第72回人口・社会統計部会議事録
1 日 時 平成28年10月17日(月)10:00〜12:00
2 場 所 総務省第2庁舎6階特別会議室
3 出席者
【委 員】
白波瀬 佐和子(部会長)、嶋﨑 尚子、永瀬 伸子、河井 啓希
【専 門 委 員 】
重川 純子(埼玉大学教育学部教授)
【審議協力者】
財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、日本銀行、
東京都、神奈川県
【調査実施者】
総務省統計局統計調査部消費統計課:阿向課長、佐藤調査官ほか
【事務局(総務省)】
横山大臣官房審議官
統計委員会担当室:山澤室長、吉野政策企画調査官
政策統括官(統計基準担当)付統計審査官室:澤村統計審査官、内山国際統計企画官ほか4 議 題 家計調査の変更について
5 議事録
○しろまる白波瀬部会長 定刻より若干早いのですけれども、御予定の諸委員の方々、席にお着き
になりましたので、ただ今から第72回人口・社会統計部会を開催いたします。委員、専門
委員、審議協力者の皆様におかれては御出席いただきありがとうございます。この部会の
部会長を務めます東京大学の白波瀬でございます。よろしくお願いいたします。本日の審
議案件は、
10月11日の第102回統計委員会において総務大臣から諮問された家計調査の変更
についてです。
部会の構成につきましては、お手元の資料参考1にまとめております。本日御欠席の方
もいらっしゃいますけれども、この部会の恒常的なメンバーでいらっしゃる嶋﨑委員と永
瀬委員のほかに、今回の審議では河井委員、関根委員にも特別に、御専門の立場から参加
していただきますので御承知おきください。また、本調査審議のための専門委員として一
橋大学の神林先生、埼玉大学の重川先生にも参加していただいております。本日は神林先
生、所用で御欠席なのですけれども、埼玉大学の重川先生、一言よろしくお願いいたしま2す。
○しろまる重川専門委員 おはようございます。重川でございます。家庭経済とか生活経営を専門
にしております。よろしくお願いいたします。
○しろまる白波瀬部会長 よろしくお願いいたします。では皆様よろしくお願いします。本日は関
根委員は御欠席、永瀬委員は遅れて御出席、重川専門委員は早目に御退席の予定になって
おります。なお各省の審議協力者や事務局の出席者一覧については、資料番号は付してお
りませんけれども、お手元にお配りしておりますので御参照ください。時間の関係上、お
一人ずつ自己紹介という形ではしませんけれども、御意見等ある場合には御所属とお名前
を述べて、よろしくお願いいたします。
審議に入る前に、本日の配布資料や今後の審議スケジュールについて、事務局から説明
をお願いいたします。
○しろまる加藤総務省政策統括官(統計基準担当)付企業統計体系整備専門職 本日の配布資料で
すけれども、資料1としまして統計委員会諮問資料の一式です。資料2としまして、今回
申請されました家計調査の変更に関する審査状況と、調査実施部局に投げかけている論点
をまとめました審査メモがございます。資料3としまして、審査メモで示した論点に対す
る回答となる総務省統計局説明資料がございます。そのほか、参考1で部会構成員名簿、
参考2で部会の開催日程をお配りしています。また、資料番号は付しておりませんけれど
も、議事次第のすぐ後ろに、10月11日の統計委員会で諮問した際、委員の皆様から示され
た意見の要旨を1枚付けております。資料に過不足がございましたら事務局にお申し出を
お願いいたします。
続きまして審議のスケジュールですけれども、参考2を御覧ください。今回の諮問につ
いては論点が多岐に渡りますので、部会長とも御相談の結果、本日を含め計4回の部会審
議を予定しております。ただ、もし4回で終了しなかった場合には、大変恐縮でございま
すが予備日としまして12月19日、月曜日に第5回目の部会を予定しておりますので御了承
願います。
その上で平成29年1月の統計委員会にて答申をいただければと考えております。
事務局からは以上です。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。審議に先立ちまして、私から2点ほどお断り
をしておきます。1点目は、本日の部会は正午までを予定しておりますけれども、予定時
間を若干過ぎる場合もあるかと存じます。そのような場合には、御予定がある委員、専門
委員等におかれましては御退席いただいて結構ですのでよろしくお願いいたします。
2点目は部会審議の進め方についてですけれども、事務局から審査メモに沿って審査の
状況を説明してもらった後、そこで示された論点について調査実施者から回答していただ
き、その回答について皆様で審議を行う形で進めていきたいと思いますのでよろしくお願
いいたします。
それでは審議に入ります。まず事務局から諮問の概要について説明をお願いします。ま
た、諮問時の統計委員会において委員の方々から意見が示されておりますので、そちらに
ついても併せて事務局から紹介していただきます。
○しろまる澤村総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 それでは事務局から説明させて3いただきます。資料1のダブルクリップを外していただいて、その後ろに付いております
資料1の参考「諮問第95号の概要」という横判の資料に基づきまして説明させていただき
ます。
1ページの、まず調査の概要でございます。詳細は省略させていただきますが、この家
計調査では2人以上の世帯は半年間、単身世帯は3か月間にわたりまして家計簿形式の調
査票を半月ごとに、さらに調査事項欄にございます年間収入調査票及び貯蓄等調査票を調
査期間中に1回記入し、それぞれを統計調査員、都道府県を経由しまして国に提出してい
ただくことになっております。
また調査方法欄の2にございますように、調査対象世帯の詳細な情報を統計調査員が調
査対象世帯から聞き取って作成します世帯票と、当初抽出された世帯が調査に応じていた
だけなかった場合、その世帯の概要を聞き取って作成する準調査世帯票を含めまして、計
5種類の調査票で調査が実施されております。
2ページの主な利活用状況は省略して3ページに入らせていただきます。変更の内容の
説明をさせていただく前に、今回の変更申請の端緒ともなっております、今年の3月まで
行われておりました未諮問基幹統計に係る施行状況審議の結果、本委員会で取りまとめら
れた改善の方向性を簡単に確認させていただきたいと思っております。
このフォローアップ審議では、家計調査の改善にとどまらず、密接な関係にございます
一般統計の家計消費状況調査の改善でありますとか、一番下にございますようにビッグデ
ータの活用を含めた新指標の開発等、多岐に渡る検討の方向性が示されておりまして、こ
のうち新指標の開発につきましては、高市総務大臣の下で研究会を立ち上げ、現在議論が
行われているところでございます。また家計調査自体の改善に関しましては、集計・情報
提供等可能な部分からその充実を図るとともに、残された課題につきましても順次取組を
進めていると聞いてございます。
今回の変更は一番上の「記入しやすい調査票の検討」と、上から3番目にございます「オ
ンライン回答の実現」を中心とするものでございます。委員会から示されました検討の方
向性のうち、一定の結論が得られたことにつきまして変更申請が行われました。いわば改
善に向けた諮問審議の第1段階とも位置付けられるかと思っております。
4ページ以降で具体的な内容を説明いたします。今回の申請では、先ほど申しましたよ
うな5種類の調査票のうち、調査対象世帯が記入・提出する家計簿と、統計調査員が記入
する世帯票及び準調査世帯票の3種類の調査票について変更を計画しております。
4ページにございますように、まず家計簿についてでございます。1点目は「口座振替
による支払」についてでございます。現在もこの部分につきましては家計簿に一定の項目
がプレプリントされておりますが、そのプレプリント項目を再編することによって請求書
等からの転記がしやすい内容に変更する計画でございます。また2番目としまして、近年
の消費行動を踏まえてクレジット払いの有無欄を設ける計画でございます。
次に「口座への入金」でございます。現在の家計簿では入金は現金が基本となっている
ため、給与の口座振り込みについては現金で入金があったものとして、それを口座に移す
という非常に複雑な記入が必要となっております。そこで給与の支払、振込通知等から簡4単に転記ができるよう、また世帯主のみならず世帯員についても収入をより的確に把握で
きるよう、口座入金に関する記載ページを新設する計画でございます。
次にクレジットカード等による購入でございます。近年はクレジットカードに加え、電
子マネー等による購入が増加しております。
このため現在のクレジットカード、
掛け買い、
月賦による購入をクレジット、電子マネーなど現金以外での購入という形に変更するとと
もに、電子マネー等、その種別をチェックしていただく欄を追加する計画でございます。
さらに、従来は家計簿に1日当たり1ページずつ記載していただくのが基本になっており
まして、その上下に現金によるものとクレジットカード購入等について、それぞれ記入す
ることとなっておりましたが、これをそれぞれ1ページに分割いたしまして、記入欄も増
やし、見開きの2ページで1日分の現金と、それ以外の支出をレシート等から転記してい
ただく計画でございます。
以上のように、今回の家計簿に関する変更はかなり大規模な変更となりますので、内容
資料の一番下、米印にございますように、新様式の家計簿を家計簿Aとし、従来の家計簿
を家計簿Bといたしまして、平成30年1月から1年間は両家計簿を調査世帯の半分ずつに
それぞれ使用することによりまして、家計簿の変更に伴う調査結果の断層の発生を抑制す
る措置を講じた上で、平成31年1月から家計簿Aを全面的に導入する計画となっておりま
す。
次は世帯票の変更でございます。世帯票は、先ほど申しましたように世帯から就労の状
況とか世帯員の状況、住居の状況、更には主な収入等を聞き取りまして、調査員が記入し
提出するものでございます。家計簿の記入内容に係る審査とか詳細な集計・分析等にこの
項目が使われていると認識しております。
一方で、新旧等で後ほど詳しく説明いたしますが、現在の様式はかなり詳細な調査事項
となっております。調査員、調査対象世帯双方にとって負担が重いということで、現在の
社会経済情勢の変化を踏まえまして、就業者、学校種別の変更、区分の統合等を行うとと
もに、必要性が乏しくなったと考えられる副業の勤め先、家賃、地代等に関する項目を削
除するなど、負担の軽減を図る計画でございます。
2番目としまして調査方法の変更、オンライン調査の導入でございます。本調査では平
成30年1月以降、現行の家計簿Bを除く全ての調査票につきましてHTML形式の電子調
査票を導入いたしまして、
調査対象となり、
その中で希望される世帯ではパソコンのほか、
スマートフォンやタブレット端末による報告も選択することが可能となる計画でございま
す。
ちなみにオンライン報告を希望される方は、配布されたアドレス、パスワード等を使用
し、専用のウエブサイトに接続した上で家計簿等を作成・提出することになりますが、新
様式の家計簿Aにつきましては、スマートフォンやタブレット端末にございます機能を活
用いたしまして、レシートを読み取って家計簿作成の記入補助に利用することも可能とす
る計画でございます。ただし一部、レシートをそのまま使うのではなくて補記が必要な部
分がございますので、
あくまでこの部分については記入の補助的手段となってございます。
また、調査員が作成する世帯票、準調査世帯票に関しましては、調査員にタブレット端末5を配布いたしまして、聞き取ったものを直接入力し、提出する計画になってございます。
なお本委員会の、先ほど御紹介したフォローアップ審議においては、レシート読み取り機
能、家計分析機能等を有した専用アプリの開発をという指摘もいただいているところでご
ざいますが、現在、順次システムの開発や予算確保を進めているところでございまして、
開発が完了した段階で導入が行われると聞いてございます。
次は抽出区分の変更、概要資料6ページでございます。家計簿では平成11年7月調査か
