(チャンピオンズカップ、2025年12月7日 15:40、GI、中京11R、ダート・左1800m)
チャンピオンズCはダブルハートボンドが制した。他の先行馬はみんな着外に沈んでしまったなか、強気に3番手から押し切り。前走・みやこSをダ1800メートルのJRAレコード(1分47秒5)で勝ったとはいえ、牡馬相手のGIでどうかと思っていたが、最後はその牡馬を競り落としたのだから恐れ入った。先週のジャパンCに続き、今回も上位2頭の一騎打ち。見ている側としては手に汗握るラストで、非常に満足度が高いレースだった。いいものを見せてもらった。坂井騎手はこのレース3連覇。今年はBCクラシックをフォーエバーヤングで勝ったが、今回もその時と同じ先行押し切りの競馬だった。腕達者なジョッキーだ。
ウィルソンテソーロは3年連続の2着。川田騎手は内ラチから離れず、最短コースをぴったりと回ってきた。このコースの特徴を理解しているからこその騎乗だったが、勝ち馬が強すぎた。
3着ラムジェットは外から素晴らしい脚で伸びてきたが、位置取り的に差し届かず。前走のみやこSも同じ形で4着だっただけに、もう少し前にいけるようになればさらに化けるのではないか。
メイショウハリオは見せ場たっぷりの4着。4コーナーで外から進出してきたときの脚は「これは...」と期待を抱かせるほどだった。8歳になっても一線級で戦えるとは素晴らしい馬だ。
1番人気のナルカミはまさかの13着。スタートでつまずいて内のシックスペンスに先に行かれてしまったのが痛かった。逃げ切りが続いていただけに、現状はハナに行かなければ厳しいのかもしれない。
■しかく柴田政人(しばた・まさと) 1948(昭和23)年8月19日生まれ、77歳。青森県出身。岡部幸雄、福永洋一氏らと同期で67年3月に騎手デビューし、95年2月の引退までに中央競馬通算1767勝、重賞89勝。ウイニングチケットで制した93年日本ダービーなど、数々の大レースに優勝した。調教師に転身して96年に厩舎を開業し、2019年の定年までに通算191勝を挙げた。サンケイスポーツで調教師時代から重賞観戦記『柴田政人の目』を連載中。
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