三重県北勢地方の鈴鹿山麓から伊勢湾にわたる広大な農業地帯の水田は、地区内の中小河川、ため池などを水源としていましたが、いずれも水量が乏しく、安定して取水できる水源の確保にせまられていました。また、山麓の畑地帯は全く水源をもたず、天水に依存せざるを得ない状況であったため、土地改良事業の実施が強く要望されていました。
一方、この地方の産業発展に伴い、都市用水の重要が増大し、その充足も緊急の課題となっていました。
三重用水事業はこれらの要請に対処するため、中里貯水池を主水源とし、岐阜県側の木曽川水系揖斐川支流牧田川から取水するとともに、員弁(いなべ)川・河内谷(こうちだに)川・冷(ひえ)川より取水して貯留します。
また、宮川・菰野・加佐登の調整池及び幹線水路等の建設により、田光(たびか)川、三滝(みたき)川、内部(うつべ)川及び御幣(おんべ)川から、取水して貯留します。
これらの施設計画により4市2町(いなべ市、桑名市(旧多度町を含む)、四日市市(旧楠町を含む)、鈴鹿市及び菰野町、東員町)の農地約7,300haに対する農業用水として最大5.99m3/s、三重県企業庁により浄水後、水道用水として四日市市、鈴鹿市、菰野町の各家庭に最大0.668m3/s及び工業用水として最大0.194m3/sの供給を行う総合的な利水事業です。
【 水 利 用 計 画 】 【 農業用水受益面積 】