ら農林漁家世帯、
つまり世帯人に農林漁業の就業者がいる世帯も調査対象としております。
このため、図の左側にございますように、調査対象世帯の抽出に当たっては、単位区内の
世帯をまず農林漁家世帯と非農林漁家世帯に区分した上で、さらに非農林漁家世帯を勤労
者世帯及び勤労者以外の世帯に区分し、各世帯区分の世帯数に比例して抽出し、その上で
調査対象世帯数を配分する方法が採用されてございます。しかしながら、近年母集団とな
っております5000万強の世帯のうち、農林漁家世帯は113万世帯、全体の2%強にとどまっ
ておりまして、その割合は減少する一方でございます。一方で、無職世帯に係る調査結果
が近年非常に注目を浴びているところでございます。このため、図の左側にございますよ
うに、農林漁家世帯の区分を廃止し、勤労者世帯、無職世帯及びその他世帯の3区分によ
る抽出に変更する計画でございます。ちなみに農林漁家世帯はそのままその他世帯に移行
するということで、調査対象から全く除外するものではございません。併せて、先ほど5
ページで世帯票の調査事項を説明いたしましたが、関連する部分についても変更する計画
でございます。
4、集計事項でございますが、以上のような抽出区分の変更に伴いまして、2人以上の
非農林漁家世帯に係る表章を廃止するなどの措置を講じるとともに、利用ニーズ等を勘案
しまして所要の見直しを行うことにより、集計業務を効率的に実施し、結果の早期提供、
正確な提供を増進して参る計画となっております。
以上が変更内容の主なポイントでございます。最後に7ページが想定される論点でござ
います。
以上説明しましたように、今回の変更は結果の利活用という面から見ても、近年にない
大幅な変更になっております。その変更内容が委員会が示された改善の方向性に沿ったも
のとなっているのか、つまり本来の趣旨であった正確性の確保、報告者及び統計調査員等
の負担軽減にどのような効果があるのかなどについて御審議いただきたいと考えておりま
す。併せまして、委員会で示されました今回の改善に関わらない他の改善の方向性に関し
ましても、その進捗状況を御確認の上、幅広く御審議いただくことにより、家計調査の更
なる改善に向けた御意見を頂戴したいとも考えてございます。調査計画の変更の概要の説
明は以上でございます。
続きまして、
先ほど御紹介にありました10月11日に開催されました102回統計委員会で示
された御意見でございます。出席者一覧等の次にございますので、お手元に御準備くださ
い。
これはあくまで一番下の注書きに記載してございますように、正式な議事概要等は現在
別途作成中でございます。ここに記載している内容については、本日の部会審議に資する6ため、便宜的に事務局で作成したものでございます。
まず第1点ですが、今回の家計調査の変更は非常に重要な変更であるということで、特
に家計簿の様式変更により回答内容に影響があり得るという指摘でございます。それを受
けまして部会ではどのような影響が出るのかについて分かりやすく審議してほしいという
指摘でございます。また、負担軽減という観点だと思いますが、報告者・統計調査員が回
答しやすい調査票になるように審議していただくとともに、変更がどのような実態を踏ま
え、どのような考え方に基づくものなのかについても分かりやすく整理してほしいという
指摘でございます。正に報告者視点に立って、報告者の目から見て審議を行っていただき
たいという御趣旨だと思います。
2番目としまして、抽出区分の変更自体に異論はないが、先ほど申しました非農林漁家
世帯等の変更による集計事項への影響、また今回充実しようとしています無職世帯の集計
について、更なる充実を図る余地がないかについて確認してほしいという意見でございま
す。これに関連しまして、無職世帯の結果について抽出区分の前後で時系列比較はどのよ
うな影響を受けるのかという指摘もございました。
また、他の観点としまして、ポイント利用、会員割引等で購入した場合の家計簿への記
入ということも含め、今回しっかりと整理・検討してもらいたいという指摘、それから大
規模な変更につきまして、この変更の基になっている試験調査の実施期間や調査対象数は
どのようなものになっているのか、つまりエビデンスに基づきしっかりとその辺りを確認
してほしいという意見かと思います。
最後になりますが、先ほど申しましたように、今回の変更事項ではございませんが、現
在、総務大臣主宰の研究会が開かれております。その内容とも密接に関係するので、その
研究会と連携を図り、部会審議にもその情報を提供してもらうようにしていただきたいと
いうまとめがございました。私からの説明、報告は以上でございます。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。続きまして調査実施者であります総務省から
諮問の内容について補足説明があればお願いいたします。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 家計調査の実施を担当してございます総務
省統計調査部消費統計課でございます。本日より部会の御審議を頂戴いたします。先生方
におかれましてはどうぞよろしくお願いしたいと思います。
家計調査、大変多くの利用をいただいてございまして、このため長年あまり調査の内容
を変えてこなかったわけでございますが、昨年度の施行状況の審議を踏まえまして、私ど
も、高市総務大臣のリーダーシップの下、新しい家計調査、消費統計の中興を目指しまし
て精力的に取り組んでいきたいと考えているところでございます。是非先生方からの御指
導と後押しを頂戴できればと思ってございます。よろしくお願いいたします。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。それでは先ほど
事務局の審査官からも説明がありましたけれども、今回の諮問は論点がかなり多岐にわた
ります。環境的にも、いい意味でも悪い意味でもいろいろな議論が展開されるのではない
かと予想するわけですけれども、個別事項の審議に入ります前に、私から今回の議論を進
めるに当たっての方針について、審査官の説明と若干重なる形になるかもしれませんけれ7ども、お話をさせていただきたいと思います。
時代とともに変化いたします家計消費の状況を正確かつ効率的に把握するためには、今
まで継続されてきた家計調査について更なる見直しが必要であるということは、もう既に
皆様御承知のことであります。特に新たに利用可能となったデータの活用を模索すること
も重要ではあります。また、データを収集する際に、家計調査に当たりましては特に報告
者負担をできるだけ小さくして、多様化する消費行動についていかに漏れのないように、
マクロの状況として正確な状況が把握できるようにということがこの度の大きなポイント
であることは言うまでもありません。その際には、世帯や年齢・地域に関する属性への配
慮も必要だということになります。
このような背景事情を受けまして統計委員会が行った昨年度の統計法施行状況審議にお
きましては、家計調査及び家計消費全般について、諮問概要の3ページに示されておりま
すとおり、様々な視点からの方向性が指摘されているところでございます。そこで、ここ
に示された様々な事項は、家計調査のみならず家計消費全般に関する今後の改善方針をあ
る程度網羅した、いわばベンチマークになるのではないかと考えております。そこで本部
会におきましても、これら指摘事項について網羅的かつ積極的に確認をしていきたいと思
います。
ここで若干整理なのですけれども、法施行型の審議会ということでございますので、今
回審議する直接的な対象は質問項目の変更に関する妥当性、あるいはそこにおける問題と
いうことでの議論が中心になるのですけれども、この家計調査自体の改善は、言うまでも
なく家計全体の正確な実態把握についての様々な同時進行の議論を、我々は家計調査につ
いての議論をしているのだからということでシャットアウトすることなく、積極的に議論
の中に入れつつ、本調査についての議論も進めて参りたい。ただそのときに区別というの
が必要で、いろいろなコメント等が出た際に、それを直接的に本審議に入れるということ
はあまり望ましいとは私自身は思っておりませんので、積極的な情報の確認、共有という
ことと、何を議論し、どこまで決めていくかということについては、できるだけ慎重にか
つ効率的に進めていきたいと思っております。それが恐らく委員長からの、最初にありま
した要求でもあるかと私自身は解釈しております。
まず今回ですけれども、具体的な検討事項として、記入しやすい調査票の検討とオンラ
イン回答の実現につきまして、家計調査の計画変更として具体的な案が申請されておりま
す。そこで第1回の本日は、まず調査票の変更について、できるところまで議論させてい
ただきたいと思います。そして次回の部会では、諮問の概要の3ページに示されているよ
うな様々な方向性について、現時点における調査実施者の対応状況や対応方針について聞
かせていただきまして、それについての議論を中心に時間を使いたいと思います。ですか
ら、まず今日は具体的な項目の審議に入って助走をつけつつ、次回からより網羅的な議論
を適宜入れ込んで全体の審議を進行させるというやり方で行いたいと思いますので、本日
もしかしたら積み残しになった事案が、状況によりましては3回目に持ち越しになること
もあるかもしれませんけれども、よろしく御了承いただきますようお願いいたします。
これまでにつきまして何か御質問等ありましたでしょうか。よろしいですか。ではよろ8しくお願いいたします。
以上、諮問の概要を含めまして全体的なお話をいたしました。詳細な議論につきまして
は個別事項の審議の中で行いたいと思いますけれども、総論的なところでは質問がないと
いうことですのでこのまま進めさせていただきたいと思います。
それでは個別事項の審議に入ります。まず審査メモの1ページ、本調査の中核となりま
す家計簿調査票の変更につきまして事務局から説明をお願いいたします。
○しろまる内山総務省政策統括官(統計基準担当)付国際統計企画官 それでは審査メモに沿って
お話をいたします。審査メモは資料2と付けておりますので、それを御覧ください。それ
に付随する形でA3横長の家計簿Aの新旧を付けておりますので、クリップを外していた
だいて審査メモと新旧対照表を横に並べて見ていただければ結構かと思いますので、よろ
しくお願いいたします。
まず家計簿に関する変更のうち家計簿の様式変更についてでございます。資料2、審査
メモの枠書きの中に変更事項を記載しておりますけれども、今申し上げた別添1というこ
とで、A3横長の新旧を付けておりますので、そちらで簡潔にお話しします。先ほど審査
官から諮問の概要でもお話をしておりますので、若干重複はお許しいただくとして、簡潔
にお話しいたします。
新旧の1ページ、家計簿Aの新旧対照表と記載してある資料ですが、1枚目に記載して
ある家計簿から家計簿Aになる。これにつきましては、審査メモの2ページ、後の議題に
なりますけれども、調査票の新旧並行利用というところに関するものでございます。また
同じページの左下、矢印が引かれていますけれども、世帯区分につきましては、若干後ろ
になりますが審査メモの6ページ、抽出区分の変更というのがあろうかと思います。こち
らに関するものでございます。ですので、まずは1枚めくっていただいて2ページからお
話ししたいと思います。
新旧としてはあと3枚付けておりますけれども、大きく3ブロックに分かれます。
まず1、口座自動振替による支払い欄ということで、先ほどの諮問概要でもお話しいた
しましたが、大きく2つあります。1つ目は横長の赤い枠でたくさんくくっておりますけ
れども、記入していただく項目に関して今回見直しを大幅に行っているというところがあ
ります。
この調査票につきましては随分前から変更していないということもありますので、
現在ではあまり使われない用語に関して改める。例えば移動電話に関して携帯電話にする
とか、昨今の状況を踏まえて新たな項目を追加するといったことで、今までの調査におけ
る経験等も踏まえて見直し、整理をされております。
それから、縦長で大きく枠をくくっておりますが、クレジット・掛買い・月賦というと
