総務省|令和7年版 情報通信白書|地域デジタル人材支援の充実や地方のテレワーク普及の推進

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第Ⅱ部 情報通信分野の現状と課題
第6節 ICT利活用の推進

(2) 地域デジタル人材支援の充実や地方のテレワーク普及の推進

ア 地域社会のDXを支える人材育成・確保
(ア)地域情報化アドバイザー派遣制度

総務省では、2007年度から、ICTを地域の課題解決に活用する取組に対して、地方公共団体等からの求めに応じて、ICTの知見、ノウハウを有する専門家(「地域情報化アドバイザー」)を派遣し、助言・提言・情報提供等を行うことにより、地域におけるICT利活用を促進し、活力と魅力ある地域づくりに寄与するとともに、地域の中核を担える人材の育成を図っている。さらに、2025年度からは、地方公共団体からの推薦に加え、地方公共団体等と共同で事業を実施していること等を要件に地場企業等にも派遣対象を拡大した。

「地域情報化アドバイザー」は、2025年度、大学での研究活動や地域における企業活動、NPO活動等を通じた地域情報化に知見・ノウハウを持つ民間有識者等242名に委嘱しており、2024年度には297件の派遣を行った。

(イ)デジタル人材ハブ(仮称)の設置

デジタル人材を地域へ派遣するシェアリングスキームは、複数存在しており、派遣対象、派遣期間、目的及び有するスキルなどがそれぞれ異なるところ、デジタル人材を求める地域が、目的に応じた適切な制度や人材のマッチングを支援する「デジタル人材ハブ(仮称)」を2025年度に設けることを予定している。

デジタル人材ハブの主な機能としては、地域情報化アドバイザー派遣制度等、総務省が実施するデジタル人材のシェアリングスキームについて、目的に応じ適切な制度を選択できるよう支援することや、DX人材を必要としている自治体及び地域社会に対し、人材リストを提供するスキームの中から目的に応じた適切な人材の情報の提供等を検討しており、デジタル人材ハブを通じ、適切なマッチングを行うことで、地域情報化の推進を加速させる。

イ テレワークの推進
(ア)テレワークの概要

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の拡大を経て、2024年の企業のテレワーク導入率は全国47.3%3と一定程度の普及が進んだ一方で、近年は一部企業で出社回帰の傾向がみられるとともに、依然として都市部と地方部、業種間での格差が生じている状況にある。

このような状況の中、テレワークに関する機運醸成の観点から、テレワーク月間実行委員会(内閣官房内閣人事局、内閣府地方創生推進室、デジタル庁、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、観光庁、環境省、一般社団法人日本テレワーク協会、日本テレワーク学会)の主唱により、毎年11月をテレワークの集中取組期間である「テレワーク月間」として、テレワークの実施に際しての効果測定(働き方改革寄与、業務効率化等)の調査や、関係府省庁等によるイベントやセミナーを開催している。また、先進事例の選定・公表を通じて企業などのテレワーク導入のインセンティブを高め、テレワークの導入を検討する企業にとっての参考事例の蓄積にもつなげるため、総務省では、2015年から、テレワークの十分な利用実績が認められる企業の表彰を行っている。

2024年には、テレワークの活用が一定程度広がった現状を踏まえ、テレワークの制度導入や十分な活用実績に留まらず、テレワークの活用による経営効果の発揮や、テレワークの導入が馴染まないと思われている業態の企業におけるテレワーク活用・業務改革等において、特色ある取組を実施しており、その内容が優れている企業・団体を「テレワークトップランナー2024」として選定・公表し、特に優れた取組を行っている企業には「総務大臣賞」を授与した。

