第73回人口・社会統計部会議事録
1 日 時 平成 28 年 10 月 20 日(木)14:00〜15:50
2 場 所 総務省第2庁舎6階特別会議室
3 出席者
【委 員】
白波瀬 佐和子(部会長)
、永瀬 伸子
【専 門 委 員】
川口 大司(東京大学大学院経済学研究科教授)
山本 勲(慶應義塾大学商学部教授)
【審議協力者】
財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、東京都、
大阪府
【調査実施者】
総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室:長藤室長ほか
【事務局(総務省)】横山大臣官房審議官
統計委員会担当室:山澤室長、吉野政策企画調査官
政策統括官(統計基準担当)付統計審査官室:谷輪統計審査官、佐藤調査官ほか
4 議 題 就業構造基本調査の変更について
5 議事録
○しろまる白波瀬部会長 それでは、まだ定刻前ですが、ただ今から第 73 回人口・社会統計部会を
開催いたします。
私は統計委員会委員で、この部会の部会長を務めさせていただきます東京大学の白波瀬
です。どうかよろしくお願いいたします。
委員、専門委員、審議協力者の皆様におかれましては御出席いただき、ありがとうござ
います。本日は、10 月 11 日に開催されました第 102 回統計委員会において総務大臣から
諮問された就業構造基本調査の変更について審議を行います。今回審議をお願いいたしま
す委員及び専門委員等につきましては、お手元の資料4-1として名簿をお配りしており
ます。本日が第1回目の審議となりますので、名簿の順に一言御挨拶をお願いしたいと思
います。
なお、嶋﨑委員は本日所用により御欠席です。
それでは、永瀬委員から順にお願いいたします。-2-○しろまる永瀬委員 お茶の水女子大学の永瀬伸子と申します。よろしくお願い申し上げます。
○しろまる白波瀬部会長 お願いします。川口専門委員、お願いします。
○しろまる川口専門委員 東京大学の川口と申します。よろしくお願いします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いします。山本専門委員。
○しろまる山本専門委員 慶応大学の山本と申します。よろしくお願いいたします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いします。また、審議協力者として関係府省、東京都及び大阪府か
らも御参加いただいておりますので、座席順に一言、御挨拶をお願いいたします。
それでは、財務省から左回りによろしくお願いいたします。
○しろまる田中財務省大臣官房総合政策課調査統計官 財務省の田中です。
よろしくお願いします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いします。
○しろまる林文部科学省生涯学習政策局政策課上席生涯学習官 文部科学省の林です。よろしくお
願いいたします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いします。
○しろまる中村厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室長 厚生労働省の中村です。よろしく
お願いいたします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いします。
○しろまる粉川農林水産省大臣官房統計部統計企画管理官付調整第2係長 農林水産省の粉川と申
します。よろしくお願いいたします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いします。
○しろまる荒川経済産業省大臣官房調査統計グループ統計企画室長 経済産業省の荒川と申します。
よろしくお願いいたします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いします。
○しろまる加藤国土交通省総合政策局情報政策課調整係長 国土交通省、加藤と申します。よろし
くお願いいたします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いします。
○しろまる松尾東京都総務局統計部社会統計課長 東京都の松尾と申します。どうぞよろしくお願
いします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いします。
○しろまる一坂大阪府総務部統計課長 大阪府の一坂と申します。よろしくお願いいたします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いいたします。続きまして、総務省統計委員会担当室、事務局、調
査実施者からも自己紹介をお願いしたいと思います。
○しろまる横山総務省大臣官房審議官 統計委員会担当室の横山と申します。よろしくお願いしま
す。
○しろまる白波瀬部会長 お願いいたします。
○しろまる山澤総務省統計委員会担当室長 総務省統計委員会担当室の山澤です。よろしくお願い
いたします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いいたします。
○しろまる吉野総務省統計委員会担当室政策企画調査官 同じく統計委員会担当室の吉野です。よ-3-ろしくお願いします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いいたします。政策統括官室からお願いいたします。
○しろまる谷輪総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 政策統括官室統計審査官の谷輪
と申します。よろしくお願いいたします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いします。
○しろまる佐藤総務省政策統括官(統計基準担当)付調査官 政策統括官室の佐藤と申します。よ
ろしくお願いいたします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いいたします。
○しろまる小日向総務省政策統括官(統計基準担当)付副統計審査官 同じく統括官室の小日向と
申します。よろしくお願いいたします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いいたします。
○しろまる國分総務省政策統括官(統計基準担当)付主査 統括官室の國分と申します。
○しろまる白波瀬部会長 よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
統計局の方、よろしくお願いいたします。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 労働力人口統計室長の長
藤です。どうぞよろしくお願いします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いします。
○しろまる土生総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室企画官 労働力人口統計室企
画官の土生です。よろしくお願いいたします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いいたします。
○しろまる野上総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室補佐 労働力人口統計室の野
上です。
○しろまる白波瀬部会長 お願いします。
○しろまる内藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室係長 労働力人口統計室の内
藤と申します。よろしくお願いいたします。
○しろまる白波瀬部会長 お願いいたします。大変ありがとうございました。
では、本日は午後4時までを予定しておりますので、どうかよろしく御協力いただきま
すようお願いいたします。
部会審議の進め方につきまして、事前に皆様の御了解を得ておきたいと考えます。統計
法では基幹統計調査の計画を承認する際の基準が定められており、総務省統計審査官室が
その基準に即して事前に審査した状況や論点などについて整理したものが資料3-1の審
査メモとして本部会に示されております。部会の審議は基本的にこの審査メモに沿って行
いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、審議に入る前に、本日の配布資料や今後の審議スケジュールについて事務局から
説明をお願いいたします。
○しろまる小日向総務省政策統括官(統計基準担当)付副統計審査官 それでは、議事次第に記載
の配布資料と照らし合わせながら、資料の御確認をお願いいたします。
本日の配布資料につきましては、資料1としまして統計委員会諮問資料、資料2として-4-統計委員会諮問資料の参考、審議関連資料としまして、資料3-1で審査メモ、資料3-
2で審査メモに示した論点に対する調査実施者の回答、それから、資料3-3で参考資料
としまして、
統計調査における労働者の区分等に関するガイドライン、
その他としまして、
資料4-1で部会構成員名簿、
資料4-2で部会の開催日程をお配りしております。
また、
配布資料の一覧には記載しておりませんが、本日御欠席の嶋﨑委員から部会審議に関しま
して御意見をいただいておりますので、席上配布資料という形でお配りしております。こ
こまでの資料につきまして不足等ありましたら、お申し出ください。
それでは、次に全体の審議スケジュールについてですが、資料4-2を御覧ください。
部会につきましては本日を含めまして計2回の審議を予定しております。1回目となりま
す本日の部会では事務局から今回の諮問の概要について説明した後、審査メモに即して御
審議いただくこととし、審査メモについての審議は基本的に本日で終えたいと考えており
ます。また、来月 11 月 18 日に予定しております統計委員会では本日の部会審議の結果を
中間報告としまして、部会長から御報告いただくこととしております。仮に委員会の場で
指摘事項などがあれば、次回の部会を 11 月 29 日に予定しておりますが、その際に指摘事
項について御審議いただくこととしております。
次回の2回目の部会では本日の部会で宿題等があれば、それに対する調査実施者からの
回答の後、可能であれば、答申案について審議と取りまとめをお願いしたいと考えており
ます。
なお、仮にですが、次回の部会で審議が終了しなかった場合は、大変恐縮ではございま
すが、予備として設定しております 12 月 12 日に3回目の部会を開催させていただきます
ので、御了承ください。
以上の部会審議を経た上で 12 月 16 日に開催予定の統計委員会に答申案をお諮りし、答
申を頂きたいと考えております。
最後に、本日の部会の審議の進め方としましては、始めに事務局から資料3-1に基づ
いて審査メモの審査状況や論点について簡単に説明した後、資料3-2に基づきまして調
査実施者から論点に対する回答の説明等をしていただき、それを踏まえて皆様方に御審議
いただきたいと考えております。
説明は以上になります。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
それでは、審議に入らせていただきます。まず、総務省統計審査官室から就業構造基本
調査の調査計画の変更に係る諮問の概要について説明をお願いいたします。
○しろまる谷輪総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 資料2という横置きの資料があ
ると思いますので、それを用いまして、諮問の概要を説明させていただきます。
まず1ページ目の調査の概要から説明させていただきます。調査の目的ですが、国民の
