時代と背景
江戸時代も終わりにさしかかった文化・文政期(1804年〜1830年)には、文学や錦絵、清元、蘭学、見世物など、 多様な文化が互いに刺激し合いながら華開きました。鶴屋南北が活躍したのはそんな時代でした。 人々が気楽に泰平の世を満喫していたと思われがちなこの時期は、 一方で、激動の幕末期が始まる前夜であり、不安定さと圧迫感のある時代でもありました。 文化・文政期に開花した文化の多くは、それまでの時代の資産を引き継ぎながらも、 さまざまな制約や困難のなかで変容を遂げ、新しい力強い流れを作り出したことで共通しています。 それでは、南北の歌舞伎を生み出したこの時代の特色を見ていきましょう。
化政時代の政治・経済
何度も政策が入れ替わり、そのたびに社会も混乱。経済も動揺するなか、武士の暮らしは苦しくなります。
化政時代の世相
江戸が経済や文化の中心としても発展し、人口もさらに集中。刺激を求める、都市型の時代感覚を生みます。
化政時代の文化
舞台は江戸の町人社会へ移ります。人や文化の交流が新しいジャンルを生み、相互に影響を与え合っていきます。
おもな文化のご紹介