制作に5年を費やし世界が熱狂したアニメーション作品『オオカミの家』に続き、実写映画に挑んだチリのアーティスト・デュオ、レオン&コシーニャの長編第2作、[ハイパーボリア人]の特別上映会が決定!
当日は、映画館では実現できないライブハウスならではの演出でお楽しみいただきます!
音響面では、晴れ豆のメインスピーカーMeyer Sound UPA-1Aをオノセイゲンさんが特別に調整を施した5.1chサラウンドに加え、「Acoustic Revive」社の高品質システムテーブルをはじめ、水晶製インシュレーターや反射板、超低周波発生装置など厳選したアナログシステムを採用する都内屈指の音響環境を誇る晴れ豆にて、今までにない音響体験をご提案!
ご飲食もしていただきながら、映画をお楽しみいただけます。
当日はオノ セイゲン氏、山下泰司氏をお迎えし、上映前には作品のベーシックな解説、「映画の音」の本質を最大限に引き出す音声マスタリングがなぜ重要なのかを簡単に説明。
その後、映画本編をオノ セイゲン氏自ら調整を施したハイグレードな音響装置とともに上映いたします。
上映後のトークパートでは、オノ セイゲン氏、山下泰司氏両氏に再びご登壇いただき、作品のテーマや狙い、特異な制作技法、そして驚くべき音響設計など、様々な角度からその魅力に迫る対談をしていただきます。
この恐るべき作品を深く理解するのにふさわしい上映とトークの一夜、ぜひ華やいでお運びください。
*同監督の製作した8分ほどのショートアニメーションムービー
[名前のノート]も同時上映します。(8min)
[Time Table]
18:00 開場
18:30 作品解説
18:45~19:53[名前のノート]上映
19:53~21:04 [ハイパーボリア人]上映
21:04~20:20 休憩
20:20 ~21:20 対談
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オノセイゲン
山下泰司
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『ハイパーボリア人』
[INTRODUCTION]
制作に5年を費やした『オオカミの家』の反動で、突如、実写映画に挑んだチリのアーティスト・デュオ、レオン&コシーニャの長編第2作。2024年のカンヌ国際映画祭の監督週間でお披露目され、その後、各地の映画祭で大きな話題をさらってきた。タイトルの『ハイパーボリア人』とはギリシア神話や H.P.ラヴクラフトらの創作による『クトゥルフ神話』に登場する架空の民族だが、この映画では、太古の昔に宇宙からやってきて地球を支配していた半神の巨人たちと説明され、チリという国との驚くべき関係も明らかにされる。
実写、影絵、アニメ、人形、ゲーム、16mmフィルム......最初から最後まで何が飛び出すか分からないこの"闇鍋"映画は前作同様、美術館で人々に制作プロセスを見せながら撮影するスタイルで、画面に登場する背景や人形は多くの若者たちとのワークショップで作られたもの。
そしてモチーフも再び、チリの現代史とそこに依然と横たわるナチス・ドイツの影......実在した親ナチ文化人や政治家を採り上げつつ、主演のアントーニア・ギーセンや監督のレオン&コシーニャが実名で登場し、現実と虚構、過去と現在の境界を見失わせる。
DIRECTORS
2007年から活動をはじめた二人組のビジュアル・アーティスト。
ともにチリ・カトリック大学を卒業。
レオンはベルリン芸術大学とアムステルダムのDe Ateliersでも学んだ。
ラテンアメリカの伝統文化に深く根ざした宗教的象徴や魔術的儀式を、実験映画として新しい解釈で表現している。
映画制作のために、写真、ドローイング、彫刻、ダンス、パフォーマンスなど、さまざまな技法を組み合わせている。
彼らのストップモーション映画は、洗練されていない映画的言語が特徴である。
張り子の人形や無邪気な絵は、映画が扱う宗教、セックス、死といった重いテーマと強いコントラストを成している。
彼らは各所で受賞歴があり、また、彼らの映画はロッテルダムやロカルノなど世界中の国際映画祭で頻繁に取り上げられている。
展覧会も、ラテンアメリカの美術館やビエンナーレのほかに、ロンドンのホワイトチャペル・ギャラリー、ニューヨークのグッゲンハイム美術館、ベルリンのクンストヴェルケ現代美術センター、ヴェネチア・ビエンナーレ(2013)、スイスのアート・バーゼル(2012)などで開催されている。
初の長編映画『オオカミの家』は、美術館、文化センター、アートギャラリーなど、さまざまな公共の場所での
ノマドワーク・イン・プロセスのインスタレーション作品として制作された。
2018年の第68回ベルリン国際映画祭でプレミア上映されカリガリ映画賞を受賞、アヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞を受賞するなど、各国で多くの賞を受賞。
2021年にはwebサイト「IGN」の歴代アニメーション映画ベスト10に選出。
同年Varietyの「観るべき10人のアニメーター」にも選出された。 『オオカミの家』に惚れ込んだ映画監督のアリ・アスターが製作総指揮を務めた短編『骨』は、
