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平成23年01月11日
四国電力株式会社

伊方発電所における通報連絡事象(平成22年12月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出について

  • 平成22年12月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の4件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 発生月日 発表月日 公表区分
1.伊方発電所における作業員の負傷について
12月 6日 - C
2.伊方発電所3号機 第6高圧給水加熱器Aのドレン流量の増加について
12月12日 - C
3.伊方発電所1、2号機 所内用水ポンプAの不具合について
12月27日 - C
4.伊方発電所1、2、3号機 発電機出力の変動について
12月30日 - C
県の公表区分 A:即公表
B:48時間以内に公表
C:翌月10日に公表
  • 過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 発生月日 発表月日 公表区分
1.伊方発電所 岸壁クレーンからの油漏れについて(中間報告)
1月 8日 2月10日 C
2.伊方発電所 野外モニタリング設備モニタリングポストNo.3の不具合について
8月 4日 9月 9日 C
3.伊方発電所2号機 充てんポンプ2B点検用フランジ部からの漏えいについて
8月16日 8月16日 A

(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成22年12月分)

  1. 伊方発電所における作業員の負傷について
  2. 伊方発電所3号機 第6高圧給水加熱器Aのドレン流量の増加について
  3. 伊方発電所1、2号機 所内用水ポンプAの不具合について
  4. 伊方発電所1、2、3号機 発電機出力の変動について

(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要

  1. 伊方発電所 岸壁クレーンからの油漏れについて(中間報告)
  2. 伊方発電所 野外モニタリング設備モニタリングポストNo.3の不具合について
  3. 伊方発電所2号機 充てんポンプ2B点検用フランジ部からの漏えいについて
以上

別紙1

伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成22年12月分)

1.伊方発電所における作業員の負傷について

12月6日16時20分頃、伊方発電所3号機の放水口廻りにおいて、耐震性向上工事を実施していた協力会社の作業員1名がトラックに積み込み中のパイプを支えていたところ、束ねていたパイプが崩れて左手を負傷しました。その後、16時45分に病院への搬送が必要と判断し、協力会社の社有車で八幡浜市内の病院に搬送しました。
医師による診察の結果、「左手薬指先部圧挫削切傷、左手薬指末節骨骨折」と診断されました。
なお、本事象による当該作業員の被ばくおよび汚染はありません。

2.伊方発電所3号機 第6高圧給水加熱器Aのドレン流量の増加について

12月12日15時20分頃、通常運転中の伊方発電所3号機において、2次系の第6高圧給水加熱器Aの出口ドレン流量の増加を示す信号が発信しました。調査の結果、当該加熱器の水位制御装置の不具合により水位制御弁の開度が大きくなり、ドレン流量が増加したものと推定されました。
このため、当該装置を取り替えて、12月13日13時05分、通常状態に復旧しました。
今後、引き続き、詳細を調査します。

[画像:伊方発電所3号機 第6高圧給水加熱器まわり概略系統図]

PDFマーク(印刷用)伊方発電所3号機 第6高圧給水加熱器まわり概略系統図 (PDF-17KB)

3.伊方発電所1、2号機 所内用水ポンプAの不具合について

12月27日14時31分頃、通常運転中の伊方発電所1、2号機において、屋外に設置している所内用水ポンプAの過負荷による自動停止を示す信号が発信しました。その後、14時55分頃に保修員が当該ポンプの軸を手動でまわしたところ、軸が固着していることを確認しました。
今後、当該ポンプを修理するとともに、引き続き、詳細を調査します。
なお、所内用水ポンプBを運転することにより、所内用水の確保に問題はありません。

[画像:伊方発電所1、2号機 所内用水ポンプまわり概略系統図]

PDFマーク(印刷用)伊方発電所1、2号機 所内用水ポンプまわり概略系統図 (PDF-13KB)

4.伊方発電所1、2、3号機 発電機出力の変動について

12月30日13時23分頃、送電系統への落雷に伴う系統ショックにより、伊方発電所1、2、3号機の発電機出力に有意な変動が発生しました。
発電機出力の変動は瞬時に収束し、プラントの運転に影響はありませんでした。

参考:落雷場所および発電機出力の変動幅

落雷場所

発電機出力の変動幅

香川線

讃岐変電所
[綾歌郡]

香川変電所
[高松市]

1号機
539MW 〜 571MW 〜 598MW
(-5.7%) (変動前後) (+4.8%)

2号機
542MW 〜 577MW 〜 594MW
(-6.2%) (変動前後) (+3.0%)

3号機
855MW 〜 910MW 〜 962MW
(-6.2%) (変動前後) (+5.8%)


別紙2

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要

1.伊方発電所 岸壁クレーンからの油漏れについて(中間報告)

しろまる事象

平成22年1月8日16時00分頃、伊方発電所の荷揚岸壁に設置しているクレーンの基礎部近傍にある電源中継箱の下部に少量の油漏れがあることを保修員が確認しました。漏れた油は直径約1mの範囲で地面にたまっており、海には流出していないことを確認しました。点検の結果、当該クレーンの旋回軸受下部に不具合があることを確認したことから、当該部の取り替えを実施し、通常状態に復旧しました。
その後、11月26日に超音波探傷試験により当該部の健全性を確認した結果、初期き裂を示す指示が認められました。

