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規制の事後評価書
法律又は政令の名称:電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する
法律
規 制 の 名 称:適格電気通信事業者に係る技術基準適合維持義務に関する制度の整備
規 制 の 区 分:新設、改正(拡充、緩和)
、廃止 (注記)いずれかにしろまる印を付す。
担 当 部 局:総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 電気通信技術システム課
評 価 実 施 時 期:令和6年4月
1 事前評価時の想定との比較
1 課題を取り巻く社会経済情勢や科学技術の変化による影響及び想定外の影響の発現
の有無
規制の事前評価後、課題を取り巻く社会経済情勢や科学技術の変化による影響が生じて
いる場合、その影響について記載する。また、規制の事前評価時には想定していなかった影
響が発現していないかを確認し、発現の有無及びその内容を記載する。
事前評価後、
現時点においては課題を取り巻く社会経済情勢や科学技術の変化による影響及び
想定外の影響は生じていない。
2 事前評価時におけるベースラインの検証
規制の事前評価後、大幅な社会経済情勢等の変化による影響があった場合は、これを差
し引いた上で、事後評価のためのベースライン(もし当該規制が導入されなかったら、ある
いは緩和されなかったらという仮想状況)を設定する。
本規制の緩和以前において、
東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社
(以下
「NTT
東西」という。
)が基礎的電気通信役務(注記)1
を提供するに当たっては、自ら設置した電気通信設備
(以下「自己設備」という。
)による提供が義務付けられてきたが、辺地、離島等の地域において
電話の提供に用いるメタル回線について、老朽化した場合の再敷設や、豪雨災害等により故障し
た場合の補修が大きな経済的な負担となっていた。そのため、NTT 法の改正により、所要の要件
を満たす場合に限り、NTT 東西が他の電気通信事業者の無線設備を活用した電話(以下「ワイヤ
レス固定電話」という。
)の提供を可能とした。
しかしながら、NTT 東西のワイヤレス固定電話は、アナログ電話の代替として基礎的電気通信
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役務に該当する役務として提供されるものという位置付けを踏まえ、当時の電気通信事業法上、
ワイヤレス固定電話の用に供する設備には、
アナログ電話用設備に係る技術基準と同等の基準へ
の適合維持義務が課されていたことから、
本基準を満たすワイヤレス固定電話を実現することは
技術的に困難であり、ついては、NTT 法が改正されても、適格電気通信事業者(注記)2
である NTT 東西
がワイヤレス固定電話の提供を行うことは、実質、不可能であった。
そこで、上記 NTT 法改正に合わせ、電気通信事業法において、適格電気通信事業者がワイヤレ
ス固定電話の提供を可能とするための技術基準を見直す規制の緩和を行ったものである。
規制の事前評価時点においては、当該規制の緩和を行わず、従来どおり、アナログ電話の代替
として同等の技術基準適合義務をワイヤレス固定電話に求めることとした場合には、
適格電気通
信事業者である NTT 東西は自己設備のみを用いることにならざるを得ず、今後、人口減少に起因
する加入者数の減少等により NTT 東西の経済的負担が著しく増大し、
電話のサービスのあまねく
日本全国における適切、公平かつ安定的な提供を維持できなくなるおそれがあった。
事前評価後、
現時点においては課題を取り巻く社会経済情勢や科学技術の変化による影響及び
想定外の影響は生じておらず、ベースラインに変更はない
(注記)1
固定電話、
緊急通報等、
国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保さ
れるべき電気通信役務
(注記)2
日本全国において、
ユニバーサルサービスをあまねく低廉な料金で提供する役割を担い、
その
収支が赤字の場合、ユニバーサルサービス制度による交付金を受け取る。現在、適格電気通信事