第78回ヴェネチア国際映画祭でオリゾンティ部門最優秀短編映画賞を受賞。
その後、トム・ヨークの新バンドThe Smileの2022年リリースのシングル「Thin Thing」のミュージックビデオを監督したことも話題に。さらに、アリ・アスターの監督作『ボーはおそれている』(23)では、アニメーション・パートの制作とビジュアル開発を担当。
現在は、長編劇映画『LA PLAGA/THE PLAGUE』と、童話「ヘンゼルとグレーテル」から着想を得た長編アニメーション映画『HANSEL & GRETEL』のプリプロダクション中である
。
女優で臨床心理学者でもあるアントーニア(アント)・ギーセンは、謎の幻聴に悩まされる患者の訪問を受ける。
彼の話を友人の映画監督レオン&コシーニャにすると、2人はその幻聴は実在したチリの外交官にして詩人、
そしてヒトラーの信奉者でもあったミゲル・セラーノの言葉であることに気づき、これを元にアントの主演映画を撮ろうと提案する。
2人とセラーノの人生を振り返る映画の撮影を始めるアントだったが、いつしか謎の階層に迷い込み、チリの政治家ハイメ・グスマンから、国を揺るがすほどの脅威が記録された映画フィルムを探す指令を受けとる。
カギとなる名前は"メタルヘッド"。探索を始めるアントだったが、やがて絶対の危機が彼女を待ち受ける......!
第77回カンヌ国際映画祭 監督週間 正式出品
監督:クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ
脚本:クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ、アレハンドラ・モファット
出演:アントーニア・ギーセン
2024年 / チリ / スペイン語・ドイツ語 / 71分 / カラー / 1.85:1 / 5.1ch
原題:Los Hiperbóreos
字幕翻訳:草刈かおり
[フレーム]
『名前のノート』
第48回オタワ国際アニメーション映画祭 短編部門 正式出品 監督:クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ 脚本:アレハンドラ・モファット、クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ 2023年 / チリ / スペイン語 / 8分 / カラー / 1.85:1 原題:Cuaderno de Nombres 字幕翻訳:草刈かおり 提供:ザジフィルムズ、WOWOWプラス 配給:ザジフィルムズ 字幕協力:ひろしまアニメーションシーズン
●くろまる公式サイト:https://www.zaziefilms.com/loshiperboreos/
●くろまる公式X:https://x.com/leonandcocinaJP
第48回オタワ国際アニメーション映画祭出品。
ピノチェト軍事政権下で行方不明になった未成年者たちを追悼する重厚な「描き」アニメーション。
映像、音響(合唱)ともに、こちらも若者たちとのワークショップによって生み出された。
左:山下泰司 右:オノセイゲン
オノ セイゲン
1978〜80年、老舗録音スタジオの音響ハウス在籍(フィルムの映写係)。
その後フリーランスのレコーディング/ミキシング/PA/マスタリング・エンジニアとして、マーク・リボー、アート・リンゼイ、ジョン・ゾーン、オスカー・ ピーターソン、キース・ジャレット、マイルス・デイ、ラウンジリザース、渡辺貞夫、渡辺香津美、清水靖晃、三宅純、青葉市子、加藤和彦、坂本龍一、ヒカシユーなど多数のアーティストのプロジェクトに参加。
一方でアーティストとしては1984年にJVCよりデビュー。
1987年に日本人で初めてヴァージンUKと契約。4回のスイス・モントルー・ジャズフェス出演、アルバム『COMME des GARÇONS SEIGEN ONO』が2019年度ADCグランプリ受賞。
オノ セイゲンPresents<映画の聴き方> Vol5.
小冊子を作りました!「いい音の音楽、いい音の映画」なぜ、サブスク、ストリーミングの時代にパッケージなのか
山下泰司
映画DVD/Blu-ray制作者 1964年生まれ。日本大学芸術学部映画学科を卒業後、レーザーディスク株式会社(後のパイオニアLDC)で映画、アニメーションのレーザーディスクの制作、宣伝を担当。
1992年末に退社し、翌年、妻と10カ月間世界一周旅行。
帰国後はフリーランスのライターとして、音楽、映画、デジタルメディアに関する原稿を執筆。
2005年より、IMAGICATV(現WOWOWプラス)に所属、主にヨーロッパ映画のDVDやBlu-rayを制作。
アニメーション作家のレジェンドたち、ユーリー・ノルシュテイン、川本喜八郎、岡本忠成らの名作のデジタル修復、劇場公開、配信、パッケージ制作・発売。
またチリのレオン&コシーニャ監督による『オオカミの家』『ハイパーボリア人』の日本への紹介役も務めた。
2025年よりフリーランスに戻り、映画の宣伝等に携わる。Xのアカウント、シネフィルDVD(@cinefilDVD)の中の人。