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第 80 回人口・社会統計部会議事録
1 日 時 平成 28 年 12 月 26 日(月)14:00〜16:10
2 場 所 総務省第2庁舎6階特別会議室
3 出席者
【委 員】
白波瀬 佐和子(部会長)
、河井 啓希、嶋﨑 尚子、永瀬 伸子
【専門委員】
伊藤 澄信(独立行政法人国立病院機構総合研究センター長)
【審議協力者】
財務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、東京都、神奈川県
【調査実施者】
厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室:岩崎室長ほか
【事務局(総務省)】統計委員会担当室:吉野政策企画調査官
政策統括官(統計基準担当)付統計審査官室:谷輪統計審査官、佐藤調査官ほか
4 議 題 「医療施設調査及び患者調査の変更について」
5 議事録
しろまる白波瀬部会長 少し早いのですけれども、皆様お揃いでございますので、ただ今から、
第 80 回人口・社会統計部会を開催いたします。
私は、統計委員会委員で、この部会の部会長を務めさせていただきます、東京大学の白
波瀬と申します。よろしくお願いいたします。
委員、専門委員、審議協力者の皆様におかれましては、御出席いただき、ありがとうご
ざいます。
本日は、12 月 16 日に開催されました第 104 回統計委員会において、総務大臣から諮問
された「医療施設調査の変更」及び「患者調査の変更」について審議を行います。
今回、審議をお願いいたします委員及び専門委員等につきましては、お手元の資料6-
1に名簿をお配りしておりますので、御参照ください。本日が第1回目の審議となります
ので、名簿の順に一言、自己紹介をお願いしたいと思います。
なお、松原専門委員は、本日、所用により欠席でございます。
それでは、河井委員から順にお願いいたします。どうぞ。
しろまる河井委員 慶應大学の河井と申します。よろしくお願いいたします。
しろまる嶋﨑委員 早稲田大学の嶋﨑です。よろしくお願いいたします。
しろまる永瀬委員 お茶の水女子大学の永瀬です。よろしくお願いいたします。
しろまる伊藤専門委員 国立病院機構の伊藤です。よろしくどうぞお願いいたします。 -2-しろまる白波瀬部会長 よろしくお願いいたします。
また、審議協力者として、関係府省、東京都及び神奈川県からも御参加いただいており
ますので、座席順に一言、自己紹介をお願いいたします。
それでは、財務省から左回りに、それぞれよろしくお願いいたします。
しろまる田中財務省大臣官房総合政策課調査統計官 財務省の田中です。
よろしくお願いします。
しろまる林文部科学省生涯学習政策局政策課上席生涯学習官 文部科学省の林です。よろしくお
願いいたします。
しろまる粉川農林水産省大臣官房統計部統計企画管理官付調整第2係長 農林水産省の粉川と申
します。よろしくお願いいたします。
しろまる三瀬経済産業省大臣官房調査統計グループ統計企画室係長 経済産業省の三瀬です。ど
うぞよろしくお願いします。
しろまる内田国土交通省総合政策局情報政策課課長補佐 国土交通省、内田です。よろしくお願
いします。
しろまる須賀東京都福祉保健局総務部総務課課長代理 東京都の須賀と申します。どうぞよろし
くお願いいたします。
しろまる鈴木神奈川県保健福祉局保健医療部健康増進課主事 神奈川県の鈴木と申します。よろ
しくお願いいたします。
しろまる白波瀬部会長 よろしくお願いいたします。
では、事務局、調査実施者からも自己紹介をお願いしたいと思います。総務省統計委員
会担当室からお願いいたします。
しろまる吉野総務省統計委員会担当室政策企画調査官 統計委員会担当室の吉野です。よろしく
お願いいたします。
しろまる白波瀬部会長 よろしくお願いいたします。
それでは、政策統括官からお願いいたします。
しろまる谷輪総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 政策統括官付統計審査官の谷輪
と申します。よろしくお願いいたします。
しろまる佐藤総務省政策統括官(統計基準担当)付調査官 政策統括官室の佐藤と申します。よ
ろしくお願いいたします。
しろまる小日向総務省政策統括官(統計基準担当)付副統計審査官 同じく政策統括官室の小日
向と申します。よろしくお願いします。
しろまる小坂総務省政策統括官
(統計基準担当)
付主査 同じく政策統括官室の小坂と申します。
よろしくお願いいたします。
しろまる白波瀬部会長 では、厚生労働省からよろしくお願いします。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 厚生労働省保健統計室の岩崎と申
します。よろしくお願いいたします。
しろまる坂田厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室室長補佐 保健統計室の坂田と申しま
す。よろしくお願いいたします。
しろまる鈴木厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室統計情報調整官 保健統計室の鈴木と -3-申します。よろしくお願いいたします。
しろまる森厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室室長補佐 保健統計室の森です。よろし
くお願いします。
しろまる大村厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室室長補佐 保健統計室の大村と申しま
す。よろしくお願いいたします。
しろまる白波瀬部会長 お願いいたします。
それでは、次に、一言お断りさせていただきたいと思います。
本日の部会は 16 時までを予定しておりますが、審議の状況によりましては、予定時間を
若干過ぎる可能性もあるかと存じます。そのような場合は、既に御予定がある委員、専門
委員等の皆様におかれましては、御自由に御退席いただいて結構です。
続きまして、部会審議の進め方について、事前に皆様の御了承を得ておきたいと思いま
す。
統計法では、基幹統計調査の計画を承認する際の基準が定められており、総務省統計審
議官室がその基準に即して事前に審査した状況や論点などについて整理したものが、資料
4-1及び資料5-1の「審査メモ」として、本部会に示されております。
部会の審議は、基本的に、この審査メモに沿って行いたいと考えておりますので、よろ
しくお願いいたします。
それでは、審議に入る前に、本日の配布資料及び今後の審議スケジュールについて、事
務局からよろしくお願いいたします。
しろまる小日向総務省政策統括官(統計基準担当)付副統計審査官 それでは、議事次第に記載
の配布資料のリストと比較しながら、資料の御確認をお願います。
本日の配布資料につきましては、資料1、資料2として統計委員会諮問資料、資料3と
して統計委員会諮問資料の参考、審議関連資料として、医療施設調査については、資料4
-1として審査メモ、
資料4-2として審査メモで示した論点に対する調査実施者の回答、
また、患者調査につきましては、資料5-1として審査メモ、資料5-2として審査メモ
で示した論点に対する調査実施者の回答、
その他として、
資料6-1で部会構成員の名簿、
資料6-2で部会の開催日程を配布しております。
それから、席上配布資料として、3点お配りしております。1点目は事務局で作成しま
した「医療施設調査及び患者調査の変更に係る審議事項の審議の順番について」という資
料、2点目、3点目としまして、調査実施者で作成しました「病床機能報告制度と地域医
療構想の策定」と「手術名別にみた推計退院患者数の構成割合」という資料をお配りして
おります。
資料の不足等がございましたら、事務局までお申し出ください。よろしいでしょうか。
続きまして、全体の審議スケジュールについてですが、資料6-2を御覧願います。本
件につきましては、本日を含めまして、計2回の部会審議を予定しております。
1回目となります本日の部会では、事務局から諮問の概要について説明した後、審査メ
モに沿って審議を行うこととしております。審査メモについての審議は、基本的に、本日
の部会で一通り終えたいと考えております。 -4-また、
来年1月 27 日に開催予定の統計委員会では、
本日の部会審議の結果を
「中間報告」
として、部会長から統計委員会に御報告いただくこととしております。その際に指摘事項
などがあれば、2月1日に開催予定の2回目の部会で、その指摘事項について審議するこ
ととしております。
2回目の部会では、本日の部会で宿題事項等があった場合、それに対する調査実施者の
回答を踏まえて改めて審議した後、可能であれば、答申案についての審議と取りまとめを
お願いしたいと考えております。
なお、仮に2回の部会で審議が終了しなかった場合は、大変恐縮ではございますが、予
備として設定しております2月 10 日、金曜日になりますが、3回目の部会を開催させてい
ただきますので、御了承願います。
以上の部会審議を経た上で、2月 23 日に開催予定の統計委員会に諮問案をお諮りし、答
申をいただきたいと考えております。
続きまして、本日の部会での審議の進め方としましては、始めに、事務局から、資料4
-1及び資料5-1に沿って、審査メモの審査状況や論点について簡単に説明した後、調
査実施者から、資料4-2及び資料5-2に沿って補足説明や論点に対する回答の説明等
をしていただきます。
それを踏まえまして、
皆様に御審議いただきたいと考えております。
それでは、席上配布資料の事務局で作成しました「医療施設調査及び患者調査の変更に
係る審議事項の審議の順番について」を御覧ください。審議に当たりましては、ある程度
関連する変更事項、両調査に共通する変更事項について、まとめて御審議いただければと
思っております。1から7までの番号を付して審議事項を括っておりますが、基本的には
この括りで御審議いただければと考えております。
事務局からは以上です。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
それでは、審議に入らせていただきます。
まず、総務省統計審査官室から、医療施設調査及び患者調査の調査計画の変更に係る諮
問の概要について、説明をお願いいたします。
しろまる佐藤総務省政策統括官(統計基準担当)付調査官 それでは、資料3を御覧ください。
諮問の概要について、簡潔に説明いたします。
まず、1ページの医療施設調査の概要についてです。今回の変更の中心は、3年周期で
実施する静態調査ですので、これについて説明いたします。静態調査は、平成 29 年 10 月
1日現在で、全国約 18 万の全ての医療施設を対象に実施されます。調査票は、調査施設の
種類ごとにございまして、それぞれ開設者、診療科目、許可病床数などを把握しており、
調査は都道府県、保健所を経由して実施されます。
次に、2ページを御覧ください。本調査の利活用状況を2点整理しております。まず1
点目は、
医療法に基づき、
医療提供体制の確保に関する基本方針を策定する中で、
例えば、
小児科を標ぼうする施設数といったデータが基礎資料として利用されている例です。
3ページを御覧ください。2点目は、都道府県が作成する医療計画との関係で、医療計
画作成指針を策定する中で、本調査から得られる許可病床数が基礎資料として利用されて -5-いる例です。
続きまして、4ページからは、本調査の変更事項について整理しております。まず、調
査事項の変更についてです。1点目は、病院の職種別従事者数について、従来、病院報告
で毎年把握していたところですが、主要な職種につきましては、行政記録情報等で把握可
能なため、
病院報告による把握を中止いたしまして、
本調査での把握に変更するものです。
次に、5ページを御覧ください。変更内容の2点目は、
「9月中の外来患者」の「診療時
間外に受診した患者の延数」等の調査事項について、行政記録情報等により把握可能なた
め、削除することとしております。
3点目は、診療所を対象として「レセプト処理用コンピューターの導入状況」を把握す
る調査事項につきまして、
紙による請求が認められた猶予期限が終了したことから、
また、
診療所における電子レセプトの普及状況を踏まえまして、削除することとしております。
6ページにまいります。調査方法の変更についてです。前々回の平成 23 年調査では、郵
送調査に加え、オンライン調査が病院を対象として実施され、前回の平成 26 年調査では、
更に一般診療所についても試行的に実施されました。今回調査では、全ての医療施設を対
象にオンライン調査を郵送調査と併用して実施することとしております。また、電子調査
票を CD-R 等に記録し郵送提出する方法につきましては、
利用率が1%未満であったことか
ら、廃止することとしております。
次に、7ページを御覧ください。前回、平成 26 年3月の統計委員会の答申において、今
後の課題が付されております。具体的には3点ありまして、1点目が時系列変化の把握に
配慮した調査項目の設定についてです。2点目と3点目は、オンライン調査の推進、本格
導入についてです。いずれも今回の調査では、指摘を踏まえた形で申請されております。
続きまして、8ページを御覧ください。患者調査の概要について説明いたします。本調
査は、3年周期で医療施設調査と一緒に実施されており、調査票によって、10 月中に指定
された1日や、9月1か月間を対象に実施されます。調査対象となる医療施設につきまし
ては、無作為抽出によって選定された、全体で約1万 4000 施設であり、各調査票とも、患
者の性別、出生年月日のほか、入院年月日や紹介の状況など、調査の目的に沿った調査事
項を設定しており、調査は医療施設調査と同様に、都道府県、保健所を経由して実施され
ております。
9ページを御覧ください。本調査の利活用状況を2点整理しております。まず1点目で
すが、
医療計画作成指針の策定に当たって、
本調査結果を基に算出した入院患者の流出率、
流入率が基礎資料として利用されている例です。
10 ページを御覧ください。2点目ですが、平成 28 年度診療報酬改定におきまして、病