ころで新たに欄を設ける。これは該当すればチェックをしていただくということですが、
今までなかった項目で追加したものでございます。
以上が口座自動振替による変更、大きな2点でございます。
続きまして1枚めくっていただきまして、口座への入金でございます。これにつきまし
ては全くの新規、右側に変更前ということで追加と記載しておりますけれども、今回の変
更に伴って全く新規で世帯主、配偶者、その他ということで世帯員それぞれについて1ペ9ージ設けるということで記入欄が追加されるものでございます。
1枚めくっていただきまして、最後、4枚目のローマ数字IIIです。この部分につきまし
ては幾つかポイントがございます。審査メモの枠書きの中にも入れておりますけれども、
クレジット、いわゆる現金以外の購入に関してタイトル、ローマ数字のIVとなっておりま
すけれども、項目を改めるということ。それから、最近は電子マネーが頻繁に使われるよ
うになっていますので、その関係で変更案の真ん中の表に電子マネー等の項目を詳細に設
けることで選択を容易にすることが準備されているところでございます。
右側、特に赤ではくくってございませんけれども、右側の変更前の下側、ローマ数字の
II、クレジット等のところですけれども、以前は、もらい物、自家産といった項目があっ
たのですけれども、今回はこれを削除することが予定されています。
そういった調査項目の整理・新設があるのですけれども、さらにもう1点大きな変更と
しては、変更前は上下2段で1ページとなっていたのですが、今回はそれぞれ1ページを
とるということで、より詳細にというか、記入欄を充実させるということでの変更が予定
されているところでございます。
以上が家計簿に関する変更ということで、ざっと見ていただいたところでございます。
これにつきましての審査状況ということで、審査メモのところを説明して参ります。審
査メモ1ページの審査状況です。
文章でいろいろ記載しておりますけれども、
本調査では、
というところから始まって4行目ぐらい、改正が行われていないため、というところ以降
ですが、先ほども申し上げたとおり、この調査票に関しては相当以前から変更がなされて
いないということがあります。ですので、近年の決済手段の多様化とか記入負担も増加し
ております。誤記入の懸念があるといったことを踏まえて、今説明した新旧にありますよ
うな変更が予定されているわけですが、これらについては、という段落になりますけれど
も、当然ながら社会経済情勢の変化に対応する、記入負担軽減に対応する、そして正確な
記入を確保するというところからおおむね適当と考えているところでございますけれども、
一見するとかなり大きな変更ということもございますので、それらの影響を確認しつつ、
今後更なる改善がありやなしやというところも含めて議論いただければと考えております。
審査メモの2ページに参ります。調査実施者に対しては論点として5つ投げかけをして
いるところでございます。審査メモ2ページの一番上、論点のところですね。aは今回の
変更に先立って行われた試験調査の結果の概要についてどのようなものであったか。それ
からb、今回家計簿の様式を変えるということですが、今までの支障は何だったのか、今
回の変更でそれらは解消されるのかどうかというところです。cですけれども、先ほどの
新旧の2ページ、口座自動振替の部分、プレプリントをして項目を充実させるということ
ですが、それで項目として十分かどうかも確認したいと思っております。dでございます
が、今回の家計簿の変更に伴って集計内容に変更が生じるかどうかの確認。そして最後に
e、これは今回の変更以外でございますが、今回示されたもの以外に調査票の改善に向け
た検討はあるかどうかということで、論点としては5つ投げかけています。
冗長ですみません、以上審査メモの説明でした。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。それでは調査者からそれぞれの論点について10御回答を願うわけですけれども、変更点も含めまして論点が多岐に渡っておりますので、
まず家計簿の各変更事項に共通する論点でありますa、試験調査の概要や結果について説
明していただきます。その後、論点b及び論点cについては、審議を分かりやすくするた
め、
審査メモの記載に沿って1から3、
それぞれの変更事項ごとに議論したいと思います。
さらにその後、論点d及び論点eについて説明していただくという流れで進めさせていた
だきます。なお審査メモ1ページの枠内に記載の4、抽出区分の変更に伴う調査員記入欄
の変更については、諮問の概要の6ページで説明された抽出区分の変更に伴うものですの
で、後日、その議論をする際に併せて確認させていただきたいと思います。
それでは、論点aの試験調査について調査実施者から回答をお願いいたします。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 改めまして統計調査部消費統計課でござい
ます。本日お配りしております資料のうち、資料3がクリップどめされているかと思いま
す。回答につきましてこの資料3を使わせていただきたいと思いますが、クリップを外し
ていただきまして、まず今論点として挙がってございます試験調査につきましては、資料
3の本体と別に資料3の別紙1が付いているかと思いますので、御覧いただければと思い
ます。
こちらは平成28年2月に実施いたしました家計調査の試験調査でございます。先ほど事
務局から御説明いただきましたように、今回の家計調査の見直しに当たりまして調査票の
変更を考えているわけでございますが、
その新しい調査票を使った試験調査でございます。
特に大きな変更となります、
新規設定いたします口座入金欄の実施可能性、
それから現在、
標準1ページで収めております現金欄、クレジット欄を見開き2ページにすることに関し
まして、記入の影響を見るのが主目的になってまいります。
調査世帯でございますが、1枚目の(1)
、イに記載してございますとおり、民間会社の
登録モニター200世帯を対象に行ってございまして、新しい方式、ここでは家計簿Aと呼ば
せていただいていますが、150世帯、家計簿B、現行の家計簿様式を50世帯、比較可能なよ
うにあまり偏りがないように、ここに掲げてございます4種類の世帯属性を同じ割合にな
るように配分いたしまして試験調査を行ってございます。地域は全国展開はなかなか難し
いところでございまして、関東地方で行ってございます。
家計簿A、家計簿Bの違いにつきましては先ほど事務局で御説明いただいたとおりでご
ざいます。
次のページで試験調査の結果を早速説明したいと思います。まず口座入金欄でございま
すが、こちらは先ほど御説明がございましたように、世帯主の収入、配偶者の収入、世帯
員の収入としましては公的年金の給付、これらを見ることをしてございますが、いずれも
良好な結果を得られたと考えてございます。
まず世帯主の定期収入でございますが、家計簿Aの方が記入世帯割合が96.8%、家計簿
Bが77.5%で、新しい様式の方が高い結果となってございます。こちらはプレコード化し
ました結果、記入世帯の割合が現行の様式と同じ方式をとります家計簿Bに比べて上回っ
たと考えてございます。ただし、今回の調査は先ほどのとおり民間のモニターを使ったも
のでございますが、実際の家計調査では調査員が参りまして調査世帯へ記入指導を行って11参ります。記入指導をしている結果としましては、世帯主の収入については家計簿Aと同
じく、95%から97%程度の記入世帯割合がございますので、本調査から、家計簿Aの形に
移っていくときの影響はそれほどないのかなと考えてございます。また今回の調査の経験
からも、家計簿Aの方式は特段調査員の指導がなく、ここまでの回答の割合が実績として
出てございますので、プレコード化というのは調査世帯における記入負担の軽減のほかに
も、調査実務の面におきまして審査事務、調査事務の負担軽減にも寄与するのではないか
と考えております。
続きまして世帯主の配偶者の収入状況でございますが、家計簿Aが73.1%、家計簿Bが
72.7%という世帯割合の結果となってございます。
公的年金の給付でございますが、家計簿Aが91%、家計簿Bが69%で、世帯主の定期収
入と同様に家計簿Aの回答のほうが高い割合で出てきてございます。なお今回は、見てい
ただきますとおり世帯数が少ない状況でございますので、このまま比較するのは難しいか
と思いますが、傾向的には家計簿Aがいいような形が出てきているということでございま
した。
ページをめくっていただきまして現金欄、クレジット欄、先ほど申しましたように1日
当たりの標準的な記入様式が1ページから見開き2ページになってくることへの記入の影
響を見たわけでございますが、1日当たりの記入行数を見ますと、下のほうにグラフを記
載してございますが、家計簿Aは記入行数が増えるにつれまして度数がなだらかに低減す
る傾向を示してございます。家計簿Bは15行目で1ページが終わるわけですけれども、15
行目で度数が突出して、20行目を超える辺りまで家計簿Aの度数を下回るという状況が見
られます。これは1ページ当たりの記入可能行数が現行は15行でございますので、16行以
上に収支事項があったら、本来ですと次のページにいっていただくことになるのですが、
15行目で記入を止めている世帯があると考えられるのではないかと思ってございます。
これで影響がどれぐらいあるかということもございますので、この世帯数では何とも言
えないところがございますが、家計簿Bで記入行数が15行に達した世帯の、当該日にかか
ります平均消費支出金額を見たものが右のページにございます図2-3でございます。こ
れを見ていただきますと、当日の買い物で恐らく一番印象が大きかった高額な品目から記
入を開始することになろうかと思いますので、1行目の金額が多く出てございますが、そ
の後、15行目まで記入したところで、恐らくでございますが、金額が大きく跳ね上がって
ございますので、ここで複数の品目をまとめて15行目に書いていらっしゃるということが
あるのではないか。そういう意味でいきますと金額的にはそれほど大きな影響ではないか
もしれませんが、こういった状況が見られるところでございます。
次のページに行きましてクレジット欄でございますが、これも同じく1ページから2ペ
ージに変わるということで、現在のクレジット欄は1ページ標準が10行となってございま
すので、度数のグラフを見ていただきますと、先ほどの現金欄と同じように10行目で度数
が突出することが見てとれるところでございます。新しい調査の様式の変更で、先ほど説
明いたしましたとおり、いい傾向も見えますが、一方で記入のところには一定の影響も与
えるというところが感じとられる内容でございました。12簡単でございますが、説明は以上でございます。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。それではただ今の説明に対しまして御質問・
御意見等ございましたらよろしくお願いいたします。
○しろまる重川専門委員 家計簿の収入の記入の仕方について、資料3の別紙1の3ページについ
て1点お伺いしたいのですけれども、世帯主の配偶者の収入の記入世帯割合についてはい
ずれも73%、収入がある該当世帯のうちの73%と考えてよろしいのですか。そうだとする
と、例えば世帯主収入に関しては、家計簿Aになると97%で、家計簿Bの場合にも調査員
の方が関わることで97%ぐらいまでいっていたのだけれども、配偶者の場合に、もし調査
員の方が関わらなくなってしまうと捕捉ができなくなることが考えられるということにな
りますでしょうか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 そうですね。今回の試験調査で行いました
家計簿Bはかなり数が少ないのではっきりと言えない部分もあるかと思いますが、傾向的
に出てございますのは、調査員の指導がないとその部分は落ちてくると思われます。現行
の方式は、家計調査員が巡回しまして調査世帯に記入指導を行っている賜物という状況が
見てとれるのではないかと思っております。
○しろまる重川専門委員 関連してですが、その場合、ここの記入欄に何か工夫して、見落としが
