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第117回人口・社会統計部会議事概要
1 日 時 令和2年12月9日(水)9:57〜11:50
2 場 所 総務省第2庁舎6階特別会議室
3 出席者
【委 員】
津谷 典子(部会長)、佐藤 香
【臨 時 委 員】
宇南山 卓、川口 大司
【専 門 委 員】
藤原 翔(東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター准教授)
【審議協力者(各府省等)】
内閣府、厚生労働省、経済産業省、東京都、神奈川県
【調査実施者】
総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室:田村室長、越調査官ほか
【事務局(総務省)】
統計委員会担当室:萩野室長、鈴木次長、吉野政策企画調査官
政策統括官(統計基準担当)付統計審査官室:内山統計審査官、森調査官、川原企画官ほか
4 議 題 社会生活基本調査の変更について
5 概 要
しろまる 令和2年11月26日の統計委員会において、
前回部会
(令和2年11月11日。
以下同じ。)の審議状況を報告した際に委員から示された意見について共有した後、前回部会にお
いて再整理や追加説明が求められた事項の審議を行い、その後、審査メモに沿って、
調査の実施時期の変更及び報告者数の変更について審議が行われた。
しろまる その後、答申(案)の方向性について、津谷部会長から事項ごとに説明があり、部会
として了承された。また、答申(案)は、今後取りまとめた上で書面決議を行い、1
月開催予定の統計委員会に報告することとされた。
委員等からの主な意見等は、以下のとおり。
(1)前回の部会において再整理・追加報告が求められた事項
1 調査事項「慢性的な健康問題 日常生活への支障の程度」について
・ 修正案について、先行する「慢性的な病気や健康問題」によるフィルタリングを
なくすことや、表現振りについて了解した。なお、プレ調査の報告書を拝見したと
ころ、報告者から、設問を回答する際に困った点について自由記入の意見も出てい
た。参考になると思うので、それらをフォローできるように「調査票の記入のしか
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た」等を工夫してほしい。
・ 資料1の別添3の設問7のところで、
「慢性的・長期的とは6か月以上続いている」
と書いているが、
欧州統計局の設問の原文をみると、
「長期的とは6か月以上続いて
いる」となっており、
「慢性的」の方には言及していない。慢性的と長期的は同じ内
容と考えていいのか。
⇒ 御指摘の設問の原文の中ではchronic(慢性的)との記載はないが、欧州統計局
のガイドラインの本文の部分では、並列的に記載がある。また、同ガイドライン
では、
「慢性的」又は「長期的」という用語については、その国で最も理解される
文言を選ぶべきとされており、今回、それらを勘案して7の設問を考えたところ
である。
・ 修正案では、
「7 慢性的な病気や健康問題」と「8 日常生活への支障の程度」
を分割しており、当初の集計事項から変更が生じるものと思うが、どのような集計
を想定しているのか。設問7と8のクロス集計は行うのか。
⇒ 設問7については慢性的な病気や健康問題がある方とない方の生活時間の違い
がわかる集計、設問8については日常生活への支障の有無による生活時間の違い
が分る集計をそれぞれ考えており、現時点では設問7と8のクロス集計は想定し
ていない。
⇒ インクルーシブ雇用議連の提言には設問8で対応し、欧州統計局の設問との比
較可能性については、設問6〜8で対応するという理解でよいか。
⇒ そのとおり。日常生活に支障のある者は「8 日常生活への支障の程度」のみで
判定する。
・ 例えば、四肢の一部を欠損した方や知的障害がある方は、設問6〜8でそれぞれ
どのような回答になるのか。
⇒ 四肢の欠損で傷が塞がらず、
継続的に病院に通っているような方は、
設問7は、
「ある」
、設問8も「支障がある」になると考えられる。設問6は日常の自分の生
活に関して影響があるかどうかで判断することになる。
⇒ 変更により、
設問6と7の内容がすごく近いように思う。
「調査票の記入のしか
た」に例示などを記載することは可能か。
⇒ 設問6は前回調査結果との継続性の観点から、大きな修正は考えていないが、
いずれにせよ概括的な内容を記載する予定である。
・ 今回の修正案は、適切な修正と考える。なお、
設問8「日常生活への支障の程度」
のタイトルについて、
「健康上の理由による日常生活への支障の程度」
といった表現
にしてもいいのではないかと思うが、
「健康上の理由による」
を記載していない理由
があれば教えてほしい。
⇒ 単純にタイトルが長いということもあるし、当初案から「日常生活への支障の
程度」としていたので、それを踏襲しつつ、健康上の理由に限定することは、注
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意書き的に記載しているところである。
⇒ 設問8のタイトル自体に「健康上の理由による」を追記しなくても、その直下
に注意書きされており、調査事項の流れを考えれば、報告者の理解を得られるの
ではないかと考える。
・ 欧州統計局のガイドラインにおける「障害という用語を用いるべきではない」旨
の留意事項は、欧州統計局の設問I30にはかかっていないので、設問8について、
「調査票の記入のしかた」等で、障害を含むなどと記載してもよいのではないかと