院における外来患者の紹介率が基礎資料として利用された例です。
続きまして、11 ページからは、本調査の変更事項について整理しております。まず、調
査事項の変更についてです。1点目は、病院入院(奇数)票などにおいて、
「副傷病名」を
把握する選択肢のうち、
「慢性腎不全(慢性腎臓病)
」について、適切な表記となるよう、
「慢性腎臓病(慢性腎不全等)
」に変更することとしております。
次に、2点目ですが、
「手術の有無」の「手術名」等について、行政記録情報等により一 -6-定の情報が把握可能であることなどから、削除することとしております。
12 ページにまいります。調査方法の変更についてです。前回の平成 26 年調査では、オ
ンライン調査が病院を対象として実施されましたが、今回調査では、全ての医療施設を対
象として郵送調査と併用して実施することとしております。ただし、調査票は患者ごとに
記入するため、電子調査票を CD-R 等に記録し郵送提出する方法につきましては、一定程度
の需要があるため、引き続き実施することとしております。
次に、13 ページを御覧ください。前回、平成 26 年3月の統計委員会の答申におきまし
て、今後の課題として、診療所を対象とする調査へのオンライン調査の導入について指摘
されておりますが、今回の調査では指摘を踏まえた形で申請されております。
説明は以上です。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
詳細な議論につきましては、基本的に、個別事項の審議の中で行いたいと思いますが、
総論的なところで、特にここで発言しておきたいという点がございましたら、どうぞ御発
言をお願いいたします。
よろしいですか。それでは、個別事例のところで、よろしく御議論ください。
これから、
医療施設調査及び患者調査の調査計画の変更内容について、
審議を行います。
限られた時間で効率的に御議論いただくため、審議の進め方としては、席上配布資料の
審議の順番に沿って、関連する変更事項などはまとめて御説明いただき、その後、審議す
るというやり方で進めたいと思います。
それでは、資料4-1の医療施設調査の審査メモを御覧ください。
「1 医療施設調査の変更」についてですが、まずは1ページの「
(1)報告を求める事
項の変更」からです。
今回の変更では、これまで本調査や患者調査から得られた情報が行政記録情報等によっ
て把握可能ということで、一部の調査事項の削除を予定しております。
この関係で、16 日に開催されました統計委員会において、委員から、行政記録情報等の
活用による調査事項の簡素化については異論がないものの、これまで公表してきた結果表
章がなくなることについての一般の統計利用者への影響を懸念する意見もありました。
部会では、このような御意見も踏まえて、審議を進めたいと思います。
それでは、1ページの「ア 診療時間外に受診した患者の延数等の削除」から5ページ
の「ウ 手術等の実施状況の一部削除」までについて、事務局から説明をお願いいたしま
す。
しろまる佐藤総務省政策統括官(統計基準担当)付調査官 まず、医療施設調査の審査メモの1
ページの「ア 診療時間外に受診した患者の延数等の削除」についてです。
今回の変更計画では、
(ア)のとおり、病院票の9月中の外来患者を把握する調査事項の
うち、
「診療時間外に受診した患者の延数」などの事項を削除することとしております。
また、
(イ)のとおり、一般診療所の診療状況を把握する調査事項におきまして、
「9月
中に新たに入院した患者数」などの事項を削除するとともに、
「9月 30 日の在院患者数」
を「9月 30 日 24 時現在の在院患者数」に調査事項名を変更することとしております。 -7-これらのうち、削除する事項につきましては、厚生労働省が保有する行政記録情報等に
より把握可能として削除するものであり、
報告者負担の軽減に資するものであることから、
おおむね適当であると考えますが、削除することにより、利活用の面から支障等が生じな
いかなど、5つの論点を整理しております。
また、
調査事項名の変更につきましては、
より正確な報告に資するものであることから、
適当であると考えます。
次に、審査メモの3ページの「イ 救急医療体制の選択肢の削除等」についでです。
今回の変更計画では、病院票の救急医療体制に係る調査事項について、
「三次(救命救急
センター)
」の選択肢を削除するとともに、これに伴い、
「体制なし」を「初期・二次両方
ともなし」に変更することとしております。
これについては、行政記録情報等により把握可能であることから削除するものであり、
おおむね適当であると考えますが、利活用の面から支障等が生じないかなど、4つの論点
を整理してございます。
また、審査メモ5ページの「ウ 手術等の実施状況の一部削除」についてです。
今回の変更計画では、病院票及び一般診療所票の「手術等の実施状況」を把握する調査
事項のうち、
「全身麻酔(静脈麻酔は除く)」、
「内視鏡下消化管手術」、「悪性腫瘍手術」の
「肺」、「胃」などの部位別の実施件数を削除することとしております。
これについても、行政記録情報等により把握可能であることから削除するものであり、
報告者負担の軽減に資するものであることから、おおむね適当であると考えますが、利活
用の面から支障等が生じないかなど、6つの論点を整理しております。
事務局からの説明は以上です。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
それでは、厚生労働省保健統計室から、論点に対する回答をお願いいたします。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 それでは、保健統計室から回答い
たします。
審査メモの「
(1)報告を求める事項」のアからウの論点についてです。
削除する調査項目につきましては、これまでの利用状況、把握可能と考える行政記録情
報との違い、それから、当該行政記録情報の実際のデータ、利活用上の支障の有無、それ
から、今後の利便性の確保のための方策の以上の5点が、共通の論点として整理されてお
りますので、アとウについては、併せて回答させていただきます。
「ア 診療時間外に受診した患者の延数等の削除」ですが、国や都道府県において、救
急医療提供体制を検討する際に利活用されております。また、ウの手術等の実施状況は、
都道府県が策定する医療計画における入院医療の提供体制の検討の基礎資料として、それ
ぞれ利用されております。
次に、
把握可能と考える行政記録情報の違いでございますが、
2ページの表1及び表2、
それから、4ページの表3、表4に、違いと直近の結果についてお示ししております。最
初に、表1、表3に行政記録情報として載せました社会医療診療行為別統計と病床機能報
告制度について、簡単に説明したいと思います。 -8-社会医療診療行為別統計は、レセプト情報・特定健診等情報データベース、通称、ナシ
ョナルデータベースと申しますが、こちらにあります、診療及び調剤のレセプトの6月審
査分について、詳細な診療行為別に算定された回数を集計しているものです。
また、病床機能報告は、各医療機関が、現在と今後予定する病棟ごとの医療機能につい
て、毎年、都道府県に対して報告するもので、この情報を活用して、都道府県においては、
地域の入院医療提供体制を検討しています。
病床機能報告につきましては、開始された背景も含めて、もう少し詳細に説明させてい
ただきたいと思います。本日、席上に配布いたしました「病床機能報告と地域医療構想の
策定について」の1枚紙を御参照ください。
これまで入院医療は、病棟を、一般病棟と長期の入院を想定した療養病棟の2種類で分
けていました。しかし、一般病棟と言われるものには、急性から慢性まで、様々な症状の
患者がいらっしゃることから、
医療の提供の程度も様々であり、
今後は、
より詳細な機能、
すなわち、高度な急性期なのか、急性期なのか、それとも慢性期なのか、回復期なのか、
そういったもので病棟を分けて、それぞれに適用した医療資源の配置が必要だろうと、そ
うした精緻の医療資源の配置が必要だということから、病床機能報告制度は、平成 26 年よ
り開始されております。この背景といたしましては、下段の方の、なぜ地域医療構想が必
要かというところにも記載しておりますとおり、超高齢化に伴いまして、医療と介護の需
要が増す一方で、これらの医療資源には限りがあります。このため、医療資源の効率的あ
るいは効果的な配置という観点に立ちまして、今までは二次医療圏で物事を把握して良か
ったのですけれども、それをより詳細な病棟単位で把握すべしというところから、医療資
源の配置を精緻に行うこと、すなわち、地域医療構想が必要になったということです。
病床機能報告の調査項目は、このような観点に基づきますので、非常に多岐にわたって
おります。そしてまた、その量も大変多くなっています。このため、記入者である医療機
関には、大きな負担をかけております。加えて、ここ数年の間に、医療機能情報提供制度
など、様々な調査や報告が、医療機関に対して、法律で義務付けられております。今回の
調査計画の企画に際しましては、記入者の負担が非常に大きくなっている中、軽減をどの
ようにできるかということが大きな課題となっておりました。
また、医療施設調査は、全国の全ての医療施設に対して実施する唯一の調査でございま
す。厚生労働省が医療政策を企画・立案し、実行し、評価し、そしてまたやり直す、PDCA
サイクルを回す際にも、最も重要な調査の1つです。このため、基幹統計としての調査項
目の継続性の配慮が必要だということは承知しつつも、社会情勢の変化や医療の進展、そ
の時々の社会的・政策的ニーズに応じた調査項目の設定が必要であるということも、御理
解いただきたいと思います。
また、先ほど説明したとおり、社会的・政策的なニーズから、医療機関に関する様々な
行政記録情報が収集されるようになり、医療施設調査を担う使命そのものが変化しつつあ
ります。平成 29 年の調査の企画においては、改めて、全ての調査項目について、医療施設
調査として継続して取るべき項目なのか、また、政策社会的ニーズに合致しているのか、
それから、医療の進展との乖離がないか、また、記入者に過度な負担をかけていないかと -9-いった観点で改めて見直しました。
今回、削除可能と判断した調査項目は、これまでは主に都道府県において、医療計画の
策定の基礎資料として利用されてきたところですが、現在進められている地域医療構想に
おいては、病棟単位で検討することとなっているため、病床機能報告制度が基礎資料とし
て利用されており、本調査で把握してきた調査項目に対する政策的ニーズは低いと言えま
す。また、削除予定の患者数や手術の件数は、1か月分のカルテやレセプト等から、対象
者となる患者を抽出し、数える必要があります。このため、記入者の負担は大変大きいで
す。加えて、調査項目の幾つかについては、医療の進展に照らしまして、現在では有用性
が低くなっているものもございます。例えば、診療時間外に受診した患者のうち、3歳児
未満の乳幼児患者延数も今回削除の対象としておりますが、小児医療救急体制を検討する
ために、調査していたところですが、このような初期乳児救急、救命救急というのが、小
児医療体制を検討するためには重要な情報になるのですが、そういった情報が本調査には
入っておりませんので、なかなか有用性は低いと言わざるを得ないと思います。また、悪
性新生物の臓器別の手術件数につきましては、がん医療が飛躍的に進歩する中で、手術の
種類も手術以外の外科的な処置も増えておりまして、がんの臓器別の手術件数を確実に捉
えることは非常に難しく、また、このような括りでのデータはあまり有用性がないと言え
るかと思います。
以上、記入者に負担のかかる調査項目である一方で、政策的ニーズや有用性が低いこと
等から、診療時間外に受診した患者の延数等や手術等の実施状況のうち一部の項目につい
ては、今回削除しても利活用上の支障はないと判断したところです。
なお、今後の利便性の確保のための方策としましては、削除予定の情報について、19 ペ
ージの別添1にお示ししたような感じで、結果の掲載場所を御案内することとしておりま
す。
また、3ページ目の審査メモのウの論点の5において、他の調査項目の削除の可能性に
ついて聞かれておりますけれども、5ページの表5に示しておりますとおり、本調査の別
の項目とのクロス集計が必要があるなどの理由から、削除は困難と考えております。
また、審査メモの「イ 救急医療体制の選択肢の削除等」につきましては、21 ページの
別添2のような行政記録情報がございますので、そちらを用いまして、今までどおり、引
き続き集計・公表を行うため、特に問題はないと考えております。
以上、アからウの論点について、回答申し上げます。御審議の方、よろしくお願いしま
す。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。詳しく丁寧に御説明いただきましたが、この
件につきまして、御意見・御質問のある方は、御発言よろしくお願いいたします。
それでは、河井委員、どうぞ。
しろまる河井委員 いいですか。すみません。
どうもありがとうございました。2点ほど質問があるのですが。
まず1つ目は、資料4-2の2ページ目の行政記録情報で補完するということなのです
が、例えば、社会医療診療行為別統計はサンプル調査で、全数調査ではないので、医療施
-10-
設調査の情報を完全に補完することができるとは少し思えないのですが、その辺、どうか
ということ。
それから、病床機能報告については、確かに詳しい情報が出ていて、それで補完できる
という感じはするので、むしろ、こっちの方が有用だという気がしますが。外来に係る情
報がないので、入院外の情報はどうするのか。医療施設調査には入院外の情報もあるが、
病床機能報告にはそれがないので、その辺どうなのかなという少し心配をしております。
もう1つの質問は、先ほど、資料4-2の5ページの調査事項を削除できない理由で御
紹介があったとおり、クロス集計があるものについては削除できないということなのです
が、クロス集計を行っているものについてはこれだけなのか、少し心配しています。他は
多分ないのかもしれませんが、クロス集計に該当すると言いますか、クロス集計のときに