あって落としてしまうとか、そういうことをこの調査を行う場合に、なぜ書かれなかった
のかということは併せて確認はされているのでしょうか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 今回、その後の1つ1つについてインタビ
ューとかは行ってございませんので、そこの発生した理由まで突きとめることはできませ
んけれども、ある意味比較という意味で考えますと、家計簿Aは正に収入事項をあらかじ
めプレプリントしまして世帯に意識付けをしているということから、記入漏れ、うっかり
忘れてしまう、書かないというものを防止する効果が出ているのではないかと考えてござ
います。
○しろまる白波瀬部会長 何かありますか。よろしいですか。これは確認なのですけれども、今重
川専門委員からありましたように、基本的に調査のやり方も、調査員のかかわり方自体も
コントロールしていないというか、ただ調査票だけで見てみたということですね。調査票
の中味についての検証を行ったということでよろしいですね。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 はい、そのとおりでございます。
○しろまる白波瀬部会長 もう一点は、単身というのは特別には挙げていらっしゃらないのですけ
れども、委員からもこれから高齢化とともに無職世帯が増えていくであろうということだ
ったのですけれども、それについてはこの属性というところでは特に、年金受給者で代表
させてしまったということでよろしいですか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 そうですね。高齢のところに関して言いま
すと、最近は確かに高齢単身者が増えてきてございますが、今回の試験調査の中での記入
方法の確認におきましては、今、部会長御指摘のように、単身ではなくて高齢者2人以上
の世帯で確認させていただいたところでございます。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。よろしいですか。嶋﨑委員。13○しろまる嶋﨑委員 全体の修正案をようやく理解してきたところですけれども、口座自動振替等
でクレジットが入ったことなどは非常に現実的で結構だと思います。近年家計の構造が複
雑化して、世帯で口座が必ずしも1つではありません。複数の口座から、電気料金などプ
レコードされているもの等が振り替えられるのだと思います。実際に複数の口座、つまり
この部分は妻の方からの引き落としになって、この部分は夫の方からということによる実
査上の支障、実際にそれらを1つにすることの支障はありますか。また、個計で、家計が
ないという認識の世帯も多いと思いますが、その辺りの現実的な課題等々はこれまであっ
たのでしょうか。また今回の変更で、それが改善される等がありますでしょうか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 今、嶋﨑委員御指摘の家計の個別化、もし
くは個計化と言われるものにつきましては、私どもの生活体験からしましてもどんどん進
んでいるのではないかという意識は持っているところでもございまして、この家計調査に
おきましてもそういった問題というか課題は引き続き存在しているものと思ってございま
す。
こういった課題につきましては、
私どももこれからしっかりと取り組んでいきたいと。
正にその一里塚になってくるのが今回導入してまいりますオンラインの家計簿で、こうい
ったものでうまく対応していくことだろうと思ってございますが、先ほど説明いたしまし
た試験調査におきましてはそこまでの対応はございませんで、現行と同様、世帯で複数あ
る口座をひとまとめにしていただく形での対応を前提としたものでございます。
○しろまる佐藤総務省統計局統計調査部消費統計課調査官 現場の状況をお知らせいたします。
今、
先生がおっしゃったように、実際に世帯から、2つの口座があって夫婦別々の家計簿をつ
けたいという御要望がありました場合には、2つの家計簿を配布して、集計の段階で1つ
にするという手間がかかりますけれども、そういった対応も実際のところとっているとこ
ろでございます。そんなに多くはございませんけれども、そういった現場でのやりとりは
しています。
○しろまる白波瀬部会長 それは調査員のマニュアルに記載してあるのですね。
○しろまる佐藤総務省統計局統計調査部消費統計課調査官 マニュアルというか、現場でやりとり
するときに、事務連絡等で指示を出している状況になります。
○しろまる白波瀬部会長 分かりました。この辺りのことはもしかしたらまた戻ってくる議論では
ないかと思いますけれども、現場で対応はなさっているということになります。あと何か
ございますでしょうか。
○しろまる河井委員 1つだけ質問させていただきます。資料3の別紙1の4ページ、5ページ、
6ページですね。こういう資料を初めて見たのですけれども、項目の数によって入力のパ
ターンが違うというか、興味深いというか、確かにこんなことありそうだなと思ったので
すが、今例えば10行までしかないものに対して最後の行でまとめ書きをしてしまうという
ことを想定されていますけれども、もしかしたらドロップアウトしていたのではないか、
それによって過小になっていたのではないかという可能性はあるのでしょうか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 その可能性は否定はできないと思います。
ただ、多くが15行を超えるかというとそうではございませんで、15行を超えた場合にまと
め書きをされる方、あとは論理的にあるのは、ドロップアウトと今、先生がおっしゃいま14したが、そういう可能性は否定できないと思います。
○しろまる河井委員 では、この行数を増やすことによって改善されると考えてよいでしょうか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 そうですね。そのようにも思ってございま
す。
○しろまる河井委員 ありがとうございます。
○しろまる白波瀬部会長 単純に15行まで書かれた人は全体の何%ぐらいですか。分からなければ
次にお示しいただいても結構でございます。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 そうですね。今少し手元に数字がございま
せんので。
○しろまる白波瀬部会長 分かりました。
○しろまる河井委員 曜日によって違うような。土日とかにまとめ買いをしたら、15行を超えてし
まうような気もしますね。
○しろまる佐藤総務省統計局統計調査部消費統計課調査官 1つ補足いたしますと、15行は現金な
ので、収支のバランスをきちんと合わせないと次へ進めない仕組みになっています。クレ
ジット欄の10行につきましてはそのまま進めてしまうのですが、上のほうの現金欄で、勤
労世帯と無職世帯については収支のバランスが毎日必要になってまいりますので、そうい
った点からすると15行については、漏れについては若干上と下では違う形になっていると
思います。
○しろまる白波瀬部会長 そこがもちろん、実施者の方は、かなりそういう意味では慎重に、調査
結果が数の上で少ないので、あるいはモニターを対象なのでということはこちらも承知し
ておりまして、でもやはり何か変更する場合にはこういう試験調査が必要であると。せっ
かくなさっていたので、もう少し詳しい結果、つまりその結果が一般的だというほど委員
もみんな素人ではないと思いますので、例えば今みたいに15行まで書いた人、あるいは10
行まで書いた人はどうなのかとか。あと、重川専門委員からも少しありましたけれども、
欠損値というか、そこが一番こういう調査をすると出てくることのような気もするので、
逆にこれをもって現在の変更を、挙げていらっしゃいますから、あまり裏向きになるよう
な作業を要求するのは私としても本心ではないのですけれども、少なくともその結果が変
更案の背景にあったほうがより説得的になると思います。全ての報告書を作るときにそう
いうことを全然申し上げていないのですけれども、全部書いたかどうかとかポイントにな
ること、無回答との間の大きな違いというかアンバランスとかあったら、その結果を少し
簡単にお示しいただけますと大変ありがたいと思います。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 次回そのようにしたいと思います。先ほど
のとおり、調査員が介在してございませんので、本来ですと書いてもらっているところが
ドロップアウトしているとかいうものもございますので、先ほど先生がおっしゃったよう
にその点は御理解いただければと思います。
○しろまる白波瀬部会長 ではこれにつきましてはよろしいでしょうか。若干宿題が出ましたけれ
ども、よろしくお願いいたします。
それでは口座自動振替による支払いの項目におけるプレプリントの詳細化等に関して調15査実施者から回答をお願いいたします。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 それでは口座自動振替による支払い項目の
関係で説明申し上げます。資料3の1ページを御覧いただきたいと思います。併せて、今
回資料としまして先ほどの試験調査の概要の後に資料3の別紙2を付けてございますので、
先生方、目がいろいろなところにいって大変恐縮でございますが、こちらも見ていただき
ながらお聞きいただければと思ってございます。
まず口座自動振替による支払いの関係で申しますと、大きくクレジット払いの有無欄の
追加、それからプレプリント項目の追加・細分化を行ってございます。まず最初にクレジ
ット払いの有無欄の追加でございますが、先ほどもございましたように、最近の世帯の支
出パターンも大分変わって、決済手段も変わってまいりまして、公共料金の支払いに関し
ましては従来の口座自動振替からクレジット会社を介しましたクレジット払いの普及が進
んできてございます。別紙2で現行の記入方法を記載してございますが、口座自動振替の
支払い欄に所要事項を記入しまして、例えば電気代ですと電力使用量、支払い金額といっ
たものを記入しまして、かつクレジット払いでもありますので、当該支払日のクレジット
払い、掛買い、月賦による購入又は現物欄、いわゆるクレジット欄に支払内容、電気代を
記入する、2段階記入を要しているところでございます。報告者の記入の負担に加えまし
て記入漏れを生じるおそれ、それを防ぐための審査事務が生じてしまいますので、新家計
簿ではマークすることで済むような形で負担軽減と記入漏れの防止、併せて審査事務の軽
減を図ろうとしているものでございます。
資料3、
次のページで説明いたします。
プレプリント項目の追加・細分化でございます。
これは幾つか行ってございまして、別紙の2では2ページから6ページまでで各項目につ
いて説明してございます。自動振替によります支払欄につきましては、毎月の支払が見込
まれるものは、負担軽減・誤記入防止の観点からプレプリントをしているところでござい
ますが、他方でこれが非常に多くなってまいりますとその項目を探し出す手間もあります
し、逆に項目見落としが生じる恐れもございまして、メリットとデメリットがあろうかと
考えてございます。この点につきましては、新家計簿のプレプリントの項目については家
計調査の大きな試験調査と言えるかもしれませんけれども、平成26年に行いました全国消
費実態調査を先行的に行ってございますので、その実績を踏まえながら、かつ1ページ以
内に収めることを基本としまして項目の追加等を行ってございます。
個々の変更内容につきましては資料3の別紙の2ページを見ていただきますと、電気料
金、
最近は深夜電力等もございますけれども、
これが明細書の形とは少し違っていまして、
自分で詳細に計算してもらう形になっていましたので、そこを明細書からそのまま転記し
やすい方向にしているということでございます。
3ページの携帯電話料金につきましては、先ほど事務局からも説明がございましたが、
移動電話という名前から携帯電話と変えさせていただきまして、併せて支払い方も、4ペ
ージに具体的な請求書の例を付けてございますが、こういったものから転記しやすい形を
ここに記載してございます。