就業及び不就業の実態を明らかにし、全国及び地域別の就業構造に関する基礎資料を得る
ことを目的としております。
調査の沿革ですが、昭和 31 年に第1回目が開始されまして、現在は5年置きに実施して
おりまして、平成 29 年の調査は 17 回目の実施となります。-5-調査範囲及び報告者数ですが、全国約 52 万世帯の 15 歳以上の世帯員約 108 万人を対象
としております。
右側にまいりまして、調査事項についてです。有業者、無業者、共通の調査事項として
就学状況、収入の種類、育児・介護の状況等があります。
有業者に関する調査事項では、従業上の地位・勤め先での呼称、雇用契約期間、就業日
数・時間、就業理由等、また、無業者に関する調査事項では、就業希望の有無、希望職種、
求職活動状況等を把握することとしております。
その下の調査組織、調査方法ですが、都道府県、市町村を経由しまして、調査員が世帯
に調査票を配布し、回答を頂くことにしております。
続きまして、2ページを御覧ください。就業構造基本調査の利活用状況を2点ほど紹介
させていただきます。介護離職が今日政策課題となっておりますが、介護離職者数が本調
査結果から分かります。また、右側の方のグラフですが、労働力調査に比べてサンプル数
が多いため、都道府県別の結果表章も行うことが可能になっておりまして、都道府県にお
ける政策立案にも利用されていると承知しております。
続きまして、3ページからは調査の変更事項について整理しております。1点目は不本
意非正規労働者に関する統計ニーズを踏まえまして、パート、アルバイト等で働いている
方に対し、現在の雇用形態に就いている理由を尋ねる調査事項を追加するものです。
2点目は近年の転職者数の増加を背景に、非正規から非正規、非正規から正規といった
雇用形態間の異動につきまして、詳細な実態を把握する観点から、前職の雇用契約に関し
契約期間の有無や期間に関する調査事項を追加するものです。
4ページを御覧ください。変更内容の3点目ですが、育児・介護の状況に関する調査事
項について、従前は育児・介護を行っているか、いないかのみを把握していたのですが、
就業と育児・介護の関係をより詳細に把握する観点から、育児・介護の頻度を把握するよ
うに変更することとしております。
4点目は東日本大震災の影響に関する調査事項を削除しようとするものです。これにつ
いては、震災発生から5年以上が経過し、把握の必要性が低下していることから削除する
こととしております。
5ページにまいります。調査方法の変更についてですが、今回の調査では全国の調査対
象世帯となる全世帯 108 万人を対象にオンライン調査を導入することとしております。
最後に6ページを御覧ください。前回、平成 24 年1月の統計委員会の答申において今後
の課題が付されております。具体的には、1回当たりの雇用契約期間に係る選択肢の細分
化と現職への就業理由の把握の検討の2点が指摘されておりますが、いずれも今回の調査
では、指摘を踏まえた形の諮問案となっております。
私からの説明は以上です。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。詳細な議論につきましては、基本的に個別事
項の審議の中で行いたいと思いますが、総論的なことで、特にここで御発言しておきたい
という点がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。何かありますでしょうか。
よろしいですか。-6-では、これから就業構造基本調査の調査計画の変更内容について審議を行います。限ら
れた時間で効率的に御議論いただくために審議の進め方としましては、審査メモの論点に
沿って、ある程度関連する変更事項などをまとめて御説明いただき、その後審議すること
といたします。
それでは、審査メモの1ページの「1 就業構造基本調査の変更等」についてです。ま
ずは1ページの「
(1)報告を求める事項の変更」のうち「ア 学校区分の選択肢の分割」
から、5ページの「ウ 前職の雇用契約期間の定めの有無・1回当たりの雇用契約期間の
新設」までについて事務局から説明をお願いいたします。
○しろまる谷輪総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 資料3-1という資料に沿いま
して、簡単に説明させていただきます。
まず1の(1)の「ア 学校区分の選択肢の分割」についてです。今回の変更計画では、
学校区分の選択肢について、従来、短大・高専で括られていたものを短大と高専に分割す
ることとしております。これにつきましては、教育と就業状況との関係のより詳細な把握
に資するものであると考えられますから、適当であると考えます。
次に、
審査メモ3ページにまいりまして、
「イ 現在の雇用形態に就いている理由の新設」
についてです。今回の変更計画ではパート、アルバイト、派遣社員等に対しまして、現在
の雇用形態に就いている理由を把握する調査事項を新たに追加することとしております。
これについては、本調査事項の追加により非正規労働者に関する詳細なデータの把握が可
能となるものであることから、おおむね適当であると考えますが、本調査事項の利活用の
観点から見て、統計委員会でも議論となりましたが、選択肢の妥当性の確認など、2つの
論点を整理しております。
次に、審査メモ5ページの「ウ 前職の雇用契約期間の定めの有無・1回当たりの雇用
契約期間の新設」についてです。今回の変更計画では、前職における雇用契約期間の定め
の有無及び1回当たりの雇用契約期間を把握する調査事項を追加することとしております。
これにつきましては、転職者の実態を明らかにし、非正規労働者に関する施策の検討に資
する詳細なデータの把握が可能となるものであることから、おおむね適当であると考えま
すが、本調査事項の利活用の観点から見て、把握内容の妥当性の確認など、3つの論点を
整理しております。
事務局からの説明は以上です。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
それでは、総務省統計局から論点に対する回答をお願いいたします。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 それでは、資料3-2に
基づきまして論点に対する回答をさせていただきます。
まず報告を求める事項のイですが、現在の雇用形態に就いている理由の新設の部分につ
きまして、本調査事項から得られるデータは具体的にどのような行政施策に活用すること
が想定されるのかという点と、利活用との関係から見て選択肢の構成は適当なものとなっ
ているか。これは諮問案では、労働力調査で把握している現在の雇用形態についている理
由と同じ選択肢としておりますが、先般の統計委員会でも議論が出ましたが、103 万円の-7-壁とか、130 万円の壁とか、収入調整につきまして選択肢を設けることができないかとい
ったようなことで、論点として頂いております。
これにつきまして、下の回答に記載しておりますが、近年の非正規雇用者の増加を背景
に、ニッポン一億総活躍プラン等におきまして、不本意非正規雇用者の正規雇用への転換
等が政策課題として挙げられております。この調査から得られるデータはそのような政府
の雇用政策で重要な基礎資料になるのではないかと想定しております。
また、就業構造基本調査はサンプル数が労働力調査の 10 倍ですので、地域別結果、詳細
な、都道府県別だけではなくて、県庁所在地や人口 30 万以上など、詳細な地域別結果も出
すことができますので、それらについて不本意非正規雇用者の状況がどうなっているかと
いったような情報を提供することもできます。そのような点からも地方公共団体において
も雇用施策等に関連して有用なデータを提供することができると考えております。
なお、労働力調査の不本意非正規の雇用者に関する結果につきましては、日本経済再生
本部、未来投資会議の基礎資料としても活用されておりますので、その点を付け加えてお
きます。
それから、選択肢ですが、不本意非正規雇用者等を把握するということがそもそもの目
的で、こういった選択肢になっておりますので、労働力調査で採用されているこの選択肢
と同じものを就業構造基本調査でも設定するということで、全国、都道府県等で利活用の
観点からも同じ選択肢の方が適当であろうと考えているところです。
所得を一定の範囲に抑えるための就業時間の調整といった実態の把握につきましては、
社会的な要請が高まっているということがありますので、選択肢として設けるのは非常に
難しいことから、新規の項目として立てさせていただいております。1ページの下に図で
示しておりますが、A9の下ですね。A10 として、
「収入を一定の範囲内に抑えるために
就業時間を調整していますか」
、このような質問事項を設けまして、
「している」、「してい
ない」と。単純な質問ですが、収入調整の実態がこれで把握できるのではないかと考えて
おります。
ここではA9、A10 は非正規職員について回答を求めておりますので、正規職員はここ
に入ってきておりません。正規職員の人は 103 万円をほとんど超えてしまいますので、収
入調整というのは問題にならないであろうと。A9に付加する形で新たな調査事項を追加
するのが適切ではないかと考えておりまして、このような形で提示させていただいている
ところです。
それから2ページのウの点につきまして、
「前職の雇用契約期間の定めの有無・1回当た
りの雇用契約期間の新設」というところですが、論点としましては、具体的にどのような
行政施策に活用することができるか。それから、本調査事項から得られるデータの利活用
の点から見て調査事項、選択肢の設定は適当なものとなっているか。また、昭和 63 年以降
の前職を辞めた者を対象として把握することにしておりますので、
最長で 30 年近く前に辞
めた前職の雇用契約期間について把握するということになり、データの利活用から見て意
味があるのか。また、雇用契約期間の定めの有無自体が「分からない」などに回答が集中
するのではないかと。報告者負担や把握可能性から見て問題がないかという指摘です。-8-こちらにつきましても、昨今、ニッポン一億総活躍プランにおいてもそうですが、政府
において働き方改革が非常に大きな問題になっております。非正規職員労働者の正規職員
への転換といったような、それらの政策課題に対応するためにはこのような雇用形態間の
異動について、雇用契約期間を含めまして、データを取っていくことで非常に重要な基礎
資料として活用されるのではないかというように想定をしているところです。
また、雇用形態間の異動の実態を的確に把握するためには、現職の雇用契約期間と同じ
雇用契約期間で前職についても把握するということが有意義であろうと思っております。
このような理由から、現職の雇用契約期間と合わせた形で、この調査事項、雇用契約期間
を設定しております。
なお、現職の雇用契約形態につきましては、前回答申における今後の課題を踏まえまし
て、選択肢の細分化を行っております。これについては、後ほど説明いたします。
それから、前職が最長で 30 年近く前のことを聞いているということで、その点について
ですが、ここは雇用契約期間だけではなくて、その他の事項についても昭和 63 年以降に辞
めた者を対象に把握しておりまして、ほかの項目につきましても、これと同様に把握する
ことが利活用の観点から見て適当であろうと考えております。
特に 30 年前の状況といいま
しても、
「分からない」などに回答が集中するといったようなことは、これまでもありませ
んでしたので、ここは昭和 63 年以降として、前回と同じ期間で把握するのが適当であろう
と考えているところです。
ア、イ、ウにつきましては以上です。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
では、これまでの御説明に対しまして、御意見、御質問のある方は御発言をよろしくお
願いいたします。いかがでしょうか。川口専門委員、お願いいたします。