落ちてしまわないのかというのが常に心配で、その点を少し確認したいというのが1つで
す。
もう1つは、目的外使用申請等で、やはり、分析者が、自分の分析目的に従ってクロス
集計したいときがあると思うのですが、そのときには、医療施設調査があれば集計できる
のですけれども、別の行政記録情報を辿って、同じようなクロス集計をする場合、病院の
ID とかでリンクしないと、そういう作業というのは多分できない。分析できないような気
がするのです。そういう目的外使用申請の話まで、ここでして良いのか分からないのです
が、もっと凝った分析をしたいときに、どういう対応になるのかというのが少し心配で質
問させていただきました。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。それでは、3点について、よろしくお願いい
たします。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 御質問ありがとうございます。
1点目の社会医療診療行為別統計ですが、おっしゃるように、以前は実はサンプル調査
でしたが、今は全数調査になっています。
しろまる河井委員 全数なのですか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 はい。5月診療分、つまり、6月
審査分の全数のレセプトを使っていますので、基本的に保健医療機関が行った保険診療に
係るデータは、社会医療診療行為別統計で取れると思っていただいて結構です。
2点目ですが、病床機能報告の外来部分、外来患者の状況という、今回削除する項目が
取れないのではないかという御懸念がございましたが、この2ページ目の表1の項目のと
ころで、診療時間外に受診した患者の延数というのがありまして、それと同じものが病床
機能報告では1年分、一番右側になりますけれども、休日・夜間・時間外に受診した患者
の延べ数ということで取れるような形になっています。
3点目ですが、クロス集計の有無ということでは、まず今回削除する項目については、
確実にクロス集計のないことを確認しています。併せて、利活用状況も我々の見られる限
りで見ておりますが、基本的に、クロス集計等は行っていないものなので、削除しても構
わないだろうと考えています。
それから、4点目にいただきました目的外申請の件ですが、医療機関番号という整理で
-11-
いきますと、おっしゃるように、病床機能報告制度は、医療機関の名称で集計・公表され
ている一方で、我々は医療機関番号という番号で整理しております。実は社会医療診療行
為別統計が同じ医療機関番号を使っておりますので、そこで繋げることは可能だというこ
とで利用していただければと考えています。
しろまる河井委員 補完は可能だということですか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 補完は可能と言うと少し言い過ぎ
かもしれませんが、ただ時点が違うので、それで補完して良いかという議論は、研究者の
先生方にはあるかもしれませんが、少なくとも、我々、行政的には少しニーズが低い部分
がありますので、そういった意味では、このように削除したいと考えております。
しろまる河井委員 ありがとうございます。
しろまる白波瀬部会長 少し目的外利用申請の件は、若干、越境かもしれないですね。
しろまる河井委員 はい。申し訳ありません。
しろまる白波瀬部会長 と言いますか、もちろん、そこは関連しているのですが、同時並行的に
は議論できないかもしれないですね。
他に、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
しろまる河井委員 すみません。1つだけ。
しろまる白波瀬部会長 はい。どうぞ。
しろまる河井委員 削除したことによって、先ほど、リンク先というか、こちらにあるよという
形で情報提供するというお話ですが、それを厚生労働省でドッキングして、今まであった
ような情報を織り込むような形で提供するなどということは大変ですか。
しろまる白波瀬部会長 回答はいかがでしょうか。と言いますか、やはり、かなり次元の違う話
なので、それを現時点で、どうですかと言うのは、理論的には非常に分かることで、キー
番号があれば、我々でも突合できるという感じはするのですが、おそらく作業的にはもう
少し複雑で、それを行って提供してくださいとか、そういうのは少し枠組みが違うかもし
れないなという気が少ししております。
そういう意味では、若干説明としては難しいところもあって、行政記録情報で代替でき
ると言われると、確かに、そのデータが全部流れてきて、同じようなクロスをできるかの
ような期待感があるかもしれないのですが、おそらく、作業としては、今回は少し別枠で
御理解いただいた方がよろしいかなという気がしています。突合の問題については、若干
やはり作業としては違うだろうと思います。
そういう意味で、代替できるのでやめます、というよりも、今日お伺いした説明は、真
に必要な、あるいは行政的にも要求されている情報が、この既存の医療施設調査の質問項
目では、現状でも結構収集するのは、そんなに容易くないのだが、実はあまり使えないと
いう状況が見えてきたというのが、今回の厚生労働省の御説明のような気がします。もち
ろん、行政記録情報とのリンクというのは、もう少し進んだ形で、私も積極的にとは思い
ますが、ただ、ここの枠組みでは、その議論は少し区別をした方が良いかなという気がし
ています。
-12-
それに関して、統計委員会でも、御質問が出ましたよね。
しろまる河井委員 はい。
しろまる白波瀬部会長 ですから、そういう意味で、私も知りたかったのは、既存のところでど
んなクロスがされていたのか。そのクロスをされていたら、そのクロスができなくなるこ
とで弊害がないのかということを知りたかったのですが、今日、御説明を聞いた限りにお
いては、それについては確認をし、問題はないのではないかということだったように思い
ます。
いかがでしょうか。伊藤専門委員、何かありますでしょうか。
しろまる伊藤専門委員 最近は医療の状況が随分変わってきていて、昔の指標ではなかなか評価
しにくくなっている点が1つ。それから、このデータが、やはり3年に1回というのが随
分引っかかっています。入院患者に関しては、例えば、ほぼ急性期をカバーしている DPC
調査のデータが公開されておりますし、NDB が使いやすいか使いにくいかは別にして、診
療報酬についても全数の形でデータが取れるような状況になっていると思っています。
一番大きいのは、やはり、時間の変化と診療行為の変化が大変早いので、昔の指標をそ
のまま使って、その変化を把握するのは難しい。実際、記入する側にしても違和感がある
ので、調査票そのものから全部見直すところから行くのでしょうが、それは、今の DPC 調
査とか、他の診療情報で代替できるということで、このような整理になっていると認識し
ております。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
日進月歩ということで、この点につきまして、御了承いただいたということで進めさせ
ていただきたいと思います。
それでは、続きまして、審査メモの7ページの「エ 分娩を取扱う担当医師数(常勤換
算)及び担当助産師数(常勤換算)の記入欄の桁数の変更」から、13 ページの「キ レセ
プト処理用コンピューターの導入状況の削除」について、事務局から説明をお願いいたし
ます。
しろまる佐藤総務省政策統括官(統計基準担当)付調査官 まず、
「エ 分娩を取扱う担当医師数
(常勤換算)及び担当助産師数(常勤換算)の記入欄の桁数の変更」についてです。
今回の変更計画では、
病院票及び一般診療所票の分娩を取扱う
「担当医師数
(常勤換算)」及び「担当助産師数(常勤換算)
」を把握する調査事項について、記入欄の桁数を4桁から
3桁に変更することとしております。
これについては、実態を踏まえて必要かつ適切な桁数となるよう変更するものであるこ
とから、適当であると考えます。
次に、審査メモの8ページの「オ 歯科設備の保有状況に係る選択肢の追加等」につい
でです。
今回の変更計画では、病院票及び歯科診療所票の「歯科設備の保有状況」を把握する調
査事項について、
「診療用器具の滅菌に使用する機器」の区分を設け、保有する歯科設備の
選択肢として、従来の「オートクレーブ」に加え、新たに「オートクレーブ以外」を追加
することとしております。
-13-
これについては、病院及び歯科診療所の診療機能として、歯科医療における滅菌機器の
保有状況について、より的確なデータの把握が可能となるものであることから、適当であ
ると考えております。
次に、審査メモ 10 ページの「カ 職種別従事者数の新設等」についてです。
従来、病院の職種別「従事者数」につきましては、これまで厚生労働省が別途実施して
おります「病院報告」により毎年調査してきましたが、今回の変更計画では、今後これを
中止し、本調査において3年周期で調査することとしております。
また、これに伴い、従来から本調査で把握していた「病棟に勤務する保育士」に係る調
査事項につきましては、職種別「従事者数」の中に「保育士」として追加し調査すること
としております。
これにつきましては、報告者負担の軽減等に資するものであることから、おおむね適当
であると考えますが、利活用の面から変更に伴う支障等がないかなど、6つの論点を整理
しております。
次に、審査メモ 13 ページの「キ レセプト処理用コンピューターの導入状況の削除」に
ついてです。
今回の変更計画では、一般診療所票及び歯科診療所票の「レセプト処理用コンピュータ
ーの導入状況」に関する調査事項を削除することとしております。
これについては、電子レセプト請求の猶予期限が終了したことなどを踏まえ削除するも
のであり、おおむね適当であると考えますが、削除に至った経緯等の確認など、2つの論
点を整理しております。
事務局からの説明は以上です。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
それでは、厚生労働省保健統計室から、論点に対する回答をお願いいたします。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 それでは、審査メモの「カ 職種
別従事者数の新設等」の論点について、回答申し上げます。
最初に、1点目の病院報告の従事者票の利活用状況ですが、6ページの下段にお示しし
ているように、例えば、看護師の需給バランス、あるいは次のページにありますように、
医師の受給バランスといったものの検討の基礎資料として使われています。
続きまして、2点目の診療所と病院において従事者の把握周期が異なる経緯や理由につ
いてですが、実はかなり古い話で、昭和 48 年に、それまで毎年実施してきた医療施設調査
を、医療施設動態調査と静態調査という形で2つに分割させ、静態調査につきましては、
3年に1回の実施となりました。この際に、病院の従事者だけは、病院報告に移行して、
毎年把握することとしたのですが、最初に申し上げましたとおり、正確な理由までは少し
分かりません。ただ、推測するに、診療所1施設当たりの医師数は、7ページの表6に示
しますとおり、当時も今もおおよそ1名のため、診療所数を把握すれば、医師数もおおよ
そ推測できた。それから、1990 年代までは病院は増加し続けておりました。病院の従事者
は、そういったことから動きが大きかったこともありますので、毎年状況を把握する必要
性があったものと推察します。なお、病院につきましては、90 年代に入りまして、今、減
-14-
少に転じており、医療資源を集約化する流れの中で、単年単位での大きな変化は見込まれ
ないものと考えております。
また、3点目の、主な職種を把握可能な行政記録情報は、8ページの表7に示すとおり
です。2年周期で実施しております医師・歯科医師・薬剤師調査、これを三師調査と言い
ますが、それと衛生行政報告例がありますし、毎年実施しております病床機能報告、それ
から、医療機能情報提供制度があります。それぞれ具体的に把握している職種につきまし
ては、くろまるしろまるを付けております。
続きまして、4点目の、医師や看護師など、主な職種に係る最近のデータについては、
9ページ目の表8ですが、グラフで示しております。左側、医師につきましては、病院報
告と三師調査、医師・歯科医師・薬剤師調査について比較しています。また、看護師につ
きましては、2つの線が重なっていて分かりづらいのですが、病院報告と衛生行政報告例
を例示して挙げております。
御覧のように、医師・歯科医師、この両者ともに、従事者は、数字も変動の傾向もほぼ
同じであることが分かるかと思います。以上のことから、病院の従事者については、本調
査において3年周期で把握しても利活用上の大きな支障は生じないと判断しました。
続きまして、審査メモの「キ レセプト処理用コンピューターの導入状況の削除」につ
いてです。
本調査項目については、
過去3回の本調査の結果と、
電子レセプトの普及状況、
把握を継続しない理由の3点が、論点として整理されています。
まず、過去3回の調査結果は、10 ページ目の表9に示しています。また、電子レセプト
の普及状況は、下段の表 10 及びグラフに示しています。ほぼ電子レセプトの普及率という
のは、
90 数%となっています。
一方で、
レセプト処理用コンピューターの導入状況ですが、
上の方を見ていただきますと、一般診療所では 70.7%から 80%前後で頭打ちの状態です。
こちらにつきましては、既に猶予期間を超過し、また、現在導入していない診療所は、事
業所内の診療所であったり、そもそも診療報酬請求を行わない診療所や、引き続き、高齢
等で紙で請求するであろうという診療所が想定されますので、今後、導入状況が大きく変
化することはないだろうと考えています。
また、
レセプトの電子的な請求状況につきましても、
データも別に公表されているので、
引き続き、本調査において把握する必要性は低いため、削除したいと考えております。
以上です。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
ただ今の説明を踏まえまして、御意見や御質問のある方は、発言をお願いいたします。
