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2025年8月21日

新コスモス電機・防爆ファン付ウェアを開発 SS敷地内でも着用可

『AIR FLOW PRO』の外観(左)と内側。背面には保冷剤等を入れるポケットも。首元はメッシュ生地の立体構造とし、空気の通り道を確保
『AIR FLOW PRO』の外観(左)と内側。背面には保冷剤等を入れるポケットも。首元はメッシュ生地の立体構造とし、空気の通り道を確保

家庭用ガス警報器や産業用ガス検知警報器などの開発・製造を行う新コスモス電機(本社・大阪府大阪市、髙橋良典社長)は先ごろ、ガソリンベーパーなど可燃性ガスの発生箇所(第一類危険箇所)で着用できる防爆ファン付きウェア『AIR FLOW PRO』を発表した(写真)。7月には東京ビッグサイトで行われた展示会「メンテナンス・レジリエンス2025」で同製品を紹介し、製造業などの来訪者らの注目を集めた。
一般に、ガソリンベーパー等が発生するSS内の計量機付近などでは、非防爆仕様の電動ファン付きウェアは、ファンやバッテリーから発生する静電気が着火源となる危険性があるため着用ができない。今回、同社が開発した同製品の電動ファンとバッテリーユニットは、可燃性ガス等がある環境下でも着火源とならない「本質安全防爆構造」となっており、SS敷地内など可燃性ガスの発生箇所でも着用できる仕様となっている。
ウェアはM、L、XLの3サイズ展開で、ファンの風量は弱・中・強の3段階調節が可能。ウェア全体の重量は約740グラムで、風量「強」で連続8時間運転が可能(同社調べ)。また、ウェアの生地は防炎・静電気帯電防止の機能性素材が使われている特注品を使用。背面のファンポケット部分は脇下から吊り下げる構造となっており、ファンの重みが肩にかかりにくく、かつ重みによってウェアが体に密着するのを防ぐことで、通気性を保つ工夫も凝らした。
開発の経緯について、同社インダストリ営業本部の西村真計画推進グループリーダー代行は「防爆エリア内で使われるガス検知器などの製品開発で培った防爆構造の設計・開発、その規格申請などのノウハウを積んできた強みを活かした」と話す。今年6月からの熱中症対策義務化の流れも受け、石油化学プラント等の事業者を中心に問い合わせが急増しており、オープン価格での販売を予定している。