○しろまる川口専門委員 どうもありがとうございます。1つ目のところで、103 万の壁とか 130
万の壁の就業調整の話が出ていて、それで基本的にこの回答に賛成なのですが、というの
も、103 万、130 万の壁で就業調整されている方は、いずれにせよパート、アルバイトとい
う形で短時間労働の方が多いと思いますので、選ばれた理由を聞くことによって、それを
明らかにする。少し選択肢を足すことによっては難しいと思いますので、このように直接
尋ねるような質問を追加されたというのは非常に結構だと思います。
それで、2番目の論点で、前職の雇用契約期間の定めの有無についてなのですが、今回
の調査では直接は関係しないと思うのですが、今後どのように活用されるかということを
考えましたときに、労働契約法が無期転換を求めるようになっていて、5年の契約期間を
過ぎたときに無期転換を求めるというような形になっておりますので、それが有効になる
ような時期になると、この話というのは非常に政策的にも関連する話かなと思いました。
ただ、これは前の仕事をしていた方に尋ねる形になっているので、転職を通じて、有期
から無期になられた方は捉えることができると思うのですが、次回以降の課題ということ
になると思うのですが、同じ仕事の中で有期だったものが無期に転換されたというような
形の転換をどのように捉えるかというのは次回以降の質問をするに当たっての課題かなと
いう印象を持ちました。
少なくとも非常に政策的には有用な質問項目だと思っております。-9-以上です。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。
では、特に2点目につきまして、いかがでしょうか。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 労働契約法で5年を超え
た場合に無期に転換できるということで、
それが現実的に現れてくるのは数年後ですかね。
3、4年後ぐらいなのですかね。そうしますと、次回の就業構造基本調査でその点をどの
ような形で取り入れて、同じ仕事の中で有期から無期へ転換したということを把握してい
くかというのは非常に重要な論点だと思いますので、どのような形で取り入れることがで
きるか、その点については検討してみたいと思っております。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。ほかにありますか。永瀬委員、どうぞ。
○しろまる永瀬委員 私もこの就業調整について新しい項目を入れたというのは良かったと思いま
す。というのが、仕事の収入の区分が、現在の選択肢では、
「50 万から 99 万」、「100 万か
ら 149 万」と分かれているので、
「100 万から 149 万」を選択した方の収入が特に就業調整
を意識しないでその年収なのか、それとも就業調整、例えば 103 万、106 万、130 万などを
意識しているのかどうか。さらに「50 万から 99 万」を選んだ方も 103 万程度を目指して
いて 98 万ぐらいなのか、
就業調整なしで 50、
60 万円程度なのかなどが分かりませんので、
この項目が加わったことで年収の推測がより良くできるようになり、良かったのではない
かなと思っております。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。では、山本専門委員、どうぞ。
○しろまる山本専門委員 今の就業調整のところ、私も賛成します。ただ、1つ気になるのがパー
トの方の就業調整というと、12 月に就業日数を調整する方も実態としては多いのではない
かと思うのですね。そういったときに、
「就業時間を調整していますか」と書くのか、
「就
業日数や就業時間」や「就業時間、日数などを」というように書くのかという点は1つ検
討しても良いのかなと思いました。
ユージュアルベースの統計ですので、
「調整していますか」という書き方でも良いと思う
のですが、さらに言うと、回答の手引きか何かに、
「年末に日数を調整している人も「して
いる」と答えてください」というような解説があると良いかなと思いましたが、いかがで
しょうか。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 その点、質問事項の中に
収入を一定の範囲内に抑えるためにというのは記載しておりますので、そこには就業時間
だけではなくて、年末に近づいたときに日数等調整しているということも入りますという
ようなことは記入の仕方等で対応できるかなと思いますので、そのように対応したいと思
います。
○しろまる白波瀬部会長 対応していただけるということで、
ここのところは
「時間」
なのですが、
若干スペースがあるので。3つ文字が空いているのですけど。ここのところに「 /日数」
とか、そのようなことになりますか。つまり、それを今の御回答ですと、マニュアルとい
うか、やり方のところで、
「日数」による調整も就業時間の調整に含まれるのでお答えくだ
-10-
さいという対応と解釈したのですが、この辺りはどうされますか。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 「 /日数」については、
実際にスペース内に収まるかどうか、見やすさということもありますので、そこは試して
みたいと思います。通常、回答者には事前に記入の仕方を配布しておりまして、そこに項
目ごとにこのように記入してくださいと記載しておりますので、そちらでは対応できると
思いますが、調査票の中に入れ込むのは試してみてどうかというようにしてみたいと思い
ます。
○しろまる白波瀬部会長 では、
この点、
少し御検討いただきまして、
よろしくお願いいたします。
ほかにいかがですか。どうぞ、山本専門委員。
○しろまる山本専門委員 さらに今の点で1つ忘れていたのですが、就業調整、パートの方、恐ら
く既婚の女性の方を想定されていると思うのですが、高齢者の年金を受給するための調整
という点も捉えられると、とても良いと思うのですね。ですので、統計委員会で説明され
るときに、そこもカバーできるということもアピールされてはいかがかなと思いました。
○しろまる白波瀬部会長 どうぞ。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 その点については、こち
らの内部で検討している際にもその話が出まして、必ずしも配偶者のある方の就業時間調
整だけではなくて、年金の関係の調整もあるのではないかということで、そこは「収入を
一定の範囲内に収めるために」として、書いているわけですが、記入の仕方の中ではどの
ようなケースが含まれるということは明確に記載しようと思っております。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。これは就業調整についてのところで中身そのも
のについてあまりピンポイントで正答を出すということは恐らく得策ではないだろうと思
います。ただ、今の御指摘については既に実施者も御検討されているので、集計のところ
で年齢別等の結果を出していただくということで、新しい項目ですし、年齢、配偶関係に
関わりなく質問すると良いのではないかと思います。
よろしいでしょうか。どうぞ、山本専門委員。
○しろまる山本専門委員 今のところの1番目のところの上の部分なのですが、不本意非正規を捉
えるために雇用形態についての理由を追加されるということ。しかも、これが労働力調査
と同じ質問項目、選択肢ということで、私は非常に賛成しておりまして、とても良いこと
だと思っています。不本意非正規をどのように正規に転換していくかという点は大きな課
題で、回答の1番に記載してあるとおりなのですが、さらに、もし利活用のところでもう
一つアピールしようとすると、今、働き方改革が問題になっていて、その点を考えると、
不本意非正規の反対側、不本意ではない人は本意非正規と捉えることが多いのですが、本
意の中にもいろいろな理由があって、かなり後ろ向きに自ら非正規を選んでいる方も多い
と思うのですね。具体的には、長時間労働が嫌だとか、画一的に働くことや窮屈な働き方
が嫌だと。それらの人たちは本意だから良いだろうという話でもなくて、正社員の働き方
改革が進んでいけば、後ろ向きに非正規を選んでいる人も減ってくると思うのですね。そ
のようなことを捉えるためにも、
「自分の都合の良い時間に働きたいから」や「家事・育児・
介護等と両立しやすいから」ということが、非正規でなければできないというような状況
-11-
になっている。そこが問題なので、そのようなことが減っていくという点も変化という意
味では重要な変化かと思いますので、働き方改革との関係を見る上でも、本意型非正規の
理由をより詳細に見られるということは、また一つ画期的なことで、政策的にもかなり重
要なのではないかなと思いますので、可能であればそこもアピールしても良いかなと思っ
た次第です。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。いかがですか。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 こちら、理由につきまし
ては該当するもの全てにマークと、うち主なものをマークということで、大分詳細に把握
することができますので、それを年齢や配偶関係、収入など、いろいろな面から分析する
ことができるのではないかなと思っております。その点はアピールしていきたいと思いま
す。
○しろまる白波瀬部会長 山本専門委員のおっしゃっていることはごもっともです。解釈としては
結構引き算していて、不本意ではない人を割り出しています。もちろん不本意でない中身
もいろいろな程度はありますので、理由というのも後付け的に聞いていて選択肢のある意
味の限界があることも否定できませんが、恐らく現時点ではこの選択肢でよしとしてはい
かがでしょうか。その中の分析については今後検討していただくというのが現時点では現
実的かなと思います。ただ、大変貴重な御意見ですので、もちろん議論の項目としては残
させていただきますが、とりあえず選択肢を増やすということは難しいかもしれないです
ね。
○しろまる山本専門委員 はい、そうですね。私もそう思います。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。それ以外に何か御発言ありますでしょうか。
○しろまる山本専門委員 もう一つだけ。2番目の本当に補足程度のコメントなのですが、30 年前
のことなので、雇用契約期間の定めの有無が「分からない」や、定めはあったものの「期
間が分からない」に集中するということ、あまりそのようなケースはないのではないかい
うことなのですが、恐らく、現在に比べればそれらの回答は多くなると思うのですね。た
だ、30 年前にどの程度の方が自分の雇用期間を把握していたかというと、それほど多くな
いのではないかなということも想像できますので、むしろ分からないとか、期間が分から
ないということが多いということも1つの貴重な情報なのかなと思うのですね。
ですから、
分からないに集中することはないと考えていると書くだけではなくて、ここにどれぐらい
多いかというのも調査する価値があるというような前向きな回答にしても良いのかなと思
いました。
○しろまる白波瀬部会長 大変建設的な御意見をありがとうございます。私もその方が良いと思い
ます。今までのような周知というか、契約の考え方というのがまだ弱かった時代でもあり
ますので、
「分からない」ということがこれだけ時系列的に見えるというのは大変意味のあ
ることだと思います。
説明文に恐らく1つ、
それは問題ないという形の書き方ではなくて、
現時点での実態を過去に遡ぼって解釈できるという積極的な点を記載していただけると、
より説得的になると思います。ですから、後ほどこれについては。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 はい、分かりました。
