1総 管 管 第 9 3 号
平成26年11月28日
各府省等官房長等 殿
総務省行政管理局長
行政手続法の一部を改正する法律の施行について
第186回国会で成立し、
平成26年6月13日に公布された行政手続法の一部を改
正する法律(平成26年法律第70号。以下「改正法」という。
)は、平成27年4月
1日から施行されます。
改正法は、法令に違反する事実の是正のための処分又は行政指導を求めるこ
とができる「処分等の求め」の手続や、法律の要件に適合しない行政指導の中
止等を求めることができる「行政指導の中止等の求め」の手続を新設すること
等により、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の
権利利益の保護に資することを目的として制定されたものです。
このような趣旨及び目的を踏まえ、改正法による改正後の行政手続法(平成
5年法律第88号。以下「法」という。
)の運用に当たっては下記事項に御留意い
ただくとともに、貴管下各機関及び所管独立行政法人等に対しても周知いただ
きますよう、お願いいたします。記1.法第35条第2項(行政指導の方式)
(1) 趣旨
本項は、許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を有
する行政機関が行政指導をする際に、当該権限を行使し得る旨を示すとき
は、行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該権限の根拠となる
法令の条項や当該権限の行使が当該条項に規定される要件に適合する理由
等を示さなければならないこととすることにより、行政指導の手続の透明
性を高め、法第34条に規定する不適切な行政指導を防止し、もって行政指
導の相手方の権利利益の保護を図ることを目的とするものである。 2(2) 対象となる場合
本項の「権限を行使し得る旨を示すとき」とは、当該行政指導をする時
点において既に当該権限を行使することが可能である場合に、当該権限を
行使し得る旨を示すときのほか、当該行政指導に従わないときに法令上当
該権限を行使することができることとされている場合に、当該権限を行使
し得る旨を示すときも含まれるものである。
(3) 行政指導の相手方に示す事項及び方法
ア 本項各号に掲げる事項については、当該行政指導の相手方が、当該権
限の根拠及び要件並びに当該権限を行使し得る理由を明確に認識し得
るよう具体的に示される必要がある。例えば、当該権限を行使する具体
的な要件が非常に多岐にわたる場合や下位法令等に規定されている場
合には、本項第3号の「当該権限の行使が前号の要件に適合する理由」
として、これらの要件のうち当該権限を行使し得る根拠となる要件に適
合する理由が具体的に示される必要がある。
(注)具体的には、
「 あなたの◇◇という行為が、...法第▽条の規定に違反することが認められたた
め、だいやまーくだいやまーく業務の運営の改善措置を講ずるよう指導します。
また、この指導に従わず、業務の運営の改善が確認できない場合や、再び違
反行為があった場合には、以下のとおり、だいやまーくだいやまーく業務に関する許可が取り消され
る場合があります。
(1) 許可取消処分の権限を行使し得る根拠となる法令の条項(行政手続法第35
条第2項第1号) ...法第しろまる
(2) 上記の条項に規定する要件(行政手続法第35条第2項第2号) ...法第しろまる
条第しろさんかく号の政令で定める技術的基準に適合しないこと
(3) 当該権限の行使が上記の要件に適合する理由(行政手続法第35条第2項第
3号) あなたの◇◇という行為が、許可取消処分の要件である...法第しろまる
しろさんかく号の政令で定める技術的基準のうち...施行令第くろまる条第さんかく号に定める「しろいしかく
しろいしかく」という類型に該当しないため」
といった示し方が考えられる。
イ 本項各号に掲げる事項について、各事項をそれぞれ分けて示すか各事
項を一括して示すかは任意であるが、当該行政指導の相手方がこれらの
事項を明確に認識し得ることが必要である。
ウ 本項各号に掲げる事項を相手方に示す方法については、個別の事案に
応じて各行政機関において適切に判断するものであるが、法第35条第3
