伊方発電所の安全確保活動全般に係る総点検実施報告書の提出について

平成15年3月14日
四国電力株式会社



伊方発電所の安全確保活動全般に係る
総点検実施報告書の提出について



当社は、国および愛媛県、伊方町の指示・要請に基づき、伊方発電所の安全確保活動全般に係る総点検を、昨年9月5日に設置した「原子力点検評価委員会」において、昨年9月20日に公表した実施計画に基づき実施しております。

総点検の実施状況は以下のとおりであり、いずれも不正や法令違反となるものは認められませんでした。

?@ 自主点検作業につきましては、実施計画で予定していた調査の他、原子炉格納容器漏えい率検査に関する国からの追加指示に基づく調査等、すべての調査を完了いたしました。
?A 日常点検および異常報告につきましては、平成13年度の実施状況まで調査しております。
?B 社内体制について、自主点検作業が適切に実施される体制であるかどうかを調査するとともに、不正防止策について、活動状況および社内規定類の整備状況を調査し、予定していた調査を完了いたしました。

上記?@および?Bについては、すべての調査が完了いたしましたので、本日、国へ最終報告書として提出いたしました。
また、上記?Aにつきましては、愛媛県、伊方町からの要請に基づき実施しているもので、国へ提出した最終報告分にあわせて、本日、愛媛県、伊方町へ中間報告書として提出いたしました。

今後は、上記?Aの14年度分について点検を実施し、すべての調査を完了させたうえで、本年5月に、愛媛県、伊方町へ最終報告書を提出することとします。




(参考)伊方発電所の安全確保活動全般に係る総点検に関する主な経緯
・ 平成14年 8月30日 国より指示文書を受領
・ 同 9月 3日 愛媛県、伊方町から要請文書を受領
・ 同 9月 5日 原子力点検評価委員会を設置
・ 同 9月20日 総点検計画書を国、愛媛県、伊方町に提出
・ 同 10月28日 国より追加指示文書を受領(漏えい率検査に係る調査)
・ 同 11月15日 国、愛媛県、伊方町に中間報告書を提出
・ 同 12月18日 愛媛県、伊方町に中間報告書を提出
・ 平成15年 3月14日 愛媛県、伊方町に中間報告書、国に最終報告書を提出



以 上

別紙

伊方発電所の安全確保活動全般に係る総点検実施報告書の概要


1.自主点検作業の適切性に関する調査

(1)調査範囲

(注) 事故故障等による水平展開:原子力発電所で事故故障等が発生した場合、他のプラントでも同様の問題がないか調査を行った上で、必要に応じ再発防止対策を講ずることをいう。

(2)調査方法

対象設備に関連する当社保有の点検記録と工事報告書、協力会社保有の工事報告書と工事記録について照合を行い、記載内容に矛盾等があるものを抽出した。また、工事報告書等に記載の設備の不具合・修理事例のうち、非破壊検査で判定基準を超える指示があったもの、機器耐圧部等に目視点検で割れや破損があったもの、機器主要部等の取替を行ったもの等を抽出した。
これらの抽出された事項について、以下の観点より評価を行った。

  1. 記載内容の矛盾等について
    • 記録の作成において改ざんが行われていないこと

  2. 設備の不具合・修理事例について
    • 電気事業法、原子炉等規制法および大臣通達による軽微な故障等の報告基準に基づく国への報告が確実に行われていること
    • 電気事業法で定める工事計画等の認可または届出が適切に行われていること
    • 電気事業法で定める技術基準に適合していること

(3)調査結果

点検項目にして約5,400件(工事報告書等の枚数にして約36万枚)について調査した結果、

  1. 工事報告書等の記載内容について、改ざんは認められなかった。
  2. また、工事報告書等に記載の設備の不具合・修理事例について、問題となる事案は認められなかった。

ただし、品質保証上の観点から好ましくない事案として、以下のものがあった。

これらについては、関係者に周知徹底するとともに、工事記録の様式の改善および作業要領書の見直しを実施した。

2.日常点検に関する調査 (本項目は、愛媛県、伊方町からの要請に基づく調査)

