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昭和8年〜12年頃に撮影されたと思われる坂田郡米原町(当時)での写真です。土木工事らしい写真ですね。
多くの作業員が人力で山の斜面を掘り起こしていますが、パワーショベルやブルドーザなどの建設機械は見あたりません。それもそのはず、建設機械が登場するのはもっと後の時代になってから。日本では戦後になってからです。
奥に見えているのは鉄道の操車場です。皆さんがよく通っている道かもしれません。
答えは、米原警察署北側の国道8号付近の写真でした。これより先の西円寺交差点までは切土斜面の連続で、当時の大工事が忍ばれます。
写真には「指定府県道大津福井線改良工事 工費33,975円 請負人○しろまる○しろまる 昭和8年 農村匡救(きょうきゅう)事業そして施行 賃金80銭」との題がついています。現在の国道8号の呼び方は、道路法に基づき昭和27年に制定されたものです。
農村匡救事業とは、昭和4年に起こった世界恐慌による不況から、大いに疲弊していた地方農山村部を救済する目的で、昭和7年から3年間に渡って行われた公共事業です。
写真では地山の硬い岩が見えており、これを人力で掘削していくのは大変なものであったであろうことが想像されます。
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