業者としては NTT 東西が指定されている。
3 必要性の検証
規制の事前評価後に生じた、課題を取り巻く社会経済情勢や科学技術の変化による影響又
は想定していなかった影響の発現を踏まえた上で、当該規制の必要性について改めて検証
し、記載する。
規制の事前評価後、
現時点においては当該規制の必要性に大きく影響を与えるような社会経済
情勢や科学技術の変化は特段認められない。
将来的に適格電気通信事業者による基礎的電気通信
役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の維持のため、引き続き当該規制
の緩和は必要である。
2 費用、効果(便益)及び間接的な影響の把握
4 「遵守費用」の把握
「遵守費用」、「行政費用」について、それぞれ定量化又は金銭価値化した上、把握すること
が求められるが、特に「遵守費用」については、金銭価値化した上で把握することが求められ
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る。その上で、事前評価時の費用推計と把握した費用を比較し、かい離がある場合、その理由
を記載する。
事前評価時点において、行政費用を定量化していないため、事後評価時点と比較することはで
きないが、ワイヤレス固定電話の提供を可能とするための技術基準に関する見直しにより、適格
電気通信事業者(NTT 東西)において、基礎的電気通信役務の用に供する電気通信設備の技術基
準適合に関する自己確認結果及び管理規程の届出等に係る費用が発生するところ、
新たな技術基
準は従来の技術基準の水準を上回らず、手続内容も従来の手続と差異はないため、従来とほぼ同
内容の資料作成、提出に係る作業に1社あたり6(人・時間)要すると仮定すれば、概算で時給
約 3,060 円((注記))×ばつ6(人・時間)×ばつ2件(自己確認結果及び管理規程)×ばつ2社(NTT 東日本及
び NTT 西日本)=約 73,440 円程度の費用がかかると試算できる。
((注記))年間平均給与額÷年間総労働時間=担当者の時給
5,230,000 円÷1,709 時間≒3,060 円
(年間平均給与額については、国税庁「民間給与実態統計調査」
(令和4年)の平均給与(正規)、年間総労働時間については、厚生労働省「労働統計要覧」
(令和3年)の実労働時間数(事業所規
模 30 人以上)による。)よって、追加の遵守費用は、事前評価時に想定していたとおり、限定的であると言える。
5 「行政費用」の把握
行政費用については、定量化又は金銭価値化した上、把握することが求められる。特に規
制緩和については、緩和したことで悪影響が発生していないか等の観点から、行政としてモ
ニタリングを行う必要が生じる場合があることから、当該規制緩和に基づく費用を検証し
「行政費用」として記載することが求められる。また、事前評価時の費用推計と把握した費
用を比較し、かい離がある場合、その理由を記載する。
事前評価時点においては、行政費用を定量化していないため、事後評価時と比較することはで
きないが、
基礎的電気通信役務の用に供する電気通信設備の技術基準適合に関する自己確認結果
及び管理規程の受理に係る作業に4
(人・時間)
要すると仮定すれば、
概算で時給約 3,090 円
((注記))×ばつ4(人・時間)×ばつ2件(自己確認結果及び管理規程)×ばつ2社(NTT 東日本及び NTT 西日本)=
約 49,000 円程度の費用がかかると試算でき、追加の行政費用は事前評価時に想定していたとお
り、限定的であると言える。
((注記))平均給与月額÷1ヶ月当たりの労働時間=担当者の時給
404,015 円÷130.8 時間≒3,090 円
(平均給与月額は、
人事院「国家公務員給与等実態調査」
(令和5年)の国家公務員平均給与月
額(行政俸給表(一)、1ヶ月当たりの労働時間は、厚生労働省「労働統計要覧」
(令和3年)の1
ヵ月当たりの所定内労働時間数(事業所規模 30 人以上)による。) - 4 -
6 効果(定量化)の把握
規制の事前評価時に見込んだ効果が発現しているかの観点から事前評価時に設定した指標
に基づき効果を可能な限り定量的に把握する。また、事前評価時の効果推計と把握した効果
を比較し、かい離がある場合、その理由を記載する。