5ページにいきましてケーブルテレビの受信料でございますが、最近はインターネット16の接続料以外にも携帯電話の料金、固定電話の料金、さらには電気代も含まれる形にどん
どん増えてきてございまして、現行そういう形に対応してございませんので、今の新しい
形に対応できる項目の見直しを行ったということでございます。
6ページでございますが、PTA会費、学校教材費でございます。もともと1つの欄に
してございましたが、そもそも記入の支払い時期も異なる、また性格が異なることもござ
いまして、調査世帯が記入しやすいように項目を分けて記入していただく形に変更してご
ざいます。
新たに追加しましたのが保育所・幼稚園の保育料でございます。現在これがないのです
が、当然お子様がいらっしゃいますので、こういったところの支払いが毎月発生している
ということで新しく項目の追加を行ったところでございます。
簡単でございますが口座自動振替による支払欄の説明は以上でございます。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。では、ただ今の説明に関しまして御質問・御意
見をよろしくお願いいたします。
○しろまる河井委員 つまらないことかもしれないのですが、別添1の家計簿の2ページの口座自
動振替による支払というところに、今回新たに加えられた保育所・幼稚園の保育料のほか
にも幾つか、学校給食とかあるのですが、学校給食の後に括弧があって、何月分、その後
に金額という形になっているのですが、この括弧の意味がよく分からないので教えていた
だきたいのですが。
○しろまる佐藤総務省統計局統計調査部消費統計課調査官 ここの括弧、ほかにも幾つか括弧があ
ると思うのですけれども、これは世帯票の方から誰の分なのかを明示して書いてもらうも
のになっております。例えば学校給食ですと長男の学校給食なのか長女なのかという。家
計調査の場合ですとこれだけでは符号格付ができない、いわゆる分類ができない部分につ
いてはいろいろ補記していただく形をとっております。
○しろまる河井委員 子どもが複数いた場合はどうなるのですか。
○しろまる佐藤総務省統計局統計調査部消費統計課調査官 世帯票を見ていただくと分かるのです
けれども、続柄で出ていたり、名前で出ていたりというケースが多々ございます。そのど
ちらでも構わないことになっています。
○しろまる白波瀬部会長 どちらでも構わない、合算ですね。
○しろまる佐藤総務省統計局統計調査部消費統計課調査官 2人の場合は別々に書いてもらったり
しています。合算する必要はございません。小学校・中学校で分かれていれば合算する必
要はないということになっています。
○しろまる白波瀬部会長 あと、多分学校によってインターバルが違うというか、公立か私立かに
よって何月とか違いますものね。ですからそれは別々に書くことができる。
○しろまる嶋﨑委員 1つ、大変小さなことなのですけれども、今の案のところの13にケーブルテ
レビ等の受信料があります。内訳としてそこに何が含まれるかを丸をするとなっています
が、その隣の金額欄は何も書かないということでよろしいでしょうか。ここの金額欄だけ
多分該当しないと思いますが。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 ここは、答えていただいておりますケーブ17ルテレビ等の受信料が、その金額の中にどういう要素が含まれているかを書いていただく
ものでございまして、実はこれは本当は区分していただきたいところではありまして、区
分をしていただいた上で、我々としてはさらにそれぞれを、例えばインターネット接続料
であればその上の欄にインターネット接続料、固定電話料金といったものを書いていただ
くことを念頭に置いているところでございます。したがいましてここの部分には金額は書
かないということでございます。
○しろまる嶋﨑委員 そうしますと、細かくて申し訳ないのですけれども、今日いただいた別紙2
の5ページの、この変更案の記載は正確ではないということですか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 すみません、これは記入指導をしなければ
いけない部分でございます。ただ、こういった答えは実際、分からないということで出て
まいりまして、こういう記入で集計をしていく、私どもで集計のときにインターネット接
続料というものを区分けしまして推計していくものもございます。本来ですとここは記入
指導をしてインターネット接続料を書いていただくことになりますけれども、たまにそこ
は区分けできないという方もいらっしゃいまして、その場合は正にこのような記述になっ
てまいります。
○しろまる嶋﨑委員 私が今質問した意図はもっとシンプルなことで、別添1の2ページの表の中
で、内訳の部分で記載すべきは金額欄に両括弧が入っています。それ以外は通常全部入る
というのに対して、13の金額欄だけ非常に曖昧な位置付けになっているということへの質
問です。
○しろまる白波瀬部会長 多分書き方。
○しろまる嶋﨑委員 ええ、少し細かな表記のところです。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 そうですね。ただ、正直申し上げまして調
査の現場ではいろいろな情報を調査員が聞きながら書けるものは書いていきますので、例
えばもう書かなくていいですよと潰すこともできるのですけれども、例えばここの部分を
まとめて、幾ら分だということが分かれば調査員はやはり書いてまいりますので、そうい
う欄は、その他も原則書かなくていいというところを潰すこともできるのですけれども、
書けるものはできるだけ書いて集計に生かすような対応を従来からやってきてございます。
○しろまる嶋﨑委員 そういうことですか。
○しろまる内山総務省政策統括官(統計基準担当)付国際統計企画官 部会長、すみません、1つ
補足させてください。今見ていただいている別添1の2頁目ですけれども、13の内訳とし
てインターネット接続料等が記載してあるのですが、実際に使われる調査票につきまして
はこの13の欄と内訳の欄の間には特に線はないのです。
○しろまる嶋﨑委員 ないのですね。
○しろまる内山総務省政策統括官(統計基準担当)付国際統計企画官 はい。ですので、赤枠でく
くってしまったがために線があるかのように書かれているのですが、13の金額欄は1つだ
けです。その内訳としてインターネット接続料、固定電話、携帯電話という区分を明示し
てくださいという作りになっています。
○しろまる嶋﨑委員 分かりました。失礼しました。18○しろまる佐藤総務省統計局統計調査部消費統計課調査官 そのとおりです。ですので、まとめて
書かれてしまって、具体的に今7、8、9に割り振りができない場合は当然あると思いま
す。手間もかかります。消費税まで入れると大変な手間がかかりますので、そういった場
合につきましては、ここに記載してある4,590円、これをここで丸を付けられたものの符号
に、私どもの集計段階で分割をするというシステムをとっています。
○しろまる内山総務省政策統括官
(統計基準担当)
付国際統計企画官 あとすみません、
1点だけ。
今、申し上げた部分は、資料1の12ページを見ていただくと今の口座自動振替の調査票部
分のページが出てまいりますので、その部分の13というところを御確認いただければと思
います。失礼しました。
○しろまる嶋﨑委員 分かりました。ありがとうございます。
○しろまる白波瀬部会長 重川専門委員、どうぞ。
○しろまる重川専門委員 今の口座振替の支払いの携帯電話料金のところですが、
そこの11行目で、
有料コンテンツ利用料以外の買い物代というものが含まれています。今後多分、今携帯に
いろいろなものを載せることが増えてきているので、そうするとその中で何を買ったかと
いうことによって費目の分類が変わってくるとすると、ここはもう少し詳細に、今はそん
なに大きくないのかもしれないのですが、今後しばらく使うとすると何かしら工夫が必要
ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 御指摘のとおりでございまして、別紙2の
4ページに具体的な事例として載せてございます。4ページの上を見ていただきますと今
先生が御指摘のように、有料コンテンツ料とそれ以外の買い物代等と記載してございまし
て、ここの部分が実はいろいろ種類が、本を買ったり買い物をしたりとございます。目を
下に移していただきますと、値段書きには二重書きにはなるのですが、調査世帯には具体
的に何をお買いになったのか書いていただくということで、例えばこの640円の内訳は、こ
の例で申しますとミネラルウォーターと本を購入されたと書いていただくということで、
分類も違うものが格付されることになってまいります。
○しろまる白波瀬部会長 やはり話を聞くと、私もそれほど詳しくないのですけれども、現場の方
の裁量というか、調査員の熟練度がかなり左右するなというところがありまして、すごく
意地悪な言い方をすると、そういうやり方が将来的に維持可能なのかという問題がどうし
ても出てくるような気がするのですね。そうしたときに、いかにこのやり方というか、少
なくともこれだけ見ていてはやはり私も記入できないなというか、多分無効票になるので
はないかという感じですけれども、そういうことがないような工夫が更に必要になってく
ると思うのですけれども、その辺りはいかがですか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 正におっしゃるとおりであるかと思います。
正直申しまして、今、紙であるからいろいろな対応が、メモもできますし、またそれゆえ
に、今、先生が御指摘のとおり、調査員の熟練度があって初めて成り立つところでござい
ますが、それがいつまでももつかというとそうでもないと思って私どもも対応しないとい
けないと思っておりますので、今回導入してまいりますオンラインの家計簿を1つの中核
的な基盤に育て上げていきまして、そういった熟練度がなくても、もっと言えば自動的に19家計簿ができ上がってくるような作りを、いろいろな企業とも御協力いただきながら作り
上げていく取組を展開していく必要性があるかと思ってございます。
○しろまる白波瀬部会長 そこまで今回、最初から入るつもりもなかったのですけれども、そこの
距離感がかなりありますので、今まで私も、オンラインと言われたときに、現行のやり方
がこういう形で、調査員と一緒に初めて質の高いものができるということから、それをな
しにといったときの移行をどういうふうにというのは、この議論の中でも恐らく積極的に
議論がされるのではないかと思いますので、その辺りも御準備いただけるととてもありが
たいと思います。ゼロか100かではないのですけれども、より良くということでこれだけ、
本当に見直しがなかったのに今回やられるということでの大きな改善だと思いますけれど
も、更にオンラインということになりますとかなりのジャンプになりますので、そこの辺
りの見通しを適宜入れるのはよろしいかもしれないと思います。
いずれにしましても今試験調査ということでやられておりますので、それも積極的に活
用して、今の質問等について、例えば調査員が入らない場合はどのような感じかというの
は、もちろん限られた回答というか、バイヤスされた回答であるというのも重々承知なの
で、今あるデータの中でこういうことが言えるのではないかというのは、試験調査を積極
的に活用されて、適宜説明材料としてエビデンスを出していただけますと大変ありがたい
と思います。ここまでよろしいですか。かなり細かい議論になるので、ここでずっと待つ
というのもあれですけれども。
○しろまる内山総務省政策統括官(統計基準担当)付国際統計企画官 すみません。今おっしゃっ
た次回以降への宿題ですが、事務局の理解といたしましては、今回の変更でもオンライン
は入っているのですが、将来的なオンライン導入の道行きについて、現段階においてどの
程度想定されているかというイメージでしょうか。
○しろまる白波瀬部会長 そうですね。ただ今の宿題はぼやっとしていて、宿題をされる方として
は大変厳しいと思うのですね。ですからもう少し具体的にトピックを絞って、どういう準
