平成16年6月10日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成16年5月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成16年4月分)について
○しろまる 平成16年5月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の5件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
なお、『伊方2号機 余熱除去系統配管のひびについて』は5月31日に、調査結果をとりまとめた中間報告書を愛媛県および伊方町に提出しております。
事 象 発生月日 発表月日1.伊方1・2号機 洗浄排水蒸発装置移送配管からの漏えいについて5月1日 5月2日2.伊方1号機 送電停止について5月19日 5月19日3.伊方2号機 余熱除去系統配管のひびについて5月20日 5月20日4.伊方3号機 発電機水素ガス温度制御弁の不調について5月27日 −5.伊方3号機 アンモニア注入ポンプの不具合について5月31日 −
○しろまる 平成16年4月に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 発生月日 発表月日1.伊方1・2号機 海水淡水化装置A号機の不具合について4月15日 5月10日
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成16年5月分)
- 伊方1・2号機 洗浄排水蒸発装置移送配管からの漏えいについて
- 伊方1号機 送電停止について
- 伊方2号機 余熱除去系統配管のひびについて
- 伊方3号機 発電機水素ガス温度制御弁の不調について
- 伊方3号機 アンモニア注入ポンプの不具合について
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成16年4月分)
以 上
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成16年5月分)
1.伊方1・2号機 洗浄排水蒸発装置移送配管からの漏えいについて
5月1日14時30分頃、伊方1,2号機共用の洗浄排水蒸発装置からドラミングバッチタンク2Aへの移送配管の一部で水がわずかににじみ出ていることを保修員が発見した。このため、当該箇所をエポキシ樹脂にて補修し漏えいのないことを確認した。
その後5月7日、当該箇所の配管を取り替えた。[洗浄排水蒸発装置]管理区域内で着用した服を洗濯する際に発生する排水等を濃縮処理する装置で、濃縮処理された排水は、ドラミングバッチタンクに移送され一時貯蔵し、その後アスファルト固化装置でドラム缶詰めされる。
2.伊方1号機 送電停止について
5月19日10時00分、通常運転中の伊方1号機において、送電線へのしゃ断器が切れ、送電が停止した。
このため、1号機は出力が所内で消費する電力(約3万キロワット)まで自動的に低下し、その状態で運転を継続した。
原因を調査した結果、現在定期検査中の伊方2号機において、発電機と送電線を接続するGIS(ガス絶縁開閉装置)への取替作業で、新しいGISの試験中に、GIS回路の出力信号により、送電線保護リレーへの母線電圧信号が誤って接地されたため、送電線保護リレーが動作し送電が停止したことが判明した。
その後、原因となったGIS回路を切り離し、既設の送電線保護回路の健全性を確認したうえで、21時30分送電を再開した。
3.伊方2号機 余熱除去系統配管のひびについて
第17回定期検査中の伊方2号機において、5月20日9時30分頃、余熱除去系統の配管取替工事で、再使用する目的で切り取った弁の出入口付近の配管の健全性を確認するため、液体浸透探傷検査を実施したところ、1箇所で欠陥指示(微小な傷)が確認された。なお、当該配管からの漏えいは認められなかった。その後、外観詳細調査の結果、当該部において最大約6?oの線状のひびや点状のひびが多数確認されたため、当該箇所の配管を切断して詳細調査を行った結果、・ ひびは配管外表面から発生し、深さは最大2.7?o(配管厚さ8.3?o)のところまで進展していた・ 金属組織の観察において、塩化物応力腐食割れの特徴である枝分かれした粒内割れが認められた・ 破面分析により、ひび割れ部に塩素が確認されたことなどから、ひびは塩化ビニールテープによる塩化物応力腐食割れと推定される。これまでの塩化物応力腐食割れの調査において、当該部では塩化ビニールテープ等の付着物は確認されていなかったことから、建設時に配管識別のために貼り付けたテープを、平成8年に行った当該部近傍の配管溶接部の供用期間中検査の際に除去したものと推定される。今後は、当該部の配管を取り替えるとともに、当該部と同様、塩化ビニールテープによる塩化物応力腐食割れが生じる可能性がある配管で、かつ過去にテープを除去した可能性がある箇所について、今回定検期間中に調査・点検を行うこととする。
なお、昨年6月に発生した1号機安全注入系テストラインのひびの水平展開として、現在、念のために点検を行っている、塩化物応力腐食割れの可能性はないが漏えいが発生すると原子炉の安全に支障を及ぼす系統および放射能を含む系統の配管についても、今回と同様の観点から、計画的に点検または取替を行うこととする。
○しろまる本件に関しては、上記内容の中間報告書を5月31日、愛媛県、伊方町に提出しております。
4.伊方3号機 発電機水素ガス温度制御弁の不調について
5月27日14時42分頃、通常運転中の伊方3号機において、発電機の冷却用水素ガスの温度が低下していることを運転員が確認した。
現場を確認したところ、冷却用水素ガスの温度を制御する弁の駆動用空気配管が破損し、当該弁が全開となっていることが判明した。このため、当該配管を取り替え復旧した。[発電機冷却用水素ガス]発電機内の冷却のため封入している水素ガス。この水素ガスの温度を一定にするよう冷却器に通水する冷却水の流量を温度制御弁で調整している。
5.伊方3号機 アンモニア注入ポンプの不具合について
5月31日18時43分、通常運転中の伊方3号機において、運転中のアンモニア注入ポンプの異常を示す信号が発信し、当該ポンプが自動停止した。このため、予備のポンプに切替えた。
点検の結果、当該ポンプのモータ回転数を制御する電源設備(インバータ)に異常のあることが判明したため、電源設備(インバータ)を取り替え復旧した。[アンモニア注入ポンプ]腐食防止のため水質(pH)調整剤として、2次系水にアンモニアを注入するためのポンプ。
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成16年4月分)
1.伊方1・2号機 海水淡水化装置A号機の不具合について
○しろまる事 象4月15日23時01分頃、2台ある海水淡水化装置の1台(A号機)において、淡水を製造する効率が低下したため、手動で停止した。
○しろまる原 因
調査の結果、海水淡水化装置を構成する蒸発器の胴部に穴(×ばつ30mm)が開いており、そこから空気を吸い込んだため、淡水を製造する効率が低下したことが判明した。このため、当該箇所等の補修を行い、復旧した。前回実施した定期点検において蒸発器内のライニング補修塗装を行ったが、狭隘で作業性の悪い内部構造物の取り付け部近傍での作業であったため、十分な補修塗装ができずに塗装端部に密着不良が生じ、そこから濃縮した海水が浸入して蒸発器胴部(炭素鋼)に腐食による減肉が起こり、貫通に至ったものと推定される。
○しろまる対 策
・ 当該箇所と当該箇所以外で胴部に減肉が認められた箇所について補修を行った。・ 作業性が悪い内部構造物の取り付け部近傍でライニング補修塗装を行う場合は、十分注意して作業を行うよう作業要領書に記載する。・ 蒸発器点検時の肉厚測定ポイントに内部構造物の取り付け部近傍を新たに追加するとともに、著しい減肉が認められた箇所については予防保全的な補修を行うこととし、その旨作業要領書に記載する。
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