【桜至郎の競馬こばなし 縦〝桜〟無尽】美浦滞在にチャレンジの大久保友雅騎手 ニュージーランドでの武者修行で生じた考え方の変化とは

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12月から美浦滞在を決めた大久保友雅騎手

先週、美浦トレセンで取材しているとスタンドに見慣れないジョッキーの姿がありました。それはデビュー4年目の大久保友雅騎手(22)=栗・フリー=です。12月から美浦を拠点に騎乗するそうで、意気込みや1年半以上におよぶニュージーランドでの武者修行について話を聞きました。

「つながりを広げたかったですし、1、2年目のときに関東馬に乗せてもらうことが多かったので、新しい挑戦というか。海外に2年弱行っていたので(3キロの)減量もありますし、生かせたらなと思います」

明るい表情で語ってくれた大久保騎手。美浦トレセンを訪れたのは競馬学校1年時の短期研修以来だそうで「ちょっと空気が違いますね(笑)。けど、すぐなじめたらいいなと思います。美浦はいろいろと新しくなっていますよね。馬場も乗りやすいし、施設もいいなと思いました」と感想を教えてくれました。

昨年1月末から、ニュージーランドに武者修行へ。ヤングジョッキーズシリーズ騎乗のための一時帰国なども何度かありましたが、長期にわたって異国の地で研鑽(けんさん)を積んできました。なかでも海外特有の馬群のタイトさはいい勉強になったそうで、「列が決まっていて、ここに行っちゃダメとか、暗黙の了解みたいなのもあって。(調教では)馬の後ろに入れる(調教師からの)指示なども明確ですし、競馬はタイトかつスローペースなので、ポジション争いという面では学ぶことがたくさんありました」と話します。

「基本的に調教の頭数が20頭とかで、そのうえ競馬にも乗せてもらって。2歳馬だけでなく1歳馬もブレーキング(騎乗馴致)の段階から乗って、ジョッキーになってから経験することではないので、そういう面ではいい勉強になりました」

22年8月以来となるJRA勝利を収めた大久保友雅騎手=7日、中京競馬場(撮影・安部光翁)

貴重な経験を糧に一歩ずつ成長を重ね、ニュージーランドでは計8勝を挙げました。「ぼくたちは競走馬が競馬に行くために乗っていますけど、牧場でしっかり人がまたがるようになるまでも大変だなと(馴致の経験で)感じました。いろいろな人が携わっての競馬を実感して、最後に競馬で乗せてもらうジョッキーの仕事に誇りと責任を持ちました」と考え方にも変化があったそうです。

「減量があるうちに行っておいてよかったかもしれませんね。経験も積んできて、海外でも勝たせてもらえたので。(美浦滞在中の目標は)まず乗り鞍をいただくことと、ベストを尽くすこと。騎乗馬が集まればいいなと思います」

フレッシュ感がありつつも、武者修行を経験してどこか堂々とした風格を感じさせる大久保騎手。まずは1〜2カ月の滞在を予定しているそうですが、結果次第では長期的に滞在する可能性もあるそうです。そして、7日の中京7Rではさっそく関東馬のラーナローザで、2022年8月20日札幌6R(タマモベローナ)以来3年ぶりとなるJRAでの勝利を挙げました。今月はヤングジョッキーズシリーズのファイナルラウンド(18日園田、20日中京)出場も控えていますし、さらなる活躍に期待したいと思います。(東京サンケイスポーツ・吉田桜至郎)



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