いかがでしょうか。丁寧な説明であるがゆえに、情報量もかなり多いので、処理するの
に少し時間が掛かるかもしれないのですが、何か御質問とかありましたら、お願いいたし
ます。
しろまる河井委員 すみません。
しろまる白波瀬部会長 どうぞ。河井委員。
しろまる河井委員 不勉強で少し申し訳ないのですが、例えば、医師の従事者数で、インターン
の医師というのは、どういうカウントになっているのでしょうか。それはカウントしない
-15-
のでしょうか。
しろまる白波瀬部会長 インターン、研修医は非常勤ですか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 基本的に、伊藤専門委員がお詳し
いと思うのですが、おそらく研修医は非常勤医師としてカウントされるものと思います。
しろまる伊藤専門委員 常勤ではなくて、
非常勤医師としてカウントしていると思っております。
しろまる白波瀬部会長 従事していらっしゃるので、従事者に入っております。
しろまる河井委員 従事者には入っているということですね。
しろまる白波瀬部会長 そうですよね。
しろまる伊藤専門委員 研修医も医師も医師免許を保持しているという意味で、医師として特に
区別なくカウントされていると思っています。
しろまる河井委員 ありがとうございます。
しろまる白波瀬部会長 コンピューターの導入状況の推移ということで、少し一般診療所と歯科
診療所というのは動きが若干違うというか、一般診療所は、本当にどちらかというと高齢
化で潰れたりとかということもあるのかなという感じはします。平成 23 年調査結果から
26 年調査結果をみると、数自体が減っていますからね。ただし、歯科診療所については、
意外と若い人が開業なさっていたりというのが見えたりするので、少し医療現場でも違う
のかなと思うのですが、このあたりについては、もう把握しなくても良いかなということ
でしょうか。どうですか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 ありがとうございます。
お気付きのとおり、一般診療所と歯科診療所では、導入の立ち上がりが少し違います。
というのも、歯科診療所の方が遅れて導入が始まっていますので、今まさにぐっと上がっ
ているところで、お見込みのとおり、もうこれくらいで良いかなというのが、率直な我々
の考えです。
しろまる白波瀬部会長 いかがでしょうか。よろしいですか。
しろまる河井委員 1つだけ。電子レセプトにすることによって、オンライン調査とそれ以外の
紙に書いたのでは、傾向が違うとか、そんなことは特にないのでしょうか。ある項目は記
入されないとか、そういうような傾向は特にないのでしょうか。
しろまる白波瀬部会長 今までの調査でということでしょうか。
しろまる河井委員 はい。
しろまる白波瀬部会長 今までの調査で、少しそういう回答状況とかに違いはありましたか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 電子レセプトというか、電子調査
票にすることによってという意味でよろしいですか。
しろまる河井委員 はい。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 未記入率が増えているとか、そう
いったことはほぼ無くて、今までに目立った傾向の違いは認めておりません。
しろまる河井委員 ありがとうございます。
しろまる白波瀬部会長 嶋﨑委員、お願いします。
しろまる嶋﨑委員 とんちんかんなことかもしれないのですが、保育士をここに加えて人数を把
-16-
握するということですが、これは、病棟に勤務する方のお子さんを保育するということで
すか。よく理解しておりませんでしたので。御説明いただければと思います。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 病院によっては、小児科の病棟に
保育士を置いて、いわゆる、就学というか、通園できない子たちの少し保育的な要素をサ
ポートするような体制があるところもあります。そのため、そういったものを把握したい
と考えておりまして、院内保育所の有無というのは、また別途把握しています。
しろまる嶋﨑委員 そういうことですね。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 診療機能の一部としての保育士と
いう形での把握です。
しろまる嶋﨑委員 ありがとうございます。申し訳ありません。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。
それでは、特に問題等ないように思いますので、これらの件については、御了承いただ
いたものとさせていただきます。
それでは、続きまして、患者調査の調査事項について、審議したいと思います。
資料5-1の患者調査の審査メモを御覧ください。よろしいでしょうか。少し資料がた
くさんありますけれども、資料5-1です。
「1 患者調査の変更」についてですが、まずは1ページの「
(1)報告を求める事項の
変更」のうち、
「ア 受療の状況-(1)主傷病名」から6ページの「オ 退院後の行き先」
までについて、事務局から説明をお願いいたします。
しろまる佐藤総務省政策統括官(統計基準担当)付調査官 まず、審査メモ1ページの「ア 受
療の状況-(1)主傷病名」についてです。
今回の変更計画では、病院入院(奇数)票などの調査票の主傷病名を把握する調査事項
につきまして、報告者における適切な記入を促すため、主傷病名の記入例を変更すること
としております。
これにつきましては、報告者におけるより適切な記入を確保する観点から、適当である
と考えます。
次に、審査メモ2ページの「イ 受療の状況-(2)副傷病名」についてです。
今回の変更計画では、病院入院(奇数)票などの調査票の副傷病名を把握する調査事項
について、選択肢のうち、
「慢性腎不全(慢性腎臓病)
」を「慢性腎臓病(慢性腎不全等)」に変更することとしております。
これについては、正確かつ適切な名称となるよう変更するものであり、おおむね適当で
あると考えますが、選択肢の名称変更による調査結果や利活用への影響等の確認など、3
つの論点を整理しております。
次に、審査メモ3ページの「ウ 受療の状況-(7)肝疾患の状況」についてです。
今回の変更計画では、病院退院票及び一般診療所退院票の主傷病名を把握する調査事項
において、主傷病名が「慢性肝炎」、「肝硬変」又は「肝及び肝内胆管の悪性新生物」であ
った場合に、
「肝疾患の状況」を把握する事項を削除することとしています。
これにつきましては、報告者負担の軽減に資するものであることから、おおむね適当で
-17-
あると考えますが、
利活用の面から支障等が生じないか、
3つの論点を整理しております。
次に、審査メモ4ページの「エ 手術の有無-手術名」についてです。
今回の変更計画では、病院退院票及び一般診療所退院票の手術の有無を把握する調査事
項におきまして、手術が「有」の場合に、その「手術名」を把握する事項を削除すること
としております。
これについては、行政記録情報等から、より詳細な情報が把握可能であることなどを踏
まえて削除するものであり、報告者負担の軽減に資するものであることから、おおむね適
当であると考えますが、削除することにより、利活用の面から支障等が生じないかなど、
4つの論点を整理しております。
次に、審査メモ6ページの「オ 退院後の行き先」についてです。
今回の変更計画では、病院退院票の退院後の行き先を把握する調査事項について、退院
後の行き先の市区町村が「入院前の場所」に記入した市区町村と異なる場合のみ、当該市
区町村名を記入する方式に変更し、
「入院前の場所」
に記入した市区町村名と同じ場合は記
入を不要とするための選択肢を新たに設けることとしております。
これにつきましては、報告者負担の軽減に資するものであることから、適当であると考
えます。
事務局からの説明は以上です。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
それでは、厚生労働省保健統計室から、論点に対する回答をお願いいたします。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 それでは、審査メモの「イ 受療
の状況-(2)副傷病名」の論点について回答申し上げます。
本調査項目につきましては、慢性腎臓病と慢性腎不全の医学的な違いについて、表記変
更による継続性・整合性や利活用上の支障の有無などが論点として整理されています。
最初に、慢性腎臓病と慢性腎不全の定義についてです。こちらは1ページ目の下段中ほ
どにありますように、
慢性腎臓病、
慢性腎不全それぞれについて、
定義を示しております。
しかしながら、慢性腎不全の方を見ていただくと分かるかと思うのですが、実は医学的な
定義がなくて、医学事典からの引用としております。慢性腎臓病につきましては、ここ 10
年ほどの間で、早期治療・診断の重要性の認知が急速に進んでおります。国内外で医学的
なガイドラインが策定されるとともに、国においても対策などが検討されておりまして、
政策的にも患者数を把握することが重要となっております。
具体的に、ガイドラインや対策の趣旨につきましては、17 ページ以降の別添2、3、4
に参考資料を付けております。また、WHO や各国の傷病統計においても、慢性腎臓病を把
握することがスタンダードとなっておりますので、国際比較の観点からも、表記の変更が
必要と考えております。
続きまして、調査の継続性・整合性という観点ですが、表記の変更によって、確かに患
者数が増加する可能性はあると考えております。しかしながら、高齢化や診断精度の向上
等による患者数の自然増加の影響も見込まれるため、今回は、生活習慣病等を把握するこ
とを目的とした本調査項目においては、慢性腎臓病の患者数を確実に把握したいと考えて
-18-
おり、表記の変更を行うものです。
なお、定義で述べたとおり、慢性腎不全には医学的に明確な定義がないため、今回提案
がありました慢性腎臓病から、慢性腎不全を抜き出して、選択肢を分割するということは
困難であると判断しました。
続きまして、審査メモの「ウ 受療の状況-(7)肝疾患の状況」の論点について回答
いたします。
本調査項目では、過去2回分の調査結果、肝炎対策における利活用状況、削除すること
による利活用上の支障の有無等の3点が論点として整理されています。
まず最初に、過去2回分の調査結果は、ページ2、3、4に示したとおりです。本調査
結果より、推計入院患者数及び推計外来患者数から算出されます総患者数が、肝炎対策に
おいて患者数の動向の把握に用いられております。こちらは 27 ページの別添6に、肝炎対
策推進協議会の資料として示しております。
まず、少し過去の経緯になるのですが、本調査項目を設定した平成 23 年当時は、肝炎対
策基本法が施行され、まさに肝炎対策を行おうという中で、肝炎ウイルスの感染状況を把
握できるデータが全くありませんでした。このため、まずは、外来・入院・退院票の全て
に当該項目を入れて、
広く基礎データを収集しようという理念の下、
調査しておりました。
しかしながら、
退院患者の感染状況は、
過去2回の調査でおおむね変化がないこと、
また、
入院患者と退院患者では、
基本的に傾向が同じですので、
現在の利活用状況などを加味し、
削除しても利活用上の支障がないと判断したところです。
続きまして、審査メモの「エ 手術の有無-手術名」の論点について回答いたします。
本調査事項につきましては、これまでの利用状況、把握可能と考える行政記録情報との
違い、利活用上の支障等の有無、今後の利便性の確保のための方策の4点について、論点
が整理されております。本調査項目は、平成8年より、術前・術後の平均在院日数を把握
するために取ってきました。これについては、診療報酬改定の基礎資料として活用してい
たところです。把握可能と考える行政記録情報との違いは、4ページ目の表5に示したと
おりです。
また、29 ページの別添7に、ここに載せてあります DPC 調査と社会医療診療行為別統計
におけるデータの流れを示しています。
また、DPC 調査では、31 ページの別添8に示すように、本調査よりもより詳細な術式別
の平均在院日数を毎年、集計・公表しております。加えて、社会医療診療行為別統計にお
きましても、32 ページに示すような詳細な術式別に毎年、集計・公表しております。
このように、本調査よりもより詳細で多くの情報を得ることができるため、診療報酬改
定等の政策的に必要な検討に当たっては、これらの DPC 調査ないし社会医療診療行為別統
計が使われているところです。
加えて、患者調査で使用しているこの術式の区分ですが、現在、医療現場においては一
般的に使用される区分ではないため、記入者の負担の増加はもちろんのこと、また、デー
タの精度の担保も困難となりつつあります。つまり、医療技術の進歩によりまして、手術
の種類も飛躍的に増えました。手術名を見たところで、それが開胸なのか、開腹なのか、
-19-
あるいは、それとも全く違うものなのか、それも一見しては判断がつきづらくなっており
ます。そういった中で、記入者の方では、かなり負担があるとお考えいただければと思い
ます。
また、そういった影響なのかは少し分からないのですが、本日、席上配布いたしました、
「手術名別にみた推計退院患者数の構成割合」という資料を御参照いただければと思いま
す。こちらで下側のグラフなのですが、白抜きの部分がその他、いわゆる、どこにも属さ
ないと記入者が判断したものです。これは、ここに該当しない手術が入っているのか、そ
れとも、その手術名だけでは判断し切れなかったものがその他に入ってしまったのか、そ
の辺の解析というのは少し難しいのですが、このような感じで4割程度がその他に入って
いるということからも、記入者負担のかかる一方で、政策的ニーズ、あるいは有用性が低
いことから、手術の有無のうち、手術名については、本調査から削除しても利活用上の大
きな支障等はないと考えたところです。
以上です。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
ただ今の御説明に対しまして、
御意見・御質問のある方は、
御発言をお願いいたします。