本規制の緩和によって、適格電気通信事業者(NTT 東西)が無線設備を用いた基礎的電気通信
役務の提供が可能となることで、アナログ回線の維持・管理に係る費用等、基礎的電気通信役務
の提供に係る費用の低減やユニバーサルサービス制度の交付金の額の減少も見込まれる。
さらに、当該交付金は電話料金を通じて国民が負担しているところ、その負担の抑制にも資す
ることとなる。ただし、その場合の国民負担の軽減については、ワイヤレス固定電話の提供が開
始されてからの日数が極めて浅く、どの程度交付金額の減少に寄与しているのか不確かであり、
見通しの把握が難しいことから、
基礎的電気通信役務の提供に係る費用やユニバーサル制度の交
付金の低減の程度を定量的に把握することは困難である。
一方、本規制の緩和の定性的な効果として、本年(令和6年)4月1日から、適格電気通信事
業者(NTT 東西)によるワイヤレス固定電話の提供が始まった。
7 便益(金銭価値化)の把握
把握された効果について、可能な限り金銭価値化して「便益」を把握することが望まし
い。なお、緩和により削減された遵守費用額は便益として把握する必要がある。また、事前
評価時の便益推計と把握した便益を比較し、かい離がある場合、その理由を記載する。
(金銭価値化が可能でないため、該当せず)
8 「副次的な影響及び波及的な影響」の把握
副次的な影響及び波及的な影響を把握し、記載する。また、規制の事前評価時に意図して
いなかった負の影響について把握し、記載する。さらに、事前評価時に想定した影響と把握
した影響を比較し、かい離がある場合、その理由を記載する。
(注記) 波及的な影響のうち競争状況への影響の把握・分析の方法については、公正取引委員会
が作成するマニュアルを参照のこと。
(注記) 規制の事前評価時に意図していなかった負の影響の把握については、ステークホルダー
からの情報収集又はパブリックコメントなどの手法を用いることにより幅広く把握するこ
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とが望まれる。
適格電気通信事業者(NTT 東西)による、あまねく日本全国における基礎的電気通信役務の適
切、公平かつ安定的な提供が維持される。
3 考察
9 把握した費用、効果(便益)及び間接的な影響に基づく妥当性の検証
把握した費用、効果(便益)及び間接的な影響に基づき、規制の新設又は改廃の妥当性につ
いて考察を行う。また、考察に基づき、今後の対応について検討し、その結果を記載する。
上記のとおり、遵守費用及び行政費用として一定の費用が生じているが、本件規制による真の
便益は、適格電気通信事業者の基礎的電気通信役務の提供に係る費用の低減や、ユニバーサルサ
ービス制度の負担金に係る国民の負担の抑制、
あまねく日本全国における基礎的電気通信役務の
適切、公平かつ安定的な提供の維持である。
以上から、本規制による費用の発生は非常に限定的である一方で、その効果は国民に広く有益
なものであることから、本規制を継続することが妥当であると考えられる。
(注記) 当該規制に係る規制の事前評価書を添付すること。
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規制の事前評価書
法律又は政令の名称:電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する
法律
規 制 の 名 称:適格電気通信事業者に係る技術基準適合維持義務に関する制度の整備
規 制 の 区 分:新設、改正(拡充、緩和)
、廃止 (注記)いずれかにしろまる印を付す。
担 当 部 局:総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 事業政策課
評 価 実 施 時 期:令和2年2月
1 規制の目的、内容及び必要性
1 規制を実施しない場合の将来予測(ベースライン)
「規制の新設又は改廃を行わない場合に生じると予測される状況」について、明確かつ簡
潔に記載する。なお、この「予測される状況」は 5〜10 年後のことを想定しているが、課題
によっては、現状をベースラインとすることもあり得るので、課題ごとに判断すること。
(現状をベースラインとする理由も明記)
東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下「NTT 東西」という。