-12-
○しろまる白波瀬部会長 よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。川口専門委員。
○しろまる川口専門委員 2点目のところで前の雇用期間を聞くことのメリットなのですけれども、
前職の雇用期間を聞いていて、実際に前の仕事をどれくらい続けていらしたかというのも
C2の問題で聞くようになっています。また、前の仕事を辞めた理由というのも直接聞い
ていて、選択肢に「雇用契約満了のため」というのがあるのですが、必ずしも雇用契約期
間が5年だから5年いっぱい勤めて辞めるというだけではなくて、5年だから4年の時点
で次の仕事を探し始めて、実際には4年半ぐらいで転職されるというような、契約や有期
雇用だから転職につながるというか、
離職につながるというようなことというのはあって、
今の選択肢ではそのことが必ずしも捉えられていないような気がするので、やはり前の契
約期間を聞いて、かつ実際に雇われていた期間を同時に聞いているというのは非常に有用
なのではないかなと思います。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。かなり分析に踏み込んだ形のコメントが多い
のは、次の集計段階で今頂いた御意見を反映させていただきたいと思います。
あとはいかがでしょうか。永瀬委員。
○しろまる永瀬委員 今の川口専門委員の御発言は確かにおっしゃるとおりだと思うのですが、そ
うするとC3の「どうして前の仕事を辞めたのですか」という中で、
「雇用契約の満了のた
め」ではなくて、雇用契約が有期雇用であったからという方が捉えやすいという御意見と
思ってよろしいのですか。3年だったのに2年半で辞めた方がどこに丸を付けるかという
と、
「労働条件が悪かったため」という、ここになるかもしれないという、そういうことで
すかね。
○しろまる川口専門委員 そうですね。ですから、
「雇用契約の満了のため」──やはり質問、回答
項目の継続性ということもあると思うので、私の意見はこれを変えてほしいということで
はなくて、これはこれで残していただくのですが、間接的に前の仕事の契約期間が分かれ
ば、そのような先読みした行動によって転職活動を始めたということが間接的には捉えら
れるのではないかと。その程度の意見です。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。この辺りは皆様研究者ですので、どんどん期待
値も、また熱心さも高まっていきますね。大変良い傾向だと思うのですが、基本的にはこ
の時点では審査項目の検討をしていただきまして、御意見そのものは皆様とても有益で、
今まで分からなかったブラックボックスだったところが一つずつ紐解かれるという点で大
変よろしいかと思うのですが、集計段階のご意見として現時点では伺っておくということ
にさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
では、いろいろ御意見をいただきましたが、現時点で調査実施者の方からの新たな就業
調整の案について、御意見が山本専門委員からも出ましたので、それについて御検討いた
だくということではありますが、基本的にこれで御了承いただいたというようにしてよろ
しいでしょうか。(「はい」の声あり)
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。
では、続きまして審査メモの6ページですね。
「エ 育児・介護の実施頻度の追加等」か
-13-
ら 10 ページの「カ 東日本大震災の仕事への影響について」につきまして、事務局から説
明をお願いいたします。
○しろまる谷輪総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 資料3-1の6ページですが、
「エ 育児・介護の実施頻度の追加等」についてです。これまで育児の状況については「育
児をしている」
、又は「育児をしていない」のみを把握する形式としておりましたが、今回
の変更計画では、育児をしている場合には、その実施頻度について、
「月に3日以内」、「週
に1日」、「週に2日」、「週に3日」、「週に4日から5日」
、又は「週に6日以上」を選択す
るように変更することとしております。さらに、介護の状況についても同様に介護してい
る場合には実施頻度を選択するように変更することとしております。これについては、育
児・介護の状況が就業に及ぼす影響の詳細な把握・分析に資するものであることから、お
おむね適当であると考えますが、本調査事項の把握目的及び利活用との関係から見た選択
肢区分の妥当性の確認など、2つの論点を整理しております。
次に、審査メモ8ページの育児休業・介護休業等の制度の利用状況に係る選択肢の追加
についてです。今回の変更計画では、育児又は介護している者が利用した制度の内容につ
いて、選択肢として「残業の免除・制限」を追加することとしております。これは平成 29
年から育児・介護休業法に基づきまして、介護のために所定外労働の免除を受けられる制
度が施行されることに伴うものです。なお、育児休業につきましては、同様の制度が既に
存在しております。
これにつきましては、育児休業、介護休業等の制度の利用状況について、より詳細かつ
的確に把握することにより、育児・介護休業法の改正による効果の分析・検証に資するも
のであることから、おおむね適当であると考えますが、選択肢の妥当性の確認など、2つ
の論点を整理しております。
次に、審査メモ 10 ページの「東日本大震災の仕事への影響について」です。今回の変更
計画では東日本大震災の仕事への影響に関する調査事項を削除することとしております。
これにつきましては、関係府省及び都道府県から今回調査における継続把握や新たな事項
の把握に関する要望がなかったということですので、今回調査で引き続き把握する必要性
が乏しいと判断し、
削除するものであり、
報告者負担の軽減に資するものであることから、
おおむね適当であると考えますが、調査結果の利活用の面から削除することにより支障が
生じないかについて確認するなど、2つの論点を整理しております。
事務局からの説明は以上です。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
それでは、総務省統計局から審査メモに示されました論点に対する回答をお願いいたし
ます。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 それでは最初に、育児・
介護の実施頻度の追加についてです。本調査事項から得られるデータについては、具体的
にどのような行政施策に活用することが想定されるかということですが、少子高齢化を背
景にニッポン一億総活躍プランでは、女性の活躍推進及び介護離職ゼロといったような政
策課題が掲げられているところでして、
平成 24 年の就業構造基本調査の結果につきまして
-14-
も、介護している雇用者について引用していると。介護している雇用者が何万人いるかと
いうことですね。239 万 9000 人、こういったような数字が引用されておりまして、介護を
理由として退職した人と。そういった者もこの調査の結果から推定される、用いられてい
くということでして、介護しているか、していないかだけではなくて、頻度を把握すると
いうことで、今まで以上に利活用の観点からは有用なものではないかと思っているところ
です。
また、もう一つの論点ですが、データの利活用の関係から見て、育児と介護、それぞれ
の実施頻度の設定の仕方について、適切なものかどうかと。とりわけ実施頻度につきまし
て、1日当たりの時間ではなくて、1週間又は1か月当たりの日数で区分している理由は
何かということです。まず育児の方から申しますと、育児時間というものを把握するのは
非常に難しいのではないかということで、
日数で把握することにしたわけですが、
例えば、
社会生活基本調査では特定の2日間につきまして、生活時間を 15 分単位で把握する。そう
いう調査であれば、家事、介護、看護、育児について、それぞれどれぐらいの時間かとい
うのは把握が可能です。ただ、この調査は、全員に、育児にどれくらい時間を費やしてい
ますかと時間を聞くような形にしますと、家事の範囲ですとか、育児の範囲とか、回答す
る者によって多少ぶれが生じてしまうのではないかといったような心配もありまして、そ
れであれば時間で把握するのではなくて、1週間で大体どれぐらいやっていますかという
日数で把握した方が回答しやすいのではないかということで、こういった日数で回答する
ということにしているわけです。
ちなみに、同様の調査で、21 世紀成年者縦断調査においても時間で把握しているわけで
すが、
こちらは家事、
育児、
子供の世話ということで大きな括りで時間で把握していると。
また、社会生活基本調査で育児の1日当たりの行動者率を調べておりますが、それを見ま
すと、男性が 30.9%、女性が 82.1%ということで、毎日やっている人が、どれくらいの間
隔でやっているか分かりませんが、30%ぐらいの人だと日数で把握しても良いのではない
かということで日数にしております。
また、介護につきましては、社会生活基本調査の結果からいきますと、男性が 18.8%、
女性が 35.6%ということになっております。こういった観点から、日数で把握するという
ことにしたものです。
国民生活基礎調査で介護について調べておりますが、こちらの方も日数で、
「ほぼ毎日」、「週に2日から4日」、「週に1日」、「月に1日から3日」といったような選択肢区分で把
握しておりますので、就業構造基本調査の今回の選択肢区分とおおむね同じような区分に
なっているかなと思っております。
それから、育児休業・介護休業等の制度の利用の状況に関する選択肢の追加ということ
ですが、このデータは、どのような政策に用いられることが想定されるかということと、
選択肢の出現率が、育児では「その他」が 14.2%、介護では「その他」が 52%となってお
りまして、その他の内訳として考えられる代表的な制度は何か、さらに選択肢を追加する
など再検討する必要はないかといったような論点です。
このデータにつきましては、育児・介護ともにニッポン一億総活躍プランで重要な論点
-15-
とされておりますので、これについては就業状況と合わせて分析することで一層の利活用
の拡大が想定されるのではないかと考えているところです。
また、
「その他」につきましてですが、平成 24 年調査におきましては育児の方は 14.2%
で、介護の方は 52%ということで、介護の方が大分その他が多くなっております。これは
会社独自の制度など、そのようなことも考えられるわけですが、残業の免除あるいは残業
の制限というのは非常に大きな部分を占めるのではないかというように想定されておりま
すので、そこについて切り分ける形で選択肢を設けたものです。
また、育児についても「その他」が 14.2%ありますが、その中で、残業の免除あるいは
制限がどれくらい利用されているかということを把握するのも大きな意味があるのではな
いかと考えておりまして、これは育児・介護両方ともに同じ制度を持ったということで、
この「残業の免除・制限」を追加したものです。
それから、
カの東日本大震災の部分につきましてですが、
利活用の状況につきましては、
資料3-2の4ページから5ページにかけて記載しているとおりでして、学術会議、東日
本大震災復興委員会等で使われております。調査項目につきましては、前回は震災発生か
ら1年半後ということで、震災直後の影響を把握するということで非常に大きな役割を果
たしたかと思っておりますが、現時点では発生から5年以上経過したということで、この
調査事項につきましては、関係府省及び都道府県から継続的な把握や新たな事項の把握に
関する要望がありませんでしたので、次回調査では必要性は低いと判断したものです。