(1)調査範囲、調査方法

以下の日常点検について、平成13年度および平成14年度(9月20日まで)の点検記録の調査を行う。今回の中間報告では、平成13年度の点検記録を対象とした。

(2)調査結果

点検記録に不正は認められなかった。
ただし、品質保証上の観点から好ましくないものが、一部認められた。

3.異常報告に関する調査 (本項目は、愛媛県、伊方町からの要請に基づく調査)

(1)調査範囲、調査方法

異常報告の平成13年度および平成14年度(9月20日まで)の実施状況について、以下の調査を行う。今回の中間報告では、平成13年度の実施状況を対象とした。

(2)調査結果

日常点検について、異常報告すべきものがすべて安全協定に基づき適切に実施されていることを確認した。
また、異常報告に関する業務が「伊方発電所防災計画(原子力災害編)」に適切に規定され、代表事例9件について社内外連絡等が適切に実施されていることを確認した。

4.社内体制・不正防止策に関する調査

(1)社内体制に関する調査

  1. 調査方法

  2. 自主点検作業が適切に実施される社内体制であるかどうかを以下のとおり調査した。

    • 社内規定類が民間基準である「原子力発電所の品質保証指針」に照らして適切かどうかを調査するため、当該品質保証指針の中から自主点検作業に関するチェックポイントを、計画、実施、検査・試験、不適合の管理、記録の管理等の項目毎に導出した。そのチェックポイントに対して社内規定類が適切に規定されているかどうか評価を行った。
    • また、伊方3号機第6回定期検査等で実施した自主点検作業の代表例6件についてこれらの作業が、上記の社内規定類に従って、適切に実施されているかどうか調査した。なお、不適合の管理については、この代表例6件の中に作業時の不適合事例がなかったことから、過去のトラブル事例2件について追加調査を行った。

  3. 調査結果

自主点検作業に関するそれぞれの項目について、品質保証指針に基づき適切に実施される社内体制であることが確認された。
なお、「社内規定の記載をより一層明確にする」といった観点から、さらに改善すべき事項が3件あった。

(2)不正防止策に関する調査

  1. 調査方法
    • 不正防止に関係する過去の事例である「原電工事における燃料輸送容器のデータの改ざん」、「JCO東海事業所における臨界事故」
    • 当社の過去のトラブル事例である「伊方発電所3号機定期検査における非常用ディーゼル発電機の不具合」

    を対象に不正防止策を抽出し、関係個所の活動状況および社内規定類の整備状況を調査した。

  2. 調査結果
  3. 体質・風土、個人の意識、情報公開等について、不正防止策の活動および社内規定類の整備が適切に実施されていることを確認した。

  4. 今後の対応
  5. 不正防止に対する取り組みは適切に実施されているが、今回の東京電力株式会社の事案を真摯に受け止め、今後、不正防止について以下の対応方針に従い、より一層万全を期す。

    • 体質・風土および意識向上
      伊方発電所に従事する当社と協力会社従業員間の交流を深め、安全意識の高揚や一体感の醸成を行っている「伊方ネット21」活動の一層の定着化を図る。
      また、全社的に法令遵守および企業倫理を徹底させるため、「コンプライアンス推進委員会」を設置し、「四国電力行動規範」の制定や社外の弁護士事務所を含む「コンプライアンス相談窓口」を設けた。
    • 情報公開と透明性確保
      「正常状態以外のすべての事象」について通報連絡を行うとともに、記者発表・インターネットでの情報公開による透明性確保を継続する。
    • 監査・品質保証体制の強化
      本店考査室に設置している原子力監査組織について、要員を増員するとともに、原子力部門外からも配員し、原子力品質監査の強化を図る。
      また、伊方発電所の品質保証体制の強化についても検討を進める。


以 上


別紙−添付資料

実施工程

(注記)1. 原子炉容器、炉内構造物、原子炉冷却材圧力バウンダリ内設備の過去3年
(注記)2. 原子炉容器、炉内構造物、原子炉冷却材圧力バウンダリ内設備の過去4〜10年
非常用炉心冷却設備、その他1次系設備、タービン他主要2次系設備の過去10年





添付資料

伊方発電所の安全確保活動全般に係る
総点検実施報告書(中間報告)

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