管楽器
おもに人の息を管の中に入れて空気を流し、管の中で共鳴させて音を鳴らす楽器をいいます。
笛(ふえ)
太鼓とともに最も古い楽器の一つとして知られる笛は、管に息を吹き込んで鳴らす楽器です。管を縦に構えて演奏する縦笛と、横に構えて演奏する横笛があります。
神楽笛(かぐらぶえ)
日本古来の横笛で、宮廷の儀式の際の神楽歌(かぐらうた)
神楽を奏する際に歌われる神歌(かみうた)や古い時代の民謡(みんよう)をいう。などの演奏に用います。同じ雅楽で使われるほかの笛と比べて長く、低い音が出ます。指孔(ゆびあな)は6つです。
龍笛(りゅうてき)
中国から伝わった横笛です。雅楽の唐楽(とうがく)
雅楽(ががく)の曲の中で、中国大陸より伝わったもの。またその音楽形式にならって日本で作られたものの総称。や催馬楽(さいばら)
歌いもののひとつで、平安時代に隆盛した古代歌謡。日本各地に伝わっていた民謡や風俗歌に雅楽器の伴奏を加え、おもに遊宴や祝宴、娯楽などで歌われた。などの演奏で用いられます。横笛(おうてき)、主笛(おもぶえ)などともよばれます。
高麗笛(こまぶえ)
雅楽の高麗楽(こまがく)
雅楽(ががく)の曲の中で、朝鮮半島を経由して伝わったもの、またその音楽形式にならって日本で作られたものの総称。や東遊(あずまあそび)
雅楽の歌舞のひとつ。もとは東国(近畿地方よりも東の国)でその土地の歌に合わせて舞われていた舞が、平安時代に宮廷に取り入れられ、神事舞として演じられるようになった。などの演奏に用い、狛笛とも書きます。現在雅楽で用いられる横笛の中で最も細く短く、高い音が出ます。
所蔵:伶楽舎
能管(のうかん)
能楽(のうがく)や歌舞伎囃子(かぶきばやし)などに用いる横笛で、能では単に「笛」ともよばれます。管の中に「喉(ノド)」とよばれる短い管を入れることで、「ヒシギ」という甲高く鋭い音を出すなど、独特の音色音高を出すことができます。指孔は7つです。
篠笛(しのぶえ)
歌舞伎囃子(かぶきばやし)や民俗芸能の囃子などで用いる横笛で、「竹笛」ともよばれます。祭囃子(まつりばやし)
神社などの祭礼の際に、運行する山車 (だし) や屋台の上などで、連れだって演奏される音楽。太鼓や笛を中心に鉦 (かね)などの楽器で演奏される。伝わる地域によってその楽器構成に特徴がある。や神楽などの民俗芸能では、中心的な役割を担います。指孔は6つのものと、7つのものがあります。
尺八(しゃくはち)
竹製の縦笛で、標準となる長さが「1尺8寸(約54cm)」なので尺八とよばれます。実際にはさまざまな長さの尺八があり、長いほど低い音が出ます。指孔は5つです。