こちらからは以上です。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
では、ただ今の説明を踏まえまして、御意見や御質問のある方は御発言をお願いいたし
ます。
ここで日数のことを記載してあるのですね。時間だけではなくて。質問票のところに、
若干違うのですが、F1の2及びF2の2で「
『短時間勤務』には勤務日数の短縮も含みま
す」という、このような記載をされているのですね。今、ごめんなさい。先ほどの了承済
みのところの議論で、時間だけではなくて、日数という。
では、永瀬委員、どうぞ。
○しろまる永瀬委員 介護と子供のケアが同じ質問項目となっていますが、それで両者ともにうま
く測れるかというのはかなり難しいと思います。嶋﨑委員からの配布の御意見にあるよう
に、こうした行動の測定は、元々そもそも難しい点を含むということは分かります。
その上でですが、ここで育児の場合は回答者を未就学児の親に限定しております。未就
学児に果たして限定して良いのかどうか。最近は小1の壁があって仕事が続けられないと
いうこともよく言われていますので、もう少し上まで取っても良いのかもしれないという
ことは一つ思います。
加えて、もしも未就学児であれば、高齢者と違って誰も世話をしないということはまず
ありません。これに対して、介護の場合は、介護の必要度の度合いによって週1、2回程
度、週3、4回程度などで介護ニーズを捉えやすいと思われます。しかし、未就学児の場
合は、恐らく誰かが必ず毎日世話をするでしょう。その場合に、介護と同じような項目で
-16-
実施頻度が「毎日」か、
「週に何日か」という取り方で、育児負担の実態を十分に把握でき
るかどうか疑問があります。想像するに、母親は有業であろうと無業であろうと、恐らく
未就学児の世話の頻度はほぼ毎日と回答する者が多く、あまり育児負担の測定ができない
質問となる。週の頻度という方法で興味深い分布が出るのは恐らく父親に限定されること
になると。
これについて政府の目標として 2020 年までに6歳未満児のいる父親の家事育児関連時
間を 1 日当たり2時間 30 分という目標がありますので、その意味では、貴重な設問が加わ
り良かったと思います。しかし、育児をした週当たりの日数という把握の仕方で果たして
うまく男性の育児参加、あるいは家庭内の夫婦の家事育児分担が測れるのかどうかという
ことが、検討すべき一番大きな課題です。一旦入れると毎回続く可能性が高いので、ここ
ではかなり慎重に議論して、どういう把握の仕方がベストなのかということを考える必要
があります。
社会生活基本調査は同時行動は基本捉える設計でないので、同時行動をどの程度行うか
によって、もし、育児時間という「時間」で聞いたとしても、育児時間は随分社会生活基
本調査の結果とは違うものとなるでしょう。次に、もし現在のような週の実施日数頻度と
いう捉え方ですと、1日の大半を育児時間に使う方も、ほんの 15 分なり育児をする方も、
「毎日」という同じカテゴリーに入ってしまう問題があります。さらに、ここでは保育園
の送迎も育児に入れると注がありますが、社会生活基本調査では「移動」に入ると思いま
すので、そこも少し違う。育児の捉え方についても、家族全体の御飯を作っていたら「家
事」だから「育児」でないと思う人もいるかもしれませんが、子供のお弁当を作っていた
らそれは「家事」ではなく「育児」と捉える方もいると思われるわけで、いずれにしても、
主観による個人差も出やすい項目と思います。とはいえ、日本で少子化の問題が起こり、
男性の育児参加が国際的に極めて少ないのが大きな課題と指摘される中で、男性のどのよ
うな方がどのように育児に参加しているかというのは非常に貴重な情報です。この調査の
この項目は就業別にそれが分かる非常に貴重なデータになると思うわけです。その際の捉
え方が、週に何日の頻度で育児をしているか、といったような捉え方で良いのかどうか、
むしろ1日当たりの時間で聞いた方が良いのではないか、ということについては、もう少
し慎重に議論したら良いのではないかなと考えます。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。今、永瀬委員からも御発言ありましたが、机上
配布として最後のところに、御欠席ということで前もって嶋﨑委員からメモをいただきま
した。特に2番のエのところだと思うのですが、内容を今お読みいただきまして、この点
につきましても嶋﨑委員からの御意見も参考にしながら、少し議論を進めていきたいと考
えます。
いかがでしょうか。何か調査実施者の方から今の永瀬委員の御発言に対しましてありま
すか。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 永瀬委員がおっしゃると
おり、日数で取る場合に少しだけ行った人と長い時間行った人が、同じ1日として捉えら
れると。そうすると、例えば週6日行いましたといった場合にも、その中にはそんなに大
-17-
したことを行ってないかもしれないのと濃密に行っている人もいるということで、それが
同じカテゴリーで計上されてしまう、そのような問題がありますので、本来であれば、ど
れぐらいの時間を費やしましたかというのを聞くのが一番良いのだと思います。ただ、時
間を直接聞くというのは非常に困難ですので、そこで、ここでは日数で把握するというこ
とにしたわけですが、やり方としては、時間の幅をもって聞くということもあろうかと思
いますし、また、時間を聞く際に、家事、育児と含めて聞くのか、育児だけということで
聞くのかとか、その辺りは幾つかやり方があるのではないかなと。多少ぶれがあってもデ
ータとしては、そちらの方が良いということであれば、時間で把握していくという方法も
検討することができるのではないかなと思っております。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。お願いします。川
口専門委員。
○しろまる川口専門委員 ありがとうございます。時間では聞かずに日数で聞くというのは苦渋の
決断というか、やむを得ない部分もあるのかなと思いました。というのは、ここの回答だ
と家事と育児を区分けすることが非常に難しいからとだけ書かれているのですが、社会生
活基本調査は基本的にタイムダイアリーを 15 分単位で記載してもらって、
それを足し上げ
ているので、正確性が高いと思うのですね。逆に言うと、それを行わずに時間を聞くとい
うのは結構難しいと思うのですね、自計式で。それで、社会生活基本調査、実を言うと、
2回目が自計式の時間利用の聞き方になっていて、1981 年の調査なのですが、その年の調
査の時間利用の仕方というのは、前の5年、後ろの5年と比べて、少し接続性がない感じ
になっていて、前後というのはタイムダイアリーをつけてもらって時間を記録しているの
ですが、1981 年はそうしていない。それによる誤差などというのもあって、時間でどれだ
け行っていますかというのを聞いて正確に答えていただくというのは意外と難しくて、き
ちんと回答してもらおうと思ったら、タイムダイアリーをつけてもらうしかないというよ
うな、技術的な測定の問題というのもあると思うので、これはやむを得ないのかなという
印象を持っております。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。いかがですか。では、山本専門委員、お願いし
ます。
○しろまる山本専門委員 私も日数でやむを得ないという川口先生の御意見と同じですが、選択肢
が週に1日、2日、3日とあって、次が4から5日、次が6日以上ということですが、本
当に些細なことですが、なぜここは4、5と6、7を括ったのか。スペースはありそうな
ので、1日ごとに区切っても、恐らく週1日、2日、3日というところは男性の育児参加
でばらつきがあるところなのだろうと思うのですが、スペースがあるのであれば、せめて
4日、5日、6日、7日というようにしても良いのかなと思いました。
○しろまる白波瀬部会長 中身についてですね。いかがでしょうか。そのような意味で嶋﨑委員は
2つ御意見があって、
1つは育児ではなくて子供の身の回りの世話ということなのですが、
ここまでいくとなかなか難しいものがあるかなと思いますが、頻度の取り方について、ほ
かの社会調査データを参考にすると、家族社会学関係では、
「ほぼ毎日」、「1週間に4〜5
回」、「1週間に2〜3回」、「週に1回ぐらい」、「ほとんど行わない」という、こういう区
-18-
分けもありますよという御提案です。
永瀬委員がおっしゃることはとてもよく分かって、メジャメントエラーということから
考えますと、完全なものはなくて、私も最初に育児で1日しかやらないということは想定
できなくて、どういうことでしょうかと思いました。
、これは少し永瀬委員がおっしゃるよ
うに少し議論した方が良いと思うのですが、就業構造基本調査という全体枠の中でどこに
落としどころを設けるかということになってくるかと思います。それで、とにかく1回調
査してみて、次のときにまた変えましょうというほど安易に行うわけにもいかないという
ことにはなってきて、調査票のスペースの問題など、いろいろなレベルの諸問題がでてき
ます。その意味で1つ言えるのは、あまりミクロなところの正確さというのは恐らく求め
るのは難しいであろうということです。
もしカテゴリーで聞くということにしたとしても、
不明な部分は残ります。あともう一つ良いのは、カレンダーで聞いたら正確だと川口専門
委員はおっしゃったのですが、普通の生活は同時進行で行うわけではないですか。何か行
いながらやる。育児なんて大体そうですけど。介護だってそうですよね。そこの正確さを
この調査の中でどこまで求めるかというのは恐らく考えどころかなと思うのですね。です
から、
もちろんデータクリーニングされるときに漠とした聞き方だと恐らく 24 時間と書く
人だって当然いるでしょうし。それは介護も育児も含めましてね。ですから、その辺りを
少し含みつつ、御議論していただけるとありがたいかなと思うのですけれども、何か調査
実施者の方からありますか。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 先ほど先生から指摘の
「週に4〜5日」と「週に6日以上」というところですね。4、5、6、7と聞いたらど
うかということですが、スペースは確かにあるのですが、育児をしているか、していない
かというのもありますので、ここで細かく聞くと、スペースがありそうで、そんなにはあ
りませんので、少し難しいかなというのが正直なところです。
もう1点、今、部会長から指摘のありましたメジャメントエラーとか、どこまで正確に
この調査を行うか。週に何回かというのも、日数としてはそれほど不正確ではないのかも
しれませんが、育児の負担度ということからすると、それほど正確なものではないという
こともあるわけですね。ただ、就業との関係で、ふだんの状態を聞いている。ということ
は、ふだん仕事をしている人にどれだけ育児を行っているのですかというようなことを聞
くわけです。そうすると、週にこれだけは行っているよというのも、ある意味、それは情
報としてはあるのかなと。一方で、正確な時間ではなくて、おおむねどれぐらい行ってい
ますかというような、時間を答えさせるというよりも、時間の幅の選択肢を持って、どこ
かにマークさせるなど、そのような方法も一案としてはあるのかなと。どちらが良いかと
いうのは、先生方の御意見を踏まえて考えなければいけないと思っております。
○しろまる白波瀬部会長 永瀬委員、どうぞ。
○しろまる永瀬委員 嶋﨑委員のメモでは家族社会学会が実施している調査で使われている質問紙
を家事育児の捉え方として例示されています。確認しますと、大体1日の頻度で聞いてい
ますが、それは例えば、
「食事の後片付け」はどうか、
「食事の用意」はどうか、
「食料品や
日用品の買い物」はどうか、
「洗濯」は、
「掃除」は、
「子供と遊ぶこと」は、
「子供の身の
-19-