項の規定により、口頭で示した場合において、相手方から書面の交付を 3求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の支障がな
い限り、本項各号に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならな
い。
2.法第36条の2(行政指導の中止等の求め)
(1) 趣旨
「行政指導の中止等の求め」は、法令に違反する行為の是正を求める行
政指導であって、
その根拠や要件が法律に規定されているものについては、
当該行政指導の相手方に大きな事実上の不利益が生ずるおそれがあること
に鑑み、相手方からの申出を端緒として、当該行政指導をした行政機関が
改めて調査を行い、当該行政指導がその要件を定めた法律の規定に違反す
る場合には、その中止その他必要な措置を講ずることとすることにより、
行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって当該行政指導
の相手方の権利利益の保護を図ることを目的とするものである。
(2) 対象となる行政指導
実際に行われる個々の行政指導が「行政指導の中止等の求め」の対象と
なるか否かについては、各行政機関において、以下の点を踏まえつつ、個
別の事例ごとに、申出の具体的内容や当該行政指導の内容、社会通念等に
照らして、適切に判断する必要がある。
ア 「法令に違反する行為の是正を求める行政指導」とは、法令((注記))に
違反する行為自体の中止や適法な状態へ回復する措置その他の法令に
違反する行為を改めただすことを内容とする行政指導をいい、具体的に
は、法令に違反する行為をした者に対して行われる次のような行政指導
を指す。
・ 法令に違反する行為(法令に規定されている義務又は要件に反する
行為をいう。
)自体の解消を内容とするもの
・ 法令に違反する行為自体は終了しているが、当該行為によって生じ
た影響の除去又は原状の回復を内容とするもの
・ 法令に違反する行為自体は終了しているが、当該行為の再発防止を
内容とするもの
(注記) 「法令」とは、法第2条第1号に規定する「法令」であり、具体的には、法
律、法律に基づく命令(告示を含む。)、条例及び地方公共団体の執行機関の規
則(規程を含む。
)をいう。
なお、個々の行政指導が本条の対象となるか否かについては、当該行
政指導の法律上の要件が「必要があると認めるとき」とされている場合 4など、法令に違反する行為があることが明文上の要件とされていない場
合も含めて、法令に違反する行為を改めただすことを内容とする行政指
導か否かという観点から、個別の事案ごとに判断する。
イ 「その根拠となる規定が法律に置かれているもの」とは、行政指導を
行う権限及びその要件が法律に規定されているものをいい、行政機関の
任務又は所掌事務を定める規定に基づいて行われる行政指導は含まな
い。
ウ 本条第1項ただし書の「弁明その他意見陳述のための手続を経て」と
は、当該行政指導を行うことについて、その相手方となるべき者が意見
を陳述する機会が付与されたことをいう。
これには、法定された弁明手続に限らず、運用上、当該行政指導を行
うことについて、その相手方となるべき者の意見を聴取する機会を付与
した場合も含まれるが、行政指導の相手方となるべき者に対し、書面な
どにより、行おうとする行政指導の内容及びその理由(根拠条項、原因
となる事実等)を明らかにした上で、当該行政指導を行うことについて
意見を陳述する機会が付与されたものである必要があり、行おうとする
行政指導の内容等を明らかにすることなく、単に当該行政指導の原因と
なるべき事実の有無について意見を聴取したにとどまる場合などは、該
当しない。
また、行政指導の相手方となるべき者に対し、社会通念上、意見を陳
述するために十分な期間を定めて意見陳述の機会を付与したにもかか
わらず、正当な理由なく何ら意見が提出されなかった場合などは、
「意
見陳述のための手続を経て」に含まれる。
なお、
「弁明その他意見陳述のための手続」の方法については、特に
限定はない。
(3) 申出書の提出に関する行政機関の対応
ア 申出書の書式については、法令上の定めはなく、申出人は任意の書式
により申出をすることが可能である。
なお、各行政機関において、申出人の便宜等のため、参考となる「様
式」を作成し、公にすることも考えられるが、その「様式」を用いてい
ないことを理由に、不利益な取扱いをしてはならない。
