The 0.5-meter Solar Optical Telescope aboard "Hinode" has been registered as "Essential Historical Materials for Science and Technology"
The National Museum of Nature and Science maintains a registry of "Essential Historical Materials for Science and Technology" that are "important specimens from the history of science and technology, items that clearly need to be preserved for future generations " and "have had a significant impact on people's lifestyles, society, culture, and the economy."
The solar observing satellite "Hinode," launched in 2006, is capable of observing the Sun in three wavelength bands: visible light, extreme ultraviolet, and soft X-rays. The newly registered telescope is the 0.5-meter Solar Optical Telescope aboard "Hinode," which was developed using 9 of the 17 key technologies adopted in the Subaru Telescope. It used the first optical performance evaluation method in the world to simulate zero-gravity conditions, which has since been adopted in the development of other satellite-mounted optical instruments. Despite its small aperture, it achieved its theoretical best possible resolution of 0.2 arcseconds, producing results in observations of the Sun's magnetic field structure and solar flares.
The engineering model of the registered device is available for always viewing at Mitaka Campus.
From September 17 to 28, the National Museum of Nature and Science will host a panel exhibition showcasing the 14 items registered this year as Essential Historical Materials for Science and Technology.
Essential Historical Materials for Science and Technology (The National Museum of Nature and Science) https://sts.kahaku.go.jp/english/material/index.php
Subaru Telescope and the 0.5-meter Solar Optical Telescope aboard "Hinode" have been registered as "Essential Historical Materials for Science and Technology" https://www.nao.ac.jp/en/news/topics/2025/20250910-kahaku.html
Visit Guide https://www.nao.ac.jp/en/access/mitaka/visit/
]]>ひので衛星(SOLAR-B)搭載0.5 m可視光太陽望遠鏡が「重要科学技術史資料」(2025年度)に登録されました。
国立科学博物館では、日本の産業技術や科学技術の発展を示す資料のうち、次のような意義を持つものを選定し、「重要科学技術史資料」(愛称:未来技術遺産)として登録しています。
•科学技術の発達上、重要な成果を示し、次世代に継承することが重要な資料
•国民生活、経済、社会、文化に顕著な影響を与えた資料