回りの世話」はと、非常に詳細に家事内容の頻度を個別行動別に聞くものですね。その方
が時間を大括りで聞くよりは正確だと。
そのとおりだと思います。
またそれぞれについて、
この分類の仕方で、私が見て回答しやすいかというと、回答しやすいというように思うの
ですね。1日、2日とか、週2、3回とか、4、5回という方が回答しやすいという可能
性はむしろ高いと思うのです。ただ、この家族社会学会の調査が実に多様に家事育児頻度
を聞いているのに対して、就業構造基本調査では「育児」に関するたった一問でしか聞い
ていないのです。そのたった一問で、夫婦の家事育児負担を調べたいとして、週に何日関
わったかという実施頻度、それがベストかどうか、ということが課題なわけです。もう一
つの可能性としては、例えば平日と休日に分けて時間を聞くとか、おおむねの平均の1日
の従事時間を時間階級で聞くということ、またほかにも可能性はあると思います。
先ほど不正確とおっしゃいましたけど、確かに時間で聞くと、寝ている間も子育てして
いると思う人もいます。隣に寝ているということは育児だといえば、確かに赤子を一人に
はできないから見守っている。だから例えば、24 時間育児をしていると回答する人もいな
いではないと思います。でも、そうした不正確性は仕方ないこととして、大体1日にどの
くらい行っているのかという時間で自己認識を聞いてもいいのではなかろうか。
それとも週の1日単位の育児実施頻度を聞く方が本当に正確か。しかし、この場合も何
を育児と当人が考えるかによって、毎日帰って子供を少しなり抱いてあげたら毎日育児を
したと回答する人もいるでしょうし、少し抱いていた程度では育児だと自分で回答しない
人もいるでしょうし、この聞き方でも個人差は出るのであり、1日の頻度という聞き方な
ら正確かといえば、そうではないと思われます。ですので、もしここで例え頻度がベター
という結論になったとしたら、この場合かなり詳細な説明がないと統一性がなくなるので
はないかなと思います。
○しろまる白波瀬部会長 私が不正確という言葉を出したので便乗されたところが遺憾なのですが、
意味は、説明としてはそういう説明はできない。つまり、就業構造基本調査という大きな
調査の中で、人々の就業行動を説明、あるいは規定する際に育児・介護のこれを見たいの
で、この調査項目にしましたという、当然そういう形の説明をしていただかないと。そも
そもそのようなことは正確には測れませんので、ここに落としましたという説明はまずい
なと思います。
家族社会学の調査事項は、実は国際比較の中で定番がありまして、その定番の事項とい
うのが翻訳されていて、それを採用しているところもあるのですが、1つではなくて、実
は2つなのですね、
ここで見ると。
育児と介護、
2つの項目と調査対象者は思うのですね。
だから、そこでどういう聞き方をするかというのもバランス的には考えなくてはいけない
というか、あまり育児だけに特化して注目してしまうと、少し難しいかなという気が私は
しているのですが。この辺りはいかがでしょうか。ご忌憚のない意見をいただければと思
います。山本専門委員。
○しろまる山本専門委員 永瀬委員のお話を聞いていて、分析する側の立場だけ考えたときには、
労働時間は週で把握しているので、それと比べてどれぐらい育児しているのだろうかとい
うような、粗くても良いので、週の時間換算ができるというのは魅力的かなと思うのです
-20-
ね。そこで、例えば、週に何回というのはこのとおり残しておいて、平均して1日何時間
行っていますかというのを1問加えると、換算したい人は週何時間ぐらい行っているかと
いう点は換算できると思うのですね。私には、ここはスペースがあるように見えるので、
入れていただくことはできなくもないかなと思いました。
○しろまる白波瀬部会長 いかがでしょうか。
○しろまる川口専門委員 掛け算をして平均時間を出すというのは非常に良いアイデアだと思うの
ですが、同時に思うのは社会生活基本調査の方で時間自体は聞いているわけですから、そ
ちらのデータと合わせてお使いいただいて、トータルの時間を出していただくという考え
方もできるのかなと思いました。
○しろまる白波瀬部会長 なるほど。ありがとうございます。これはこのものとしてというよりも
経済学者の先生とか、社会学者も含めてなのですけれども、1つの指標として変数を作る
という作業を行いますので、これをこのまま使うというのは、報告書段階だとそういうこ
ともあるかもしれません。実際には何らかの形で換算して、分析を進めるということには
なってくると思いますので、ここでの射程はあくまでもこの調査に答えていただく。それ
で、目指すところはもちろん複雑な就業構造の個々人のメカニズムを明らかにするという
ことなのですが、その前に基本的な事項について報告書を作って、そこで示された実態を
世に問うことによって政策の基礎的なデータにするというのが、多分現実的な有効利用と
いうことになってくるとは思います。その点で、今大きく2つの案ということで、時間と
して実値というか、番号を入れていただくという、平均的なものを入れていくのか、ある
いはこういう形のカテゴリーを積み上げるというか、
どういう形のカテゴリー化をするか、
分類するかというのは別かと思うのですが、というように考えるのです。大きいところで
は、時間を聞くか、頻度を聞くかというところもありまして、もちろんやりようによって
は時間の方は別のところで詳細に聞けるので、そこで要するに1つパラメーターを持って
きて、こちらの方を活用して分析を進めるということも当然研究レベルではできると思い
ますが、その辺りどうですか。時間を直接という辺りは、調査実施者としてはどんな感じ
でしょうか。感触というか、基本的には結論を今日というわけには恐らくいかないので。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 そうですね。先ほど山本
専門委員から日数を聞いて、それから時間について入れられないかということだったので
すが、この調査の左側に説明文等を記載していまして、この字の大きさは、実はこれでも
少し小さいぐらいになっていますので、
これ以上小さくはできないということからすると、
ここにもう1行何かを付け加えるというのは非常に難しい要求です。
そのような制約もありますので、ここは日数を聞くのか、あるいは時間を聞くのか、ど
ちらかだろうと思っておりまして、我々が当初考えたのは、介護で日数を聞いているとい
うこともありますので、回答者からすると、同じ選択肢が並んでいる方が回答しやすいの
ではないかと。
就業構造基本調査ですので、
就業との関係でどれぐらいの負担度があるか。
従来は、育児をしているか、していないかだけだったのを、どれぐらいの頻度で行ってい
るかということで、就業との関係で見た場合に、週に何回やっているかを把握できれば、
所期の目的は達成できるのではないかと考えたところです。
-21-
一方で、時間で取る方法について、正確な時間ではないかもしれませんが、ある程度大
まかな階級値のような形でできるかどうかについては、スペースの関係もありますので、
また、この調査の目的からして有用なデータになるかどうかということを含めて、こちら
の方で少し検討させていただければと考えております。
○しろまる白波瀬部会長 あと嶋﨑委員から頻度の並べ方ということで、頻度が高い順に挙げると
いうことは御検討いただけないかという。
「毎日」
から。
要するに、
低い方からではなくて、
高い方から並べるということを御検討いただけないかという御意見があるのですが。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 ここの項目だけですと、
そうなのですが、そのほかの項目の並び順からすると、小さい方から大きい順に並べてお
りますので。
○しろまる白波瀬部会長 ほかのところはね。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 全体の構成からすると、
ここだけ逆並びというのは少し違和感が出てくるかなと。実際回答する人から見たときに
「あれ」と思うようなところがないかなというのが少し懸念されるところです。
○しろまる白波瀬部会長 本調査については少ない方から大きい方ということで、それを踏襲した
いということですね。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 はい。
○しろまる白波瀬部会長 ほかにいかがでしょうか。
あと確認なのですが、1つ、今永瀬委員からもあったのですが、未就学児に限るかどう
か。育児という概念というか、正確に育児、子育てといったら、本当はみんなイメージと
しては未就学児ですが、子育ては、ずっと子育てというように言いますけど。
○しろまる永瀬委員 海外は小学校まで全部チャイルドケアというようですが、日本は育児という
と未就学なのですかね。確か社会生活基本調査が家事と育児を分けていて、以前確認した
ときには、小学校以上の育児は家事に入れてくださいという記入上の注意が記載してあっ
たように思い出します。しかし、海外との比較で見ると、海外はチャイルドケアというの
は、ずっと年長の子供まで入ってきますので、少しそこが違うなと思って。私自身は子育
てはもう少し長いかと思っていたので。
○しろまる白波瀬部会長 個人的な感覚でいくと長いと思います。どんどん長くなっているのが、
残念ながら、現実なのですけれども。ここで未就学児に限るというのは、もしかしたら、
せっかく聞くのであれば、狭いかもしれないという気はします。ここで未就学児と設定さ
れた理由というのが確認できればよろしいかなというのが1点と、あと介護なのですが、
要介護か否か。つまり、介護保険の範ちゅうでの介護をおっしゃっているのか。本当は専
門家に言わせると、介護か看護か本当は厳密なカテゴリーがあるのです。この辺りは完全
に介護、つまり、要介護認定を受けている人ということではないのですね、という確認で
す。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 先ほどの育児について未
就学児に限るかどうかという点については、
こちらの方でも調べてみたいと思うのですが、
この調査はこれまで未就学児ということで調べておりまして、それを前提に育児休業や、
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どのような制度を利用していますかというように聞いていますので、その辺り未就学児か
らもっと拡大した際に、どのような問題点や課題が出てくるかについては整理したいと思
っております。
それから、介護につきましては、記入の仕方の方で、介護保険制度で要介護認定を受け
ていない人や自宅外にいる家族の介護も含めますと記載しておりますので、必ずしも要介
護1から5までのカテゴリーだけではないということです。
○しろまる白波瀬部会長 分かりました。永瀬委員、どうぞ。
○しろまる永瀬委員 貴重な調査の非常に貴重なスペースをとる設問ですので申し上げるのですが、
最近の調査によっても、育児休業を取っている人というのはまだ日本の中では子供を産ん
だ人の中で多く見ても3割ぐらいだと思うのですね。出産そのものが下がっており、しか
もその中の3割ぐらいですから、せっかくの設問ですが、調査対象者全体に比べると回答
対象者数がかなり少数な項目ということになります。未就学児がいる人を対象とすればも
っと対象者数は広がってきますが、
それでも日本全体で見ると相対的には少数になります。
なので、そのようなことを考えれば、せっかくの設問ですので、もう少し上の子供年齢ま
で対象を広げれば、集計するときに、例えば子供が小学校に入ったときの父親の関与がど
のくらいかといったことも分かると......。多分、集計を県別に出されると思うので、もし
かしたら通勤時間とこういうことは関わってくるかもしれませんが、どういう地域で父親
の関与がより多いのかということが分かれば、1つ非常に貴重な情報になるなと。先ほど