)が基礎的電
気通信役務(注記)1
を提供するに当たり、従来どおり自ら設置した電気通信設備(以下「自己設備」と
いう。)のみを用いることとした場合、
今後、
人口減少に起因する加入者数の減少等により NTT 東
西の経済的負担が著しく増大し、あまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供が維持
できなくなるおそれがある。
そこで、今般、NTT 法改正により、NTT 東西が無線設備等の他の電気通信事業者の電気通信設
備(以下「他者設備」という。
)を用いた電話の役務(以下「ワイヤレス固定電話」という。)を提供できるようにするところ、NTT 東西のワイヤレス固定電話は、アナログ電話の代替として基
礎的電気通信役務に該当する役務として提供されるという位置付けを踏まえ、
ワイヤレス固定電
話の用に供する設備には、アナログ電話の事業の用に供する設備(以下「アナログ電話用設備」
という。
)に係るものと同等の技術基準への適合維持義務が課される(注記)2。しかし、
無線設備を用いてアナログ電話用設備と全く同等の通信品質を実現することは技術的
に不可能であるため、
アナログ電話用設備と同等の技術基準への適合維持を義務付けた場合、NTT法を改正しても、NTT 東西は、ワイヤレス固定電話の提供ができないこととなる。
NTT 東西は電気通信事業法のユニバーサルサービス制度により、適格電気通信事業者として指
定を受け、
あまねく日本全国における基礎的電気通信役務の提供に係る赤字費用の一部に充てる
ための交付金の交付を受けており、従来の技術基準適合維持義務を引き続き課した場合、NTT 東
西はワイヤレス固定電話による効率的な役務提供が不可能になるため、
赤字額が増加することに
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伴い、交付金の額が増加するが、当該交付金に係る負担金は電話料金に転嫁されているため、最
終的には国民の負担を増加させることとなる。
(注記)1
固定電話、
緊急通報等、
国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保
されるべき電気通信役務。
(注記)2
現在の電気通信事業法においては、役務品質の確保等を図るため電気通信回線設備を設置
する事業者等に対して、技術基準への適合を維持すること等を義務付けている。
2 課題、課題発生の原因、課題解決手段の検討(新設にあっては、非規制手段との比較に
より規制手段を選択することの妥当性)
課題は何か。課題の原因は何か。課題を解決するため「規制」手段を選択した経緯(効果
的、合理的手段として、「規制」「非規制」の政策手段をそれぞれ比較検討した結果、「規
制」手段を選択したこと)を明確かつ簡潔に記載する。
【課題及びその発生原因】
将来的に適格電気通信事業者による基礎的電気通信役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供が維持できなくなるおそれがあることが課題である。これは、適格電気通信
事業者に対して従来の技術基準適合維持義務を引き続き課した場合、
アナログ電話の代替として
基礎的電気通信役務に該当して提供されるワイヤレス固定電話の用に供する設備には、
アナログ
電話用設備に係るものと同等の技術基準への適合維持義務が課されることが原因である。
【規制の内容】
適格電気通信事業者が提供するワイヤレス固定電話の用に供する電気通信設備に関する技術
基準を含めて、適格電気通信事業者の特性を踏まえた技術基準を定められるように、電気通信事
業法において、適格電気通信事業者に係る技術基準適合維持義務に関する規定を整備する。
(注記) ワイヤレス固定電話の用に供する設備に関する技術基準については、
アナログ電話用設備に
係るものよりも水準が低下することを許容することを想定している。以上により、適格電気通
信事業者によるワイヤレス固定電話の提供が可能となる。
2 直接的な費用の把握
3 「遵守費用」は金銭価値化(少なくとも定量化は必須)
「遵守費用」、「行政費用」について、それぞれ定量化又は金銭価値化した上で推計すること
が求められる。しかし、全てにおいて金銭価値化するなどは困難なことから、規制を導入した