ひので衛星(SOLAR-B)は太陽観測を行う国産初の本格的宇宙望遠鏡です。可視光、極端紫外線、軟X線の3波長をそれぞれ観測できる望遠鏡が搭載されており、2006年9月23日の打ち上げから19年経過した現在も先進的太陽研究の一翼を担っています。今回登録されたのは0.5m可視光太陽望遠鏡で、ハワイの「すばる望遠鏡」開発に用いられた17つの主要技術のうち9点を適応して開発されたものです。無重力状態を模擬した世界初の光学性能評価方法は後の衛星搭載光学機器に継承されています。望遠鏡としては小口径ながら理論的限界値である0.2秒角の分解能を達成し、太陽の磁場構造や太陽フレアの観測などで成果を上げています。
登録された主鏡、副鏡、排熱鏡のエンジニアリングモデルは国立天文台三鷹キャンパスで常時見学可能です。
また、令和7年9月17日(水)〜28日(日)には、国立科学博物館日本館1階中央ホールにて今年度登録資料のパネル展示が開催される予定です。ぜひご注目ください。
重要科学技術史資料(国立科学博物館) https://sts.kahaku.go.jp/material/
すばる望遠鏡と太陽観測衛星「ひので」搭載0.5メートル可視光太陽望遠鏡が「重要科学技術史資料」に登録(2025年9月10日 国立天文台 トピックス)https://www.nao.ac.jp/news/topics/2025/20250910-kahaku.html
見学のご案内 https://www.nao.ac.jp/about-naoj/organization/facilities/mitaka/visit.html
]]>詳細はこちらからご覧ください。
]]>点群です。(a)は私たちの目で見える可視光の画像、そして(b)は磁場の画像です。N極を白、S極を黒で表しています。黒点がひしめき合い、N極、S極が絡み合った複雑な磁場構造であることが分かります。
11日のX5.8フレアではモートン(Moreton)波が捉えられました。フレアによる衝撃波が伝播し、彩層を上下に運動させる現象です。図4 は太陽フレア望遠鏡がとらえたHα線と、その画像を解析して得た速度場像を並べた映像です。赤が奥行方向、青が手前方向への運動を表します。矢印で示したように波が超高速で伝わっていきます。
図5は国立天文台 野辺山の太陽電波強度偏波計が捉えた、太陽電波強度の変化を表したグラフです。フレアはマイクロ波バースト(microwave burst)という強力な電磁波放出現象を伴うことがあり、広い周波数帯で観測されます。1時10分UTのフレア発生直後から電波強度が急
激に上昇しました。
このように私たちの観測では、複雑な磁場構造の形成と、どこでどのように巨大フレアが起こったのかを追跡し、その発生メカニズムに迫ることができます。ひいてはフレアの発生予測にも貢献することができると考えています。
flare_wlha_202405.png
flare_NoRP_20240511.png
(注意1)太陽フレアは観測されたX線の強さによってB<C<M<Xの順で4つにクラス分けされています。M1.0とX1.0では10倍の差があります。
三鷹太陽地上観測 https://solarwww.mtk.nao.ac.jp/jp/solarobs.html
野辺山強度偏波計 https://solar.nro.nao.ac.jp/norp/index-j.html
公式X(旧Twitter) https://twitter.com/naoj_taiyo
2023年11月11日、スイス、ジュネーブ日本語補習学校で本プロジェクトの石川が出張授業をおこないました。
対象は、理科・社会を選択している小学5, 6年生でした。まず、ひのでやSDO衛星の綺麗な画像や動画を交えて、太陽はどんな星なのか、どんなワクワクする謎があるのか、をお話ししました。 ひのでの動画を見た生徒さんから歓声があがった時には、ひので打ち上げ直後に味わった私たちの感動を共有できたようでとても嬉しかったです。後半は、天文学者の仕事がどんなものなのか?を伝えたく、私が行ってきたロケット実験の話をしました。授業中も、授業後も、たくさん質問が出て、とても楽しい時間を過ごすことができました。 最後に、宇宙へ興味を持ってくれる生徒さんが出てくるといいなと思い、最近私が監修に参加した図鑑(角川の集める図鑑GET! 宇宙)を進呈しました。
授業後には、生徒のみなさんから感想を送っていただきました。生徒のみなさん、授業の準備をしてくださった先生方、どうもありがとうございました。
(石川)
]]>10月25日、本プロジェクトの米谷(特任専門員)が兵庫県多可町立八千代中学校において出張授業を実施しました。国立天文台が2010年から実施している「ふれあい天文学」の一環で、研究者や技術者が日本全国の小中学校・海外の学校で授業を行う取り組みです。 中学校1〜3年の全校生徒と教員、保護者に向けて100分の授業を行い、国立天文台の活動や太陽グループの研究内容をクイズを交えて紹介、シミュレーションソフトMitakaを活用した宇宙旅行の実演など大ボリュームの内容でした。