備をしてくださいということではあると思います。今出たところでは、申し上げましたよ
うに、これも若干ぼやっとして申し訳ないのですけれども、具体的に質問事項を検討すれ
ばするほど、調査員からのヘルプなり現場の方のお力が大きいのだなということを再認識
してしまったという状況がありますので、例えば、こういうふうに改めて確認できるよう
な項目を作っておくとかという工夫をされているのですけれども、これまでのところで、
例えば調査員で説明が求められた項目とかがデータとしてありますか。
そういう経験値的、
全国の調査で正確なというのはないのだけれども、もしそういうことがあればこれからそ
この事項についてオンラインになったときに助けがなくなるので、こういう工夫が必要な
のですよという、例えばの話です、それを今すぐやってもらうのではなくて。少し議論の
中でどういう形で宿題を出していただくかというのは出したいのですけれども、少なくと
も、事前に調査されましたよね。そこの御説明においては大きな何%、何%というのがあ
るのですけれども、その背景にどうも調査のやり方自体も、完全に現状のやり方を反映し
てやっているわけではなくて、調査項目だけを検討したということだったと思うのです。
その場合にこういう結果が出ましたということなので、調査項目を変更する際にはある意20味で有効なやり方だとは思います。ただ今回のこの審査につきましては、この調査項目の
変化が全体の消費実態をより正確に挙げるという大目的につながらないといけないという
ことになりますので、そのために何かという説明がもう少し弱いかなと感じたのです。そ
れもあって、例えば無回答の状況とか、あるいは項目が増えたので、ここで多分全部ため
ちゃって15行までの人はここで全部込み込みで書いているのだろうなという状況は確かに
データの上で分かったので、大きなことだと思うのですけれども、そこのところで金額だ
け見ていたらいいのですけれども、そこの中で品目が全部込み込みになったら、結局調査
データとしては分からないままの部分が増えてしまうということなので今これにしました
という説明なのですけれども、その説明が少しデータとして弱いというか、エビデンスと
して、何名までが15行書き切っていて、その書き切った人は若い人かとか、どういうよう
な特徴があって、その書き切った人に対して込み込み度が大体どういう問題があるのかと
いう説明があるととても説得的な説明になってくると思うのですね。そういう意味で、と
りあえずはそこのところから。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 かしこまりました。そこは今部会長がおっ
しゃったお話を踏まえましてやっていきたいと思います。
1点、私ども少しミスリードも、先ほどのとき、標本数が少ないので、この部分ではこ
んな結果が出ているからそう断言していいかというとなかなか難しいというのもあって、
この辺は悩むところでございます。
それから今回オンラインの話がありますが、オンラインが入っても調査員指導、調査員
調査は行ってまいりますので、その点はどちらかというと、もちろん調査員の方がITが
苦手だというところのサポートをどうするかという実務上の問題もございますが、基本は
調査員の指導が入っていくと思っていただければと思います。
○しろまる白波瀬部会長 それについて、まず1点目については、都合のいい結果だけを出す必要
は全くありません。それについてはこういう結果が出たけれども、それをどう読み込もう
かというのは、ここでもみんなで一緒に積極的に議論していくということで全く問題ない
と思います。
2点目につきましては、オンラインがどうかというのは後の議論になってきますし、そ
こでゼロか100かということも想定していませんので、
積極的にご説明される場合にこうい
う状況を想定しているという御説明をいただければよろしいかと思います。何かあります
か。
○しろまる澤村総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 後ほど部会長、それから調査実
施者とも調整させていただいてその辺り、なるべく基礎的に御検討いただける基礎資料を
出したいと思います。その際には、今御説明の2ページにもありますように平成26年度の
全国消費実態調査を踏まえて設計されたということも記載してありますし、全国消費実態
調査の場合、調査員数から見てもこの家計調査の調査員以外の方も多数動員される中で行
われている調査であり、かつ、あれはオンラインも確か一部入れたのでしたよね。ですか
らそういう意味では、今回の変更に当たってその部分の実績も含めてなるべく整理して出
していただく形でエビデンスを示して御議論いただきたいと思います。それでよろしいで21しょうか。
○しろまる白波瀬部会長 はい、そうですね。あまり風呂敷を広げてもというのもあるのですけれ
ども、実際にデータが周辺的にもありますので、積極的に活用して御説明いただけますと
大変ありがたいです。よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。もしまた質問等
があったらいただくということで、とりあえず今の御説明をいただきまして、次の論点に
移らせていただいてよろしいでしょうか。
それでは次の論点ですね。口座への入金項目の新設に関して調査実施者から御回答をお
願いいたします。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 かしこまりました。口座への入金欄は今回
初めて新設するものでございます。先ほど試験調査のところでも説明差し上げたところで
ございます。
給与所得者の給与、
賞与、
それから年金受給者の年金の支給につきましては、
毎月・隔月などで定期的に発生するものでございまして、近年では皆様方もそうだと思い
ますが、現金でもらうことはほとんどなくなって、口座振り込みでもらうのが一般でござ
います。実は現行の家計簿がそうしたことに対応する専用の欄をこれまで設けてきていな
いということでございまして、支給日に内訳となります手当、それから納めます保険料や
控除項目を含めて、その都度記入していただいているところでございます。また、お金の
流れは一旦口座の中に入ってそこから支出をしていくという動きになるわけですが、現行
の家計簿の様式を念頭にした場合でございますと、先ほど事務局からもございましたよう
に、一旦現金で受け取ったと見なして更に口座に入金したという、実際の金銭の動きとは
異なる方法を便宜上採用しているというか、採用せざるを得ない状況でございまして、こ
のため、今回の見直しに当たりましては新しい入金欄を新設いたしまして、支給の内訳、
控除項目、納付項目をあらかじめプレプリントすることで報告者の負担軽減と金銭の動き
の実態を合わせる措置を講じたものでございます。記入的な例につきましては先ほどの別
紙2にも付けてございますので、見ていただきながら御意見を頂戴できればと思ってござ
います。以上です。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。では今の説明に関しまして御意見・御質問をよ
ろしくお願いいたします。
○しろまる河井委員 1点だけ。こうすることで記入者負担が随分下がるのではないかということ
は十分期待できますし、いい試みだと私は思うのですけれども、これによってどれぐらい
回答率が良くなるかとか、さっきのプレテストみたいなことは資料としてあるのでしょう
か。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 今持ち合わせてございますのが先ほどの試
験調査の結果で、特に世帯主の収入のところが70%台から95%へ引き上がってきていると
いうところでもございますので、現行では、先ほどから話がございます調査員の記入指導
で何とかキープしているようなところが、そこまでの記入指導をしなくても記入内容が埋
まってくる状況が出てくるのではないかと期待するところでございます。
○しろまる河井委員 細目についても同様でしょうか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 そうですね。22○しろまる河井委員 大ざっぱに書かれていますが。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 そのように思ってございます。この点は、
先ほども部会長から指摘がございましたが、どのような資料を用意すればいいか考えて次
回お持ちしたいと思います。
○しろまる白波瀬部会長 私もこの97%、78%という数字は分かるのですけれども、そこの中で全
然書かなかったのか一部だけ書いているのか、この辺りが見えにくいので、例としてどう
かというのを出していただいてもよろしいかと思いますので、あると大変ありがたいと思
います。いかがでしょうか。これについてはね。こちらの方がいいかなと思いますので。
御承認されたというふうに、どうぞ、永瀬委員。
○しろまる永瀬委員 世帯主の回答は大変上がったということですけれども、世帯主の配偶者はあ
まり変わらなかった理由について何か考えられることはございますか。
○しろまる佐藤総務省統計局統計調査部消費統計課調査官 大変難しい内容なのですけれども、私
ども毎月、家計調査の家計簿を見ていきますと、家計簿の記帳者は奥様だろうと思うので
すけれども、御自身の収入を書き漏らす傾向は従来からございます。今回こうやって新し
いものにしてもその傾向にはあまり変わりはないということですので、そういった面では
調査員に頑張っていただいて、ここに書いてください、この欄を新たに設けましたという
サジェスチョンがどうしても必要になるのかなと思います。
○しろまる永瀬委員 あるいは奥様の場合は毎月労働時間が変動するために、こういう「本給」み
たいな文言ですと、記入しにくいということはあったりはしませんでしょうか。
○しろまる佐藤総務省統計局統計調査部消費統計課調査官 私どもが捉えている世帯票の時点は大
体調査開始の段階でございます。ですので、そこの段階で奥様が自分自身が働いているか
どうか回答するのですけれども、アクチュアルではなくてユージュアル的な回答になって
いるということは先生がおっしゃるとおりでございますので、毎月その内容が変わるとい
うことで、本給がない、場合によってはその月お給料がないという場合もなくはないとい
うことで、あまりそこを突き詰めて調査員も回答を求めることはしていないのかもしれま
せん。
○しろまる永瀬委員 パートの方の収入の場合は、
「本給」という名称で呼ばれるのでしょうか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 通常ですとそうだと思いますが、それに手
当がどれだけ付くのかということではないでしょうか。
○しろまる澤村総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 通常パートですと1時間当たり
の単価があって、それから前月なりに働いた時間数があって、それ以外に割り増しの付く
ような手当があったり通勤手当があったりということで、本給というのがパートの主婦の
場合にはイコールあれですよという形に、理解していただければと思うのですけれども。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 別にこれが本給といって、月給をもらって
いる方が固定の部分を書くということではなくて、基本、もらった額を書きますので、先
ほどの例で言えば時間給掛ける時間数、日給であれば日給単価に勤務日数を掛けて支払わ
れて、それに通勤手当が出ればとか、手当が出たものをプラスアルファ書いていくという
書き方でございます。23○しろまる永瀬委員 世帯主の場合は回答率がかなり上がったということは、今回の改正で記入の
しやすさがかなり改善されたのだと思われます。ところが配偶者の場合は上がらないとい
うところを見ると、想像なのですけれども、自分のもらっている毎月の給与振り込みの項
目と今回列挙されている項目名称とがかなり異なるために理解し切れないのかもと思いま
す。私もそれほど多くの給与票を見ているわけではないですが、世帯主の給与票というの