かなり専門的になりますので、伊藤専門委員、少し解説をお願いいたします。
しろまる伊藤専門委員 これは、慢性腎臓病と慢性腎不全の話が一番大きいと思っております。
昔から、
「慢性腎不全(慢性腎臓病)
」というのは何を意味しているのかなと、医者として
思っておりました。慢性腎不全というのは、血液透析する人とか、透析する一歩手前の人
というイメージを持っているので、数字として上がってきているものは、多分、そういう
人たちの数だと思っています。
それに対して、この調査票を御覧いただくと分かると思うのですが、高脂血症とか、高
血圧とか、元々は動脈硬化性疾患のリスクファクターになるようなものを広く副傷病名と
して拾い集めてきているというように見えます。先頃の調査の結果、透析になるような人
ではない、もう少し軽い人でも、そういう動脈硬化を起こすリスクになるということが、
ここ 10 年ぐらい言われてきています。それから、もう1点は、慢性腎臓病の定義が、ここ
に GFR というものが記載してありますが、昔は GFR を計算するのに、尿を採って、血液を
採って、計算をしてと面倒だったのが、最近、簡単に、年齢と血液のクレアチニンだけで
診断するようになってきておりまして、それで見ると、かなり多くの人が、慢性腎臓病、
つまり、CKD になってきています。そういうことが、少なくとも内科の領域では一般的に
なってきているので、これを変えることによって、数字がかなり変わるというのは、十分
予測はつきます。ただ、一方で、今、医療界で必要とされている数字は、この慢性腎臓病
の数字であるということも事実なので、このような形で変更することに関しては、良いの
ではないかと思っています。
しろまる白波瀬部会長 伊藤専門委員に質問いたしますが、そうなりますと、時系列的な変化を
見るときの難しさというのか、
要するに、
カテゴリーそのものというか、
対象そのものが、
以前だと過小評価、
あるいは過大評価されていたものが、
どんどん精緻化されるに伴って、
何の変化なのかということが見づらい場合には、こういう医療統計では、何か注意すべき
-20-
ものはあるのですか。
しろまる伊藤専門委員 これに関しては、担当部局ともさんざんやり取りはしたのですが、数と
しては増える可能性が相当高いと思います。ただ、一方で、慢性腎不全と言われている、
医療上のニーズは、例えば、透析をされている人なら、日本透析医学会というところが、
その数を詳細につかんでいますので、その数で、多分、慢性腎不全に相当する数に関して
は読めるだろうと思います。
しろまる白波瀬部会長 逆に言えば、表章というか、調査結果について、例えば、時系列的変化
も含めて、専門家でない者には少し丁寧に解説していただくということが何か必要な感じ
を少し受けたのですが。
しろまる伊藤専門委員 調査の段階と、調査結果の公表の段階で、何を見ているのかということ
については、今の医学的な意味付けと併せて、十分な説明をする必要は、もちろんあると
思います。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。他に御意見とか御質問はありますでしょうか。
本当に、これは非常に専門領域に入ってしまうのですが、特に追加で御意見などあります
か。
しろまる伊藤専門委員 専門領域というよりは、今後の日本の動脈硬化性疾患、脳卒中とか心筋
梗塞とかを未然に防いでいくための基礎データを、正確に取るということでは意味を持つ
と思っております。逆に、今取られている慢性腎不全に相当する透析の方と、医療を必要
とする状態の人たちを把握することは、別の指標で把握できているので、重複してここで
取らなければいけない理由はないと思います。しかしながら、CKD と言われる、慢性腎臓
病についての正確なデータが今のところないため、このような形で正確に認知し、データ
が取られ、かつ、そういう病気であることが知られることによって、より医療が均てん化
していくということのきっかけにはなり得ると思います。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。変更することに伴う効果というのも、十分に期
待できるということであるようです。
それでは、これらの件につきましては、御了承いただいたということでよろしいでしょ
うか。
はい。ありがとうございます。
それでは、今、御覧いただいています、患者調査の審査メモの7ページの「
(3)報告を
求める期間の変更」について、事務局から説明をお願いいたします。
しろまる佐藤総務省政策統括官(統計基準担当)付調査官 審査メモ7ページの「
(3)報告を求
める期間の変更」についてです。
今回の変更計画では、病院を対象とする調査票のうち、病院(偶数)票の電子調査票に
おいて、電子カルテ等の患者情報や DPC 調査の提出用データに加え、新たにレセプト情報
から調査票にデータを読み込む機能を追加することとしております。
また、これに伴い、新たに電子調査票にデータの読み込みが可能となるレセプト情報の
利用可能時期を踏まえ、都道府県から厚生労働省への調査票の提出期限を約3週間延長し
まして、従来の調査実施年の 12 月中旬から、調査実施翌年の1月上旬に変更することとし
-21-
ております。
これにつきましては、レセプト情報を利用する場合の調査票の作成可能時期を考慮した
ものであり、やむを得ないものと考えますが、報告者負担の軽減及び調査の効率的実施等
の観点から、その有用性や、病院(偶数)票以外の調査票におけるレセプト情報の利用の
余地等についての確認など、4つの論点を整理しております。
説明は以上です。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
それでは、厚生労働省保健統計室から、論点に対する回答をお願いいたします。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 それでは、審査メモ「
(3)報告を
求める期間の変更」の論点について回答いたします。
まずは、論点として整理されております、平成 29 年調査において予定している調査票の
読み込み機能の全容と、前回調査の諮問時にレセプト情報の活用が困難と回答していたに
もかかわらず、今回活用することとした背景について回答いたします。
37 ページの別添 10 のフロー図を御参照ください。図の左側の縦長の絵の中に、医療機
関が保有する情報を入れています。電子カルテの情報以外のその他、DPC 調査データ、レ
セプトデータにつきましては、右側の矢印の方の電子調査票、あるいはオンライン調査票
に組み込むということを、現在、考えています。
今回、既に、その他というものと、DPC 調査については、既に平成 26 年調査から導入し
ていまして、今回、新たに導入しようと思っているのは、一番下のレセプト情報です。具
体的には、39 ページの別添 11 を御参照ください。情報の種類ごとに、調査票の種類や自
動入力される調査項目を整理したものが、この表になります。
一番上が別添 10 のフロー図の電子カルテのすぐ下にあったその他というものです。
その
他の情報というのは、カルテやレセプトから、情報を医療機関において厚生労働省が指定
した様式に入力すれば、自動的に電子調査票に組み込まれるというもので、全ての調査票
に備わった機能です。電子カルテ等から一定の情報を吐き出して、ある様式にはめ込むよ
うな加工ができれば、調査票1枚1枚に記入する手間は省かれるため、一定の負担軽減に
なると考えています。
また、次の中段ですが、DPC 調査につきましては、こちら、病院の退院票に自動入力が
可能となっておりまして、ただし、利用できる病院が、DPC 調査対象病院及び準備病院に
限られること、それから、出産や自賠責などの自費診療の患者については DPC 調査の対象
とならないため、別途作成が必要となるということがデメリットとして挙げられるかと思
います。
なお、この DPC 調査データの組み込みのイメージですが、41 ページに別添 11 の参考1
として、DPC 調査から組み込める部分を網掛け、少し色の濃い部分で示しています。この
退院票の中でも、性別であったり、患者の住所、入院・退院の日、裏側の入院前の場所、
来院時の状況、退院後の行き先、これらの情報につきましては、DPC 調査から組み込めま
す。一方、組み込めない部分は、改めて病院で記載していただくという形になるかと思い
ます。
-22-
最後に、今回、新たに付加する予定のレセプト情報について説明いたします。
レセプト情報は、病院(偶数)票において利用する予定です。具体的には、43 ページの
別添 11 の参考2が病院(偶数)票になります。ただし、前回の諮問時に、レセプト情報は
診療日の情報が含まれないことから、本調査の対象である調査日に受診した者を特定する
ことが困難なため、できませんとお答えしておりました。しかしながら、その後、いろい
ろ精査しましたところ、診療報酬の算定日を受診日とみなしても、大体、代用可能という
ことが分かりましたので、算定日を受診日とみなして活用することといたしました。これ
でもなお、算定日を受診日とみなしても、漏れる患者はいらっしゃいます。また、DPC 調
査と同様に、
出産、
自賠責等の自費診療の患者は含まれないので、
算定日が漏れた患者と、
自費診療の患者につきましては、別途、医療機関で個別に作成が必要になります。
次に、3点目の論点です。前回調査時の病院(偶数)票に係る1病院当たりの最大と最
小の患者数と、レセプトの読み込み機能を付加することによる記入者負担軽減の可能性に
ついてです。
こちらにつきましては、7ページの表6に示しています。前回調査時に、この今お見せ
した属性の一覧表のような病院
(偶数)
票ですが、
1病院において最大で患者数 3,393 名、
最小で1人という形でした。対象となる患者数が多ければ多いほど、レセプト情報から調
査票を作成する方が効率的なので、
対象者の漏れや重複が生じていないかの確認作業など、
新たな負担が生じることがあっても、とはいえ、確認作業は必要なので、どの程度の負担
軽減になるかということは、こちらの方で計算するのは難しいかなと考えております。
続きまして、論点の4点目ですが、前回調査時では、病院(偶数)票以外の調査票では、
1病院当たり最大・最小の患者数はどれくらいだったかということと、それらの調査票へ
のレセプト情報の利活用の可能性、今回、病院(偶数)票だけにレセプト情報を利活用し
ますと申し上げているところですが、他の調査票にも使えないかということの御質問に対
する回答です。
前回調査時の病院(偶数)票以外の1病院当たりの調査票に係る最大・最小患者数は、
ページ7の表7に示すとおりです。病院入院(奇数)票で最大 359 人、それから、病院外
来(奇数)票で 983 人、病院退院票で 2,399 人となっています。最小は、いずれも1人と
いう形です。
レセプト情報のうち今回利用可能な情報が、あくまでも患者の性別や生年月日などの属
性にとどまるため、仮に病院(偶数)票以外の調査票に本機能を盛り込んだところで、記
入者負担が軽減する可能性は少ないだけではなく、逆に、未記入の事項が多い調査票が増
加する可能性が高いため、調査全体の精度を考慮すると、現段階で、他の調査票に対して
レセプト情報を読み込むような機能を入れることは不適切と考えております。
以上です。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
ただ今の説明を踏まえまして、御意見や御質問のある方は、発言をお願いいたします。
永瀬委員、どうぞ。
しろまる永瀬委員 あまり詳しくはないのですが、
このレセプトデータを利用できるというのは、
-23-
大変良いことのように思うわけです。別添 12 でいろいろな項目があるのですが、今回の調
査で読み込みができるようになっても、利用できるのは、結果的には性別でしたか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 そうです。
しろまる永瀬委員 それと生年月日と入院・外来別のみ。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 よろしいですか。
しろまる白波瀬部会長 はい、どうぞ。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 御指摘のとおり、これだけの情報
があるのですが、この患者調査の調査項目と比較すると、いわゆる患者の属性である性別
あるいは生年月日といった情報しか使えないというのが現状です。
しろまる白波瀬部会長 よろしいですか。
しろまる永瀬委員 はい。
しろまる伊藤専門委員 説明しましょうか。
しろまる白波瀬部会長 はい。
しろまる伊藤専門委員 レセプトでは、診療行為を行ったり、治療したりすることに対して、病
名を付けてしまうのですね。例えば、肝機能障害というのは、血液の検査をして、肝機能
の検査をしたりすると、肝機能障害の疑いと付けてしまうので、それをそのまま調査票に
記入すると、肝臓の病気が山のように出てしまったりとか、コレステロールとか中性脂肪
を測っただけで、そういう病名を付けてしまう。そのため、それがそのまま調査票に転記
すると、本当のことが分からないのが一番の問題点です。DPC 調査は最も医療資源を使っ
た病名が固定されているので、そっちは多分、真の病名だろうということで、そのまま使
えますが、レセプト病名はそのままでは少し使いにくいというのが現実と思っていただけ
たら良いかと思います。
しろまる永瀬委員 どうもありがとうございます。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
いかがでしょうか。はい。どうぞ。
しろまる河井委員 すみません。確かに、患者調査の従来の調査項目という観点からするとそう
なのですが、今のようにレセプト情報がリンクして利用できるようになると、もっとリッ
チなデータを使えるのではないかと期待してしまうのですが、そういう方向性での患者調
査の改良というか、変更というような方向性は考えられないのでしょうか。
しろまる白波瀬部会長 いかがですか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 おそらく、委員が夢を見ておられ