質疑応答では一般的な天文学についての質問から、太陽物理に関わる難しいものまで多岐にわたる質問が飛び交い、若い子どもたちの興味関心の広さを実感しました。一方で情報社会であるからこそ正しい情報に触れることの難しさや、地方特有の問題として専門家と直接触れる機会が少ないことも、 先生や生徒とのやり取りで感じました。
コロナ禍で約2年間、現地開催がとまっていた「ふれあい天文学」が再開し、より多くの児童生徒に天文学に触れる気概が増えることを期待します。
令和5年11月28日〜30日、皇室ゆかりの地であるスペインサラマンカに於いて、「第23回 日本・スペイン・シンポジウム」が開催され、本プロジェクトの勝川(教授)と石川(准教授)が参加しました。
本シンポジウムは、日本・スペイン両国の政府関係者、経済、防衛・安全保障に関する専門家、研究者、企業の方々、などが参加し、世界の課題に共に取り組むための考えや視点について多角的に議論することを目的とされたものです。
国立天文台の太陽グループは、ひので衛星のデータ解析やカナリア諸島での共同観測、観測ロケット実験CLASP、大気球実験SUNRISE-IIIなど、スペインの研究機関と長く共同研究を行ってきました。 私たちは、「相互の知識の強化:大学の役割」というセッションにパネリストとして登壇し、モデレータのピラール・ガルセス氏(バジャドリード大学アジア研究センター所長)、スペイン側パネリストのリカルド・リベロ氏(サラマンカ大学学長)と、スペインと日本の学術・人材交流についてこれまでの共同研究での経験談を交えつつ議論を行いました。 今回のシンポジウムは、普段接することのない、さまざまな分野の専門家による議論を見聞きすることができ、大変貴重な経験となりました。
外務省ウェブサイトhttps://www.mofa.go.jp/mofaj/area/spain/sympo0106.html
Fudación Consejo España Japón(スペイン語)https://spainjapanfoundation.com/foro/2023-salamanca/
]]>2023年9月25日-9月29日の日程で、第6回NAOJシンポジウムとして「Hinode-16/IRIS-13 meeting」を新潟市で開催しました。 コロナ禍明け初となる日本開催のHinode会合ということもあり、現地参加者が約200名となり大変盛況な物でした。 今回は、ひので衛星/IRIS衛星の成果発表だけでなく、日本のSOLAR-C衛星やNASAのMUSE衛星に代表される将来の飛翔体観測についての特別セッションを持ち、活発な議論が行われました。
シンポジウムの詳細はISASニュース2023年10月号(No.511)で紹介されています。
[ ISASウェブページ]
Hinode-16/IRIS-13 meeting https://hinode.nao.ac.jp/hinode16_iris13/
]]>The Solar Science Observatory and SOLAR-C Project in National Astronomical Observatory of Japan present you our season's greetings:
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]]>国立天文台太陽観測科学プロジェクト並びにSOLAR-Cプロジェクトより、皆様へ季節のご挨拶を申し上げます:
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]]>国立天文台三鷹キャンパスほかの特別公開行事「三鷹・星と宇宙の日」が、今年は10月28日 (金)と29日 (土) に現地とオンラインのハイブリッドで開催されます。太陽観測科学プロジェクトでは、オンラインでの企画として研究者によるライブ配信を実施します。天文学的な大きさの太陽にあって、私たちに馴染み深い '秒や分の時間' で特徴づけられる謎を紹介します。
ライブ配信日:2022年10月29日 (土)
15:00〜15:25 (予定) 対談 「太陽フレアの3つのX」
太陽フレアをご存知ですか?「3つのX」をキーワードにして紹介します。
出演:成影 典之 (国立天文台助教)、フレア博士
15:25〜15:50 (予定) 対談 「無常な太陽」
不変に見えて実は時々刻々と変わりゆく太陽について紹介します。
出演:石川 遼太郎 (国立天文台特任研究員)、フレア博士
15:50〜16:00 (予定)質問コーナー
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ライブ配信は録画してアーカイブ動画として引き続き公開しますので、10月29日以降も視聴いただけます。
またSOLAR-Cプロジェクトでは、研究者によるリレートーク動画とポスターで次期太陽観測衛星SOLAR-Cを紹介します。三鷹・星と宇宙の日2022ウェブサイト のSOLAR-Cプロジェクト特設ページ (10月29日10:00 公開) にてご覧ください。
[関連リンク]
三鷹・星と宇宙の日2022:https://www.nao.ac.jp/open-day/2022/
太陽観測科学プロジェクト 特設コンテンツ:https://www.nao.ac.jp/open-day