の育児を時間で捉えるか日数で捉えるかという点については、私も今現在特にぜひこれが
良いと推奨があるというよりは、日本の政策上、また子供のいる世帯で母親の就業率が全
般に上昇する中においては、家事育児分担は極めて重要な項目となるので慎重によくよく
検討して決めた方が良い項目だという、そのような意見ですね。子供年齢については、で
きることなら、せっかくなので、もう少し上まで取ってもよろしいのではないかという意
見です。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。ほかに。川口専門委員。
○しろまる川口専門委員 慎重に検討していただきたいというのは全く永瀬委員がおっしゃること
に賛成で、そのときに考えてほしいのは、ほかの調査との整合性ですとか、社会生活基本
調査と組み合わせて、トータルの時間を計算しようとしたときに、定義がずれていたりす
ると、そのようなことができなくなるという問題もありますし、あと今までの調査との整
合性ですね。そういうものがなくなってしまうというコストはあるので、それとの見合い
で、慎重に検討していただきたいなと思います。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。永瀬委員。
○しろまる永瀬委員 しかし、社会生活基本調査と比較するのは、実は難しいと思います。という
のは、育児というのは同時行動ですが、社会生活基本調査は基本的には 15 分ごとの主行動
を把握していくのがメーンだと思うので、
掲載表にはメーン行動が出ていると思いますが、
そういう点では、回答時間が違うとしてもそもそも概念が違うとすれば比較が難しい点は
あろうかと思うのですね。
○しろまる白波瀬部会長 いや、多分、川口専門委員がおっしゃったのは、そのようなことも含め
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て、1対1の比較ではなくて、ほかの既存調査のデータを集めていただいて、その結果、
我々としてはこの結論に至ったという説明をしていただいた方が、そういう意味ではこち
らとしても検討材料も出てきますし、検討もしやすいということになります。社会生活基
本調査というのは1つの例で、それはもちろん、何度も出ていますように、同時行動は分
からないということはあるのですが、それも含めまして、他の調査で用いている定義は重
要だと思うのですが。その辺りを次回までに資料を整理していただきますようにお願いし
ます。
ほかにいかがでしょうか。山本専門委員、どうぞ。
○しろまる山本専門委員 4ページ目に行ってもよろしいですか。
○しろまる白波瀬部会長 どうぞ。
○しろまる山本専門委員 制度の内訳に「残業の免除・制限」を入れるということで、資料では前
回調査で介護について、
「その他」の制度が 52%ということで非常に多いなというのは事
実ですので、新たな選択肢を加えるというのは賛成いたします。
そこで質問なのですが、残業の免除というのはあるかなとは思うのですが、なぜ 52%に
なったのかというのが少し理解しにくいなというのはあるので、何か実態把握やアンケー
ト調査、ヒアリングなどをされて、どういったものがほかにあったのかということを教え
ていただければと思います。
○しろまる白波瀬部会長 いかがですか。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 実態把握というのは非常
に難しくて、恐らくここはこういった介護休業や、介護休暇以外に会社独自のいろいろな
制度のほか、慣行などといったものも含めて、いろいろなことを行っているのではないか
と。例えば配置転換や人事上の配慮など、何らかそういったようなことを行っている可能
性もあるのかなと。そのような場合、全部それらは「その他」になってしまいますので。
今までは残業の制限などは把握しておりませんでしたので、
それも含めて全部が
「その他」
の方に入っていたと。その中で、制度として明確なのは、残業の免除・制限が今度から出
てくるということです。その部分を切り出して把握するということにしたものです。
○しろまる白波瀬部会長 今の山本専門委員の御要望はつまり、これからどのような制度が出るの
で、それを取り出しましたというよりも、実態把握の形態は質的なものも含まれるような
気もするのですが、人事管理上や経営上でほかに多分いろいろな裁量で介護などは行って
いるのではないかと思うのですね。上司の裁量で早く帰らせてもらっているというのも含
めまして。ですから、
「その他」に入り込んだと想定されるカテゴリーについて少し調べて
いただけると、よろしいと思います。つまり、残業とかそれ以外のところで、もしかした
ら今も申し上げましたが、上司による裁量など、それは別の調査で行っているのですが、
実際には結構活用されているのですね。そのようなカテゴリーを挙げろというのではなく
て、ただ、実態については恐らくこのような中身があるのではないかということを、存在
するデータから拾い上げて、提示していただけるとよろしいかという、そのような御要望
だったように思うのですが、どうでしょうか。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 そうですね。少し調べて
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整理したいと思います。
○しろまる白波瀬部会長 山本専門委員、どうぞ。
○しろまる山本専門委員 今のお話、慣行などもここに制度として回答者が認識すれば書いてもら
って良いという設定なのでしょうか。これは明確に制度を聞きたいのか、それとも実態と
して、上司の配慮や、早く帰れるような風土が職場にあるというところまで広く含んだも
のなのかということは目的によって変わってくると思うのですが、ここはいかがでしょう
か。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 調査の選択肢で設けてお
りますのは、明確に制度となっているものですね。通常ですと従業員の方が申請して会社
から承認されて、育児休業や介護休業などを取得するという、そのような制度について把
握するものです。
○しろまる白波瀬部会長 どうぞ、山本専門委員。
○しろまる山本専門委員 そうすると、統計上、
「その他」の制度が 52%もこのまま残るというの
はあまりきれいでもないし、では何があるのだと思ってしまうと思うのですね。
「その他」
に慣行などが入っているのであれば、それを排除していくというのが統計としては望まし
い姿なのではないかなと思いますので、もし本当に明確な制度を捉えたいのであれば、手
引きの方をもう少し工夫されるというようなことも検討してみてはいかがでしょうかとい
うのが1つと、
もう一つ制度という点では、
介護に関して、
例えば有給休暇を使いました、
フレックス制度を使いましたというような、幅広い人事上の制度というものも入っている
可能性があるのかなとも思うのですね。それも含めて、どのようなことが「その他」に入
っているか、まず実態を把握した上で、では、どのような目的でこの調査事項を設定して
いるかというところに立ち返って、何を答えてもらうかというところを誘導していくのが
必要かなと思いました。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございます。制度かどうか分からないが、というものが多分
この「その他」の中に入り込んでいるということも、ここでは制度のことを聞いているの
に、
制度かどうか分からないよというのが多分
「その他」
に入っているということなので、
その辺りが整理できるようにという今の山本専門委員の御指摘ですね。その辺り少し整理
していただいて、ここを知りたいというのを明示化していただくのが良いかもしれないで
すね。
よろしいでしょうか。川口専門委員。
○しろまる川口専門委員 やはり制度に関してなのですが、ほかに厚生労働省などの調査で、この
種のことを調査しているものというのはないのでしょうかね。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 確か基幹統計調査ではな
かったかと思うのですが、確かに調べているものはあったと思いますので。ただ、こちら
の方にも調査の記入の仕方の中で、こういうことを記入してくださいということを記載し
ておりまして、育児・介護休業法に基づくこういった制度について書いてくださいと記載
しているのですね。1個1個列挙しているのですが、会社の独自の制度は「その他」に書
いてくださいというようにしていますので、そこも含めて、厚生労働省でもそういったよ
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うな調査はあると思いますので、そこはもう少しこちらの方も調べてみたいと思います。
○しろまる白波瀬部会長 多分、一般統計で何かあるような気がしますので、御検討いただきます
と、ありがたいですね。よろしいでしょうか。
では、ここにつきましては継続審議ということで、宿題の方がいっぱい出てしまって大
変申し訳ないのですが、よろしく御対応をお願いいたします。
では、続きまして、審査メモの 11 ページの「
(2)報告を求める者の変更」から「(4)集計事項の変更」について、事務局から説明をお願いいたします。
○しろまる谷輪総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 資料3-1のです。11 ページの「(2)報告を求める者の変更」についてです。今回の変更計画では報告を求める者の数に
ついて、前回調査における約 50 万 6000 世帯、15 歳以上の世帯員約 108 万 3000 人から約
52 万 3000 世帯、15 歳以上の世帯員約 108 万 3000 人に変更することとしております。これ
については、前回調査と同程度の標本規模とし、時系列的な変化を安定的に把握するため
に必要な報告者数を確保するものであることから、適当であると考えます。
次に審査メモ 12 ページの「(3)
報告を求めるために用いる方法の変更」
についてです。
今回の変更計画では、オンライン調査の対象を全世帯 52 万 3000 世帯、約 108 万人 3000
人に拡大し、スマートフォンやタブレット端末からの回答にも対応するオンライン調査シ
ステムを構築することとしております。
また、紙の調査票の回答期間に先行してオンライン調査の回答期間を設定することなど
により、世帯に対してオンラインによる回答を促すこととしております。これらにつきま
しては、報告者の利便性の向上、調査の効率的実施等の観点からおおむね適当であると考
えますが、オンライン調査の円滑な実施及び更なる推進を図るため所要の方策等が講じら
れているかの確認など、2つの論点を整理しております。
次に、審査メモの 13 ページの「
(4)集計事項の変更」についてです。集計事項につき
ましては、調査事項の追加・削除等を行うことに伴いまして、調査結果として作成される
集計事項の変更を行うこととしております。これについては、政策課題を検討するための
有用な情報の提供とともに、
統計利用者のニーズにも答えようとするものであることから、
おおむね適当であると考えますが、統計の有用性の確保等の観点から変更する集計表の確
認など、2つの論点を整理しております。
事務局からの説明は以上です。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
それでは、
総務省統計局から審査メモに示された論点に対する回答をお願いいたします。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 それでは最初にまず報告
を求めるために用いる方法の変更です。
前回の調査の実施状況、
オンラインによる回答率、
導入の効果等につきまして、どのようになっているか。また、それについてどのように評