場合に、国民が当該規制を遵守するため負担することとなる「遵守費用」については、特別な
理由がない限り金銭価値化を行い、少なくとも定量化して明示する。
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ワイヤレス固定電話の提供を可能とするための技術基準に関する見直しにより、
適格電気通信
事業者(NTT 東西)において、基礎的電気通信役務の用に供する電気通信設備の技術基準適合に
関する自己確認結果及び管理規程の届出等に係る費用が見込まれるが、上記のとおり、新たな技
術基準は従来の技術基準の水準を上回らず、手続内容も従来の手続と差異はないため、追加的な
遵守費用は限定的である。
4 規制緩和の場合、モニタリングの必要性など、
「行政費用」の増加の可能性に留意
規制緩和については、単に「緩和することで費用が発生しない」とするのではなく、緩和
したことで悪影響が発生していないか等の観点から、行政としてモニタリングを行う必要が
生じる場合があることから、当該規制緩和を検証し、必要に応じ「行政費用」として記載す
ることが求められる。
適格電気通信事業者(NTT 東西)に係る基礎的電気通信役務の用に供する電気通信設備の技術
基準適合に関する自己確認結果及び管理規程の届出の受理手続等に係る費用が見込まれるが、上記のとおり、新たな技術基準は従来の技術基準の水準を上回らず、手続内容も従来の手続と差異
はないため、追加的な行政費用は限定的である。
だいやまーく簡素化した評価手法による評価だいやまーく
別に定める要件を満たす場合は、簡素化した評価手法による評価を実施することができる。
詳細は、
「規制に係る政策評価の事務参考マニュアル」第三部参照
3 直接的な効果(便益)の把握
5 効果の項目の把握と主要な項目の定量化は可能な限り必要
規制の導入に伴い発生する費用を正当化するために効果を把握することは必須である。定
性的に記載することは最低限であるが、可能な限り、規制により「何がどの程度どうなるの
か」
、つまり定量的に記載することが求められる。
適格電気通信事業者(NTT 東西)が無線設備を用いて基礎的電気通信役務を提供することが可
能となり、アナログ回線の維持・管理に係る費用等、基礎的電気通信役務の提供に係る費用の低
減が見込まれるとともに、ユニバーサルサービス制度の交付金の額が減少し、当該交付金に係る
負担金を電話料金を通じて負担している国民の負担が軽減することになる。
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6 可能であれば便益(金銭価値化)を把握
把握(推定)された効果について、可能な場合は金銭価値化して「便益」を把握すること
が望ましい。
(金銭価値化が可能でないため、該当せず)
7 規制緩和の場合は、それにより削減される遵守費用額を便益として推計
規制の導入に伴い要していた遵守費用は、緩和により消滅又は低減されると思われるが、
これは緩和によりもたらされる結果(効果)であることから、緩和により削減される遵守費
用額は便益として推計する必要がある。また、緩和の場合、規制が導入され事実が発生して
いることから、費用については定性的ではなく金銭価値化しての把握が強く求められてい
る。
ユニバーサルサービス制度の交付金の額が減少し、
当該交付金に係る負担金を電話料金を通じて
負担している国民の負担が軽減する
(現行のユニバーサルサービス制度の交付金の額の算定方法
(省令事項)は適格電気通信事業者(NTT 東西)が有線で電話を提供することを前提としたもの
となっているため、今後、算定方法の見直しを行う予定であり、現時点において軽減額を具体的
に金銭価値化して示すことは困難。)。
4 副次的な影響及び波及的な影響の把握
8 当該規制による負の影響も含めた「副次的な影響及び波及的な影響」を把握するこ
とが必要
副次的な影響及び波及的な影響を把握し、記載する。
(注記) 波及的な影響のうち競争状況への影響については、
「競争評価チェックリスト」の結
果を活用して把握する。
適格電気通信事業者(NTT 東西)による、あまねく日本全国における基礎的電気通信役務の適
切、公平かつ安定的な提供が維持される。
5 費用と効果(便益)の関係
9 明らかとなった費用と効果(便益)の関係を分析し、効果(便益)が費用を正当化で