るように、我々も、おそらく患者調査の調査票と我々が保有しているナショナルデータベ
ースに搭載されているレセプトの情報を突き合わせられたら、もっとリッチな情報になる
ということだと思います。
しろまる河井委員 はい。そういう夢を持っております。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 現状としては、患者調査の中で、
個人を同定するような情報というのは、入手していません。それは個人情報の扱いもあり
ますし、まだ医療情報の使い方というのが、ナショナルデータベースの中でも、どのよう
-24-
にして他の調査と突合させようかというところを、国として今考えているところなので、
患者調査の中でそういったものを考慮しながらの調査設計というのは、時期尚早だと思い
ます。
一方で、ナショナルデータベースを基に、オープンデータ白書というものが出されてい
まして、その中で、いろいろな詳細な1人1人の個人に関する統計が出ており、伊藤専門
委員は、それは少しとおっしゃるとは思うのですが、そういったものもありますし、そう
いったことも含めて、今後引き続き、患者調査の中で何ができるかというのは注視してい
きたいと思います。先程申し上げましたとおり、今の段階では、少し難しいというところ
は、御承知いただきたいと思います。
しろまる白波瀬部会長 伊藤専門委員、いかがですか。
しろまる伊藤専門委員 先程からお話させていただいているレセプト病名に対して他の手法を使
って、
特定の病名と判断する方法はあります。
具体的には、
治療薬を使っている方などは、
特定の病気を持っていて、継続的に治療されていると考えられますから病名ではなくて、
例えば、治療の側面から、最終的に集計していくと、かなり確からしいデータは出てきま
す。レセプト病名から引っかけるのは、なかなか難しいというのが現状だと思っておりま
す。
ですから、ナショナルデータベースを使っての研究からみますと、治療薬と病名とをリ
ンクさせて、まずは病名でラフに絞り込んで、治療薬がある方であれば病気があるとする
のですけれども、例えば、糖尿病の方で、食事療法をやっているだけの人は、把握するの
は難しい。でも、糖尿病の薬を使っている人とか、インスリンを使っている人が何人ぐら
いいて、この人たちは確かに糖尿病ですよね、ということの把握はできる。こういった乖
離が常にありながら、データを使っていく手法は、開発が進んでいるところだと思ってお
ります。
それに対して、入院患者に関しては、ある程度、確からしいデータとして、DPC 調査の
病名を使った解析も出ていますし、それから、先程から出ている手術に関しては、K コー
ドで引っ張りますので、それで引っ張ると、例えば、雑誌なんかの病院のランキングは、
その K コード、つまり、手術の件数で出していますので、そういう意味で、入院患者に関
しては、ほぼ確実に分かる状況にはなっていて、このような3年に1回の静態調査とか、
動態調査をする必要・意義がなくなってきているかなと思っています。
しろまる白波瀬部会長 少し混乱してきたのですが、どこから見るというか、要するに、入院し
た人から見るのか、病名から見るのか、異なる情報があって、その異なる情報の得手・不
得手があってという、逆に言えば、とても複雑化しているというか、精緻化できるような
基礎知識と基礎能力があれば、ものすごく良いデータだろうが、そうでない人だと、かえ
って混乱させるというような感じを受けます。混乱というか、要するに、こちらから見た
マップと、あちらから見たマップが、必ずしも一致しないというのは、多々あることだと
思うのです。繰り返しですけれども、やはり説明を丁寧にしてもらわないと、素人からす
ると、こっちで言っていることはこうなのにという印象になるような気もします。そうい
う意味で、どこに行くのかなというのが、少し見えにくくなるというか、要するに、実態
-25-
を精緻に把握するという、日進月歩ですので、手術1つについても、今まであまり役に立
たないようなことを聞いていたという事実もあったみたいですし、そこを少なくとも改善
しようというのはあるのですが、それでもいろいろなデータの読み込みがある一方で、そ
れぞれのデータ自体に、完全ではない留意点があるわけではないですか。その留意点を全
体のマップの中で、どのように処理すべきなのかという、何かそういう道案内みたいなも
のは、どうお考えなのでしょうか。
だんだん越境しているかもしれないので、深堀りはしたくないのですが、どこまでが今
できているのか。例えば、別添 11 のこの資料だと、どこまでが分かって、それぞれのデー
タについて、レセプトだと、ここの部分が抜けていますね、DPC 調査データだと自費診療
等の患者は含まれませんよというようなことは、
どのように明記されているのでしょうか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 実は、問題となってくるのは調査
を受けた記入者の方で、こういう認識をきちんと持たないと、きちんと精緻に調査票を埋
められないという問題が起きると思うのですね。なので、今、私どもとして考えているの
は、レセプト情報を使えば、こういう人が抜けます、ああいう人が抜けます、またこうい
う場合がありますということを列記するというか、そういう形で、記入上の注意という形
で整理するつもりです。ただし、これらの情報に関しては、結局、それを含めて、全部埋
められたもので公表しますので、
結果、
利用者の方々には迷惑は掛からない状態というか、
いろいろなレセプトの漏れとか、DPC 調査の漏れはありますという説明をして、むしろ恐
怖心をあおってしまったかもしれないのですが、そういったものは必ずその漏れがあるこ
とを前提に、こういう漏れがあるので、再度確認してくださいねということを記入者であ
る医療機関にお知らせするようなものを何か1つ作って、それをもって調査を実施する予
定としておりますので、最終形としては、こういうものを幾ら使おうが、これまでと同じ
精度で調査が実施できると考えております。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。その現場自体が、特に診療所などは高齢化が進
んでいるという状況がありまして、全てがオンラインで、こういう電子データという読み
込みで効率的にというのには絶対に付いていけないところは、
多分、
医療現場においては、
最後まで残ってくるのではないかと思います。でも、それは残っているということが現状
なので、できるだけ丁寧に、その方々についても対応できるような体制を、もうもちろん
されているとは思うのですが、是非行っていただきたいという希望があります。
しろまる河井委員 先程の診療行為からアイデンティファイするのは難しいというお話なのです
が、例えば、最近の AI とか、迷惑メールを抽出するのにベイズ推定の方法論を使ってピッ
クアップするみたいな、そういう AI 技術の発展みたいなものを通じて、病名を検出するよ
うなアルゴリズムを開発するのは不可能なのでしょうか。こんなことを今聞いても、仕方
がないのかもしれませんが。
しろまる白波瀬部会長 そういうのは多分可能だと思うのですが、この審議の中で1つ外しては
いけないのは、やはり、現場の階層化された電子リテラシーの実態をベースにしながら、
様々な医療の日進月歩の変化を結果として精緻に上げていくということではないかと思う
のですね。ですから、多分、AI 云々という議論については、それはもう夢は膨らむし、多
-26-
分、アルゴリズムでいろいろできるとは思うのですが、多分、議論としては、少し、そこ
ではないところの方が、この審議においては重要かもしれないと思っているのですが。
しろまる伊藤専門委員 少しよろしいでしょうか。
しろまる白波瀬部会長 はい。
しろまる伊藤専門委員 先程の説明で、皆様を混乱させたかなと少し懸念を持っているのが、こ
の DPC 調査のデータとかレセプトデータを使って、今までの調査の代わりになるのかとい
うことと、この DPC 調査とかレセプトの電子データを使って、いかに調査を楽にするのか
というのは、論点が全く分かれていて、そこを誤解してはいけないと思います。DPC 調査
では、いろいろな医療行為が、従来の患者調査よりもより精緻化された形で分かるものが
出てきました。それでも、外来に関しては、未だにそういった手法はないと思っています
ので、いかに外来調査を楽に、医療機関の負担をなくさせるのかということで、現在、こ
のレセプトデータから一部のデータを抽出することで、いちいち打ち込んでいたりする手
間を減らすかということに視点があると思っています。ですから、そのリテラシーがない
方に関しては、従来どおりの方法で御提出いただければ良いだけで、使える人は作業量が
多分、半分か、3分の1ぐらいになるという話かなと思っています。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。
いかがでしょう。よろしいでしょうか。
方向性としては負担軽減を目指すということですので、問題はないかと思います。やは
り、繰り返しですが、現場で丁寧な検証と対応ですね。それと情報共有を含めて、よろし
くお願いしたいと切に希望いたします。検証を含めてです。
それでは、これらの件については、御意見なく御了承いただいたとしてよろしいでしょ
うか。
はい。ありがとうございます。では、御了承いただいたということで進めさせていただ
きます。
それでは、続きまして、医療施設調査及び患者調査の「報告を求めるために用いる方法
の変更」及び「前回答申における今後の課題への対応状況」についてです。
今回の変更では、両調査において、従来の病院を対象とした調査だけでなく、診療所を
対象とした調査においてもオンライン調査を拡大する計画としており、また、このオンラ
イン調査の拡大につきましては、両調査ともに、前回答申における今後の課題として指摘
された事項でもあります。このことから、審議を効率的かつ効果的に進めるため、これら
を併せて審議することにしたいと思います。
該当ページとしましては、医療施設調査については、資料4-1の審査メモ 14 ページの「(2)報告を求めるために用いる方法の変更」と、16 ページの「2 前回答申における
今後の課題」において指摘されております、オンライン調査の推進や本格導入に関する2
点の指摘事項への対応状況のところです。
また、患者調査につきましては、資料5-1の審査メモの7ページの「
(2)報告を求め
るために用いる方法の変更」と、9ページの「2 前回答申における今後の課題」におい
て(2)及び(3)で指摘されている、診療所を対象とするオンライン調査の導入への対
-27-
応状況のところです。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
しろまる佐藤総務省政策統括官
(統計基準担当)
付調査官 始めに、
医療施設調査についてです。
資料4-1の審査メモ 16 ページを御覧いただければと思います。
医療施設調査につきましては、
前々回の平成 23 年調査において初めて病院を対象として、
政府統計共同利用システムを用いたオンライン調査が導入され、
前回の平成 26 年調査では、
更に試行的に一般診療所についても導入したところです。
しかしながら、医療施設調査におけるオンライン調査の推進を図る観点から、審査メモ
の 16 ページのとおり、平成 26 年3月の前回調査における統計委員会答申におきまして、
「今後の課題」
として、
「病院票に係るオンライン調査の利用可能地域の拡大及び利用率の
向上」と「一般診療所票及び歯科診療所票に係るオンライン調査の本格導入の検討」の2
点について指摘されております。
これを踏まえ、今回の変更計画では、少し戻りまして、審査メモ 14 ページの「
(2)報
告を求めるために用いる方法の変更」のところですが、オンライン調査の対象を、従来の
病院に加え、一般診療所及び歯科診療所に拡大することとしております。
もう一度、審査メモ 16 ページを御覧いただきまして、16 ページの下の「3」のところ
以降ですが、前回答申における課題への対応としまして、報告者の利便性の向上、調査の
効率的実施等の観点から、おおむね適当であると考えますが、オンライン調査の円滑な実
施及び更なる推進を図るための取組状況の確認など、4つの論点を整理しております。
また、これに伴いまして、電子調査票を保存した CD-R 等の電磁的記録媒体の郵送による
提出方法につきましては、廃止することとしております。
これにつきましては、今回調査からオンライン調査の対象範囲を拡大し、その利用促進
を図ることとしていることも踏まえ、当該方法による提出が1%未満と利用実態が乏しい
調査票の提出方法を廃止するものであることから、適当であると考えております。
次に、患者調査についてです。資料5-1の9ページを御覧いただければと思います。
患者調査につきましても、前回の平成 26 年調査から、病院を対象とする調査において、
オンライン調査が導入されたところですが、更なる推進を図るため、平成 26 年3月の前回
調査に係る統計委員会答申において、
「今後の課題」としまして、
「診療所を対象とする調
査に係るオンライン調査の導入の検討」について指摘されております。
これを踏まえまして、今回の変更計画では、また少し戻っていただきまして、審査メモ
7ページですが、その「
(2)報告を求めるために用いる方法の変更」のとおり、病院を対
象とする調査票と同様、一般診療所及び歯科診療所を対象とする調査においても、従来か
らの郵送調査と併用し、政府共同利用システムを用いたオンライン調査を導入することと
しております。
これにつきましても、9ページの下の「3」のところですが、医療施設調査と同様、前
回答申における課題への対応として、報告者の利便性の向上、調査の効率的実施等の観点
から、おおむね適当であると考えますが、オンライン調査の円滑な実施及び更なる推進を
図るための取組状況の確認など、4つの論点を整理しております。
-28-
事務局からの説明は以上です。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