は家庭科の教科書にもよく出てくるもので、
ここに書かれている本給、
残業代、
扶養手当、
差し引かれるものとして税金、
社会保険料等々の項目が示されていますが、
パートの場合、
給与票に出てくる項目の名称が違うのかなと思いました。特にこうした名称ならベターだ
というアイディアが今すぐあるわけではございませんが、何か工夫ができればと思いまし
た。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。なかなか配偶者の回答というのは、自分以外
のことになるとどうしても低くなりまして、それは頭の痛いところです。あまり変わらな
いというのは、逆に言えば答えた人の中で変わらないということなので、答えた人の中で
は配偶者に関する情報については記入の傾向はあまり変わらないだろうということなので
すけれども、世帯主が男性である場合がほとんどですので、その逆は少ないので配偶者が
女性になってくるのですけれども、
今の記入方法、
やっぱり試験調査をやられているので、
そこの回答状況を検討していただいて、もし何かそういう状況が、パートの奥様の場合に
どういうものがあったかという説明をしていただくのは大変有効なことではないかと思い
ます。ありがとうございます。よろしくお願いします。よろしいでしょうかあとは。
では次に進みたいと思います。現金収入又は現金支出、それとクレジットカード、掛け
買い、月賦による購入又は現物の欄に関する各種変更について、調査実施者から回答をお
願いいたします。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 それでは説明いたします。資料3の2ペー
ジ中ほど下からになります。別紙2は9ページからです。
まず2ページ中ほどに記載してございますとおり、大きな考え方の変更というか、扱い
方の変更をしてございます。現行の家計簿では日々の支出に関しまして現金による購入と
クレジットカード等による、ここでは掛買い・現物と言ってございますが2種類に大別し
て調査票を構成してございます。いわゆる掛買い・現物以外の支払いは口座自動振替を除
きまして、名前は現金収入又は現金支出と記載してございますが、この欄に記入する方法
で便宜対応してございます。ですので、電子マネー等もこちらの現金収入、現金支出で対
応しているという書き方をしてございます。近年、電子マネー、現金以外の決済方法が多
様化して普及が進んでいることから、新家計簿では報告者の負担軽減を図る観点から現金
による購入と現金以外の購入、現行は強いて言えば掛け買いとそれ以外みたいな形に実質
なっているのを、現金による購入と現金以外の購入に大別しまして調査票を構成している
ということでございます。従前からの現金収入、現金支出欄に現金による購入、もう一方
の欄にはそれ以外の、正に電子マネー、これまでは現金のほうに書いていたところをもう
一方に書き込むという形をとらせていただきまして、これに伴いまして項目の名称の変更
を行ったところでございます。24また2ページの一番下の欄に記載してございますが、欄の中に品名及び購入方法と現行
書いているものを、品名、用途及び購入方法というふうに、用途というのが付け加わって
ございますが、実は現行も用途は書いていただいておりますので、現状に合わせた変更を
してございます。
資料3の3ページを見ていただければと思います。別紙2では10ページになりますが、
電子マネー、商品券、デビットカード、口座間振込等の欄の追加でございます。現行では
先ほどのとおり、現金収入、現金支出欄に現金以外のものも書き込んでいただきまして、
括弧書きで決済手段を書いていただいております。
近年の決済方法の多様化によりまして、
こういったあらかじめ想定されるものについてはプレコード化をしたというのが今回の追
加でございます。
それからもらい物、自家産の欄の削除、先ほど事務局の御説明の中でも触れていただき
ましたが、3ページ中ほどに説明をしてございます。別紙2は11ページです。これまでで
すと、クレジットカード、掛買い、月賦による購入又は現物の欄に、もらい物と自家産を
調査世帯が見積もって記入してもらっていました。これはあくまでももらい物、正によそ
の世帯から頂戴したもの、それから例えば自分の畑、菜園等で採れたもの、これを御自身
で幾らだと見積もっていただいておりますけれども、これ自体が非常に難しいと言われて
ございます。また、特に心理的なものですけれども、よそ様から頂戴したものが幾らなの
かということを書いていただいていますので、今だとインターネットで検索して幾らのも
のをもらったか調べてもらっているところです。世帯の方々はこれに対して、日本人だか
らということが特にあると思いますが、非常に抵抗感と、もっと言いますと嫌悪感すらあ
って、調査の現場でも場合によっては円滑な調査の阻害要因ともなってくる要素でもござ
います。
現行で現物の状況はどうかと申しますと、別紙2の11ページにその状況の推移を載せて
ございますが、二十数年前の平成5年でピークがありまして、それ以降は減少をたどって
ございます。2015年、平成27年では約4割まで減少してございますし、集計では実際どう
いう影響を与えるかと申しますと、現物収支のところはいわゆるサテライト勘定にしてご
ざいまして、いわゆる公表数字として皆様方によく見ていただいております実収入・消費
支出とは別となってございます。こうした状況から、今回の改定におきまして、特に報告
者負担の軽減、調査の円滑、それから継続的な実施の観点から現物収支の項目を削除する
判断をしているところでございます。
続きまして、別紙2の12ページになりますが、今回の1つの大きな特徴でございます、
ページを1ページから見開き2ページを標準とする形としているところでございまして、
これは近年、決済方法も多様化し、いろいろな方法で1つのものを複数の手法でお支払い
をされることになってまいりまして、毎日の収支をきめ細かく記録する上で複数のページ
にわたって記入する必要が出てきてございます。現場でも、先ほど試験調査では15行目で
まとめ書きみたいな話を説明いたしましたが、標準ルールといいますか、決まったルール
は次のページにいくということでございまして、そういう関係からも世帯のほうから、記
入が可能な行数を増やしてほしい、調査員からもそのようなお話を現場からも寄せられて25いるところでございます。こうしたため、これまでの1日の標準的な欄の構成を1ページ
としましたものを見開き2ページとする変更を行うことにさせていただいたものでござい
ます。
簡単でございますが、説明は以上でございます。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。今までの御説明について御質問・御意見はあ
りませんでしょうか。よろしくお願いいたします。
○しろまる河井委員 これもすごくいい試みといいますか、見開きになって、しかも現金で買った
ものとそれ以外という形で、記入者は書きやすいと思うのですね。しかも記入欄も30行に
なって、とてもいい試みだと私は思いました。
そこで、今の決済の方法に絡んで質問なのですけれども、自分で買い物とかをしていて
ポイントの質問をされる方も、別途出てくるのかもしれないのですけれども、ポイントで
何万円とかたまって、それで購入したりすることがあるのですけれども、ポイントは収入
として扱うのか。かつ購入するときにもポイントのディスカウントがあって、そのポイン
トを使うときは金額はそのポイント分を引いた形で扱うとか、ポイントに関する扱い方は
どうなっているのか知りたいのですけれども。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 ポイントも新しい決済手段として入ってき
てございます。見ていただきますと今回ポイントが入ってございませんが、実は右側とい
うか、クレジットや他の電子マネーでもポイントが併せて使われてくる。現金でも使われ
てくる。両方で現金でも現金以外でも使われてくるのがポイントでございます。ポイント
につきましては一旦収入として取り扱いをさせていただきます。例えばテレビを6万8000
円で買った。8000円分はポイントを使ったというときには、実際現金を払っているのは6
万円で、
8000円が値引きというか、
ポイントで買ったということでございますが、
6万8000
円を記帳していただきましてポイントとして現金収入8000円があったという記入をしてい
ただいております。
○しろまる白波瀬部会長 ポイントは現金収入ととられるのですね。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 そうですね。
○しろまる河井委員 では記入の仕方が、例えばポイントという形で、ポンタとかいう具体名を。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 具体名はそれぞれ、スイカとか何とか書か
れて、今回ポイントでございますのでそういったポイントを書く場合と、とにかくポイン
トとか、書いていただいて、そこにお支払いになった部分のポイントがどれくらいあった
のかを現金収入として記入していただくことになります。
○しろまる河井委員 では、今度表章という形をとるときには、ポイントという項目が新しく出て
くるかもしれないということですか。
○しろまる佐藤総務省統計局統計調査部消費統計課調査官 今現在も収入の中の特別収入という項
目に出てまいります。サラリーマン世帯と無職世帯は収入をきちんと合わせて収支バラン
スをとりますので、ポイントの部分につきましてはそういった取り扱いをすることになっ
ています。支出については全額を支出の扱いにしませんと、またそれも集計上、いろいろ
なチェックの関係でも不都合が起こりますので、全額を計上する形をとります。26○しろまる白波瀬部会長 その辺りのやり方は周知されているのですね。
○しろまる嶋﨑委員 今の点とも似ているのですが、スイカについて2点質問があります。ひとつ
は、チャージをした場合、現金はどのように扱うことになるのかということです。もうひ
とつは、交通費などで定期区間から先の乗越し精算についてです。実際に自分が幾ら払っ
たのか、ほとんど認識せずにいつの間にか残金が減ってしまっているのですけれども、そ
の辺りはどのように報告者はカウントすることができるのでしょうか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 まずスイカで支払ったとき、プリペイドで
払ったときにはその部分を現金支出として書きますが、実際はスイカに入っているものを
お金として使うわけなので、現金が電子マネーという形で決済手段が変わって移行するわ
けでございますので、電子マネーを使ったときには、スイカで幾ら買ったのか逐次それを
また書いていただきます。集計のところで先ほどの現金でチャージしている部分と相殺処
理をしているということでございます。
○しろまる嶋﨑委員 月をまたがってもいいということなのですね。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 そうでございます。
○しろまる嶋﨑委員 分かりました。
○しろまる肥後日本銀行調査統計局参事役 今の質問はチャージするときに支出として計上するの
ですかという御質問だったと思うのですが、それは計上するのですか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 記帳としては計上します。
○しろまる肥後日本銀行調査統計局参事役 なるほど。
○しろまる佐藤総務省統計局統計調査部消費統計課調査官 もう少し詳しく申し上げますと、現金
を扱うお財布のやりとりという1つのものがあります。もう一つはそれ以外の、スイカな
ど電子マネーのやりとりをするお財布があります。それぞれ別のお財布と御理解いただく
のが一番いいと思います。ですからスイカでの支出というのが存在するということです。
○しろまる澤村総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 2点目の乗り越し精算なんかし