SOLAR-Cプロジェクト 特設コンテンツ:https://www.nao.ac.jp/open-day
SOLAR-Cプロジェクトウェブサイト:https://hinode.nao.ac.jp/SOLAR-C/
次期太陽観測衛星SOLAR-C:https://solar-c.nao.ac.jp/
日江井 榮二郎(ひえい えいじろう)国立天文台名誉教授・元明星大学学長が、令和4年春の叙勲にて「瑞宝中綬章(ずいほうちゅうじゅしょう)」を受章しました。太陽物理学研究の第一人者である日江井氏の長年にわたる研究・教育分野での顕著な功績がたたえられました。
日江井氏は、1955年から1992年まで国立天文台(当時は東京天文台)において太陽物理学の研究を行い、多くの成果を生み出されました。その間、乗鞍コロナ観測所長や太陽物理学研究系主幹も務められました。加えて、優れた見識と豊富な学識経験をもって、国内外で後進の指導・教育と、天文学の普及に尽力されました。1992年からは明星大学で研究を続け、1998年4月から2002年3月までは明星大学の学長を務められました。
日江井氏は、太陽塔望遠鏡を用いた分光観測から、数十キロメートルという微小サイズで太陽フレアが輝くことを故 末元善三郎(すえもと ぜんざぶろう)東京天文台長(当時) と共に発表しました。その後は、皆既日食や乗鞍コロナ観測所での観測から、当時は直接観測が困難だった希薄な太陽コロナと彩層の研究に取り組みました。とくに1958年の皆既日食の際には、世界で初めて採用した観測方法で高品質の閃光スペクトルデータを得ることに成功し、彩層の物理構造を解明しました。1991年に打ち上げられた太陽観測衛星「ようこう」では指導的な役割を果たし、日英協力によるブラッグ分光器の主任研究者を務めました。「ようこう」衛星の観測から生み出された多くの成果の中でも、フレア爆発の引き金と考えられている磁気リコネクションによるプラズマの上昇と消失現象を伴うヘルメット構造の形成過程を初めて明らかにしたことが特筆されます。
職員一同、心よりお慶び申し上げます。国立天文台の「最新のニュース」にも記事を掲載していますのでご覧ください。
https://www.nao.ac.jp/news/topics/2022/20220506-hiei.html
令和4年春の叙勲等 (内閣府)
https://www8.cao.go.jp/shokun/hatsurei/r04haru.html#jokun
(国立天文台名誉教授 渡邊 鉄哉)
国立天文台 台長 常田 佐久
パーカー氏の最も顕著なご業績は超音速太陽風の予言であろうが、αωダイナモ理論の創出も忘れることはできない。アルファ項の導入によりポロイダル場の減衰を防ぎ、ダイナモ波が生まれた。ダイナモ波は直感的にわかりにくいが、パーカー著 Cosmical Magnetic Fields: Their Origin and Their Activity(1979)に、その秀逸な説明がある。パーカー氏は、「理論ができたら式を消して考える」と、いつも言っていた。「Cosmical Magnetic Fields」は数学的な本と思われており、特に観測の人は読まないだろうが、論文にはないこのような説明のある素晴らしい本である。パーカー理論は、太陽内部の回転速度分布が日震学の観測と合わないことが分かり、人気がなくなり、flux transport dynamoの全盛となった。なぜ、太陽はパーカー氏の言う通りになっていないのだろうか?パーカー氏が、flux transport dynamoについてコメントしたことはなかった気がする。
パーカー氏は、磁気リコネクションの理論にも顕著な貢献をした (Sweet-Parkerリコネクション)。彗星のごとく現れたHarry Petschek氏が、遅い磁気流体ショックの導入により、短い時間でより大きなエネルギーを取り出せるリコネクション理論を提案した。Harry Petschek氏が理論を発表した研究集会の質疑応答が研究会集録に残っているが、パーカー氏は直ちに理論の長所を理解し、以降高く評価した。
パーカー氏は、「コロナは微小フレアの集合」というナノフレア仮説を、生涯にわたって提唱し続けた。「ようこう」衛星のX線データを用いて、清水氏・勝川氏と大学院2世代に渡って、これを観測的に検証する仕事をした。勝川氏は、最後まで残った観測データの統計に関する疑問を解決した。これらの解析結果から、黒点近傍の活動領域と呼ばれる高温・高密度の領域では、ナノフレア仮説は正しいと思っている。パーカー氏はこの結果をことのほか喜び、その著書Conversations on Electric and Magnetic Fields in the Cosmos(2007)で、この解析結果を評価し、"More recently Katsukawa (2003) have studied the fluctuations in the individual pixels of the Yohkoh X-ray telescope. They find fluctuations in excess of the thermal background, indicating large numbers of small-scale flares with individual events in the range of 1021 - 1024 ergs - picoflares and nanoflares." と書いている。ちなみに、この程度のエネルギーとタイムスケールだと、Sweet-Parkerのリコネクションでも可能となってくる。