それでは、厚生労働省保健統計室から、論点に対する回答をお願いいたします。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 それでは、報告を求めるために用
いる方法の変更と、前回答申における課題への対応について、回答申し上げます。
医療施設調査においては、前回の答申におきまして、病院票に係るオンライン調査の利
用可能地域の拡大及び利用率の向上、それから、一般診療所及び歯科診療所に対するオン
ライン調査の本格導入の検討が、今後の課題として付されております。また、患者調査で
も同様に、診療所におけるオンライン調査の導入の検討が今後の課題となっております。
ここでは、両調査につきまして、利用状況から把握された課題、それを受けて実施する
予定の取組について、全体的な整理をしながら、論点に回答していきたいと考えておりま
す。従いまして、別添の資料で説明させていただきますので、まず、医療施設調査の方の
27 ページの平成 29 年医療施設静態調査オンライン調査の推進に係る検討状況ということ
で、別添6の資料を御覧ください。
まず、1枚おめくりいただきまして、オンライン調査の利用実績です。先程、事務局か
ら御説明がありましたとおり、
オンライン調査を医療施設につきましては平成 23 年から導
入しています。医療機関がオンライン調査を利用するためには、まず都道府県が導入し、
更にその都道府県の管下の保健所が導入し、その上で、その保健所の管下の医療施設がよ
うやく利用できるという2段階になっています。このため、導入している都道府県管内の
保健所を導入可能な保健所とここでは呼んでおりますが、導入可能な保健所の導入率が、
どの程度伸びたかということを、まず一番上に記載しています。前々回の平成 23 年調査で
は 77.3%だったところ、前回の平成 26 年調査では 81.3%と拡大しています。また、利用
可能な病院も、先程申し上げましたとおり、2段階、すなわち、保健所まで導入している
もの、その管下の病院の中でオンラインで回答した率です。平成 23 年調査では 17%だっ
たところ、平成 26 年調査では 31%に上昇しています。回答方法の状況等々は、下のグラ
フを御参照ください。
続きまして、29 ページのオンライン調査の施行的実施の実績について説明申し上げます。
前回調査では、病院票については引き続き実施しましたが、一般診療所については、可能
な範囲でオンライン調査の試行的実施をするということで、43 都道府県の 285 保健所が試
行的に導入し、管下の5万 6822 施設中、5,439 施設が利用いたしました。この率をパーセ
ンテージで申し上げますと、オンライン回答率は 9.6%です。
続きまして、オンライン調査の推進に係る課題の実態把握ということで、30 ページを御
覧ください。オンライン調査の推進に当たりまして、どんな課題があるのかといったこと
を把握するために、前回調査時にアンケートやヒアリングを実施しております。その一覧
がこちらの表になっています。
1つ目は、診療所に対するアンケートです。こちら、試行的に実施したオンライン調査
によらず、紙で調査票を提出した診療所に対して実施しておりまして、インターネットを
使用できるパソコンの有無とか、希望する調査方法を把握しています。
-29-
2つ目の調査ですが、経由機関についてアンケートを取っています。こちらは全ての経
由機関に対して、メールで添付した形でのアンケートを取っています。
3点目としましては、実際の経由機関及び医療機関に赴いて聞き取り調査を行うヒアリ
ングを行っております。これら3点が具体的に実施したものであり、それぞれ1つずつ結
果を御説明します。31 ページ目を御覧ください。まず、1つ目の紙で提出した診療所への
アンケートの結果です。紙で提出した診療所のうち、インターネットを使用できるパソコ
ンがないと答えた一般診療所は 18.5%、歯科診療所は 29.6%でした。また、引き続き紙の
調査票による調査を希望する診療所は、全体の6割で、その最も大きい理由が、パソコン
がない、それから、高齢のため、あとは、紙の方が楽といった人的な理由や、紙の利点を
挙げる理由が最も多くありました。
続きまして、32 ページ目です。経由機関のアンケートの結果です。経由機関のアンケー
トですから、全体と記載してあるのは、試行的に導入した経由機関以外というか、病院に
導入しているもの、それから試行的に導入した全ての経由機関に対してのアンケート結果
です。オンライン調査を導入した感想として、業務負担が増えたと答えた県・市、市は保
健所設置市ですが、40.4%、保健所は 20.1%でした。業務負担が増えたと感じた具体的な
内容は、県・市・保健所ともに、課室管理者等の事前の利用者設定、これはオンライン調
査を使うに当たって、この課室管理者を事前に設定しなければいけないのですが、それが
最も多かったという結果がありました。また、保健所で導入しなかった理由は、提出方法
が複数で事務が煩雑になるからというのが最も多く、前回の調査のときに、紙、CD-R、オ
ンラインの3つの種類があるというのは、かなり負担になっているということが、このア
ンケート結果から分かりました。また、コールセンターについてどうかという要望などを
聞いたところ、まず、開設期間が短いという意見がありました。あるいは、元々、コール
センターというのは医療機関を対象にして、医療機関から何か質問があれば答えますよと
いう趣旨で設けていたのですが、経由機関からの問合せにも是非答えてもらいたいという
要望もありました。
また、
その開設期間が、
調査の締切り少し前に設定しているのですが、
やはり、調査ぎりぎりまで対応している医療機関があり、それでは少し短いという意見が
ありました。
続きまして、33 ページ目ですが、一般診療所票にオンライン調査を試行的に導入した経
由機関に聞いた意見を抽出しております。導入した感想として、病院と一般診療所両方に
導入した保健所は、病院のみに導入した保健所と比較しても、業務負担の増減に大きな差
はなく、診療所も病院も両方導入したからといって、負担が2倍になるということではな
いということが分かりました。
また、
今後希望する抽出方法としては、
経由機関としては、
病院と一般診療所両方に導入した保健所では「紙とオンライン」と答えたのが最も多くて、
「オンラインのみ」は、病院のみ導入した保健所よりも割合が高かったという結果が出ま
した。
次に、実際に赴いてヒアリングを行った結果が、34 ページになります。大きな意見は一
番上の四角の中に入っているのですが、オンライン調査を利用した医療施設の感想は、お
おむね好評でした。また、利用しなかった医療機関では、例えば、院内の事務処理上、紙
-30-
の決裁が必要だったりとか、
そういうことで、
調査票は紙が必要という意見があったので、
これはある意味、発見というか、我々は少し想定していなかった理由でした。それから、
経由機関は、導入した方が良いとの意見もあったのですが、3年に1度の調査で不慣れな
ため、経由機関担当者の利用者設定も、毎年調査を行っていれば、ずっと引き継がれてい
くのですが、3年に1度のため、利用者を設定するのが、情報として散逸してしまい、3
年前の担当者に聞くしかないといった状況が生まれて、非常に大変だったという意見が聞
かれました。また、医療施設からも、コールセンターがあるにもかかわらず、オンライン
に関する照会があり、少し大変だったという意見がありました。
医療施設からの主な意見と、
経由機関からの主な意見は、
1番と2番に記載しています。
経由機関からのマイナスな意見というか問題点なのですが、基本的には、オンラインの設
定はすごく難しい、あるいは面倒だったという意見が多くありました。また、提出方法に
ついては、CD-R の提出は少ないから必要ないといった意見もありました。それから、提出
方法が煩雑になればなるほど、受付に手間がかかるので、この点は少し配慮してほしいと
いう意見もありました。
それから、オンライン調査については、オンラインのメリットをもっと積極的に周知し
てほしいという意見もあり、このような、潜在的というか、普及活動も必要なのだという
ことが、これらのヒアリングやアンケートからも分かったところです。
それでは、35 ページ目にお移りください。平成 23 年、26 年、29 年と、これまでやって
きたこと、それから、今後やりたいと思っていることをまとめたものが、こちらの表にな
ります。オンラインにつきましては、平成 23 年から病院で実施しておりますが、その際、
最初から始めているものとしては、ホームページによる利用促進、あるいは、オンライン
調査票への動態調査項目のプレプリント、これは静態調査と動態調査と2つ、医療施設に
ついては行っておりますので、動態調査で既に把握しているものについては、最初から静
態調査の調査票にプレプリントするという対応をしています。
その具体的なイメージが湧くようにということで、46 ページに参考4として、プレプリ
ントの例が載っています。ここに更に、実は、所要労働時間とか、非常勤の1週間分の勤
務時間を入力すると、自動で常勤換算ができるような機能も、この電子調査票には付与さ
れていまして、それについては、平成 26 年調査の実施時から付与した機能です。
また、49 ページの参考7ですが、これが今、私どもで作っているオンライン調査システ
ムのリーフレットですが、49 ページの別添6、参考7ですが、少し字が多いのと、あまり
使ってみようかなという気にならない。
少し言葉が悪いですが、
そういうところもあって、
今回、平成 29 年調査での措置予定としては、分かりやすいリーフレットとなるよう改善し
たいと思っています。もっとキャッチーな言葉を使うのか、こんなに便利だよということ
を、もう少しきちんと説明できるようなリーフレットに改良したいと考えています。
それから、先程のヒアリングやアンケートでありましたように、コールセンターの設置
期間が短いというところでは、設置期間を延長したいと思っています。それは、別添6の
参考資料5で、
コールセンターの拡充ということで1枚紙を付けています。
右の下の方に、
今回の予定として、8月の上旬から中旬までに、新規に設置する予定としていますが、こ
-31-
れは、経由機関への対応ということで、この期間に設置する。それから、10 月 31 日まで
というのは、前回は期間外だった部分で、左側の問合せ内容別件数をグラフ化しておりま
すが、実は期間外なのですが、コールセンターに電話が来て、一応、対応してもらった部
分なので、ここもきちんと対応するために、期間を延長するという措置を今回取りたいと
思っています。
それから、医療施設基本ファイルとの照合用審査ツールの配布ということで、こちら、
次のページの参考資料6に、審査ツールを作るという形で、今回考えています。やはり、
経由機関にとってのメリットがないと、経由機関も導入するインセンティブが湧きません
ので、
いかに審査が楽になるかということを念頭に置きまして、
今回、
審査ツールを作り、
配布する予定としています。元々は都道府県で管理しております、医療施設台帳と、提出
された医療施設調査の調査票を突合させることによって、漏れがないかといったことが確
認できるような形になっております。
また、CD-R による郵送提出の廃止というのは、先程ありました、経由機関での業務の煩
雑さの解消のために、今回、このような措置を取りたいと考えています。
医療施設調査の今回のオンライン推進に係る検討状況は以上です。
続きまして、患者調査につきましても同様に、参考資料で説明させていただきたいと思
っています。
53 ページを御参照ください。
「平成 29 年患者調査 オンライン調査の推進に係る検討状
況」という別添 15 の資料で説明申し上げます。
1枚おめくりいただきまして、54 ページです。患者調査につきましては、平成 26 年調
査から、病院につきましてオンライン調査を導入しておりますので、導入状況とか回答率
は、単年の状況になっています。導入可能な保健所の導入率は 78.1%、利用可能な病院の
オンライン回答率は 19.5%となっています。また、他の回答方法の状況は、真ん中にござ
いますように、実は、医療施設調査と違いまして、患者調査の方は CD-R も一定程度のニー
ズがあるといった状態です。
続きまして、今回、患者調査も医療施設調査と同様に、アンケートとヒアリングを行っ
ていますので、説明いたします。
2枚おめくりいただきまして、56 ページの経由機関アンケートの結果について説明いた
します。導入した感想として、業務負担が増えたと答えた県・市は 20.4%、保健所は 15%
でした。業務負担が増えたと感じた具体的な内容は、県・市・保健所ともに、医療施設調
査と同じで、課室管理者の事前の利用者設定が最も多かったです。また、保健所で導入し
なかった理由は、
提出方法が複数で事務が煩雑になるからが最も多かったです。
それから、
コールセンターについても、全く医療施設調査と同じような要望が寄せられている状況で
す。
それから、医療施設に対するアンケートです。こちらは、医療施設調査と少し違うので
すが、実は、紙の調査票による提出状況が、非常に一般診療所は高くなってます。一般診
療所はまだ導入していないので、普通に紙で提出している。今後利用したい提出方法を、
病院・一般診療所・歯科診療所それぞれに聞いてみたところ、病院は、オンラインが 50%
-32-
近くが今度利用してみたいなと思っているのですが、一方で、一般診療所は、相変わらず
80%、90%弱、歯科診療所においては 92%以上が、引き続き、紙を使いたいと言っていま
す。その理由は、聞いてみると、記入しやすいというのが最も多かったです。医療施設調
査は施設で1枚の調査票であるのに対して、患者調査というのは、患者1人につき1枚ず
つ調査票を作るということを考えますと、やはり、オンラインでやるよりも、紙の調査票
に書く方が、診療所では楽なのかなというのが、この結果から分かります。
また、58 ページにヒアリングの結果として記載しています。医療施設調査と同様に、オ
ンライン調査を導入した医療施設からの感想としては、おおむね好評でした。オンライン
調査の手引きの掲載内容が多かったというのは、
これは、
医療施設調査と一緒なのですが、