価しているのかということですが、前回調査では県庁所在都市等、人口 30 万以上の都市、
そういったところで調べておりまして、全国で約 40 万人、全体の約 41%の人がオンライ
ンの対象になっていると。そこで、こちらとしては報告者の利便性の向上、電子調査票に
実装されるチェック機能による実査事務負担の軽減、オンライン回答世帯に対する調査員
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の回収事務負担の軽減等、トータルで見た場合に、この調査の負担としては軽減されてい
ると思っているところです。
一方で、オンライン回答率が 4.2%であったということで、今後、この 4.2%をもっと向
上させるような方策の検討が必要であると考えております。
平成 27 年に実施しました国勢調査では、オンライン先行方式で実施しておりまして、そ
こでは大分高いオンライン回答率であったと。37%、38%ぐらいの回答率だったというこ
となのですが、
一方で調査員事務の増加といったような側面もあったと認識しております。
そこで、この調査は国勢調査の後に実施するということで、大分オンライン調査は国民全
体に浸透していると。そういうわけで、必ずしもオンライン先行方式ではなくて、今回は
並行方式で実施することとしておりますが、それでも前回よりは高いオンライン回答率が
見込めるのではないかと。また、調査世帯への訪問回数の増加に伴う調査員事務の負担も
考慮して、並行方式を採用したわけですが、トータルで見て回答率が高まるのではないか
ということと、調査員事務の負担も軽減されるのではないかと考えております。
国勢調査と違うところは、この調査は個人個人に回答してもらうと。世帯単位の回答で
はないということで、一人一人に調査票を配布する調査ですので、1つの世帯の中に、紙
で回答する人もいれば、オンラインで回答する人もいる。そのような可能性がある調査と
いうことで、国勢調査と同じようにオンライン回答率が見込めるかというと、必ずしもそ
こは難しいかなと考えております。したがいまして、具体的にどれぐらいの回答率かとい
うのは、目標としては定めておりませんが、オンラインを推進するということは非常に重
要な課題であると考えておりますので、今回はパソコンだけではなくて、スマートフォン
ですとか、タブレットでも回答できるように、また前回はPDF形式の調査票でしたが、
今回はHTML形式の電子調査票にするつもりですので、使い勝手の面からも前回より向
上しているのではないかと思っております。また、世帯等に対しましてはオンラインで回
答してもらうように積極的にアピールしていきたいと思っているところです。
また調査事項が今回追加されることに伴いまして、集計で作成拡充するものにつきまし
ては、別添3に集計事項を付けております。後ろの方に新しい追加項目について 37 ページ
当たりに新規の集計事項ということで付けております。御覧いただければと思っておりま
す。
以上です。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
ただ今の説明を踏まえまして、御意見や御質問のある方は御発言をお願いいたします。
では、川口専門委員、どうぞ。
○しろまる川口専門委員 世帯員数が減少しているということで、調査対象世帯を増やすというお
話だったのですが、正確な数字を知っているわけではないのですが、世帯員数の減少とい
うのは恐らく地域によっても違うのかなと思うのですが、今回、調査区を増やすのはそう
いった地域性のようなものも考慮されて、このような形で増やされるのか、それとも全国
で慣らして膨らませていらっしゃるのか、その辺りいかがでしょうか。
○しろまる白波瀬部会長 お願いいたします。
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○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 調査区数につきましては、
地域ごとに増やしておりますので、全国一律ではなくて、地域によって増やす。前回と同
じような調査対象数になるようにやっております。
○しろまる川口専門委員 ありがとうございます。
○しろまる白波瀬部会長 ですから、地域ごとの状況というのを考慮して、要するに、回答を増や
されるということですね。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 そうですね。
○しろまる白波瀬部会長 あとはいかがでしょうか。
○しろまる川口専門委員 実質的に回収率というのは、少なくとも公表していないと思うのですけ
れども、オンライン調査を始めたことによって、今までは回収が難しかった方からの回収
が得られるようになったというようなことがあるのでしょうかということと、やはり前の
調査との接続性というか、仮に今まで回答してくれなかった人がオンラインだと回答して
くれるようになったとすると、回答する人のタイプが少し変わってきて、そのことが平均
値とかに影響を及ぼすような、そういう可能性もないわけではないと思うのですが、その
辺りの御検討の状況というのがもしもあれば教えていただきたいのですが。
○しろまる白波瀬部会長 では、調査実施者、お願いいたします。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 オンラインを導入したこ
とによって今まで回答してくれなかった人が回答、
直接的にはどれぐらい効果があったか、
なかなか難しいのですが、調査員の方が実際に行ってもなかなか会えないとか、そういっ
たような方、また、調査票の回収が難しいような方もオンラインであれば回答できるとい
うような方は一定程度いたのではないかなと思いますが、
前回、
オンライン回答率が 4.2%
ということで、実際それほど多くはなかったということもありまして、具体的にどれぐら
いの効果があったかというのは、そこまでは測りかねると。
それから、オンラインで回答した人によって全体の結果に何か影響があるかということ
ですが、今のところ、4.2%の結果ではありましたが、それによって全体の傾向が変わると
か、そのようなことは今のところ確認されていない。影響はないと思っております。
○しろまる白波瀬部会長 よろしいですか。4.2%ですからね。全体への効果はかなり限定的だと思
うのですが、少しこの点につきましては、私としてはもう少し詳しい説明を頂けるとあり
がたいですね。つまり、せっかく実施されているので、少なくとも 4.2%についての分布
を提示して、どういうような傾向があるかとか、検証とまではなかなかいかないかもしれ
ないのですが、それをもって次につなげるのがよいのではないでしょうか。多分良くなる
だろうということであれば、その 4.2%のほとんどが若い人の場合、もしその傾向が踏襲
されれば若い人の回答率が良くなるということはあるかもしれないのですが、オンライン
を実施したからといって、なかなか自然に良くなるというものではないので、その辺り御
努力されていると思いますので、それをもう少し明示していただいた方がこちらとしては
説得力もあってよろしいような気がするのですが、いかがでしょうか。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 それでは、そこについて
はオンラインで回答した分とそれ以外のものの傾向や分布等について整理したいと思って
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おります。
○しろまる白波瀬部会長 完全にはできないと思いますが、できる限りで出していただけると有り
難いと思いますね。
いかがでしょうか。
集計事項につきましては、今すぐというよりもお持ち帰りいただいて御検討していただ
くということで事務局の方から改めて連絡させていただきますが、御意見を頂戴するとい
うことでよろしいでしょうか。何かありますか。では、永瀬委員、お願いします。
○しろまる永瀬委員 集計事項ですが、私、次回欠席すると思いますので......。
○しろまる白波瀬部会長 メモで。今でもいいです。どうぞ。
○しろまる永瀬委員 今拝見した限りですが、育児に関する集計事項については、育児をしている
雇用者が中心になっていますが、父親と母親両方が分かるわけなので、もう少し父親と母
親と子供の関係が分かるようなものがあっても良いのかなと思いました。34 ページです。
それまでは「育児をしている」、「育児をしていない」だけでしたので、しているというの
で、雇用者中心の集計になっていたのかなと思います。
○しろまる白波瀬部会長 ここでおっしゃっているのは男女別ではなくて、
ミクロな関係性を......。
どういうことか、少し......。
○しろまる永瀬委員 例えば妻が就業している夫とか。
○しろまる白波瀬部会長 そういう意味ですね。ミクロな関係を入れ込んだ形でクロス集計ができ
るかという。
単純に対象者が男か女かでクロス集計というよりも、
妻の就業状況を入れて。
○しろまる永瀬委員 妻が無業の場合の父親の育児もとても重要だと思いますので、両方、その辺
は見たらいかがかなということを申し上げます。もう一つ、教育年数がクロス集計に入っ
ていませんので、教育年数も入った方がよろしいかなと思います。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 この集計事項一覧の 38
ページに新規の集計事項ということで、その4番目で育児の頻度に関する集計事項があり
ます。こちらの方では表頭に世帯と夫、妻ということで、夫の育児の頻度、妻の就業状態
とか、このようなことも集計事項としては考えております。
○しろまる永瀬委員 見落としておりました。失礼しました。親の教育区分別も入ったら、よりよ
ろしいかなと思います。
○しろまる白波瀬部会長 御検討いただいて。
○しろまる長藤総務省統計局統計調査部国勢統計課労働力人口統計室長 分かりました。
○しろまる白波瀬部会長 あとはよろしいですか。いかがでしょうか。
繰り返しですけれども、今すぐにということは、難しいのと、今幾つかの宿題が出てお
りまして、新しい変数というのも若干流動的ですので、これについて最終的に継続審議と
いうことで、それぞれの質問項目が固まった段階で、集計事項も固まるというような感じ
もいたしますので、よろしくお願いいたします。よろしいですか。
では、内容的に切りがよろしいので、第1回目の部会についてはこの辺りで議論が白熱
しておりますが、区切らせていただきたいと思います。幾つか調査実施者には宿題という
か、お願いしたことがたくさんありまして、御対応の方、どうかよろしくお願いいたしま
-29-
す。
では、次回の部会について、事務局から連絡をお願いいたします。
○しろまる小日向総務省政策統括官
(統計基準担当)
付副統計審査官 次回の部会につきましては、
間隔が空きますが、来月の 11 月 29 日火曜日の 16 時半から、本日と同じこの会議室で開催
いたします。次回は、本日の審議の中で、調査実施者において改めて確認・整理が必要と
された事項、また、残された論点について御審議いただきたいと考えております。
それから、本日お配りしました資料につきましては、次回の部会においても審議資料と
して利用しますので、忘れずにお持ちいただきますようお願いいたします。
なお、委員、専門委員の皆様におかれましては、もしお荷物になるようでしたら、今日
配布しました資料につきましては、席上に残したまま御退出いただければ、事務局で保管
の上、次回部会において席上に用意させていただきます。
以上になります。
○しろまる白波瀬部会長 ありがとうございました。
本日の部会の議事概要につきましては、後日事務局からメールにて照会させていただき
ますので、御確認をどうかよろしくお願いいたします。
では、以上をもちまして、本日の部会を終了いたします。どうもありがとうございまし
た。