パーカー氏は、この他にも磁気浮力や対流崩壊の理論など、夥しい業績がある。NASAの太陽接近ミッションに、Parker Solar Probeという名前がついた。NASA本部の英断だろうが、「ひので」衛星の成果のかなりの部分も、パーカー氏の仕事と深く関連している。「ひので」も、もう一つのParker Solar Probeであろう。
パーカー氏の著書と論文を手に取り、いつも激励していただいたことを思い出しつつ、ご冥福をお祈りする。
同志社大学特別客員教授・京都大学名誉教授 柴田 一成
私が最も尊敬する宇宙物理学者のパーカー先生が亡くなられた。先生は、存命中に探査機(Parker Solar Probe)に命名された最初の研究者という歴史的栄誉を受けられ、2003年に京都賞を受賞されてからはノーベル賞受賞も時間の問題と思われていたのに残念というほかない。心よりご冥福をお祈りしたい。
パーカー先生に初めて直接お会いしたのは、1987年、R. Rosner博士の招きでシカゴ大学を訪問したときである。パーカー先生の目の前で恐れ多くも「パーカー不安定性の非線形発展」と題する講演をした。そのとき「太陽内部の磁場はどうなっているのですか?」と先生のダイナモ理論やその後の研究成果の解説を期待して質問したら、何と「何もわかっていない」という返事が返ってきて驚いた。色々研究しているが問題は難しく、内部は見えないので、本当のところは何もわかっていない、という話だった。期待はずれより、その謙虚な姿勢に感銘を受けたのを覚えている。
先生と国際会議で一緒になることは数多く、私が講演すると必ず激励のコメントをくださった。2000年に東京で開催された磁気リコネクションに関する国際会議(MR2000)で「フラクタル・リコネクション」について講演した際には、発表を終えた直後まだ壇上にいる私のところまでわざわざやってきて「Very interesting !」とほめてくださった。驚くとともに感激したのは言うまでもない。この時の発表は会議に出席していた他の人からはほとんど無視されたが、その後2001年に論文出版し、今では年間平均20回程度、トータルでは329回も引用されている。私の論文の中ではヒット論文の一つとなったが、評価されるまで時間がかかった。その論文をパーカー先生は発表直後から高く評価してくださったのである。改めて先生の眼力に敬意を表するものだ。
先生は、普段の会話では穏やかで控えめ、健康のため自分を律すること厳格で、学問に関しては同意できない主張には厳しく批判や反論する一方、若い人の研究に対しては温かくいつもエンカレッジを忘れない、という素晴らしい人柄の方だった。太陽や宇宙の電磁流体力学に関して先生が成し遂げた偉大な業績をさらに発展させることによって、太陽や宇宙の謎を解明し、人類の未来社会の発展、安全な宇宙進出につなげていく、というのが残された我々の使命であろう。
これまでパーカー先生に関する解説記事を2件書いています:
天文月報1998年8月号 パーカー「科学論文出版の戦術」 (柴田一成訳)(なぜこの記事を翻訳することになったか、を解説した訳者あとがき付き)
https://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/1998/pdf/19980806c.pdf
物理学会誌2003年12月号 柴田一成「太陽圏科学・宇宙電磁流体力学の開拓者: ユージン・パーカー博士京都賞受賞」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/butsuri1946/58/12/58_KJ00002729998/_article/-char/ja
Eugene Parker, 'legendary figure' in solar science and namestake of Parker Solar Probe, 1927-2022 ― (UCHICAGO NEWS)
NASA Mourns Passing of Visionary Heliophysicist Eugene Parker― (NASA)
追悼 ユージン・N・パーカー先生― (京都大学大学院理学研究科附属天文台)
The Solar Observation Satellite Hinode (SOLAR-B) celebrated its 15th anniversary on September 23, 2021. It is the longest record for operating a solar observation satellite in Japan.