思う。
⇒ 調査員が使用する手引等において適切に対応したい。
・ 報告者から正確な回答を得るため、調査実施者には、
「調査票の記入のしかた」等
の記載を工夫してもらうこととしつつも、修正案については、特に異論はなかった
ものと整理する。
2 選択肢「ハローワークを通じた職業訓練など」の削除
・ この選択肢については、職業訓練を行った結果、それがどのように就業につなが
っているのかが分かることが重要であり、その観点については、就業構造基本調査
で担保できているということなので、本調査から削除することに異論はない。
・ 今回の追加説明を踏まえ、選択肢「ハローワークを通じた職業訓練など」を削除
することについて、特に異論はなかったものと整理する。
3 調査事項「自家用車の有無」の削除
・ 今回の追加説明を踏まえ、
調査事項
「自家用車の有無」
を削除することについて、
特に異論はなかったものと整理する。
(2)個別事項の審議
1 調査の実施期間の変更
・ 今回の変更案により、オンライン回答の期間が確保されることは、都道府県にと
ってはよいことだと思う。一方で、グループによって回収時期が異なることになる
ので、
実際に調査票の回収に当たる調査員には、
きめ細かな説明が必要になるので、
事務打ち合わせ会等で十分に説明していきたい。国に対しては可能な限り早期の情
報提供をお願いしたい。
⇒ 各都道府県と緊密に連携し、しっかりと調査を実施していきたい。
・ 今回の変更案については、特に異論のなかったものと整理する。なお、今回の変
更により、調査票の配布時期や回収時期がグループによって異なるため、きめ細か
な対応が必要になるので、調査実施者は都道府県としっかりと連携し、スムーズに
調査を進めてほしい。
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2 報告者数の変更
・ 直近の国勢調査調査区との対応付けを行わない点は理解した。実務として現状に
合わせた調査区の分割・合併の処理は必要になるとのことなので、対応していきた
い。なお、事務の円滑な実施のため、作業に必要な情報は早めにいただきたい。
⇒ 都道府県や調査員の負担を軽減するため、
「調査区要図」
のプレプリントを考え
ている。来年の4月ごろに共有できればと考えている。引き続き、都道府県と密
に連携して実査に向け進めて参りたい。
・ 世帯人員が少なくなる一方、世帯数が多くなって実査上の負担は増えるものと考
えるが、しっかりと実査を進めてほしい。
・ 今回の変更案については、特に異論のなかったものと整理する。
(3)前回答申時における「今後の課題」への対応状況
・ 前回部会において、調査方法の変更に関する部分で一括して審議しており、既に
審議済みと整理する。
(4)その他(調査全体を通じた意見)
・ 今回、
「自家用車の有無」や選択肢「ハローワークなどを通じた職業訓練など」等
を削除しているが、調査票を見たとき、スポーツ、趣味・娯楽といった活動内容に
ついては、非常に詳細な調査が行われている一方で、調査対象者の属性事項に関す
る事項が少ないように思う。調査全体の構成を見直すことも検討してはどうか。
⇒ 御意見として承った。
⇒ 今の紙ベースの調査票は、属性事項については2頁と3頁で、活動内容につい
ては4頁と5頁、それ以降は生活時間の使い方を詳細に記載するという形で、見
開きで完結する形で組み立てられている。また、本調査の基本的な目的は、調査
対象者の生活行動を細かく把握するものだが、報告者の趣味嗜好等が多様化して
いる中で、どこまで細かく把握できるかという点で調査実施者は苦労していると
ころと考える。まずは、今回調査を実施してみて、今後必要に応じて検討してい
ただくことかと思う。
⇒ 今回の諮問内容とは別の視点の意見と考えるが、御意見を議事録に残したいと
思う。
・ 今回の変更によって、スマートフォンを使ってオンライン回答する者がいると思
うが、例えば、調査対象日にリアルタイムでオンライン回答した場合、生活時間の
回答の中に「調査に回答」という部分が出てくることになる。それが長時間にわた
ってしまうと、調査結果に影響が生じる可能性があると思うが、対応は考えている
のか。
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⇒ スマートフォン用を含め、電子調査票の開発に当たっては、回答に時間がかか
らないように留意していきたい。
⇒ 調査日の2日間と違う日に回答いただくことが望ましいということを、
「調査
票の記入のしかた」等に書くようにしてはどうか。
⇒ 「調査票の記入のしかた」等での工夫を検討していただきつつ、それでも一定
程度、調査日にリアルタイムで回答する方もいると思うので、回答に時間がかか
らないように電子調査票を開発していただき、調査結果に影響が生じないように
してほしい。
(5)答申(案)の方向性の取りまとめ
・ 答申素案のイ「
(ア)スマートフォン等の情報通信機器による回答方法の導入」の
なお書きのところで、報告者による幅広い利用が見込めない設計になると判断する
場合には、現実的な対応をとることを許容するとの記載があるが、調査結果に重大
な支障が生じる場合についても追記してはどうか。
・ 答申(案)の方向性については、基本的に了解されたものと認識する。今後、12
月24日の統計委員会での部会報告を経て、答申案を整理し、委員の方々に確認をお
願いする。
(以 上)

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