(イ)テレワーク普及に対する支援

総務省では、実施率が依然低水準な中小企業や地方でのテレワーク導入を支援するため、地域の商工会議所や地方自治体等と連携し、テレワークに係る地域相談窓口を全国的に整備し、相談受付等を実施している。さらに、テレワークの導入や改善を検討している企業などを対象として、専門家(テレワークマネージャー)による無料の個別コンサルティングも実施し、効果的なテレワーク活用の普及に向けて取り組んでいる。これらの支援は、2022年度からは厚生労働省の労務系のテレワーク相談事業と一体的に運用し、「テレワーク・ワンストップ・サポート事業」として共同で実施している。

そのほか、総務省では、テレワーク導入の課題として多く挙げられる情報セキュリティ上の不安を取り除くため、企業などがテレワークを実施する際に参照できるよう、「テレワークセキュリティガイドライン」や「中小企業など担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)」を策定している。



3 総務省「令和6年通信利用動向調査」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/250530_1.pdfPDF

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本編
第Ⅰ部 特集 広がりゆく「社会基盤」としてのデジタル
1 社会生活におけるデジタルの浸透・拡大
2 企業活動におけるデジタルの浸透・拡大
4 日常生活、企業活動におけるデジタルサービスの重要性・不可欠性
1 AIの技術開発における現状と動向
2 AI利用の現状
1 海外ビッグテック企業の台頭
2 対応の方向性
1 主な課題の概要
第Ⅱ部 情報通信分野の現状と課題
第1章 ICT市場の動向
第1節 ICT産業の動向
5 ICT分野の研究開発の動向
第2節 電気通信分野の動向
2 我が国における電気通信分野の現状
3 通信分野における新たな潮流
第3節 放送・コンテンツ分野の動向
1 放送
2 コンテンツ市場
第4節 我が国の電波の利用状況
第5節 国内外におけるICT機器・端末関連の動向
1 国内外のICT機器市場の動向
2 国内外のICT端末市場の動向
第6節 プラットフォームの動向
第7節 ICTサービス及びコンテンツ・アプリケーションサービス市場の動向
5 ICTサービス及びコンテンツ・アプリケーションサービス市場の新たな潮流
第8節 データセンター市場及びクラウドサービス市場の動向
第9節 AIの動向
第10節 サイバーセキュリティの動向
2 サイバーセキュリティの現状
第11節 デジタル活用の動向
1 国民生活におけるデジタル活用の動向
2 企業活動における利活用の動向
3 行政分野におけるデジタル活用の動向
第12節 郵政事業・信書便事業の動向
1 郵政事業
2 信書便事業
第2章 総務省におけるICT政策の取組状況
第1節 総合的なICT政策の推進
1 現状と課題
第2節 電気通信事業政策の動向
1 概要
3 公正な競争環境の整備
4 デジタルインフラの整備・維持
5 電気通信インフラの安全・信頼性の確保
6 電気通信サービスにおける安心・安全な利用環境の整備
7 電気通信紛争処理委員会によるあっせん・仲裁など
第3節 電波政策の動向
1 概要
2 デジタルビジネス拡大に向けた電波政策
3 デジタルインフラ整備の推進
4 先進的な電波利用システムの推進
6 電波利用環境の整備
第4節 放送政策の動向
1 概要
3 放送事業の基盤強化
4 放送コンテンツ制作・流通の促進
6 放送ネットワークの強靱化、耐災害性の強化
第5節 サイバーセキュリティ政策の動向
1 概要
2 重要インフラ等におけるサイバーセキュリティ
3 サイバー攻撃対処能力の向上と新技術への対応
4 地域をはじめとするサイバーセキュリティの底上げに向けた取り組み
第6節 ICT利活用の推進
1 概要
3 インターネット上の偽・誤情報等への対応
4 安全・安心な情報の利用環境の整備
第7節 ICT技術政策の動向
1 概要
4 量子技術
第8節 ICT国際戦略の推進
1 概要
3 デジタル経済に関する国際的なルール形成などへの貢献
6 二国間関係における国際連携
第9節 郵政行政の推進
1 概要
2 郵政行政の推進
3 国際分野における郵政行政の推進
資料編
付注

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