イ 本条第2項第5号の「当該行政指導が前号の要件に適合しないと思料
する理由」については、例えば、行政指導の要件に適合するという行政 5機関の判断が誤っていることや、当該行政指導が事実誤認に基づくもの
であることを具体的かつ合理的に示すなど、
「要件に適合しない」と考
える具体的かつ合理的な根拠を示す必要がある。
ウ 申出書の記載が具体性を欠いていても、申出の対象となる具体的な行
政指導が特定され、当該申出を受けた行政機関が「必要な調査」その他
の本条第3項に規定する措置をとるに当たって特段の支障が生じない場
合には、相手方からの申出を端緒として行政指導をした行政機関が改め
て調査を行うという本制度の趣旨に照らし、
「必要な調査」
を行う等の本
条第3項に規定する対応をとるべきである。
一方、申出書の記載が具体性を欠いており、申出の対象となる具体的
な行政指導が特定されない場合であっても、行政指導がされた際に申出
書の記載事項である
「当該行政指導がその根拠とする法律の条項」
(本条
第2項第3号)や「前号の条項に規定する要件」
(同項第4号)がその相
手方に具体的に示されていなかったため、当該申出をしようとする際に
具体的に記載することが困難であった事案が想定される。このような事
案については、当該申出を受けた行政機関が当該申出書の記載が具体性
を欠いていることを理由に、不適法な申出として取り扱うことは許され
ず、申出人に当該行政指導の内容を確認するなどの対応をとるべきであ
る。
なお、本条に定める手続の円滑な運用の観点も踏まえ、行政指導に携
わる者は、
「当該行政指導がその根拠とする法律の条項」や「前号の条項
に規定する要件」を具体的に示すよう努めるべきである。
エ 例えば、
しろまるしろまる大臣」や「しろいしかくしろいしかく官」がした行政指導について、これら
の者の所属する「しろまるしろまる省」宛てに申出書が提出された場合など、申出書
に軽微な記載上の誤りがあっても、申出を受けた行政機関が「必要な調
査」その他の本条第3項に規定する措置をとるに当たって特段の支障が
生じない場合には、上記ウと同様に、不適法な申出として取り扱うこと
なく、
「必要な調査」を行う等の本条第3項に規定する対応をとるべき
である。
(4) 申出を受けた行政機関の対応
ア 本条第3項の「必要な調査」とは、当該行政指導の根拠となる法律に
規定する要件に違反するか否か、違反がある場合はその違反の内容及び
程度等を確認し、どのような是正手段が適切かを判断するのに必要な調
査をいう。その具体的な内容及び手法については、申出の具体的内容や 6当該行政指導の内容、社会通念等に照らして、各行政機関において適切
に判断する必要がある。
なお、各行政機関は申出書を受けて当該行政指導の根拠となる法律に
規定する要件に違反するか否かを確認する必要があるが、申出書の記載
に具体性がなく、その確認が困難な場合や、既に詳細な調査を行ってお
り、事実関係が明らかで申出書の記載によってもそれが揺るがない場合
などは、各行政機関の判断により、改めて「必要な調査」を行わない場
合もあり得る。
イ 「当該行政指導の中止その他必要な措置」とは、当該行政指導がその
根拠となる法律の規定に違反する場合に、その是正のために必要となる
措置をいい、当該行政指導の内容やその相手方が受けた不利益の内容等
に応じ、適切な措置を講ずる必要がある。
当該行政指導が継続している場合には、一般に、その中止又は変更の
措置を講ずる必要があると考えられるが、行政指導がされたことを公表
することにより相手方が社会的信用の低下等の不利益を受けている場
合には、併せて当該行政指導が違法であった旨を公表し、相手方の社会
的信用を回復すること等が考えられる。
ウ 申出を受けて行政機関が行う「必要な調査」等の対応については、手
続の公正性の観点から、当該行政指導に実質的に関与した職員や当該行
政指導について利害関係を有する職員以外の職員が行うことが望まし
い。
エ 申出を受けた行政機関の対応の結果については、法律上、申出を受け
た行政機関に申出人に対する通知義務を課すこととはしていないが、各
行政機関は、行政指導の相手方の権利利益の保護等に資する観点から、
行った調査の結果、講じた措置の有無やその内容など、申出を受けた対
応の結果について、申出人に通知するよう努めるべきである。
