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空に浮かぶ基地局?地震や台風・山岳遭難事故など、広がる活躍の場

空に浮かぶ気球の基地局が誕生したきっかけ――。それは、東日本大震災でした。
一刻も早くサービスエリアを復旧させたいとの思いから開発され、今では全国主要拠点に配置されています。

熊本震災で初めて実稼動した気球基地局。
法改正や新たな可能性が模索されるなど、さらなる活躍の場が広がっています!

空に浮かぶ基地局って、何?

空に浮かぶ気球基地局と呼んでいるのは「係留気球無線中継システム」のこと。
上空100mの高さに気球を係留し、半径10km程度のエリアでSoftBankやY!mobileの携帯電話による通話やデータ通信が利用可能になります。ヘリウムガスで膨らませた気球を特殊なロープで係留するので、4・5名のスタッフで設置でき、災害発生後の鉄塔復旧で要した人員と比べても格段に迅速な対応ができるのだとか。

台風など局地的災害へ出動!

気球基地局は、熊本震災で初めて投入され、被災地へ向かうための重要ルートとなる山間部エリアでの通信確保に活用されました。

さらに、本年3月の電波法関係審査基準改正により、自然災害やその訓練を行う場合に、通信確保のための設備が設置できるようになったことで、地震だけではなく、台風などの局地的な災害でも利用可能に。気球基地局は、風速25メートルまで対応できるように設計されているので、暴風域から抜けた後であれば、じゅうぶん耐えられる仕様になっているんですよ。

安全な雪山のために

気球基地局の活躍の場は、災害だけではありません!
スキー場などでの遭難事故で利用できないか。新しい可能性への模索が始まっています。

遭難者が持っている携帯電話やスマートフォン。これらにはGPSが搭載されており、アプリなどを使ってその位置情報を取得することで、遭難者の居場所を特定するというもの。
しかし、遭難場所が通信エリア外や携帯電話が雪の中に深く埋もれた状況などでは、通信を確保できません。そこで、迅速に遭難者の携帯電話との通信を確保し、位置を特定する手段として、気球基地局の利用が有効だと考えられているんです。

自然災害に山岳遭難救助。
もちろん使われないことが一番なのですが、万が一の備えとして心強い存在となりますね。

また、2016年5月に行われた実証実験では、新たに開発した気球基地局で従来の2倍の伝送速度を実現。音声通話の同時接続ユーザー数が、これまでの200ユーザーから、倍の400ユーザーまで拡大し、データ通信もより速く・たくさんのやりとりができるようになりました。

これからもさらに広がる活躍の場に期待大です!

(掲載日:2016年10月5日)

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