地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果(概要)I 自治行政局公務員部
1 時間外勤務の時間数(平成27年度) 2 時間外勤務が多い職員の数(平成27年度)
■しかく調査目的:地方公務員のワークライフバランスの推進等に資するための基礎資料を
得る
■しかく対象団体:都道府県、政令指定都市、
県庁所在市(政令指定都市を除く。東京都にあっては新宿区)
■しかく対象職員:知事部局・市区長部局の一般職に属する任期の定めのない常勤職員
(管理職を除く)
■しかく対象年度:平成26年度及び平成27年度
(参考)国家公務員 233時間(平成27年・年間。本府省363時間、それ以外206時間)
民間労働者 154時間(所定外労働時間。平成27年・年間・30人以上事業所)
(2)時間外勤務時間が最も多い団体の当該時間数
■しかく本庁、出先機関等 23時間/月 276時間/年
■しかく本庁 31時間/月 372時間/年
(3)時間外勤務時間が多い月
■しかく対象団体の3類型いずれも、全体(本庁、出先機関等)として、4月及び
3月に多くなっている。(4月15.4時間、3月15.7時間)
時間/月 時間/年
26年度比
増減(%)
全体 13.2 158.4 0.1
都道府県 12.5 150.0 ▲さんかく0.2
政令指定都市 14.5 174.0 0.3
県庁所在市 13.3 159.6 0.4
本庁 18.3 219.6 0.2
都道府県 18.6 223.2 ▲さんかく0.1
政令指定都市 19.5 234.0 0.0
県庁所在市 16.5 198.0 0.6
出先機関等 9.9 118.8 ▲さんかく0.1
都道府県 8.8 105.6 ▲さんかく0.3
政令指定都市 12.0 144.0 0.5
県庁所在市 9.8 117.6 ▲さんかく0.1
(1)全体状況1調査対象
延べ人数
(年間)
60時間超 60時間超
80時間以下
80時間超
全体 4,770,644 131,936[2.8%] 81,138[1.7%] 50,798[1.1%]
都道府県 2,510,417 63,073[2.5%] 39,285[1.6%] 23,788[0.9%]
政令指定都市 1,591,928 48,577[3.1%] 30,163[1.9%] 18,414[1.2%]
県庁所在市 668,299 20,286[3.0%] 11,690[1.7%] 8,596[1.3 %]
本庁 1,778,199 95,397[5.4%] 56,212[3.2%] 39,185[2.2%]
都道府県 931,880 49,551[5.3%] 29,376[3.1%] 20,175[2.2%]
政令指定都市 526,636 30,520[5.8%] 18,183[3.5%] 12,337[2.3%]
県庁所在市 319,683 15,326[4.8%] 8,653[2.7%] 6,673[2.1%]
出先機関等 2,992,455 36,539[1.2%] 24,926[0.8%] 11,613[0.4%]
都道府県 1,578,537 13,522[0.9%] 9,909[0.6%] 3,613[0.2%]
政令指定都市 1,065,292 18,057[1.7%] 11,980[1.1%] 6,077[0.6%]
県庁所在市 348,616 4,960[1.4%] 3,037[0.9%] 1,923[0.5%]
(1)全体状況
(注1)「調査対象延べ人数(年間)」は、毎月の職員数を12か月分合算したもの
(注2)[ ]内の数字は、「調査対象延べ人数(年間)」に占める割合
(注3)60時間超:時間外勤務手当の割増対象となる時間(125/100→150/100)
80時間超:労災認定基準(厚労省通知)において、業務と脳・心臓疾患の関連性が強いと
評価できるとされている時間
(参考)国家公務員 7.1%(本府省職員に占める超過勤務が年間720時間超の職員の割合)
(2) 60時間超の職員数が最も多い団体の当該職員数の割合
■しかく本庁、出先機関等: 9.2%
■しかく本庁 : 16.0%
地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果(概要)II 自治行政局公務員部
3 勤務時間管理の状況 4 時間外勤務縮減の取組2(1)出退勤時間の把握方法
団体数
タイムカード、
ICカード等の
客観的な記録
任命権者から
の現場確認
職員からの
申告※(注記)
全体 99[100] 25[25] 30[30] 44[44]
都道府県 47[100] 7[15] 18[38] 22[47]
政令指定都市 20[100] 9[45] 5[25] 6[30]
県庁所在市 32[100] 9[28] 7[22] 16[50]
(注)[ ]内の数字は、各類型の団体数に対する各把握方法を選択した団体数の割合
(2)時間外勤務命令の方法
■しかくすべての調査対象団体において、事前に上司に申請を行い、時間外
勤務命令を受けることとしている。
※(注記)「職員からの申告」による場合の申告の方法
団体数 システムへの入力 紙媒体への記載
全体 99[100] 24[55] 20[45]
都道府県 47[100] 13[59] 9[41]
政令指定都市 20[100] 2[33] 4[66]
県庁所在市 32[100] 9[56] 7[44]
(1)「ゆう活」の効果
(2)「ゆう活」以外の取組
■しかく「「ゆう活」による時間外勤務縮減の効果の有無」について回答のあった
60団体のうち、43団体(約70%)が「効果あり」と回答
