当社は、取締役会の実効性を高め、企業価値の向上を図るため、毎年取締役会の実効性評価を実施しております。外部評価機関の指摘を踏まえて、評価項目やアンケート内容を見直すとともに、アンケートの配信、回答の集計から結果分析までを外部評価機関が行うことで、評価プロセスの客観性と透明性を高めております。当期の評価プロセス及び評価結果は、以下のとおりです。
評価プロセス
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1.外部評価機関の指摘・助言を踏まえて、当期の評価方法及びアンケート内容を検討し、取締役会へ報告。
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2.外部評価機関が全取締役に対し、実効性評価アンケート(無記名方式)を実施。
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3.外部評価機関が上記2.のアンケート結果を集計・分析し、議論が必要と思われる課題や意見を抽出し報告。
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4.上記3.のアンケート結果について、取締役全員による検討会を実施。
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5.検討会であがった意見や課題について取締役会にて議論を行い、今後取り組むべき課題を決定。
評価(アンケート)項目
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1.取締役会構成・運営
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2.経営戦略・経営計画
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3.企業倫理とリスク管理
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4.指名・報酬の監督
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5.株主等との対話
外部機関の評価
外部評価機関より、真摯に取締役会の実効性評価に取り組み、企業価値の更なる向上に努めている点が評価されました。特に、実効性評価アンケートの結果を踏まえて取締役全員で検討会を行い、監督と執行の分離の必要性や監督機関としての取締役会のあり方について議論をするなど、取締役全員が実効性を高める意義を共有し、PDCAサイクルを意識した「取締役会の実効性評価」に取り組んでいることが高く評価されました。
前回課題への取り組み状況
- 課題1.
- 「経営戦略と紐づけた人的資本への投資に関する議論」
人的資本関連の活動・投資の状況について定期的に取締役会へ報告を求め、取り組み状況の監督を行っておりますが、評価の改善までに時間を要することから、引き続き課題と認識して取り組みを継続することといたします。 - 課題2.
- 「取締役会における審議事項や審議のあり方の見直し」
監査等委員会設置会社への移行に伴い、業務執行取締役への権限委譲を進めるとともに、取締役会が中長期的な経営課題に関する審議により多くの時間を費やすことができるよう取締役会付議事項及び関係諸規則の見直しを行いました。
今後の課題
監査等委員会設置会社へ移行し、取締役会における社外取締役比率が高まる中で、「モニタリングボードとしての取締役会のあり方と各取締役の役割に関する議論」を深めていく必要があると考え、これを新たに取り組むべき課題として認識しました。新たに認識した課題に加え、上記の課題1.「経営戦略と紐づけた人的資本への投資に関する議論」にも継続して取り組むことで、取締役会の実効性の維持・向上に努めていきます。
取締役会の実効性評価における主な課題と対策
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[画像:2015年度〜2020年度、2021年度、2022年度、2023年度の課題を対策が書かれてあります。コーポレートガバナンス基本方針の観点では2015年度に制定し、2018年度で1度目の改訂、2021年度で2度目の改訂、2024年度で3度目の改訂を行っています。経営方針・経営戦略の観点では2015年度〜2020年度に指名・戦略委員会の実効性向上として関連諸規則の整備を行いました。また、中・長期経営戦略(10年を見越したあるべき姿) として、10年後を見据えた「中期経営計画2025」策定しました。2021年度には、「継続」経営戦略と紐づけた人的資本への投資に関する議論 として、人的資本動蓮の活動・投資について定期的に取締役会報告を行いました。他にも、2020年度頃、監督機能の強化とまたがって、デジタル技術活用・サステナビリティへの取り組みとして、活動報告の機会・サステナビリティ委員会設置や、2023年度には取締役会における議論事項や議論のあり方の見直しを行いました。監督機能の強化の観点では、2015年度に権限委譲と付議事項見直しのため、経営会議への委譲範囲および報告事項の見直しを行いました。並行して、取締役会資料の作成基準として、作成要領、エグゼクティブサマリー導入をしました。2019年度頃に重点施策に関する報告内容の改善として、全本部による定期報告実施を行いました。2024年度にはモニタリングボードとしての取締役会のあり方と各取締役の役割に関する議論を行いました。取締役会の構成トレーニングの観点では、2015年度〜2017年度に取締役会の多様性として候補者の育成促進、知識・スキル習得の機会として研修テーマの見直しを行いました。それに紐づいて、2019年度に人材育成・人材戦略、2020年度に知識・スキル習得機会の充実を行いました。これは全本部による定期報告実施に紐づきます。2021年度頃に中期視点での取締役会構成に関する議論として、指名委員会で取締役のサクセッションを議論しました。同時期、集合研修&選抜型トレーニングを実施しました。リスクマネジメントの観点では、2015年度頃に重要課題に対する監督強化として、各事業の四半期報告の開始、社外取締役への情報提供の拡充を行いました。重要課題に対する監督強化は、監督機能の強化の観点の重点施策に関する報告内容の改善と紐づきます。内部統制委員会の体制強化として、内部統制委員会の体制見直しを行いました。また、事業リスクの把握として、経営会議審議のリスク回避策の説明をしました。内部統制委員会の体制強化と事業リスクの把握と紐づいて、2021年度頃にはリスクマップの見直しとして、内部統制委員会の下にリスク管理部会を置き、管理体制強化を行いました。]