オンライン調査の手引きは少し分かりづらいという意見がありました。それから、経由機
関から、オンライン調査システムの初期設定は大変だったが、設定してしまえば、調査票
の審査や管理がないから、負担が軽減されたとの意見もありました。このようなプラスマ
イナスの意見が、患者調査にはあります。
経由機関の主な意見として、やはり、医療施設からの意見で申し上げましたとおり、オ
ンライン調査システムそのものの設定が大変ということがありました。このため、オンラ
イン調査の推進のために、59 ページで今後の対応を記載しております。基本的には、医療
施設調査と同じく、コールセンターの設置期間の延長や、オンライン調査を推奨するリー
フレットの配布、こちらはまだ実は行っていないので、患者調査についても行っていこう
と考えています。それから、今の調査の手引きや、作成の手引きを分かりやすくしようと
いうのが、今回の変更点です。それから、それ以外に、例えば、先程説明しましたが、レ
セプトデータを読み込む機能を追加するなど、医療施設においても、直接オンラインでは
ないのですが、電子調査票を使うメリットを打ち出していこうと考えています。
以上が、患者調査のオンライン調査の推進のための取組でございます。
しろまる白波瀬部会長 よろしいですか。ありがとうございます。
丁寧に説明していただきましたが、これらの件について、説明を踏まえまして、御意見・
御質問のある方は、発言をよろしくお願いいたします。
しろまる河井委員 それでは。
しろまる白波瀬部会長 河井委員。
しろまる河井委員 何もないので質問します。
ありがとうございました。これは、オンラインでも紙でも同じなのですが、経由機関で
ある保健所では、提出されたり記入されたりした調査票に不備がないかとか、あるいは理
論的におかしいとか、齟齬がないかというようなチェックですね。フィードバックという
か、そういったものというのは、適宜行うわけですか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 フィードバックというか、一義的
には、医療施設で電子調査票を記載するときに、電子調査票上でエラーチェックはできる
ようになっています。ただし、余りエラーチェックがきついと、もう書くのが嫌になって
しまうので、そこはほどほどにエラーチェックをかけていると御理解いただければと思い
ます。
-33-
それが経由機関に行きましたら、経由機関で持っている情報との突合をしますので、そ
こで何か違うことがあれば、経由機関のところで、医療機関とのやりとりは生まれます。
さらに、うちに上がってきた後で、調査票に不備があったら、保健所を経由して、医療
機関にフィードバックして、埋めていただくような作業をしておりまして、実は、医療施
設調査については、特に医療施設の基本情報ですので、漏れがあると困るというところも
あって、1回調査をした後、もう1回、都道府県に対して照会をかけるのですが、全く同
じ調査を2回するぐらいの負担をかけて、事務負担の中で行っている。都道府県にも非常
に負担をかけているという状況ですので、
そういった形で、
皆様に御協力いただきながら、
調査の項目をきちんと埋めていくという作業を行っているところです。
しろまる河井委員 それは、紙の調査票も同じですか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 はい、もちろんです。
しろまる河井委員 それは、情報を共有して、2段階で行うのではなくて、常に同じデータベー
スにアクセスできるようにしておいてという簡素化はできないのですか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 この調査の経由としては、都道府
県で取りまとめて、それを厚生労働省の方に提出するというスキームですので、2段階と
いうやり方をしておりますが、一度こちらに上げたら、都道府県からは、もう見られない
ような、
共有という形はできないので、
やはり、
うちの方で見たもので不備があるものを、
そのまま返すという手間は取らざるを得ないというところです。
しろまる河井委員 そういうチェックは、安心と言えば安心なのですが。
しろまる白波瀬部会長 何か、やはり、そこのところがすごく煩雑な感じがします。それは経由
機関に、多分、少し見えにくい御負担がすごく掛かっているのではないかというか、その
辺りの作業をできるだけ標準化できるようになると、とてもよいのではないですか。今、
河井委員もおっしゃいましたが、一方向ではなくて、経由機関でも、ここで完成させてし
まうような形にするとか、経由機関との連携のところでの改善というお話はありますか。
そういう議論までは行っていないですか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 そこまでの検討には至っていませ
ん。これは、このオンライン調査システムそのものの作りにも、もしかすると関係するか
もしれません。少なくとも、このオンライン調査システム上では、一方通行での情報の伝
達しかできません。
しろまる白波瀬部会長 できないということですか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 想定していません。データベース
上に、クラウドなりで、皆がそこに行って見られるとかというのは、少なくとも、この今
のシステム上では無い以上、我々も少し対応は難しい。今のところ、考えていなかったと
ころもありますので、今後検討したいと思います。
しろまる白波瀬部会長 嶋﨑委員、どうぞ。
しろまる嶋﨑委員 丁寧なアンケートやヒアリングをしていただいて、興味深く拝見いたしまし
た。一般診療所等々も、今後利用したいところがあるものの、紙の調査票の継続を希望す
るところが多いということですが、ヒアリングなどの感触で、担当者の方の個人的なスキ
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ルに依存して、そこが変われば、飛躍的に変わるとか、そういう印象を持っていらっしゃ
いますか。今後オンラインに変わるときに、担当者が交代することで、状況が一転するよ
うな印象を持っていらっしゃるのか否か、少しその辺りの感触を教えていただければと思
います。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 すみません。前回のヒアリング自
体を直接担当していないので、私の個人的な印象ということになりますが、おそらくそう
なるのだろうと思うところは、例えば、医療機関で、1つのツールとして、電子カルテか
ら一定程度情報が引き出せれば、それを調査票様式に読み込むというツールがあるという
説明をしたと思うのですが、それを 100%利用している病院も確かにあります。そういう
ことに強い方がいらっしゃると、やはり影響は大きい。診療所も今、かなり電子カルテが
進んでいますので、そういうリテラシーというものに親和性の高い方が担当になれば、よ
り電子調査票の方がやはり楽だよねとなって、
そちらの方に移行できるかと思うのですが、
一般診療所にとっては、調査票全体の枚数を考えても、あまりメリットがあるかどうかと
いうところは、やはり依然残る部分かとは思います。ただし、病院は、かなり進んでいく
と思いますし、今回、ヒアリングに行った病院も、これはすごいなと思うぐらい、医療事
務の方がものすごく長けていらっしゃって、全部埋まっちゃうのかと、我々が想定してい
た以上に埋まっている感じだったので、やはりそこは担当する個々人の資質に依存する部
分はあるかと思います。
しろまる嶋﨑委員 ありがとうございます。そうすると、逆に、今オンラインを使っているとこ
ろが、また紙に戻るというようなこともあり得ると考えてよろしいですか。一旦、オンラ
インになれば、そのままということでしょうか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 おそらく1回オンライン化した病
院では、そのやり方みたいなものが、ずっと続いていくと思いますし、医事の方というの
は、比較的、人が動かないというか、病院の中でもあまり動かないので、このまま継続し
ていくのではないかと思っています。また、電子カルテシステムによっては、患者調査用
データの吐き出し機能をオプションで付けているようなところもあって、そういう少し商
業的ではありますが、そういったメリットを付けて商品を売り出しているところもあるの
で、今後また、もう少しオンラインの導入は、病院に関しては上がっていくのではないか
と考えております。
しろまる嶋﨑委員 ありがとうございます。
しろまる白波瀬部会長 いかがですか。よろしいですか。
今の感じを見ると、方向性としては、もうどこへ行くかというのは決まっていて、やは
り過渡期の問題というようには、すごく感じました。異なるツールでの、例えば、情報の
正確さみたいなのも、オンラインだから間違えたらとまってしまうということが、かえっ
て情報自体の正確性を落とすという側面もないでもないので、そういう意味では、少し丁
寧に検証を、ものすごく丁寧に行われているので、御負担になるのはどうかと思うのです
が、少し継続的にしていただけると大変よろしいかと思います。
よろしいでしょうか。永瀬委員、どうぞ。
-35-
しろまる永瀬委員 これを見ますと、病院によっては、最大の患者数で 3,400 とか、これは、病
院(偶数)票ですよね。それから、病院入院(奇数)票でも最大で 360 とか、病院外来(奇
数)票で 1,000 ぐらい。そして、病院退院票で 2,400 もあるので、病院に行くと、大体、
全てのデータがコンピューターに入っているので、どうして利用できないのかとむしろ不
思議な感じがしますが、にもかかわらず、一般診療所は当然として、多数の病院も、それ
ほど利用が高くないというのが今回の調査結果ですよね。なので、病院のデータベースと
こちらとのやりとりに親和性がないというか、何か、やりにくさがあるのかもしれないな
と思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
しろまる白波瀬部会長 いかがですか。
しろまる岩崎厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室長 病院については、患者調査のこと
を永瀬委員は御指摘いただいたと思うのですが。まさに始めたばかりなので、まだそのメ
リットが浸透していない部分が、まず1点あるかと思います。
病院の持っている医療情報との親和性という点で申し上げますと、電子カルテ情報とい
うのは、電子カルテのベンダーがいっぱいある中で、やはりそれを統一的に使うというの
がなかなか難しい。今回は、その中でも、苦肉の策として、レセプトとか DPC 調査とか、
一定程度、間違いなく様式が定まっていて、それはみんな持っているというデータに関し
て利用しようというのが、今回の方策の趣旨です。将来的には、電子カルテが、一定程度
の統一的な基準で、同じような情報が必ずある、データの吐き出し方の形式も一緒ですと
なれば、それを利用した、もっと簡単なやり方があるかとは思うのですが、現状では、病
院が保有する医療データの中で、限定した使い方になっているので、まだ、担当者個々の
資質に頼らざるを得ないというのが現状です。
しろまる白波瀬部会長 まだ始めたばかりですからね。これから、進んでいくのだと思います。
いずれにしても、ガラパゴス化というのは、初期のところでは、どこでも起こりまして。
それから市場が開放されて、いかにビジネス展開していくかということも含めて、世の中
は変わっていくのだと思います。この件につきましては、御了解ということでよろしいで
しょうか。
ありがとうございました。もう予定した時間を過ぎておりますので、本日の議論はここ
までとさせていただきたいと思います。基本的に、大変丁寧な説明と様々な資料をいただ
いておりますので、
現時点で新たな資料を御提出いただくということは、
本日の審議では、
無かったかもしれません。今後の課題のところで、少し、本日の議論としての過渡期的な
ケアをどのようにするかというのが、次の議論にも引き続いたところで、少し内容的には
残ったかなと感じております。
何度も言いますけれども、基本的に、行くべき方向は決まっているので、うまく現場の
方と一緒に進んでいただければと思います。
それでは、本日の議論は、ここまでとさせていただきます。
次回の部会につきまして、事務局から連絡をお願いいたします。
しろまる小日向総務省政策統括官
(統計基準担当)
付副統計審査官 次回の部会につきましては、
来年2月1日の 10 時から、本日と同じこの会議室で開催いたします。次回は、本日審議に
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至らなかった残りの論点について審議した後、可能であれば、答申案について御審議いた
だきたいと考えております。
答申案につきましては、本日の部会審議の結果を踏まえまして、部会長の御指示を仰ぎ
つつ、事務局にて作成いたします。作成した答申案につきましては、委員、専門委員等の
皆様に、事前にメールでお送りしたいと考えておりますので、あらかじめ内容を御確認い
ただければと思います。
それから、本日の部会でお配りした資料につきましては、次回の部会においても審議資
料として利用いたしますので、忘れずにお持ちいただきますようお願いいたします。
なお、委員及び専門委員の皆様におかれましては、もし、お荷物になるようでございま
したら、本日の配布資料について、席上に置いたまま御退出いただければ、事務局におい
て保管の上、次回部会において席上に御用意いたします。
事務局からは以上です。
しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
本日の部会の議事概要につきましては、後日、事務局からメールにて照会させていただ
きますので、
御確認をよろしくお願いいたします。
おそらく、
年が明けてからと思います。
それでは、
以上をもちまして、
本日の部会を終了いたします。
ありがとうございました。
御苦労様でした。

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