時代と背景 化政時代の文化
[画像:合巻とは?]
文化期以降に流行した絵入り小説です。それまでの黄表紙(きびょうし)の一冊5丁(10頁)のものを数冊綴じ合わせたものなので「合巻」と呼ばれるようになりました。分類的には文化3年(1806年)以降のものが合巻と呼ばれています。各ページに歌舞伎仕立ての挿絵が大きく描かれるものが主流でした。女性や子どもも含めた庶民の娯楽として広く親しまれました。
[画像:おもな人物]
山東京伝(さんとうきょうでん)
黄表紙・洒落本(しゃれぼん)から読本(よみほん)・合巻まで幅広いジャンルで活躍をした江戸を代表する戯作者です。
※(注記)「読本」のコーナーで解説
柳亭種彦(りゅうていたねひこ)
正本(しょうほん:台本)風の作品を取り入れた新しいスタイルの合巻で戯作者の地位を確立しました。
姥尉輔(鶴屋南北)(うばじょうすけ)
4代目鶴屋南北は、狂言作者であるとともに、合巻も執筆していました。文化年間(1804年〜1818年)には、姥尉輔というペンネームを用いています。