■しかく「時間外勤務縮減に向けて実施した取組(「ゆう活」以外)の有無」
について回答のあった99団体のうち、94団体(約95%)が「取組あ
り」と回答
※(注記)取組例は次頁以降に記載
「効果あり」の具体例
●くろまる時間外勤務が、対前年同月比で約15%減少した。
●くろまる「ゆう活」実施職員の定時退庁率が約95%となった。
●くろまる「ゆう活」実施職員の時間外勤務実施率が、その他の職員の約1/8であった。
●くろまるワークライフバランスの実現への意識が高まった。
●くろまる時間内に仕事を終えるという意識が高まり、業務の効率が上がった。
●くろまる確実にメリットの方が大きく、短期間であっても効果が得られることが分かった。
「効果なし」とした理由の例
●くろまる台風等の災害への対応が必要であった。
●くろまる全国規模のイベントや国政選挙等により、業務量が増加した。
●くろまる「ゆう活」実施者が少数であり、効果があるとまでは認められなかった。
●くろまる窓口業務等には一定の人数を配置する必要があり、「ゆう活」の運用は困難。
地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果(概要)III 自治行政局公務員部
(参考)時間外勤務縮減の取組事例13■しかく主な取組
<業務の見直し、効率化等>
●くろまる廃止・削減、負担の偏りの解消、時期的な平準化、アウトソーシングなど
●くろまる一定時刻(午後4時など)以降の会議、打合せ、業務指示の原則禁止
●くろまる会議の効率化(所要時間の設定・厳守、出席者を最低限にするなど)
●くろまる資料作成の効率化(事前の方向性確認、過剰品質としないなど)
●くろまる朝夕のミーティング等において業務状況を把握、時間外勤務予定等を確認
●くろまる繁忙な部課への応援体制の構築
●くろまる時間外勤務縮減に関する会議、対策チームの設置
●くろまる時間外勤務の要因の把握
<意識啓発等>
●くろまる時間外勤務の事前命令、事後確認の徹底を指導
●くろまる部署ごとの時間外勤務の実績を幹部会議に報告、庁内共有
●くろまる管理職による「イクボス宣言」の実施
●くろまる首長や幹部からのメッセージを職員のPCや庁内イントラネットに表示
●くろまる年休等の取得を呼びかけ(特にGW・夏期等における連続取得など)
●くろまる定時退庁日等における庁内放送、庁内巡回(人事課、部局長等幹部)
●くろまる研修の実施
<定時退庁日、縮減目標の設定等>
●くろまる定時退庁日、ノー残業デー等の設定
●くろまる集中取組期間の設定(夏期など)
●くろまる時間外勤務の上限や縮減目標を設定(部局、所属ごとなど)
●くろまる一定時刻以降の時間外勤務の原則禁止
<勤務時間・休暇制度の活用>
●くろまる業務の態様・状況に応じた勤務時間の割振り(早出・遅出、フレックスなど)
●くろまる代休、週休日の振替の活用
<是正措置等>
●くろまる時間外勤務が多い所属長に対し、ヒアリングや業務縮減・分担見直しの指導
を実施、是正対策の提出を義務付け
●くろまる時間外勤務が多い職員に対し、ヒアリング・指導を実施
地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果(概要)IV 自治行政局公務員部
(参考)時間外勤務縮減の取組事例24■しかく特色のある取組、工夫している取組の例
<業務の見直し、効率化等>
●くろまる「所属長による時間外勤務縮減検証シート」により所属長が担当ごとの状況
を把握し、職員間の業務を平準化
●くろまる所属長がすべての部下職員が退庁するまで在籍し、勤務実態を自ら確認。
その結果を分析し、分担見直し、協力体制づくりなどの対応策を講じる。
●くろまる職層別のアクションを設定し、管理職を中心に職場ぐるみで実施
1部長・所属長が自身の目標と具体的取組を明記した「時短宣言」の掲示
2所属長が全職員の退庁を確認した後に退庁する「時短デー」の設定
3「資料3ない運動」の推進(作らせすぎない、複雑にしすぎない、手戻りさ
せない
●くろまる経営責任職による業務の緊急度・優先度の明確化及び業務量自体の縮減
●くろまる所属長の判断によりグループ編成の随時組替えが可能
●くろまる所属長と所属職員が双方の立場から職場環境点検(職場環境の現状を
振り返り、改善を図るもの)を行うとともに、優良所属を表彰
●くろまる仕事スリムアッププロジェクト(業務改善の提案募集、紹介)
●くろまる集中タイムの設定、集中スペースの活用
●くろまる下位職への権限委譲
●くろまる働き方の見直しの「モデル職場」を5所属設定し、コンサルタント会社による
コンサルタントを実施
●くろまるしごと効率化のための取組を実施(会議開催ルール、照会ルール、資料作
成の簡略化・効率化、相互配慮時間の推奨、日々の業務の効率化・見直し)<意識啓発等>
●くろまる幹部職員のイクボス研修等
●くろまる管理職に対し「時間外勤務削減にかかる事項」を業績目標として設定するこ
とを義務付け、給与等に反映
●くろまる時間外勤務縮減への取組を人事評価で積極的に評価
●くろまる改善活動等の表彰制度に「ワーク・ライフ・マネジメント部門賞」を設定
<定時退庁日、縮減目標の設定等>
●くろまる「20時完全退庁」(一定時刻に一斉消灯等)、「残業削減マラソン」
(モデル部署の指定、取組の展開等)
●くろまるノー残業マンス(本庁舎:毎年7月、8月 区役所:任意の2カ月間)
の実施
●くろまる水曜日は18時、それ以外の日は20時に本庁舎を自動消灯
●くろまる部局目標を設定し、達成状況を部局長枠予算に反映
●くろまる各職員がパソコンをログアウトした時間を各所属に毎日配信