、スマートシティのサービスの手を市民の『玄関先』まで伸ばすことにある」と語る。

スマート複合ポールは利便性をもたらすだけでなく、スマートシティの「検知基盤」としても中心的な役割を担う。琶洲のスマートポールから得られるリアルタイムデータは都市運営の意思決定に欠かせない。たとえば、朝のラッシュ時に琶洲の交通量データが交通管理当局へ送信されたり、商業エリア周辺のPM2.5情報が環境当局に共有され、粉じん抑制の判断に活用されたりする。この「ポール検知+プラットフォーム調整」モデルにより、広州の都市管理は「受け身の対応」から「先読みの予測」へと進化している。

また、ポールにはスライドレールと拡張機器スペースが予備として用意され、「低空経済」(低空域飛行活動による経済形態)の発展需要に応じて、すでにドローンおよびドローンポートが設置されている。将来的には自動運転に対応するため、道路側センサーなどの新機能も順次追加される予定だ。

[画像:ポールには、ドローンとドローンポートが設置され、人手による点検作業を代替する。(撮影・陳楚紅)]

ポールには、ドローンとドローンポートが設置され、人手による点検作業を代替する。(撮影・陳楚紅)

頼氏は、「単なる照明装置から多機能スマート端末へ、独立した設備から都市感知ノードへ──スマート複合ポールの進化は、広州のスマートシティ建設そのものの縮図だ。今後、広州はさらに多くの重点地域でスマートポールの設置を推進し、『一本多用途・一元管理』を実現することにより、より多くの市民がデジタル技術の便利さを享受できるよう取り組んでいく」と語る。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年10月10日

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