しろまる原因

調査の結果、クレーンメーカにおける設計時の発生応力算定において、当該部の形状に起因する応力集中に対する考慮が不十分であったため、当該部に設計上想定した応力を上回る集中応力が作用していたことを確認しました。このことから、当該クレーン設置後の比較的早い段階で当該部の円筒根元部外面の表層部にき裂が発生し、運転に伴う繰り返し応力によりき裂が進展して破断に至った結果、軸受部の潤滑油が電線管を通じて電源中継箱より漏えいしたものと推定しました。

しろまる対策

  • 今後1年以内を目処に、当該部について、形状変更等による応力集中の緩和および強度の高い材料を使用した改良品に取り替えることとし、それまでの間は当該クレーンを使用しないこととします。また、当該部の改良品については、応力集中を適切に評価した設計であることを確認します。
    なお、現在使用中の当該部には初期き裂を示す指示が認められていますが、き裂は急激に進行する可能性がなく、また、地震および強風時を考慮した安全性評価を行った結果、仮に当該部が破断に至った場合でも当該クレーンが転倒する恐れはないことから、安全上の問題はありません。
  • 設計時に当該部の応力集中の発生について想定していなかった原因、改良品に取替後の健全性確認結果ならびに再発防止対策については、今後、最終報告時に取りまとめて報告することとします。

[画像:伊方発電所 岸壁クレーン旋回軸受部概略図]

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所 岸壁クレーン旋回軸受部概略図 (PDF-15KB)

2.伊方発電所 野外モニタリング設備モニタリングポストNo.3の不具合について

しろまる事象

8月4日13時44分、伊方発電所1、2号機の中央制御室において、モニタリングポストNo.3の異常を示す警報が発信しましたが、現地の指示計・記録計を確認したところ、正常に作動しており監視に問題はありませんでした。なお、当該モニタリングポストの測定状況を確認したところ、緊急時対策所の高レンジ線量率、低レンジ線量率および、中央制御室の高レンジ線量率の指示値に異常があることを確認しましたが、同日14時31分頃、指示値は復帰しました。
点検の結果、モニタリングポストの伝送装置および光コンバータ(信号を変換する装置)の不具合によるものと考えられたことから、当該装置を取り替えて健全性を確認し、8月5日16時25分、通常状態に復旧しました。

しろまる原因

調査の結果、運転環境、保守状況および構成部品等に問題はありませんでしたが、事象発生時の異常を示す信号の発信状況などから、伝送装置および光コンバータの一過性の不具合により一時的な伝送障害が発生したものと推定しました。

しろまる対策

  • 当該伝送装置および光コンバータを予備品に取り替えました。
  • 今後とも伝送装置の予備品を保有します。
  • 野外モニタリング設備については、設置から長期間が経過しており、製造中止となる部品の増加が予想されることおよび経年劣化による故障の増加を予防するため、平成23年度中を目処に取替を計画しています。

[画像:伊方発電所 モニタリングポストNo.3 概略系統図 ]

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所 モニタリングポストNo.3 概略系統図 (PDF-21KB)

3.伊方発電所2号機 充てんポンプ2B点検用フランジ部からの漏えいについて

しろまる事象

8月16日11時35分、通常運転中の伊方発電所2号機の原子炉補助建家3階において、充てんポンプ2Bのポンプ点検用フランジ部から1次冷却水が漏えいしていることを運転員が確認しました。
その後、当該部の隔離のために充てんポンプ2Bを停止したことにより、漏えいは停止しました。なお、漏えいした水は、ごく微量の放射能(放射能量:約70ベクレル)を含んでおり、全量(約120cc)を回収しました。
点検の結果、当該フランジ部および、その他のフランジ部(10箇所)のうち2箇所において、リフト押さえとケーシングの隙間から、接触面をシールするためのOリングの一部がはみ出して、外周部の一部が損傷していることを確認しました。このため、損傷のあったOリング(3箇所)を含む全てのOリング(11箇所)を取り替えた後、充てんポンプ2Bの確認運転を行って漏えいのないことを確認し、8月21日8時50分、通常状態に復旧しました。

しろまる原因

調査の結果、当該部は充てんポンプ内部流体圧力の周期的な変動により、Oリング表面が劣化しやすく、Oリングが接触面の溝に沿って外側へ押し出される方向に動く構造であることを確認しました。また、フランジ部のボルト締付時における座面の摩擦等の影響により、十分なボルトの締付力が得られず、リフト押さえとケーシングとの間の微小な隙間が大きくなっていた可能性があり、これらの要因が重なった結果、充てんポンプの運転時間の経過とともにOリングがはみ出して損傷し、漏えいに至ったものと推定しました。

しろまる対策

  • 2号機の充てんポンプについて、当該フランジ部を含む全てのOリングを取り替えて、漏えいのないことを確認しました。
  • 2号機の充てんポンプについて、Oリングの取替周期を1回/3運転サイクルから1回/1.5運転サイクルに短縮します。また、次回の定期検査時に当該フランジ部の点検を行い、Oリングの状態を確認します。
  • 2号機の充てんポンプについて、フランジ部のボルトの締付トルク値を245Nmから345Nmに変更して作業要領書の改正を行い、ボルトを締め付けました。

[画像:伊方発電所2号機 充てんポンプフランジ部構造概略図]

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所2号機 充てんポンプフランジ部構造概略図 (PDF-14KB)

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