3.法第36条の3(処分等の求め)
(1) 趣旨
「処分等の求め」は、処分をする権限を有する行政庁又は行政指導をす
る権限を有する行政機関が、法令に違反する事実を知る者からの申出を端
緒として、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるとき
は、その是正のための処分又は行政指導を行うこととすることにより、行
政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益 7の保護に資することを目的とするものである。
(2) 対象となる処分又は行政指導
申出人から求められた個々の処分又は行政指導が「処分等の求め」の対
象となるか否かについては、各行政庁又は行政機関において、以下の点を
踏まえつつ、個別の事例ごとに、申出の具体的内容や当該処分又は行政指
導の内容、社会通念等に照らして、適切に判断する必要がある。
ア 「法令に違反する事実」とは、法令に規定されている義務又は要件に
反する事実をいい、
「法令に違反する事実がある場合」とは、申出の時
点において法令に違反する行為又は状態が反復継続している場合に限
らず、申出の時点では法令に違反する行為又は状態自体は終了している
場合も含まれる。具体的な法令に違反する事実の発生を前提とせずに、
将来における法令に違反する事実の発生を未然に防止することを内容
とする処分又は行政指導は、
「法令に違反する事実」
が存在しないため、
本条の対象とならない。
イ 「その是正のためにされるべき処分又は行政指導」とは、法令に違反
する事実自体の解消や適法な状態へ回復する措置その他の法令に違反
する事実を改めただすことを内容とする処分又は行政指導をいい、具体
的には、法令に違反する事実を生じさせた者等に対して行われる次のよ
うな処分又は行政指導を指す。
・ 法令に違反する事実自体の解消を内容とするもの
・ 法令に違反する事実によって生じた影響の除去又は原状の回復を内
容とするもの
・ 法令に違反する作為又は不作為の再発防止(業務停止命令や許認可
等の取消し、課徴金の納付命令などを含む。
)を内容とするもの
なお、
個々の処分又は行政指導が本条の対象となるか否かについては、
当該処分又は行政指導の法律上の要件が「必要があると認めるとき」と
されている場合など、法令に違反する事実があることが明文上の要件と
されていない場合も含めて、法令に違反する事実を改めただすことを内
容とする処分又は行政指導か否かという観点から、個別の事案ごとに判
断する。
ウ 行政庁がした処分を違法であると思料して求める当該処分の取消し
については、行政事件訴訟法の取消訴訟又は行政不服審査法の不服申立
て等によることとなり、本条の対象とはならない。 8エ 「行政指導
(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)」
とは、行政指導を行う権限及びその要件が法律に規定されているものを
いい、行政機関の任務又は所掌事務を定める規定に基づいて行われる行
政指導は含まない。
オ なお、独立行政法人その他の法人であっても、上記イに該当し得る処
分を行う権限を法令上付与されている場合には、行政庁に当たるものと
して、
「処分等の求め」を受ける対象に含まれる。
(3) 申出書の提出に関する行政庁又は行政機関の対応
ア 申出書の書式については、法令上の定めはなく、申出人は任意の書式
により申出をすることが可能である。
なお、各行政庁又は行政機関において、申出人の便宜等のため、参考
となる「様式」を作成し、公にすることも考えられるが、その「様式」
を用いていないことを理由に、不利益な取扱いをしてはならない。
イ 申出は、同一の事実について一の処分又は行政指導しか求めることが
できないものではなく、申出人が一通の申出書に同一の事実についてと
り得る複数の処分又は行政指導を併記して、それらのいずれかをするこ
とを求める旨を記載することも可能である。
ウ 本条第2項第2号の「法令に違反する事実の内容」や第5号の「当該
処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由」については、合
理的な根拠をもって客観的にその旨を考えられる理由が具体的に記載
されている必要がある。
エ 例えば、法令上、