きるか検証
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上記2〜4を踏まえ、費用と効果(便益)の関係を分析し、記載する。分析方法は以下の
とおり。
1 効果(便益)が複数案間でほぼ同一と予測される場合や、明らかに効果(便益)の方
が費用より大きい場合等に、効果(便益)の詳細な分析を行わず、費用の大きさ及び負
担先を中心に分析する費用分析
2 一定の定量化された効果を達成するために必要な費用を推計して、費用と効果の関係
を分析する費用効果分析
3 金銭価値化した費用と便益を推計して、費用と便益の関係を分析する費用便益分析
本件規制に係る費用は、
主に基礎的電気通信役務の用に供する電気通信設備の技術基準適合に
関する自己確認結果及び管理規程の届出等に係る遵守費用や当該届出の受理手続等に係る行政
費用が見込まれる一方、本件規制による便益は、適格電気通信事業者の基礎的電気通信役務の提
供に係る費用の低減や、ユニバーサルサービス制度の負担金に係る国民の負担の軽減、あまねく
日本全国における基礎的電気通信役務の適切、公平かつ安定的な提供の維持であり、本件規制の
導入に伴う費用を便益が上回ることが見込まれるため、本件規制の導入は妥当と考えられる。
6 代替案との比較
10 代替案は規制のオプション比較であり、各規制案を費用・効果(便益)の観点から
比較考量し、採用案の妥当性を説明
代替案とは、
「非規制手段」や現状を指すものではなく、規制内容のオプション(度合
い)を差し、そのオプションとの比較により導入しようとする規制案の妥当性を説明する。
【代替案】
アナログ電話用設備全般に係る技術基準を緩和することにより、
当該技術基準と同等の技術基
準への適合維持義務が課される必要があるワイヤレス固定電話の提供を可能とする。
【代替案との比較】
代替案によることとした場合、遵守費用、行政費用及び直接的な便益に大きな差は生じないも
のの、代替案ではアナログ電話全般の技術基準を緩和するため、従来の固定電話の品質が確保で
きなくなる可能性があることから、基礎的電気通信役務の利用者利益の保護の観点から、採用案
が妥当である。
7 その他の関連事項
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11 評価の活用状況等の明記
規制の検討段階やコンサルテーション段階で、
事前評価を実施し、
審議会や利害関係者から
の情報収集などで当該評価を利用した場合は、
その内容や結果について記載する。
また、評価
に用いたデータや文献等に関する情報について記載する。
情報通信審議会において、
「NTT 東西に対し、
携帯電話網を含む他者設備の利用を例外的に認め
るための制度整備を迅速に進める」とする答申(令和元年 12 月 17 日 電気通信事業分野にお
ける競争ルール等の包括的検証最終答申)が取りまとめられたことを踏まえ、今回の改正を行う
ものである。
8 事後評価の実施時期等
12 事後評価の実施時期の明記
事後評価については、規制導入から一定期間経過後に、行われることが望ましい。導入した
規制について、費用、効果(便益)及び間接的な影響の面から検証する時期を事前評価の時点
で明確にしておくことが望ましい。
なお、実施時期については、規制改革実施計画(平成 26 年 6 月 24 日閣議決定)を踏まえる
こととする。
改正法の施行後3年を経過した場合において、改正法の規定の施行の状況について検討を加
え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
13 事後評価の際、費用、効果(便益)及び間接的な影響を把握するための指標等をあら
かじめ明確にする。
事後評価の際、どのように費用、効果(便益)及び間接的な影響を把握するのか、その把握
に当たって必要となる指標を事前評価の時点で明確にしておくことが望ましい。規制内容に
よっては、事後評価までの間、モニタリングを行い、その結果を基に事後評価を行うことが必
要となるものもあることに留意が必要
適格電気通信事業者(NTT 東西)におけるワイヤレス固定電話の導入状況及び技術基準適合維持
義務の遵守状況。

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