た場合の料金については、スイカですと駅にあるチャージできる機械に印字というのがあ
って、それを押せば一定期間内に使ったものは印字されて出てくるので、乗り越したとい
うのは分からなくはないですが、それまで求めているのかというのは。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 それを出せということはしませんが、イン
ターネットで見ていただくとか、もちろん御記憶、もしくは通常のときにメモをしていた
だくとか、我々の生活ではなかなかしない部分もあったりもしますけれども、調査世帯に
御協力いただくときには世帯の皆様方にはそういう御配慮をいただいているところでござ
います。
○しろまる嶋﨑委員 相当な負担になりますね。
○しろまる白波瀬部会長 ですから逆に、最初から言ったらまずいかもしれませんけれども、そこ
の部分はどうしても過小評価されるとすると、電子マネーだったら別のデータのとり方が
可能になってくるので、これとこれをリンクさせようという議論にするつもりは全くなく
て、そこは少し危険だと思っているのですけれども。
○しろまる嶋﨑委員 でもチャージのところだけで払われるわけですから。27○しろまる白波瀬部会長 マクロ的にはそことリンクさせてもというか、十分できる話かなという
か、ここでの正確さをどんどん突き詰めることの無理があって、それは家計調査がだめと
いうことではなくて、このやり方のデータの収集の仕方はすごく意味があると思うのです
ね。歴史も長いですしそれなりの蓄積があるけれども、でももしかしたらこの家計調査の
ある意味の課題というか、限界はもう認識する形でもよいかもしれないというか、そこは
何か感じます。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 それは本当に認識するところでございまし
て。今持てる材料でやっていく場合はこれでやらせていただいているのですが、このまま
ではこれは、先ほど世帯にとっての御負担が大きいというお話がございましたが、そのと
おりだと私どもも認識するところでございます。今回の見直しを契機に、環境なども、こ
れまで家計調査を長年見直しを行ってきてございませんが、この部分を変えていく必要性
があるかと思ってございます。スイカなども私どもとすれば、できれば使ったときには自
動的に家計簿に記帳されるような仕組みなども目指していきたいなと考えてございます。
○しろまる白波瀬部会長 いかがでしょうか。あと、この現物総額なのですけれども、私もここの
中に入れるのに違和感があるのですけれども、11ページの別紙2のグラフから見ると、意
外と90年代も額的にはあったのですね。いただき物が云々というのは第1次産業がまだ中
心でみたいな想定があって、そこから逆に言えば、厳しい言い方だけれどもその環境から
全然見直しがなかったからこのまま残っていますという感じのような気もするのですけれ
ども、意外とあるのですね。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 そうですね。いわゆる大根や白菜がどうだ
というのはあまりないかもしれませんが、もしくは実家から息子さんにというのはあるか
もしれませんが、大きくあるのは日本の慣習としましてお歳暮とかお中元といったところ
は、減ってはきてございますがまだ残っているところでございます。特にこういうバブル
のころは大きくそういうものが、交際費の1つとしても使われてきた部分ではなかろうか
と思います。
○しろまる白波瀬部会長 でも例えばそれを買った企業からすると、物を買っているから収支とい
うのは分かるのですけれども、それをあげて、もらったということでまたこっちに入って
くるとある意味でダブルカウントみたいな感じがしないでもないのですけれども。もう一
つ言いたいのは、時系列的に削除した場合には、要するに少なくなっているからあまり違
いはないよということでは、削除しても時系列的にそんなに大きな影響はないのではない
かというのがここでの御説明ですね。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 そうですね。時系列的にはサテライトで別
にしていますので本系列に影響はないということでございます。
○しろまる白波瀬部会長 分かりました。いかがでしょうか。
○しろまる永瀬委員 マイレージを利用した場合などはどういうところに書くことになるのでしょ
うか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 マイレージはポイントと同じになってまい
ります。マイレージを使用したということで現金収入としてのカウントをしております。28○しろまる永瀬委員 幾らに評価するかというのは。
○しろまる白波瀬部会長 引いて換算ということになるのではないのですか。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 マイレージ自体がたまったときは押さえて
いないのですね。マイレージ自体が入ってきます。例えば航空券を買いました。そのとき
にマイレージ、これはポイントですね。ポイントが付きます。これ自体は押さえていませ
ん。これ自体はまだ使われるか使われないか分からないものでございます。使われたとき
に現金的な意味を持ちますので、そのときに現金収入という扱いをさせていただいており
ます。
○しろまる永瀬委員 航空券はいろいろな値段があるので、幾らで評価するかというのはどういう
形の指導をするのでしょうか。
○しろまる肥後日本銀行調査統計局参事役 例えば1万5000マイルで東京と札幌の航空券をあげま
すというときに一体幾らの航空券であると評価するかという御質問だと思うのですが、か
なり難しい話ですよね。一種のもらい物で。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 普通でいくとそこの定価というかその値段
を書いていただくことだと思います。
○しろまる永瀬委員 海外で定価ですとすごく高くなりますので。時価で。
○しろまる佐藤総務省統計局統計調査部消費統計課調査官 実際にそのとき買おうと思っていた航
空券と評価が一致するような形が一番望ましいと思いますけれども、なかなかそこも、今
部会長がおっしゃったように突き詰めていくと大変な作業をしなければいけない、見てい
かないといけないということになります。ポイントを使う方は、幾らぐらいなのだという
ことを踏まえて使われていると思いますので、書けるのではないかと思います。
○しろまる白波瀬部会長 よろしいでしょうか。ポイントとかいろいろやり方があって私も混乱す
るのですけれども、
この辺りは消費行動が現在進行形で変わっているということですので、
繰り返しになりますけれどもこの家計調査ではどこまで把握可能で、それを超えたところ
で現在の人々の消費活動がどのように正確に測るかというのは、今みたいにかなり重なり
合いながらも区別して議論を進めさせていただきたいと思います。
今までのところ、御説明の現金収入又は現金支出及びクレジットカード等の現物等につ
いての変更についてはこれでよろしいということで進めさせていただいてよろしいでしょ
うか。
ではもう1つ進んで、
。少し時間が過ぎるかもしれないですけれども、論点d及び論点e
について調査実施者から回答をよろしくお願いいたします。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 まず論点d、今回の家計簿変更に伴って集
計内容に変更が生じるのかということでございます。先ほど説明いたしました中にござい
ましたが、もらい物・自家産欄の削除がございます。用途分類結果票の平仄に今サテライ
ト的な勘定として出してございますが、その部分の現物の総額及びその内訳を削除する予
定でございます。
論点eといたしまして、今回予定されている変更以外に今後調査票の改善に向けた検討
は行われているかというところでございますが、今年3月に統計委員会で頂戴いたしまし29た数量・重量の記入の見直しにつきましては、報告者の負担軽減という観点から検討を続
けて参りたいと考えてございます。また、先ほど説明しましたプレプリント項目、時代と
ともに変わってまいりますので、今後もそういった状況変化、さらには世帯の記入実績も
踏まえまして見直しを行っていきたいと考えているところでございます。以上でございま
す。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。今の御説明につきまして御質問・御意見あり
ますでしょうか。よろしいでしょうか。少し厳しいかもしれないけれども、数量・重量の
記入の見直しについて負担軽減と、ある意味では本調査の要になることのような気がする
んですね。検討を続けて参りますというのは、申し訳ないけれどももう少し具体的にどう
いうことをお考えなのかという、現段階でのお考えでもよろしいので、お示しいただけま
すとありがたいのですが、その辺りはどうでしょう。
○しろまる阿向総務省統計局統計調査部消費統計課長 そうですね。実は先生方に今御議論いただ
けるような方法論なり、解決策が私ども出せている状況ではございませんで、そこはもう
しばらくお待ちいただきたい。なかなか答えが出せずに苦労しているといいましょうか、
負担軽減という観点から言えばすんなりなくしてしまうのが一番でございますが、それで
いきますと今まで家計調査の中でとれてきているものができてきませんので、どのような
形をとることが、これも昔は全世帯にお願いしてきたものを今6か月に1回の、最初の開
始月で6分の1の負担に軽減してきたところでもございます。これ以上の軽減を図るとい
うのも、本当に大事なことでもありつつ、数字を利用する方々にとってのユーザー視点で
考えるとどのようなところまでいけるのか、このバランスが難しいところでもございまし
て、ICTでどこまで解決できるのか、そういうところを模索しながら検討を進めていき
たいと思っているところでございます。お答えになってございませんで大変恐縮でござい
ます。
○しろまる白波瀬部会長 分かりました。状況を了解いたしました。いかがでしょうか。よろしい
ですか。ではもう予定した時間に近くなりましたので、本日の審議はここまでとさせてい
ただきます。冒頭の審議方針でも説明しましたけれども、次回の部会では統計法施行状況
報告で示された様々な方向性に関する総務省統計局の対応状況及び対応方針について審議
を中心に行いたいと思います。したがいまして、本日の審議の過程で調査実施者の宿題と
なった事項については、その審議の後、第3回目の部会になるかもしれませんけれども、
そちらで回答していただけるよう準備をお願いします。
最後に皆様にお願いでございますけれども、本日の審議内容につきまして、追加で御質
問やお気づきの点がございましたら、時間が短くて恐縮ですが、10月20日木曜日までに事
務局まで電子メール等により御連絡いただければ幸いでございます。なお、本日の審議内
容については11月18日に開催予定の統計委員会に私から報告させていただきます。
それでは次回の部会について事務局から連絡をお願いいたします。
○しろまる加藤総務省政策統括官(統計基準担当)付企業統計体系整備専門職 次回の部会ですけ
れども、11月7日月曜日10時から、本日と同じこちらの会議室で開催する予定としており
ます。また先ほど部会長からお話がありましたが、本日の内容につきまして追加の御質問30等がございましたら10月20日木曜日までに、メールにて事務局まで御連絡をいただきます
ようお願いいたします。また本日の配布資料ですけれども、次回以降の部会でも審議資料
として使用しますので、忘れずにお持ちいただきますようお願いいたします。
最後に、本日の部会の結果概要ですけれども、事務局で作成次第、メールにて御照会い
たしますので、こちらにつきましても御確認をよろしくお願いいたします。事務局からは
以上です。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。以上をもちまして本日の部会は終了といたし
ます。12月まで部会審議が続きますけれども、どうぞ皆様御協力のほど、よろしくお願い
申し上げます。本日はありがとうございました。