Fifteen years is the time period in which an 11-year cycle of solar activity can be observed fully. The figure above shows X-ray images of the Sun taken by the X-ray Telescope (XRT) onboard the Hinode, which exhibit the solar atmosphere with temperature of more than one million degrees, the corona. The 16 images exhibit that the Sun in some years have a bright corona and some years have a dark one. In 2006, the number of sunspots was decreasing and activity was becoming quieter. The activity increased after 2008 and reached its maximum around 2014. Currently, the Hinode spacecraft is witnessing the activity increasing toward the next maximum.
The Hinode satellite was developed in international collaboration led by the National Astronomical Observatory of Japan (NAOJ) and the Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA), and was launched by the M-V Launch Vehicle No. 7 from the Uchinoura Space Center in Kimotsuki Town, Kagoshima on September 23, 2006. The science operations of the Hinode are carrying out in cooperation with NAOJ, JAXA, the United States (NASA), the United Kingdom (STFC), the European Space Agency (ESA) and Norway (NSC). Please look forward to further observations of the Hinode satellite.
Hinode_15yearslogo.pngLogotype of the 15th anniversary of the Hinode satellite [Credit: NAOJ]
Note:The credit of the Hinode_2006-2021 images is "NAOJ/JAXA/MSU".
]]>太陽観測衛星ひので (SOLAR-B) は、2021年9月23日に打ち上げ15周年を迎えました。15年間にわたる運用は、日本の太陽観測衛星として最長の記録です。
15年は、太陽活動の11年周期を一通り観測できる時間です。上の図では、ひので衛星搭載のX線望遠鏡 (XRT) が撮影した2006年から2021年までの太陽のX線画像を並べています。X線では、コロナと呼ばれる太陽上空にある温度100万度以上の大気を見ることができ、16枚の画像からはコロナが明るい年と暗い年があることがわかります。2006年は、黒点数が減り活動が静かになりつつありました。2008年に底を打った後は、一転して活動が活発になり、2014年頃にピークを迎えてコロナも最も明るくなりました。現在、ひので衛星は2019年以降再度上昇している太陽活動を目の当たりにしています。
ひので衛星は、国立天文台と宇宙航空研究開発機構 (JAXA) を中心に国際協力のもとで開発され、2006年9月23日に鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所からM-Vロケット7号機で打ち上げられました。ひので衛星の科学運用は、国立天文台とJAXAのほか、アメリカ (NASA)、イギリス (STFC)、欧州宇宙機関 (ESA)とノルウェー (NSC)との協力のもとで進められています。
今後も、ひので衛星の活躍にご期待ください。
Hinode_15yearslogo.pngひので衛星打ち上げ15周年記念ロゴ [クレジット: 国立天文台]
注:上記年表記あり・なしの各画像のクレジットはすべて「国立天文台/JAXA/MSU」です。
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