しろまるしろまる大臣」や「しろいしかくしろいしかく官」の権限とされている処分
又は行政指導について、これらの者の所属する「しろまるしろまる省」宛てに申出書
が提出された場合など、申出書に軽微な記載上の誤りがあっても、申出
を受けた行政庁又は行政機関が「必要な調査」その他の本条第3項に規
定する措置をとるに当たって特段の支障が生じない場合には、法令に違
反する事実を知る者からの申出を端緒として行政庁又は行政機関が必
要な調査を行うという本制度の趣旨に照らし、不適法な申出として取り
扱うことなく、
「必要な調査」を行う等の本条第3項に規定する対応を
とるべきである。 9オ 上記エのほか、処分の権限を有さない行政庁又は行政指導の権限を有
さない行政機関に申出がなされた場合には、当該申出を受けた行政庁又
は行政機関は、申出先となる行政庁又は行政機関(処分の権限を有する
行政庁又は行政指導の権限を有する行政機関)を確認して、申出人に対
して情報を提供するよう努めるべきである。
(4) 申出を受けた行政庁又は行政機関の対応
申出を受けた行政庁又は行政機関は、
必要な調査を行わなければならず、
当該行政庁又は行政機関は、当該調査の結果に基づき必要があると認める
ときは、求められた処分又は行政指導をしなければならない。
ア 本条第3項の
「必要な調査」
とは、
法令に違反する事実があるか否か、
違反がある場合はその違反の内容及び程度等を確認し、どのような是正
手段が適切かを判断するのに必要な調査をいう。その具体的な内容及び
手法については、申出の具体的内容や当該処分又は行政指導の内容、社
会通念等に照らして、各行政庁又は行政機関において適切に判断する必
要がある。
なお、各行政庁又は行政機関は申出書を受けて法令に違反する事実が
あるか否かを確認する必要があるが、申出書の記載に具体性がなく、そ
の確認が困難な場合や、既に詳細な調査を行っており、事実関係が明ら
かで申出書の記載によってもそれが揺るがない場合などは、各行政庁又
は行政機関の判断により、改めて「必要な調査」を行わない場合もあり
得る。
イ 「必要があると認めるとき」とは、必要な調査の結果に基づき、法令
に違反する事実があり、その是正のために処分又は行政指導をする必要
があると当該行政庁又は行政機関が認めるときを指す。
他方、必要な調査を行った結果、次のいずれかに該当する場合など、
「必要があると認めるとき」に該当しない場合には、求められた処分又
は行政指導を行わないこととなる。この場合において、各行政庁又は行
政機関の判断に応じて、法令に違反する事実の是正のために、求められ
た処分又は行政指導に代わって、別のより適切な措置を講ずることが適
当であると認められる場合には、当該措置を講ずるべきである。
・ 求められた処分又は行政指導が、その本来の目的やその根拠となる
法令の規定の趣旨等に合致しない場合
・ 求められた処分又は行政指導により、法令に違反する事実が是正さ
れることに伴う利益に比べて、その相手方の受ける不利益が著しく大 10きい場合
ウ 申出を受けた行政庁又は行政機関の対応の結果については、法律上、
申出を受けた行政庁又は行政機関に申出人に対する通知義務を課すこ
ととはしていない。他方、各行政庁又は行政機関は、申出人の便宜等の
観点も踏まえ、当該処分又は行政指導の相手方となるべき者の正当な利
益が損なわれる場合や事務処理上著しい負担が生じる場合等を除き、行
った調査の結果、講じた措置の有無やその内容など、申出を受けた対応
の結果について、申出人に通知するよう努めるべきである。
エ 申出人の氏名等の個人情報は、もとより行政機関の保有する個人情報
の保護に関する法律(平成15年法律第58号)等に基づき適切に管理され
るべきものであるが、当該申出人が処分又は行政指導の相手方に特定さ
れた場合には、当該申出人が不利益を受けるおそれがあるため、特に申
出人の個人情報の管理を徹底し、申出人の個人情報が漏えいすることが
ないよう万全を期す必要がある。
また、労働者が、その労務提供先における法令に違反する事実の是正
のための処分又は行政指導を求める申出をした場合において、当該申出
が公益通報者保護法(平成16年法律第122号)の「公益通報」に該当す
るときは、当該申出人は同法による保護を受けることになる。

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